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< INTERHEART study | メイン | 高血圧治療ガイドライン2009 その2(... >
昨日ある製薬メーカーのMRが「高血圧治療ガイドライン2009」を持ってきました。
昨年発表された通り1月16日発行された冊子です。
彼いわく、「あちこちの先生を回りましたがもうすでに貰ったから要らないといわえて、どの先生も受け取ってくれません」とのこと。
今週初めに早速配られたようで、ある先生は診察机に3冊も積まれていたとのこと。
私も「2冊持っているから要らないよ」と断りました。
しかし、彼にしてみれば、「捌(さば)く」のが仕事。
裏表紙に書かれた定価2,200円を指さして訴えるような目で私を見ます。
「わかった。今医学部6年生でねじり鉢巻で国家試験の勉強をしている子供がいるから、ひょっとして合格の暁には役立つかもしてないから貰っとくは」。
お互いに何となくしっくりしませんが、一応のところ一件落着しました。
きょうは、そのガイドラインの勉強を少ししました。
「高血圧治療ガイドライン2009」
■リスク層別化と高血圧管理計画の一致を図るべく,リスク分類を刷新。
■新たに血圧分類に正常高値血圧を,危険因子には疾病概念の定着に伴いメタボリックシンドローム,CKDを加え,正常高値血圧であっても糖尿病,CKDなどを合併する場合には,生活習慣の修正と同時に原則として直ちに降圧薬治療を開始とするなど,より早期から厳格な降圧を求める姿勢を強く打ち出した。
■第一選択薬についてはα遮断薬が外れ,Ca拮抗薬,ARB,ACE阻害薬,利尿薬,β遮断薬の5種類を推奨。
■家庭血圧の降圧目標が,若年・中年者で125/80mmHg未満などと初めて盛り込まれた。家庭血圧による降圧目標を設定。
■高血圧の定義では,24時間自由行動下血圧測定(ABPM)平均値のみ国際基準に合わせて130/80mmHg以上と変わった。
■血圧値分類の閾値は現行通りだが,名称を軽症・中等症・重症高血圧からI度・ II度・III度高血圧に変更された。
■24時間にわたる血圧管理や家庭血圧の重要性が強調された。
■初めて家庭血圧による降圧目標が暫定的に設定された。降圧目標は,
(1)若年・中年者:診察室血圧130/85mmHg未満,家庭血圧125/ 80mmHg未満,
以下同順で
(2)高齢者:140/90mmHg未満,135/85 mmHg未満
(3)糖尿病・腎臓病・心筋梗塞後患者:130/80mmHg未満,125/75mmHg未満
(4)脳血管障害患者:140/90mmHg未満,135/85 mmHg
となった。
リスク層別化に正常高値血圧加わる
■治療方針の決定で,血圧レベルと心血管病のリスク要因をかけ合わせてリスクを層別化する基本方針は従来通り。
■リスク分類が大幅に変更された。
新たに血圧分類に正常高値血圧(130~139/85~89mmHg)が加わり4群となり,今回からリスク第一層~第三層と呼ばれる血圧以外の危険因子3層と組み合わせて,(1)付加リスクなし
(2)低リスク
(3)中等リスク
(4)高リスク
―に層別化された(表1)。
■正常高値欄の追加以外では,大迫研究の結果を根拠として, II度高血圧でリスク第二層の判定が高リスクに変わった。
■リスク要因には,予後影響因子として新たにメタボリックシンドロームがリスク第二層に,CKDが第三層に加わった。
■リスク層別化ではメタボリックシンドロームを,
(1)正常高値以上の血圧+
(2)腹部肥満+
(3)脂質異常症または血糖値異常(空腹時血糖異常かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)
―と定義,血圧に加え2個の危険因子から成るとカウントし,糖尿病を伴う場合はリスク第三層に繰り上げられた。
正常高値血圧でも高リスクなら 原則として降圧薬治療を開始
■高血圧管理計画では,層別化された3つのリスクに応じた指針を提示された。
全患者に生活習慣修正を指導し,低リスク群では3か月,中等リスク群では1か月後も140/90mmHg以上なら降圧薬治療を開始,高リスクの場合は原則として直ちに降圧薬治療を開始する。
■正常高値血圧であってもメタボリックシンドロームを伴うリスク第二層は「中等リスク」,糖尿病,CKD,臓器障害,心血管病などを伴うリスク第三層では「高リスク」と判定され,ことに後者では生活習慣の修正と同時に,原則として降圧薬治療開始となる。
■確立された心血管病やCKDのない正常高値血圧の高リスクでは,生活習慣の修正から開始し,目標血圧に達しない場合に降圧薬治療を考慮するとの注釈が入った。
第一選択薬はα遮断薬除く5種
降圧薬による心血管病抑制効果は,基本的に降圧薬の種類ではなく降圧度によって規定されるとのコンセンサスが得られている。
