戯れ言たれる侏儒
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解剖学的評価としてのOCT

戯れ言たれる侏儒 / 2009.03.14 00:15 / 推薦数 : 4

「より詳細で客観的な冠動脈狭窄病変の評価を」
という記事で勉強しました。
きょうはOCTで、そして明日はCFR,FFRを勉強する予定です。


解剖学的評価としてのOCT,生理学的評価におけるCFR,FFR
■冠動脈狭窄病変の診断は,狭窄の有無や重症度を形態学的に判定する解剖学的評価と,狭窄に起因する心筋虚血の有無やその程度を客観的に判定する生理学的評価によってなされている。
 
■解剖学的評価の従来からの方法は冠動脈造影(CAG)だが,近年では血管内超音波(IVUS)や血管内視鏡などが加わり,評価の精度は著しく向上した。
さらに,光干渉断層法(OCT)も登場し,プラークの性状が詳細に評価できるようになってきた。
 
■機能的評価の方法には負荷心電図や心エコー,核医学検査などがあるが,これらは解剖学的評価と同時に施行することが困難で,緊急時の診断には生かせないという欠点があった。
しかし,最近ではドプラガイドワイヤ(DGW)や圧ガイドワイヤ(PGW)が開発され,解剖学的評価と同時に生理学評価を行うことが可能になってきた。
DGWやPGWで求めた冠血流予備能(CFR)や心筋血流予備量(FFR)という生理学的指標は,冠動脈狭窄病変の診療を,より客観的なものにすることが期待されている。
 

和歌山県立医科大学循環器科の赤阪隆史教授
不安定プラークの性状のより詳細な把握を可能にするOCT
■冠動脈病変の新しい解剖学的評価法であるOCTは,その高い解像度が不安定プラークの詳細な評価を可能にするだけでなく,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応の決定や治療効果の判定にも有用である(赤阪教授)。

■さらにDGWを用いて求めたCFRは,冠微小循環を含む冠循環全体として血流が十分に保たれるかどうかを示す指標であり,PCI後の予後予測にも生かすことができる。

 

OCTの最大の特徴はIVUSの10倍の高い解像度
■OCTは約1,300nmの波長の近赤外線を用い,その干渉効果を利用して冠動脈の断層像を描出する画像診断法。
OCTの最大の特徴はその高い解像度で,IVUSの解像度が100~150μmであるのに対し,OCTは10~15μmと10倍優れている。
そのため,IVUSでは不可能であった血管の内膜・中膜・外膜の判別が可能で,プラークの性状や線維性被膜の厚さなども同定できる。
 
■OCT画像では,動脈壁の線維性組織は高信号の均質な像として描出される。
一方,脂質を多く含む部分は低信号で境界不鮮明な像,石灰化部分はやはり低信号であるが境界明瞭な像として描出される。

■OCTはIVUSに比べて,脂質を多く含む部位の判別に優れており,脂質コアを有する不安定プラークの観察により適している(赤阪教授)。
 
■不安定プラークの組織学的特徴として,
(1)陽性リモデリングを呈し,
(2)偏在性の動脈硬化巣で,
(3)脂質に富んだ組織で,壊死したコアを有し,
(4)薄い(<65μm)線維性被膜に覆われ,
(5)その一部は破裂しているか潰瘍の形成が認められ,
(6)破裂や潰瘍に伴って形成された血栓が付着しており,
(7)線維性被膜またはその近傍にマクロファージの集簇が認められる
などが指摘されている。

■同教授は急性心筋梗塞30例を対象に,虚血再灌流後にそれぞれ血管内視鏡,IVUS,OCTにて病変部を観察し,各画像による不安定プラークの特徴の検出率を比較した。
その結果,プラークの破綻と潰瘍は,血管内視鏡では対象の47%と3%,IVUSでは40%と0%に認められたのに対し,OCTでは73%と23%に認められ,血管内視鏡やIVUSに比べてOCTは,プラークの破綻や潰瘍の検出力に有意に優れることが示された(図1)。
また,同じ検討から,OCTは血栓の検出力にも有意に優れることが示された。

 

新生内膜形成の的確な評価も可能に
■OCTによる冠動脈壁構造の評価は,治療効果の評価にも有用である。薬剤溶出性ステント(DES)留置6か月後の検討では,新生内膜形成が認められても100μm以下のものが64%を占めており,これらはIVUSでは観察されず,OCTでのみ観察が可能である。

■DES留置後は,新生内膜形成の抑制が遅発性のステント血栓症を引き起こす可能性が指摘されており,その予防のための抗血小板薬投与が欠かせない。
しかし,それをいつまで続けるかの正確な判断ができないことが大きな問題となっている。

