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< JSH2009でのARBの位置づけ | メイン | Lp(a) >
ちょっと前のことですが、ある病院で高脂血症に対してスタチンが使用されている患者さんが風邪で当院に来院されました。
顕著な浮腫と蛋白尿があるためネフローゼ症候群を疑いました。
診察時、「巨舌」もみられたためアミロイド腎を疑い、他の専門病院を紹介しました。
結果は私の診断どおりだったのですが、いきがかり上、最終的には在宅治療で最後を私が看取ることになりました。
前医が高脂血症のみに目を奪われてスタチンを投与していたわけですが、ネフローゼという認識があったかどうかは別としてスタチン投与は今からして思うとあながち間違った治療でもなかったかも知れません。
腎障害もあったためスタチンによる横紋筋融解症の発生も懸念してスタチンを打ち切ったのですが、先生方ならどうされますか。
きょうはCKDとスタチンで勉強しました。
慢性腎疾患患者へのスタチン投与は有効
CKDのステージとはかかわりなく心血管リスクを低減
■慢性腎疾患(CKD)患者に対するスタチンの有効性と安全性を評価した結果、スタチンはCKDのステージとは関わりなく、心血管イベントリスクを低減することが示された。
オーストラリアSydney大学のGiovanni F M Strippoli氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に2008年2月25日に掲載された。
■CKD患者は、心血管イベントリスクが高いことが知られているが、これには高血圧、糖尿病、喫煙などとともに脂質異常症が関与している。
また血中脂質量の上昇は、腎疾患の進行にも関係する。
しかし、CKD患者に対するスタチン投与が心血管系と腎臓に及ぼす影響を調べた研究は少ない上、結果にばらつきがあった。
そのため、各国の治療ガイドラインは、CKD患者のコレステロール値をどのように管理すべきかについて、共通する見解を示していないのが現状だ。
■そこで著者らは、CKD患者全体と、病気のステージごとに分類した患者(透析前、透析中、移植後)に対するスタチン投与の利益と害を調べるメタ分析を実施した。
■各種データベースから、CKD患者を対象に、スタチンとプラセボ、またはプラセボなしの結果を比較した研究、またはサブスタディを選出した。
対象は、無作為化試験と準無作為化試験とした。
■50件の研究(被験者は3万144人で、54件の比較を行っていた)が条件を満たした。
透析前患者を対象とした比較は26件、透析患者を対象としたのは11件、移植患者を対象としたの17件だった。
■プラセボに比べ、スタチン群では総コレステロール値が有意に低下していた。
■結果は不均質だったが、主にスタチンの種類とベースラインのコレステロール値に起因していた。
スタチンの種類は、アトルバスタチンとセリバスタチンの方が、他のスタチン系薬剤よりコレステロール降下作用が有意に高かった。
■スタチン群ではLDL-cも低く、作用はやはりスタチンの種類によって有意に異なっていた。
■総コレステロール値、LDL-c値については、病気のステージにかかわらず同等の利益が見られた。
HDL-c濃度にはスタチンの有意な影響は見られなかった。
■トリグリセリド濃度は有意に減少。
透析前患者と移植患者では差は有意だったが、透析患者では有意差は見られなかった。
■スタチンは透析前患者の蛋白尿も軽減していた。
しかし、クレアチンクリアランスには有意差は見られず、糸球体濾過率にも有意な改善は認められなかった。
■スタチン投与群では、致死的な心血管イベントが有意に少なかった。
CKDのステージにかかわらず、得られる利益はほぼ同等だった。
非致死的心血管イベントも有意に低減していたが、全死因死亡には有意な影響は見られなかった。
■有害事象のプロファイルはプラセボと同様で、肝機能検査値やCPKの異常、有害事象による脱落の頻度などに有意差はなかった。
以上のように、CKD患者に対するスタチン投与は安全で、CKDのステージとはかかわりなく血中脂質濃度を下げて心血管イベントを減少させることが示された。
腎臓保護効果については、データのばらつきや報告バイアスにより、明らかにすることはできなかった。
現在もCKD患者に対するスタチン投与の腎臓保護効果や心血管イベント、生存に対する影響を調べる無作為化試験が行われており、エビデンスの蓄積は続く見込みだ。
原題は
Effects of statins in patients with chronic kidney disease: meta-analysis and meta-regression of randomised controlled trials
出典 NM online 2008.3.11
版権 日経BP社
<関連サイト>
[PDF] 患者様へ 自主臨床試験 「維持血液透析患者におけるスタチン製剤による左室拡張能改善効果の検討」についてのご説明
http://plaza.umin.ac.jp/~kid-endo/rinshoshiken/sutachin-slide.pdf
規模は小さいながら、透析患者においてもスタチン系薬剤の有用性を支持する報告がなされています。
つまり、透析患者においても、スタチン系薬剤は有益であり、特に心臓の拡張能を保持する作用を持つ可能性が十分に考えられます。
スタチンは造影剤による腎障害を抑制
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/295536.html
<ある日の講演会の走り書きメモ>
JSH2009 その②
■自動調節能
本態性高血圧、多発性のう胞腎では(+)
腎炎・糖尿病性腎症では(-)
CKDの原疾患別にみた降圧レベルを設定する必要がある。
正常では、自動調節能が働き、糸球体内圧一定だが、
高血糖、糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧、インスリン抵抗性があると、自動調節能が破綻し、全身血圧依存性糸球体高血圧となる。
自動調節能により糸球体濾過圧は50mmHgという一定の圧に保たれている。
■毎年3月第木曜日は世界腎臓デー(ISN,IFKF)
今年は3月12日
■エプレレノンとRAS阻害剤の併用は注意(K上昇)
特にeGFR50以下の症例
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