■第一選択薬は,Ca拮抗薬,ARB,ACE阻害薬,利尿薬,β遮断薬(αβ遮断薬を含む)の5種類を同列に位置付けられた。
■α遮断薬は他薬に比べてエビデンスが不足しており,ALLHATなどで単独療法で劣る可能性が示されたとして第一選択薬から外れ,今後は症例を選択して使用することとなった。
■β遮断薬は,非高齢者に対する豊富なエビデンスを踏まえ第一選択薬にとどまるが,積極的適応は心疾患関連に限定された。
■主要降圧薬の積極的適応に新たに心房細動予防とメタボリックシンドロームが加わったのも目新しい点で,ARBまたはACE阻害薬が推奨された(表2)。
II度以上の高血圧などで初期併用療法も選択肢に
■II度以上の高血圧やI度高血圧でも高リスクで低い降圧目標を目指す場合には,通常用量の単剤療法とともに,低用量の2剤併用が初期治療の選択肢に加わった。
■効果不十分の場合は薬剤変更,増量などにより最終的に3~4剤まで併用して降圧を図る。さらに少量利尿薬の積極的な併用も推奨されるようになった。
第一選択薬5種類の組み合わせとしては,ASCOT-BPLAなどの結果をもとに,現行の利尿薬+β遮断薬が外れ,ACE阻害薬またはARB+利尿薬,Ca拮抗薬+利尿薬またはβ遮断薬,Ca拮抗薬+ACE阻害薬またはARBの6種類の組み合わせが推奨されるという。
心筋梗塞後患者の降圧目標を130/80mmHg未満に設定
■心疾患で,現行の虚血性心疾患を狭心症と心筋梗塞後の2つに分けて指針が示され,心房細動予防の指針が加わった。
■心筋梗塞後患者は,ことに心血管イベントのリスクが高いことから,「慎重に」との注意を促しつつ,ESH-ESC2007に準じ一段低い130/80mmHg未満に降圧目標が設定された。
第一選択薬はエビデンスの豊富なRA系阻害薬(ACE阻害薬,ARB),β遮断薬とし,リモデリングの抑制,予後改善を図る。
■心房細動予防には,RA系阻害薬を中心とした降圧を推奨することになった。
■脳血管障害合併例における,発症1か月以降の慢性期の降圧目標については,現行の一次目標150/95mmHg未満を撤廃し,最終目標であった140/90mmHg未満を治療開始1~3か月後の降圧目標とすることになった。
ESH-ESC2007ではPROGRESSの結果を反映して,脳血管障害慢性期患者の降圧目標をより低く130/80mmHg未満としているが,JSH2009では日本脳卒中学会などとも協議し,140/90mmHg未満に踏みとどまることとされた。
出典 Medical Tribune 2008.11.13
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
高血圧治療ガイドライン2009 家庭血圧の降圧目標値新設
http://blog.m3.com/reed/20090120/_2009_
高血圧治療ガイドライン最終案発表
注目の改訂ポイントは「糖尿病合併高血圧の治療」など
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0810/081015.html
家庭血圧の降圧目標値新設の意味は?
「高血圧治療ガイドライン2009」今日発刊
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0901/090106.html
ABPMによる追跡研究JAMPがスタート
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0810/081015.html
<番外編> 薬剤情報
■平成20年12月22日(月) アクトス錠15・30に「効能・効果」の追加
効能・効果
2型糖尿病
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られずインスリン抵抗性が推定
される場合に限る。
①食事療法、運動療法のみ
②食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
③食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
④食事療法、運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用
④のビグアナイド系薬剤との併用が追加されました。
■平成21年1月21日(水)、エカード配合錠LD、エカード配合錠HDの製造販売承認
(昨日、MRがパンフを息せき切って持ってきました。)
他に
ふくろう医者の診察室http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~ http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。
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