戯れ言たれる侏儒
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< スタチン系薬と総死亡率 | メイン | 糖尿病患者の冠血行再建法 >

耐性リスクのない硝酸塩

戯れ言たれる侏儒 / 2009.04.21 00:10 / 推薦数 : 0

硝酸剤の持続使用の際の耐性についてはすでに周知のことです。
しかし、実際にどれだけの先生方が内服や貼付剤で間欠処方を徹底されてみえるのでしょうか。
かくいう私は、硝酸剤の間欠使用は患者さん側からの不安感が強く、特に貼付剤については「貼っているほうが安心だから」という言葉に甘えて処方を続けているのが実情です。
要するに、間欠投与にする勇気とムンテラの手間暇がないというのが理由であります。
硝酸剤を漫然と使用していて、はたして効果が本当にあるのかどうなのか。
このことは抗血小板剤についてもいえることです。
抗凝固剤と異なり、効果判定の手立てを持たない(血小板凝集能検査は行わない前提で)抗血小板剤は、ある面”便利”でもあります。
このあたりに持続性硝酸剤と抗血小板剤との共通点があるような気がします。
要するに、医師側の(言葉は悪いのですが)自己満足的な面があるとも思えるのです。

さて

急性冠症候群の診療に関するガイドライン(2007 年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_yamaguchi_h.pdf
 

では硝酸薬に関しては以下のごとく記述されています。

 

「硝酸薬は24時間以上持続投与する場合には、血行動態効果に対する耐性出現が問題となる。
24時間を超えて静脈内持続投与が必要な患者では、効果を持続するためには投与量を定期的に増量する必要がある。
一方、経口投与については間欠投与により耐性を作らないよう努力すべきである。」


硝酸薬の耐性は長期投与だけかと思っていたのが24時間で出現するとは・・・。
 

血管内皮機能の保持を確認
■大部分の硝酸塩は,短期間のうちに耐性を生じさせるという点で冠動脈性心疾患(CHD)の持続療法には適していない。
しかし,ヨハネス・グーテンベルク大学病院(マインツ)のAscan Warnholtz講師は「四硝酸ペンタエリスリット(PETN,Pentalong®)にはこれは当てはまらず,同薬の投与によって血管内皮機能や抗酸化能が損なわれることはない」と第15回PETN専門家会議で解説した。

長期使用でも内皮機能は低下せず
ニトログリセリン(NTG)などの硝酸塩は酸化ストレスを誘発する。
一酸化窒素(NO)は直ちに中和され,酸化ストレスによって生じた酸素ラジカルが,硝酸塩を生物学的に活性化させる酵素を不活化する。
したがって,長期的には硝酸塩は血管内皮機能を低下させ,虚血を助長することになる。
これに対してPETNは,抗酸化機序を活性化させるため酸素ラジカルはほとんど生じない。
 
■ランダム化二重盲検PENTA試験では,臨床的に安定したCHD患者80例を対象に血管内皮機能に対する同薬の作用が検証された。
二次的なパラメータとして,NTGによる血管拡張,アルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)の活性,抗酸化作用を有する蛋白および炎症性蛋白の濃度が設定された。
 
■患者には標準薬剤に加えてPETN(80mg/回を1日3回)またはプラセボを8週間投与した。
その結果,試験終了時点でNTGによる血管拡張に群間差は見られず,PETNの長期使用は血管内皮機能の低下にはつながらないことが示唆された。
 
■Warnholtz講師は「NTGによる血管拡張の程度は8週間のPETN療法後に有意に増大していたので,交叉耐性は生じないようだ」と指摘。
ALDH2酵素の活性などの他のパラメータにも変化は認められなかったという。

出典 MT pro 2009.4.16
版権 メディカル・トリビューン社

 

<硝酸薬・耐性 関連サイト>
硝酸薬の耐性
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/tootake/1989515.html
■血圧と心拍数に対する耐性は早期に出現しますが、抗狭心症作用は耐性が生じにくい
■従来より、長期間のニトログリセリンの持続貼付では硝酸耐性が急速に生じるため、有効性が小さいとされており、心事故の原因として硝酸耐性の完成とともに、硝酸剤治療中の神経内分泌活性増大、間欠療法中の貼付剤除去後のリバウンド、冠動脈の過収縮が考えられています。
■従来より、長期間のニトログリセリンの持続貼付では硝酸耐性が急速に生じるため、有効性が小さいとされており、心事故の原因として硝酸耐性の完成とともに、硝酸剤治療中の神経内分泌活性増大、間欠療法中の貼付剤除去後のリバウンド、冠動脈の過収縮が考えられています。

硝酸薬耐性を回避する方法
http://www2.eisai.co.jp/essential/n/qa/qa807.html

フランドルテープ Q&A Q参考解説http://www.toaeiyo.co.jp/jyunkanki/FTP_QA/sannko/ftp_qa_kaisetu.html
<番外編>
ICU患者への強化血糖コントロールで死亡率が上昇
■集中治療室(ICU)に収容された重症患者に対する強化血糖コントロールが死亡率上昇と関係することを示す大規模国際試験(NICE-SUGAR Study)の結果が,New England Journal of Medicine の3月26日号に発表された。
 
■重症患者における目標血糖値の最適範囲は明らかにされていない。
同試験では,ICUでの治療が3日以上必要と考えられる成人患者を入室後24時間以内に強化血糖コントロール群(目標血糖値81〜108mg/dL),または標準血糖コントロール群(同180mg/dL以下)にランダムに割り付けた。
主要評価項目は90日以内の全死亡とした。
 
■90日目の主要転帰に関するデータが得られたのは強化群3,010例,標準群3,012例で,両群の登録時特性は同等であった。
解析の結果,90日以内の死亡率は標準群が24.9%(751例)であったのに対し,強化群では27.5%(829例)と高かった〔オッズ比(OR)1.14,P=0.02〕。
外科と内科患者で死亡率に有意差はなかった(強化群の死亡ORは外科患者1.31,内科患者1.07,P=0.10)。
 
■血糖値40mg/dL以下の重度低血糖の発現率は標準群の0.5%に対し,強化群では6.8%と高率であった(P<0.001)。
ICU在室日数,在院日数,人工呼吸器装着日数などの中央値は両群間で有意差はなかった。

NICE-SUGAR Study Investigators N Engl J Med 2009; 360: 1283-1297.

出典 MT pro 2009.4.16
版権 メディカル・トリビューン社

 

<きょうの一枚のCD>

http://www.barks.jp/cdreview/?id=2000517381

 

<自遊時間>
先週の土日を利用して山小屋に行ってきました。
標高1650mのところです
暗くなってから現地に到着したのですが、車の目の前を鹿の親子が横切って行ったのには少しびっくりしました。
当夜は気づかなかったのですが、翌朝に見ると所々雪が残っていました。
帰り道は桜がちょうど満開で、遅めの春を楽しむことが出来ました。
 

 


隣りの山小屋の日陰にはまだ名残り雪が。
2009.4.18


山小屋の敷地内の「たらの芽」の赤ちゃんです。
2009.4.18


山の麓では桜が満開です。
2009.4.18

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