■OCTを用いた新生内膜形成の鋭敏な評価は,この問題を解決する決定的な手がかりを提供する可能性がある(赤阪教授)。

■OCTは,ステント留置後のフォローアップ期間におけるステントの圧着不全,ストラットの不整合配置,組織のはみ出し,ステントのエッジ裂開などの評価においても,高い有用性を発揮する可能性がある。

■OCTでは赤血球があると光が遮断されるため,観察時に血流を30秒間ほど遮断する必要がある。
このための手技の煩雑さが欠点とされていたが,そうした煩雑さを解消した次世代のOCTも開発されつつある。

■冠動脈狭窄疾患に対するOCTは,わが国では2007年9月に使用が認められ,2008年10月からは保険適応も得られた。
現在,わが国では100台程度が導入され,20台程度が常時稼働しているものと思われる。
 
■OCTは冠動脈壁のより詳細な観察を可能にしたが,それだけに画像の読み取りにも新しい知識と技術が必要。
しかし,多くの医師がこの知識と技術を習得したとき,冠動脈狭窄病変の診療はまた一歩,進展しているものと思われる(赤阪教授)。。

#CFRは微小循環を含む冠循環全体の血液供給能を示す
■DGWは,心外膜冠動脈内の血流速度を測定できる超音波探触子(12MHz)を装着した,直径0.014インチの細径のワイヤである。
超音波探触子はワイヤの先端に装着されており,前方に約30度の角度で超音波パルスドプラビームを発信し,冠血流速波形をリアルタイムに記録する。
DGWで記録された冠血流速パターンを分析することにより,種々の疾患の病態生理や冠循環動態を知ることが可能となる(図2)。
 


■CFRとは,心筋酸素需要の増大に対応して冠血流量を増大させうる能力を表す指標で,安静時に対する最大反応性充血時の冠血流量の比として求められる。
最大充血は冠細小動脈を最大拡張するパパベリンやアデノシンなどの薬物を負荷し,薬物負荷最大充血で代用している。
ここで計測部の血管径が変化しなければ,血流量と血流速は直線相関することから,CFRは最大充血時/安静時の時間平均冠血流速比で求めることができる。
 
■CFRは健常例では4.0程度で,微小循環障害がなければ40~50%狭窄から低下し始め,有意狭窄(>75%)では2.0未満となる(図3)。

 

■赤阪教授は臨床例において,CFR 2.0をカットオフ値に設定した場合,CAG上の狭窄率70%以上の狭窄病変をどの程度の精度で診断することができるかを検討している。

■その結果,冠微小循環障害のない症例では感度92%,特異度92%で狭窄病変の診断が可能であり,CFRが臨床における虚血診断に有用であることが証明された。
 
■ただし,CFRは心外膜冠動脈に明らかな狭窄病変がなくても,心肥大や糖尿病などの冠微小循環障害を来す疾患がある場合には低下する。

■CFRは単に心外膜冠動脈狭窄病変による冠血流障害の程度を表す指標ではなく,心外膜冠動脈と冠微小循環を合わせた冠循環全体として血流が十分保たれるか否かを示す指標と言える(赤阪教授)。。
 
■DGWにより求めた冠動脈狭窄率やCFRを用いて,PCIの効果判定を行うことが可能である。

■DEBATE研究では,解剖学的評価である径狭窄率と生理学的評価であるCFRをそれぞれ単独で用いるより同時に用いるほうが,経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の予後予測により優れることが示され,PTCA後の径狭窄率36%未満でかつCFR 2.5超の症例は,再狭窄率,半年以内の心事故発生率が低いことが明らかにされている。
 
■DGWで記録された冠動脈血流速波パターンを分析することで冠循環動態を詳細に知る方法としては,CFR以外にもいくつかの方法が提唱されている。

出典 Medical Tribune 2009.2.26
版権 メディカル・トリビューン社

 

<自遊時間>
3月恒例の日循総会が近づきました。

JCS2009 - 第73回日本循環器学会総会・学術集会
2009年3月20日(金・祝)・21日(土)・22日(日)
http://www2.convention.co.jp/jcs2009/jpn/outline.html

大学や病院勤務の先生方の多くは、学会に参加される先生も多いことと思います。
開業医の私にとっては、現在は総会も専門医更新のための単位取得の場と化しています。
要するに気楽であり他人事であります。

しかし、私自身もそうでしたが博士号取得のために頑張ってみえる先生にとっては自分の演題が採択されるかされないかは大きな問題です。

最近、抄録集が郵送されて来ました。
ブログを始めるまでは、余り手にもしなかったのですが、最近はパラパラと目を通すようにしています。

私自身はきわめて世俗的な人間なのでつい大学や病院別の演題採択数を調べてしまいます。
数が勝負の世界ではないのですが、採択数で大学なら教室の「勢い」がある程度わかると思うからです。

そんなことで、いつも物事の上っ面しか見れない自分を情けなくも思い反省もするのですが。

 

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。

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