戯れ言たれる侏儒
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< 高血圧治療ガイドライン2009  その1... | メイン | フラミンガムスコアによる心血管疾患リスク... >

CKD合併高血圧として指針示す
■今回の改訂ではCKDの定義を明確にし,CKD患者では心血管リスクが高く,早期発見がきわめて重要である点が強調された。
■早期発見のため全高血圧患者で検尿と推算糸球体濾過量(eGFR)の算出を行うべきと明記された。
(日本人のeGFR算出式も盛り込まれた)
■腎疾患合併例に対しては,
(1)降圧目標の達成
(2)RA系の抑制
(3)尿アルブミン,尿蛋白の減少・正常化
―が3原則となる。
JSH2009にはCKD合併高血圧の治療計画が提示されるが,基本的には現行の慢性腎疾患合併例の治療計画と大きな変更はない。
■第一選択薬はACE阻害薬またはARBのRA系阻害薬で,降圧不十分な場合は利尿薬(GFR 30mL/分/1.73㎡以上にはサイアザイド系利尿薬,未満にはループ利尿薬),Ca拮抗薬を併用し,130/80mmHg未満,尿蛋白1g/日以上では125/75mmHg未満を目指す。
■透析患者に関しては,日本での明確な降圧目標はまだ示せないとして,SBP 120~160mmHgで死亡率が最も低いとの表記にとどまった。
■昨年7月に発行された日本腎臓学会・日本高血圧学会による「CKD診療ガイド高血圧編」では,第二選択薬について,
(1)体液過剰(食塩感受性)例には利尿薬
(2)心血管疾患高リスク例にはCa拮抗薬を,
第三選択薬は(1)にはCa拮抗薬,(2)には利尿薬
―と,病態に応じて指示している。
また腎硬化症,多発性嚢胞腎,間質性腎障害では糸球体血圧が全身血圧に依存せず,蛋白尿も軽度なことから,推奨降圧薬の種類を特に問わないという。

―糖尿病合併例―
130/80mmHg以上は原則降圧薬治療,第一次薬はRA系阻害薬
■糖尿病非合併のメタボリックシンドロームでは,(1)140/90mmHg以上の高血圧患者では層別化された中等リスク,高リスクに応じて高血圧治療を開始
(2)正常高値血圧(130~139/ 85~89mmHg)では生活習慣の修正から開始となる。
降圧薬はインスリン抵抗性改善効果の強いARB,ACE阻害薬を中心に用いる。
糖尿病合併のメタボリックシンドロームは,一段リスクの高い糖尿病患者の指針に従う。
 
■糖尿病合併高血圧の治療計画については,今回大幅な改訂が加わり,130/80mmHg以上では生活習慣の修正,血糖管理と同時に,原則として降圧薬治療を開始することになった。
この点も日本糖尿病学会との協議で焦点となり,「血圧が130~139/80~89mmHgで生活習慣の修正で降圧目標を見込める場合は,3か月を超えない範囲で生活習慣の改善により降圧を図ることができる」との注釈を治療計画の図に加えられた。
 
■第一次薬からはCa拮抗薬が外れ,ACE阻害薬,ARBのRA系阻害薬2種類となり,第二次薬にCa拮抗薬,利尿薬を同列に位置付けられた。
第一次薬の決定は,腎保護や糖尿病新規発症抑制効果ではCa拮抗薬よりRA系阻害薬が優れるとの判断に基づかれた。

―高齢者―
最終降圧目標は140/90mmHg未満,150/90mmHgは中間目標に
■JSH2009の高齢者高血圧の治療計画では,現行通り最終降圧目標は140/90mmHg未満に据え置かれるが,75歳以上の後期高齢者でSBP 160mmHg以上の場合,暫定的降圧目標とされる150/90mmHg未満を中間目標と改めることを明らかにした。

■合併症のない場合の第一選択薬はCa拮抗薬,ARB,ACE阻害薬,少量の利尿薬と変更はない。
 
■高齢者の至適降圧目標を明らかにすべくわが国で実施されたJATOS(2006年発表)では,厳格降圧群(SBP 140mmHg未満目標)と緩和降圧群(SBP 140~160mmHg未満目標)のイベント発生率に有意差はなかった。
 
■JSH2009で最終目標を140/90mmHg未満とする根拠として,
(1)BPLTTCの解析で,SBP5mmHg低下によるリスク低下は65歳未満と以上の各群10万人規模の比較で有意差がない
(2)JATOSの結果から,高齢者(特に75歳以上)の最終目標が150 mmHg未満でよいとはまだ結論できず,サブ解析をもとに75歳以上の高齢者で140mmHg未満が悪いとも言えない
(3)CASE-Jのサブ解析で,65歳未満,65~74歳,75歳以上の年齢層別に到達血圧とイベント発生リスクとの関係を見ると,いずれの年齢層でも血圧が低いほどリスクが低い傾向が認められ,日常臨床で目指す降圧目標の範囲では過度の降圧によるJ型現象はない
―などが挙げられた。
 
■これまで,後期高齢者に降圧薬治療を実施すべきか否かは論議を呼ぶところであった。
80歳以上の超高齢高血圧患者を対象に,プラセボと利尿薬±ACE阻害薬を比較したHYVETの成績から,後期高齢者においても降圧薬治療が生命予後の改善に結び付くとのエビデンスが得られた。
一方で後期高齢者では身体的合併症,社会的背景に個人差が大きく,EBMに沿わない側面もあることから,「加療中の後期高齢者には治療を継続するが,日常生活動作(ADL)や合併症に応じて降圧薬減量・中止も考慮するなど,治療方針の決定は個々の患者に応じて主治医の判断に負うところが大きい」との見解が示された。

出典 Medical Tribune 2008.11.13
版権 メディカル・トリビューン

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。

 

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