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SYNTAX試験は以下のブログでとりあげました。
日本版SYNTAX その1(1/3)
http://blog.m3.com/reed/20090328/_SYNTAX_
日本版SYNTAX その2(2/3)
http://blog.m3.com/reed/20090329/_SYNTAX_
日本版SYNTAX その3(3/3)
http://blog.m3.com/reed/20090330/_SYNTAX_
SYNTAX試験 3枝病変・左主幹部病変に対する治療
http://blog.m3.com/reed/20090225/SYNTAX___3_
きょうは「SYNTAX糖尿病サブ解析について須磨久善氏に聞く」という記事で勉強しました。
日本はCABGでも先進国,SYNTAXスコアに基づいた適切な治療選択を
SYNTAX試験(N Engl J Med 2009;360: 961-972) は,左冠動脈主幹部(LMT)および3枝病変の冠動脈疾患ハイリスク症例において薬剤溶出性ステント(DES,SYNTAX試験ではパクリタキセル溶出ステントを使用)の冠動脈バイパス術(CABG)に対する非劣性が検討された。
結果は,再血行再建率がPCI群で有意に高く,PCIの非劣性は証明されなかったが,総死亡や心筋梗塞では同等の結果が示された。
今回ACC/SCAIで発表された糖尿病を対象にしたサブ解析では,インスリン治療中の糖尿病患者ではCABGが優るという結果であった。
心臓血管研究所スーパーバイザーの須磨久善氏は,SYNTAX試験は「現実の臨床に近い状態で実施された試験」と評価し,今後SYNTAXスコアに基づいた適切なリスク分析で治療選択が行われていくことを期待しているという。
1.SYNTAX試験への印象は?
SYNTAX試験の結果がここまで注目されている一番の理由は,患者登録における除外項目がないことだ。
今までの比較試験では,例えば,冠血行再建が必要とされた2万3,000人のなかから約5,000人が試験に適当と判断され,そのなかから約1,000人をランダム化して,CABG群500人とPCI群500人の比較ということが行われていた(RITA試験,Lancet 1998; 352: 1419-1425)。
両群の登録患者の背景が均質だったのは事実だが,「除外された4,000人はどこに行ったのか」「実際の患者のほんの一部で比較するのはおかしいのではないか」という指摘が続いていた。
それに対して,この試験では「左冠動脈主幹部(LMT)病変の患者は皆登録する」ということが基本姿勢で行われた。
現実に近い結果が得られたと評価される。
2.インスリン治療中の糖尿病ではCABG優位の結果だった点については?
インスリン治療を要する段階では,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)だけでは回復が無理ということが明らかにされた。
この結果は,RITA試験や先ほど発表されたメタ解析(Lancet 2009; 373: 1190-1197)と同じだ。
理論的にも,ステント治療は血管内に異物を入れる治療法であり,病変に対してアタックするPCIよりも健常部に新しい道を作るCABGの方がよいと考えられる。
3.糖尿病の進行とCABGの難易度の関係についてどう考えるか?
外科医の側からすると,糖尿病が進行すれば,やはり技術的には難易度が高くなる。バイパスでつなぐ必要のある箇所も増える。したがって,このようなハイリスク患者へのCABGについては,外科医の技量いかんということになるが,日本は左室形成術(SVR)だけでなくCABGにおいても先進国と言え,オフポンプバイパス術(OPCAB)が6割を超えている。
これは世界的にも高い数字だ。動脈グラフトの使用頻度もずば抜けて高く,特別な施設だけがOPCABを動脈グラフトで行ってきたということではなく,日本の平均値としてそのような高い技術のCABGが行われている。
RITA試験からは,糖尿病症例に対して,CABGがPCIに優る1つの条件として,内胸動脈の使用が挙げられた。
静脈グラフトを使用した場合はPCIと差があまりなかったことから,動脈グラフトが使用されるべきであるが,この点において,日本では適切に行われていると言える。
4.今回用いられたSYNTAXスコアは臨床上も有用と言えるか?
