戯れ言たれる侏儒
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うっ血性心不全の腎機能悪化には、心拍出量の低下よりも静脈うっ血が直接的に関与?
重度非代償性心不全の人に起こる腎機能の悪化は、心拍出量よりも、静脈うっ血が関与していることが判明した。
これまでは、心拍出量の低下が、こうした患者の腎機能悪化の主な原因であると考えられていた。
米国Cleveland ClinicのWilfried Mullens氏らの研究で、明らかになった。

腎機能悪化群で入院時中心静脈圧が有意に高値
Mullens氏らが試験対象としたのは、重度非代償性心不全の入院患者145例。
被験者に、肺動脈カテーテルを挿入し、集中内科治療を行った。
腎機能悪化の定義は、血清クレアチニン値が0.3mg/dL以上とした。

被験者は、平均年齢57歳、心係数平均1.9 L/min/㎡、左室駆出率は平均20%だった。

おもな結果は以下のとおり。
●腎機能悪化が見られたのは、40%にあたる58例だった。
●腎機能悪化が見られた群の入院時の中心静脈圧は、平均18(標準偏差7)mmHgで、見られなかった群の平均12(同6)mmHgに比べ、有意に高かった(p<0.001)。
また、集中内科治療の後でも、中心静脈圧は腎機能悪化群で平均11(同8)mmHgに対し、そうでない群は平均8(同5)mmHgと、高かった(p=0.04)。
●腎機能悪化の割合は、中心静脈圧が8mmHg未満に抑えられた群では、有意に低率だった(p=0.01)。
●中心静脈圧と腎機能悪化との関与は、収縮期血圧や肺毛細血管楔入圧、心係数、糸球体濾過量の値にかかわらず、存在した。

[監修者 自治医科大学 循環器科  苅尾七臣教授のコメント]
本研究は、これまでの概念とは異なる視点より臨床病態をとらえた点に、高い新規性がある。
すなわち、重症心不全でしばしば合併する腎機能の悪化は、低心拍出量による腎灌流が低下することによるとされていた。
しかし、本研究の仮説は、心不全による中心静脈圧の上昇により、腎静脈うっ滞により、腎機能障害が進行するというものである。

これまで、この仮説は、動物実験で確かめられていたが、ヒトで確かめられた点に新規性がある。
本研究では、心不全患者で中心静脈が入院時に上昇しており、治療経過中に中心静脈上昇が持続した群で、最も腎機能が悪化した。 
しかし、入院時に心係数が低下しており、治療によりそれが改善しても、腎機能の改善にはつながらなかったことから、腎機能の悪化には腎臓低灌流よりも、静脈うっ滞の方がより重要としている。 

日常診療においても、重症心不全の治療経過で血行動態が改善しても、腎機能の悪化が進行していくことがよくある。
心エコーで下大静脈の拡張や呼吸性変動の消失などの所見を確認して、その病態に静脈うっ滞が実際に関与しているかどうかを確かめてみたい。


Mullens W et al. J Am Coll Cardiol. 2009; 53: 589-596.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19215833?ordinalpos=74&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum

出典 Care Net.com 2009.3.16
版権 (株)ケアネット

 

 

中川一政   百日草

http://www.oida-art.com/buy/detail/5048.html


<番外編> 失敗談2連発
今週立て続けにミスがありました。

その1
Adams Stokes発作による失神を外出中に起こし、翌日の月曜日に当院を受診し、翌火曜日にある病院に紹介した60代の男性。
昨日の木曜日に病院から返事のFaxが届きました。
内容は「ご指摘のごとくS.S.S.に伴う失神発作と思われます。PMIを前提に諸検査を勧めていきます。尚、収縮雑音が聴かれましたので心エコー検査も予定します」
ドキッ。
当院には高血圧で通院中の患者ですが、一度も聴診器をあてたことがありませんでした。
昨日ホルターの結果を聞きに患者さんが来院されたのでおそるおそる聴診しました。
案の定、LevineⅢ°のはっきりした雑音を心尖部を最強点として聴取されました。
mid-click,late sysytolic murmurのようでひょっとしてMVPSかとも思いましたが、病院のファイナルアンサーが楽しみでもあり怖くもあります。
胸部レントゲンもそういえば最近とっていません。
リウマチ性MR,DCM,HCM,心サルコイドーシス、心アミロイド-シス・・・。
頭が混乱しそうです。

その2
昨日の午前中来院された70代の女性。
日曜日に日帰りの旅行に行き、しんどくて旅行から帰って1日中寝ていたということで火曜日に来院されました。
何を聞いてもしんどいの一言。
至急で検査をオーダーして点滴をして帰って貰いました。
水曜日に来院され、生化学の検査でGOT優位の肝障害。
アルコールも飲まない人なのに何だか変だなと思いながら、本人が日頃通院中の大学病院の消化器内科に「肝障害」として紹介しました。
木曜日に返事が届き、その内容を見てびっくり。
穴があったら入りたいような結果が書かれていました。
「CK,LDHも上昇し、心電図でⅡ、Ⅲ、aVFにST上昇がみられることより急性下壁梗塞と診断し循環器内科へ転科していただきました」
当院でオーダーした検査項目は「炎症セット」でCKもLDHも含まれていない内容です。
胸痛もなかったため、もちろん心電図もとっていません。

この大学病院は以前講師として勤務していたことがあり、現教授も昔からよく知っている先生です。

きっと今頃医局やポリクリ・教授回診(幸い春休み中)でネタにされていると思われます。
患者負担を思うあまり、最小限の検査を心がけた萎縮診療のなせるわざともいえますが、こんなわけで恥ずかしさは「その1」の2倍です。

先生方も「下壁梗塞」にはご注意下さい。

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
があります。

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