戯れ言たれる侏儒
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CORONA Study

戯れ言たれる侏儒 / 2009.03.07 00:10 / 推薦数 : 0

CORONA Studyはスタチン研究における未解明の重要な問題に取り組むためのGALAXYプログラムの1つということです。
これまでこのプログラムには世界55カ国から6万9000例を超える患者がエントリーしているということで世界規模の大規模臨床試験です。

CORONA Study自体はそれほどホットな話題ではありませんが、なかばGALAXYプログラムをとりあげてみたくて半ば強引に勉強しました。

 

さて、この製薬メーカーの、このプログラムに関する広告はなかなか素敵です。

宇宙を大きなテーマとしてよくもいろいろなトライアルの頭文字をつけるものだと感心します。
なんだかすごいコンセプトでやっているという一貫性を感じてしまいます。
それこそメーカーの思うつぼでしょうが。

それにしても、知見の名前って誰がつけるのでしょうか。
まさか電通や博報堂なんてことはないんでしょうが。

心不全患者の心血管死予防におけるストロングスタチン追加効果
Controlled Rosuvastatin Multinational Study in Heart Failure

強力なLDL-C低下作用を有するロスバスタチン(商品名;クレストール)が、冠動脈のアテローム退縮に有効であることは、METEOR StudyやASTEROID Studyで示されている。それらの知見を受けて、今年、米食品医薬品局(FDA)はロスバスタチンに「アテローム性動脈硬化の進展を抑制」という新たな適応を承認した。

アテローム性動脈硬化の終末像の1つといえる心不全に対し、ロスバスタチンを追加することで、心血管死をどの程度抑制することが可能か─。

この問いに答えるべく実施されたCORONA Studyの結果が、2007年11月、米国心臓協会(AHA)学術集会で発表された。

その結果、1次エンドポイントである心血管死+心筋梗塞+脳卒中の発症は、有意差は得られなかったもののロスバスタチン群で減少、また心血管死と、心不全による入院数は、有意な減少が認められた。
虚血性慢性心不全患者にロスバスタチンを投与
■CORONA Studyは、虚血性慢性心不全(NYHA心機能分類II~IV度)、平均EF31%で、脂質低下薬が非投与あるいはその必要がなく、至適治療を受けている患者を対象に、21カ国で実施された。

■平均年齢73歳、女性24%。2~4週間のプラセボ投与後、ロスバスタチン10mg群(2514例)とプラセボ群(2497例)に無作為化した。

■1次エンドポイントは心血管死+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中(イベント発症までの時間)。
2次エンドポイントは全死亡、冠動脈イベント、心血管死、心血管イベントによる入院。追跡期間2.7年(中央値)だった。

■解析の結果、LDLコレステロール(LDL-C)値の推移を見ると、ロスバスタチン群では投与3カ月後から試験終了時まで、安定かつ有意な低下が認められた。
プラセボ群とロスバスタチン群との絶対差は、3カ月後-45%、15カ月後-41%、36カ月後-34%だった(ベースライン時の値は両群とも137mg/dL)。

アテローム性動脈硬化性イベントを抑制
■1次エンドポイントは、ロスバスタチン群692例(27.5%)vsプラセボ群732例(29.3%)。
両群間に有意差は認められなかったが、プラセボ群に比べロスバスタチン群で8%減少した。
心血管死の大半が突然死または虚血以外の原因によるものだった。

■スタチンにおいてベネフィットが示されている心筋梗塞および脳卒中などのアテローム性動脈硬化性イベントの発症は、ロスバスタチン群227例(9.0%)に対してプラセボ群264例(10.6%)と、ロスバスタチン群で抑制傾向が見られた(post hoc解析、図1)。

