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第8回日本心血管カテーテル治療学会(会長 京大循環器内科・木村剛准教授 2008.11.23~25 京都 国立京都国際会館)
http://jacct8.umin.jp/indexj.html
のシンポジウムの記事で勉強しました。
DESの国内レジストリー調査が発表に
同学会のシンポジウム「レートブレーキングインターベンション研究」(座長=藤田保健衛生大学・尾崎行男教授,済生会熊本病院循環器内科・本田喬特別顧問)では,j-Cypherから薬剤溶出ステント(DES)導入3年後の成績が示されたほか,J-CTOから完全閉塞性病変(CTO)の院内成績が報告された。
~ j-Cypher ~
欧米と比べて低い遅発性血栓症発症率
日本におけるシロリムス溶出ステント(SES)のレジストリー調査,j-Cypherを会長の木村准教授が報告した。
■欧米と同様に,日本でも30日以降に発症する遅発性ステント血栓症は3年経過しても持続していることが明らかとなったが,日本の遅発性ステント血栓症発症リスクは年率0.28%と欧米と比べて低率に推移することが示された。
ステント血栓症は抗血小板薬中止直後には発症せず
■ j-Cypherは国内41施設のSES植え込み患者連続1万5,155例を対象にしたレジストリー調査で,追跡率は1年後97%,2年後82%,3年後75%となっている。
解析対象は1万2,824例。登録症例の平均年齢は68.4歳,80歳以上が13%,糖尿病症例が41%を占めた。
■SES植え込み後30日以内のステント血栓症は1万7,050病変中43病変のみ(0.25%)で,その後は1年後が0.61 %,2年後0.84%,3年後1.18%だった。30日後から3年後までの発症年率は0.28%で,木村准教授は0.6%と報告されたロッテルダムスタディを例に挙げ,「欧米と比較するとかなり低率」と述べた。
■30日以内の血栓症リスクを規定する因子としては,緊急手技を要する急性冠症候群が1.88倍と有意に高くなっていたが,イベント発生症例数が少ないため解析は困難であったという。
一方,30日以降の遅発性ステント血栓症の規定因子については,透析が1.91倍,末期腎不全の非透析が1.81倍となっていた。
■ステント血栓症発症時の抗血小板療法の実施状況については,2剤の併用療法を実施していた患者が30日以内で9割を占め,1年以降も4分の1が服用を続けていた。
■ステント血栓症発症時期を抗血小板療法中止後で見ると,1週間以内がわずか2例で,ほとんどが数週間以降となっていたことから,同准教授は「中止期間を短縮することが重要」と述べた。
低リスク患者の再血行再建は低率
■SES植え込み後の再血行再建率は1年後が5.5%,2年後が8.0%,3年後が9.8%だった。登録症例のうちベアメタルステント(BMS)植え込み患者1,259例における1年後の発症率14.1%と比べてSESのほうが有意に低くなっていた。
しかし,1年以降3年後までの再血行再建の年率は,BMSの1.4%に対してSESは2%強となっていた。
■木村准教授は「SESの再血行再建術が臨床症状に基づくものであれば問題」と述べたが,実際には,血管造影をルーチンで実施している施設の再血行再建率が高い傾向にあったことを補足した。
■再血行再建の予知因子の解析では,透析,分岐部病変に対する2ステントの使用,入口部の右冠動脈,病変長30mm以上などが危険因子として同定された。
これら再血行再建術の危険因子を除外した低リスクグループで再解析したところ,SESの1年後の再血行再建術は2.5%にとどまっていた。
■コメンテーターの小沼芳信氏(オランダ・ソラックスセンター)は日本でステント血栓症の発症リスクが低い背景について,血管内超音波(IVUS)ガイド下による施術の割合が高い点や,血小板薬の使用期間が長くコンプライアンスがよい点を挙げた。
また,再血行再建率が比較的高い確率であった点については「血管造影による追跡がどの程度寄与していたのかに興味が持たれる」と述べた。
~ J-CTO ~
慢性完全閉塞に対するPCIの成功率は8割超
■かつては成功率が低いとされていた慢性完全閉塞(CTO)病変も,デバイスの進化やガイドワイヤ手技の標準化により初期成功率が上昇してきている。
このCTO病変を見るレジストリー調査のJ-CTOは,遠隔期成績の評価を目的に開始された。
その初の発表として東海大学内科学系の森野禎浩講師は,連続登録による実地臨床に近い調査においてCTO病変に対するPCI成功率が87%であったことを報告した。
良好な院内成績
■J-CTOには,国内12施設が参加し,2006年4月〜07年12月のCTO病変連続498例が対象となった。
使用されたステントは,当時DESで唯一認可されていたシロリムス溶出ステント(SES)が主だった。一次エンドポイントは5年生存率で,二次エンドポイントにガイドワイヤクロス率,PCI成功率,再狭窄率,主要心事故などが予定されている。
1症例で複数のCTO病変にPCIが植え込まれた場合もあり,解析された病変数は542病変であった。
■PCI施行前に症状を有する症例は約7割で,糖尿病が約43%,クレアチニン1.7mg/dL以上が2.5%,透析例が4.3%,左室駆出率40%未満の収縮不全が14.7%含まれていた。
病変は,左前下行枝が35.8%,右冠動脈が44.3%だった。また,PCIの再施行が全体の1割程度を占めた。
7フレンチのワイヤが8割強を占めており,大腿部からの挿入が9割だった。ガイドワイヤの使用本数は平均4本(1〜10本)となっていた。
■全体のガイドワイヤクロス成功率が87.3%,最終的な病変成功率が86.1%と高率だったが,PCIを再施行した56枝に限ると,それぞれ71.4%,67.9%となっていた。
院内成績については,総死亡0.4%,心筋梗塞0.4%のみで,血栓症や脳卒中はなかった。合併症についても輸血を要したのが8例,緊急PCIが2例,アクセスサイトの出血は1例のみであった。
CTO難易度のスコア化へ期待
■ガイドワイヤの操作時間は,10分以内が2割,30分以内が約半数となっており,3時間超は2.4%にとどまっていた。
平均操作時間は成功例で40分,失敗例で98分だった。
レトログレードやシーソーワイヤリングなど,複雑な手技が重なるほどにサクセスルートに要する時間がかかり,成功率が低下することが示された。
しかし,レトログレードの場合でもリエントリー部分を通過した症例では90%の成功率が認められた。
開始時からレトログレードが予定されているものが6割近くあったが,この点について,森野講師は「豊富な経験を有する術者が施行した点が反映されているのではないか」と指摘している。
■また,30分以内にガイドワイヤが病変部を通過した47.7%について規定因子を検出したところ,病変長10mm以上,石灰化病変,再施行,病変部の屈曲,入口部のスタンプ構造の順であった。
これら5因子がすべて該当しない場合は約85%が通過していた。逆にこれらの因子が重なるほど30分以内の通過率が低下し,すべての因子を有する場合は通過率が0という結果であった。
■同講師は「今後解析を積み重ねることによって,CTO病変の難易度がスコア化できるのではないか」と期待を述べた。
出典 Medical Tribune 2009.3.5 (一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社

伊藤清永 朝のノートルダム
http://www.itoh-museum.jp/itoh/work.php
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
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「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
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があります。
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