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< 高血圧治療ガイドライン2009 その2(... | メイン | アルドステロン拮抗薬と重症心不全 >
フラミンガムスコアでは生涯にわたる心血管疾患リスクを予測できない
■広く利用されているフラミンガムリスクスコアに基づいて10年間の心臓発作または脳卒中のリスクが低いと判定された50歳以下の集団であっても、その半数は生涯的なリスクは高い可能性があるという。
■フラミンガムスコアは、数十年にわたる研究(フラミンガム心臓研究Framingham Heart Study)に基づくもので、年齢、性別、総コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、収縮期血圧、喫煙状況および降圧薬の使用という7つのファクター(因子)から、心臓発作や脳卒中などの心血管イベントリスクを評価するもの。
■米医学誌「Circulation(循環器)」オンライン版に1月12日に掲載された今回の研究では、約4,000人の被験者(いずれも50歳以下)のうち90%が、フラミンガムスコアにより心血管疾患の10年リスクが低いと分類された。
■しかし、年齢以外の因子を慎重に検討した結果、10年間のリスクは低いとされた人でも生涯にわたるリスクについては、高い群と低い群に分かれることが判明した。
コレステロール値や血圧などの古くから用いられる危険因子(リスクファクター)の差は、短期リスクではあまり違いがみられないが、長期リスクには極めて重要なものであったという。
■生涯リスクが高いと評価された群は、冠動脈のカルシウム蓄積量が多く、頸動脈の肥厚が有意に大きいことが判明。
(生涯リスクの高い群はアテローム性動脈硬化症の重症度および進行度が高かった)
■米エール大学(コネチカット州)臨床助教授のKevin M. Johnson博士らは、フラミンガムスコアでは冠動脈性心疾患の既往のない集団の心血管リスクを正確に予測できないことを明らかにした。
■この研究では、プラークによる動脈閉塞の可能性をみるのに、血管のCT検査が用いられた。
Johnson氏は、フラミンガムスコアの考え方に、CTスキャンなどによる新しいリスク評価法をどう組み込んでいくかが課題と指摘している。
■さらに別の研究では、フラミンガムスコアの基準に入らない85歳以上の集団について検討している。オランダ、ライデンLeiden大学メディカルセンターの研究グループによると、女性215人、男性87人を5年間追跡した結果、108人が死亡したが、フラミンガムスコアによる予測では偶然以上の的中率は認められなかったという。
(英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」オンライン版)
Health Day News 2009.1.12
http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=7211
Care Net.com 2009.1.23
全世界がフラミンガムスコアで良いのか?
英国人にとってはフラミンガムよりQRISKが有用
■心血管リスク推算には、米国のフラミンガムコホート研究に基づく算出法が広く用いられている。
しかし、人種差や社会環境の差を考えると、最適なリスク推算法は国や地域ごとに異なるのではないだろうか。
■ハイリスク者の同定に広く用いられているフラミンガムアルゴリズムは、ほとんどが白人を対象とした研究のデータを元に開発された。
社会的貧困やBMI、家族歴、高血圧治療などの危険因子候補は含まれていない上、米国で心血管疾患の罹患率が最高となった時期に作製された。
そのため、心血管疾患が少ない北欧の集団の場合、リスクを50%も過剰に推算してしまうという報告もある。
リスクの過剰な検出は、医療費上昇をもたらし、過剰治療と不要な副作用を人々に与えることになる。
■そこでスコットランドでは、社会的貧困度も組み込んだ「ASSIGNスコア」が開発された。
■英国でも、指導や治療の利益を得られる患者を選出し、過剰な治療を防ぐために有用な指標の必要性は高いと考えた著者らは、英国民のための新たな心血管疾患リスクスコア「QRISK」を作製、フラミンガム、ASSIGNと比較して、その有効性を確認した。
フラミンガムはリスクを35%過剰に予測、QRISKは0.4%のみ
■確認コホートの実際の10年リスクは女性が6.60%(6.48-6.72%)、男性が9.28%(9.14-9.43%)だった。
■QRISK、フラミンガム、Assignに基づいて、このコホートの10年リスクを推算、その値に基づいて10群に分け、実際に観察されたリスクと比較したところ、フラミンガムは、リスクを35%過剰に予測していた。
■ASSIGNでは36%過剰だった。QRISKはこれが0.4%で、過剰なリスク推算は最も少なかった。
リスクの過剰な算出は、いずれの方法でもリスクが低い方から3群で顕著だった。
■QRISKは、識別能力においてフラミンガムモデルと少なくとも同等で、校正能力はフラミンガム、ASSIGNよりも高いことを示し、現時点では、英国人の心血管リスク予測において最善の方法と考えられた。
原題「Derivation and validation of QRISK, a new cardiovascular disease risk score for the United Kingdom: prospective open cohort study」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200707/503894.html
<出典> NM online 2007.7.31
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200707/503894.html
<版権> 日経BP社
<参考サイト>
Framingham Heart Study
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2000011.html
(主たる研究成果が詳しく記述されています)
他に
ふくろう医者の診察室http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~ http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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