 
■また、入院数については、心血管疾患、心不全、それらを含む全ての原因のいずれにおいても、ロスバスタチン群で有意に入院数が減少した(図2)。

■さらに、安全性に関してもロスバスタチン群は心不全患者に対し良好な忍容性を示し、プラセボ群と同様の安全性プロファイルが認められた(表1)。
有害事象の頻度および種類は、試験期間を通じていずれの投与群にも大きな差は見られなかった。

 

 

心筋代謝が保たれた例でメリットが示される
■大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学の堀正二教授は、「CORONA Studyは、冠動脈プラークの安定化・退縮作用とともに、スタチンの多面的効果『抗炎症作用』、『内皮機能改善作用』の2つの効果を期待して実施された挑戦的なスタディである」とした上で、その結果について、「1次エンドポイントで有意差は得られなかったものの、心不全の悪化による入院は有意に低下し、心血管死の抑制傾向も示し、また安全性も確認されたことにより、ネガティブな結果ではない」と語る。

■サブ解析を見ると、ロスバスタチンが特に有効だと思われる症例がある。
BMIや血圧が高い例、EF30%以上の軽症から中等症、比較的若年例でロスバスタチンが有効だった(堀教授)。

■サブ解析では、BMIが26以上、収縮期血圧が122.5mmHg以上、拡張期血圧が73mmHg以上の群で、有意差が示されている。

■これらの症例は、心筋代謝が比較的保たれているため、ロスバスタチンによるメリットが示された可能性がある。重症例ではスタチン投与によるCoenzymeQ10の減少が心不全の悪化を助長するため、ベネフィットが得られないのかも知れない(堀教授)。

■まもなく結果が報告されるGISSI-HFではロスバスタチンのリスクとベネフィットをCORONAとは異なり、非虚血性心不全をも含めた対象で検討しているため、CORONAの結果を合わせると心不全治療におけるスタチンの効果がよりクリアになると思われる(堀教授)。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/ebm/topics/200804/506220.html

出典 NM online 2008. 4. 21
版権 日経BP社

 

<関連サイト>
以下は、文中の各Studyの寺本、堀量先生によるコメントです。

CORONA Study
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/aha2007/CORONA.html
一次エンドポイントに有意差はみられなかったが,完全にネガティブな結果だったわけではない。
有意差が出なかったのはイベント発症数が少なく試験全体の数が足りなかったことなどが考えられる。
突然死の抑制効果はないと思われるが,rosuvastatinは心不全悪化による入院を有意に抑制し,LDL-C,hs-CRPを下げ心筋梗塞や脳卒中も低下させているので期待は残る。
サブ解析をみると,有効性がみられるサブグループがある。
すなわちBMIや血圧が高い例,EF≧30%,つまり軽症~中等症の症例,そして,比較的若年(<77歳)である。スタチン系薬剤は脂質代謝に効果を及ぼす薬剤で,本試験で心不全治療に“代謝”という新しい要素が加わったと考えることもできる。
やはり心不全でrosuvastatinのリスクとベネフィットを検討しているGISSI-HFは,CORONAと違い拡張不全も含んでいるため,結果が発表されれば,本試験と合わせ心不全治療においてスタチン系薬剤を使用すべきか否かがはっきりすると思われる(堀)。

 高齢者・心不全患者に対し強力なスタチン(rosuvastatin)を用いて心血管死の抑制効果を一次エンドポイントにおいた挑戦的な試験である。
残念ながら,一次エンドポイントの有効性は示しえなかったが,非致死性心筋梗塞,脳卒中をほぼ有意に抑制したことは評価できよう。
また,入院を減少させ,とくに心不全による入院を減少させた点も評価できる。
最近のこのような臨床試験の問題点は致死的イベントが一次エンドポイントになっていることである。
本試験でも,利尿薬、ACE阻害薬/ARB,β遮断薬やアスピリンが多用されており,死にいたるイベントが予測より少ないのが現状であろう。
この点を十分認識して今後の臨床試験のあり方も検討する必要があろう。
一方,本試験で,高齢者かつ心不全という条件の悪い状態でもrosuvastatinの副作用が決して多くはないことが示され,あらためてスタチンの安全性が確認された点も評価できるものと思われる(寺本)。