SYNTAXスコアは,病変を詳細に評価するものとなっており,一歩踏み込んだ現実的なスコアだと思う。
ユーロスコアを使用する施設が増えてきており,院内,院外にかかわらず最近の症例検討会では,ユーロスコアが用いられるようになってきている。
これをSYNTAXスコアにしていくことは難しいことではない。
5.SYNTAXスコアを用いることで患者の治療選択が変わっていく可能性は?
そこは,PCIとCABGの永遠のせめぎあいだろう。
一度のホームランで点をとるか,ヒットとバントでつないで1点を取るか,そこは患者さんの希望もある。
日本のPCI術者はそれに応える力を持っている。
一方で,「質のいい手術で,1回で終わりたい」という要望にも日本の心臓外科は応える実力を持っている。
いずれにしても,SYNTAXスコアが活用されていけば,3枝病変やLMTという括りではなく,個々の病変に見合った適切なリスク分析ができるようになるだろう。
一歩進んだインフォームド・コンセントが行われていくと期待できる。
出典 MT pro 2009.4.20
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
第30回欧州心臓病学会
〜SYNTAX試験〜
高リスク冠動脈病変でCABGに対するDESの優位性は証明されず
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?id=M41410321&year=2008&type=article
■SYNTAX※試験は,DESとCABGを比較した初のランダム化試験であり,左冠動脈主幹部(LMT)および3枝病変という冠動脈疾患高リスク症例においてPCIの非劣性を検証する目的で実施された。結果は,PCI群の再血行再建率が有意に高かったため,1次エンドポイントである主要脳心事故(MACCE)発生率もPCI群が有意に高く,PCIの非劣性は証明されなかった。
告した。
■試験は,欧州からの62施設と米国からの23施設が参加した多施設共同ランダム化比較試験(RCT)として行われた。
対象は,既にPCIが施行された症例や急性心筋梗塞後のクレアチンキナーゼ高値例などを除くLMTおよび3枝病変。対象者の手術リスクについてはEuro SCOREで,病変部の性状についてはこの試験で新たにスコア化されたSYNTAXスコアで評価された。
ランダム化試験への参加が原則だったが,スコア評価によってPCIあるいはCABGのどちらかが不適と判断された場合は,レジストリ調査に登録される全例登録試験として実施された。
なお,PCI群には全例にパクリタキセル溶出ステントが留置された。
■1次エンドポイントでPCI群の95%信頼区間下限がCABG群と比較して6.6%を超えて増加していたため,試験の仮説であるCABGに対するPCIの非劣性は証明されなかった。
■今回の試験にはLMT病変が約3分の1含まれていたが,同病変のMACCE発生率はPCI群が多い傾向(15.8%対13.7%)にあった。しかし,病変数別の解析では,LMT病変のみ,またはLMT+1枝病変については,PCI群のMACCE発生が少ない傾向が認められ,LMT病変+2枝病変以上,および3枝病変については逆の結果となった。
■対象者の28%を占めた糖尿病患者に限定してMACCE発生率を比較すると,PCI群が有意に高値だったが(26.0%対14.2%,P=0.0025),非糖尿病患者のみの比較では両群間に有意差はなかった。
■試験対象者3,075例のうち,レジストリ調査に回った患者は全体の約4割で,この大半に当たる1,077例にはCABGが施行された。
PCIレジストリの対象は198例だった。
■レジストリ調査のCABG群とPCI群の患者背景を比較すると,PCI群のほうが高齢で心筋梗塞の既往や糖尿病,不安定狭心症の割合が高かった。
■また,同調査のPCI群は分岐部病変が64.4%を占めたが,これはRCTにおけるPCI群の2.5倍以上に相当した。
■12か月後のMACCE発生率はPCI群20.4%,CABG群8.8%で,総死亡はそれぞれ7.3%,2.5%であった。
読んでいただいてありがとうございます。
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他に
ふくろう医者の診察室
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(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
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「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
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があります。