ASTEROID Study
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002456.html
スタチン治療による動脈硬化病変に及ぼす影響をみた試験であるが,これまでの試験ではアテローマの進展抑制効果は認めたものの,退縮まで観察されたものは無かった。本試験では,新規スタチンであるロスバスタチンをわが国の常用量の約8倍である40mg/日を用い,LDL-Cを60mg/dLまで下げることにより,アテローマの退縮効果が観察された。これが,LDL-Cの低下に依存した効果なのか,ロスバスタチンの他の効果なのか今後の検討が必要である。特にHDL-Cが15%も上昇していたことは重要なポイントである。
また,わが国のESTABLISHという研究でも退縮効果が認められている。
わが国の特徴としてHDL-Cが高いことを考えると,HDL-Cが重要な役割を演じている可能性は否定できない。(寺本)

METEOR Study
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002559.html
rosuvastatinを用いた一連のGALAXYと呼ばれる臨床試験の一つである
GALAXYは「動脈硬化の発症に関与する脂質および炎症マーカーに対する効果」,「動脈硬化の進展抑制に対する効果」,「心血管疾患の発症率や死亡率の低下に対する効果」を評価する試験の三段階に分かれているが,METEORはこの2番目に位置づけられる。
強力なLDL-C低下で頸動脈病変の改善効果を証明しているが,本試験の特徴は,低リスク患者を対象にしている点である。
無症候性の頸動脈硬化をどのように評価するかという点と,このような低リスクの患者のLDL-Cを78mg/dLにすることに意味があるのかという点については今後の大きな議論を呼ぶものと思われる。
ここには,医療経済の問題も含まれており,慎重な議論が必要であると思われる。(寺本)

GISSI-HF
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002888.html
CORONA試験で慢性虚血性心不全に対してスタチンが予後改善を示さないことが報告されたが,非虚血性心不全も含む心不全患者でスタチン(rosuvastatin)が有効かどうか,本試験の結果が期待されていた。
しかし,GISSI-HF試験でもスタチンの効果は証明されなかった。
これまで,小規模の試験でスタチンが有効との報告は多くみられ,有効性のメカニズムとして脂質低下による冠血管イベントの抑制とスタチンの抗炎症性作用と考えられてきたが,CORONA試験とGISSI-HF試験の結果から,慢性心不全に対するスタチン投与は有効でないことが判明した。
本試験では,ACE阻害薬/ARBが92%,β遮断薬が64%,抗アルドステロン拮抗薬が39%に投与されており,このような神経体液性因子の抑制が充分にかかっている状態では,もはやスタチンの上乗せ効果がないものと考えられよう。
しかし,一方でn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)の投与は,心不全の予後及び入院の抑制効果を示した。
リスク減少は8~9%であり,あまり大きいものではないが,上記の標準治療を行った上での効果であることを考えると意義が大きい。
興味深いのは,本剤が心不全の増悪を抑制しており,それが心室性不整脈の抑制によることである。
脳卒中や心筋梗塞の抑制効果はほとんどないため,本剤の効果は抗動脈硬化作用とは考えにくい。
抗不整脈効果をもつ抗心不全薬として新しい分野が開けるかもしれない。(堀)

 


後藤 純男  春麗大和
http://www.kure-bi.jp/syozow/collection/japanese_style/2_7.htm
<自遊時間>
ネットで「立ち読み」まで出来るなんて知りませんでした。
ちょっと大袈裟ですが、ある種の感動さえ覚えました。
http://www.igaku-shoin.co.jp:80/prd/tachiyomi/00698/index.htm#

 

<きょうの一曲>
Wave - Gal Costa - English Subtitles
http://www.youtube.com/watch?v=12GpDr1AsrE&feature=related

 

 

 

 

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
 「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。

 

 

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