戯れ言たれる侏儒
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昨年(2008年)11月23から25日まで京都で行われた
「第8回日本心血管カテーテル治療学会学術集会」
でのPCI に関する記事で勉強しました。

 

日本発の臨床研究に関心
日本人におけるPCIの在り方探る
第8回日本心血管カテーテル治療学会学術集会が11月23~25日の3日間の日程で、国立京都国際会館で開催された。
j-CTOレジストリー研究やj-Cypherレジストリー研究、JPAD試験などの日本人を対象とした研究の最新報告に加え、欧米で実施された大規模臨床試験「SYNTAX」に関するディスカッションなどが多数のプログラムが組まれた。
テーマは「PCI(経皮冠動脈インターベンション)のあるべき姿は?」。
同学会は日本心血管インターベンション学会との統合が決定しており、来年の学術集会は両学会による合同開催となるため、単独開催の学術集会としては最後となった。

j-CTOレジストリー・院内成績 ガイドワイヤー成功率は9割弱
■東海大の森野禎浩氏は11月24日のレートブレーキングインターベンショナル研究のセッションで慢性完全閉塞病変(CTO)に対するガイドワイヤー手技による治療成績を検証する患者観察研究「j-CTOレジストリー」の院内成績を報告し、ガイドワイヤー手技の成功率は87.3%と高く、PCI実施後5年間の総死亡率は0.4%と少なかったとした。

■j-CTOレジストリー研究は、国内12施設が参加し、CTO に対するガイドワイヤー手技の長期成績を検証する研究で、最終的には5年間の追跡結果から生存率、標準的手技の在り方などを明らかにする。

■2006~07年にかけて患者登録が行われており、森野氏は今回、東海大の院内登録患者498人での成績を示した。院内成績ではあるが、同研究に関する報告は初めてだ。

■患者背景は、平均66.9歳、胸痛症状・急性心筋梗塞の有症率70.5%などとなっており、全542病変の部位のうち左冠動脈前下行枝35.8%、右冠動脈44.3%、左冠動脈回旋枝19.4%、左冠動脈主幹部0.6%だった。

■バルーンなどの血行再建デバイスが通過不能なCTOに対してガイドワイヤーを用いて血管を開通させる技術が行われる。
今回示された東海大の成績では初回成功率89.2%、再試行での成功率71.4%、全体では87.3%と高い成功率であることが分かった。

■498人の現時点での院内成績は総死亡率0.4%(心臓死0.2%)、心筋梗塞0.4%、ステント血栓症0%、脳卒中0%となった。
合併トラブルは輸血が1.6%、緊急PCIが0.4%などがみられた。造影剤腎症や心タンポナーデなどの臨床的トラブルも少なかった。

■ガイドワイヤー手技の所要時間は全例平均で47.5分で、成功例では平均40.3分、不成功例では平均98.3分かかった。
ガイドワイヤー通過後のPCI成功率は86.1%で、ステント留置率は97.3%だった。

糖尿病患者へのアスピリン 「JPAD試験」AHAで高評価
熊本大の小川久雄氏は、11月に米国ニューオリンズで開催された米国心臓協会(AHA)2008でレートブレーキングクリニカルトライアルの1つとして取り上げられたJPAD試験について報告した。
■JPAD試験は日本人2型糖尿病患者2539人を対象にアスピリンによるアテローム性動脈硬化性疾患の1次予防効果を検証したランダム化比較試験(PROBE法)。

■欧米では2型糖尿病患者に対するアスピリン投与が推奨されているものの、有効性を示すエビデンスは少ない。

■JPAD試験は対象患者数が国際的にみても最大であることからAHAでの評価が高く、今後の糖尿病関連ガイドラインの改訂にも影響を与える可能性が高い。

■試験対象は、30~85歳の2型糖尿病患者で、アスピリン治療群には81㎎/日もしくは100㎎/日の低用量アスピリンが投与された。
突然死をはじめすべてのアテローム性動脈硬化性イベントの発生を主要評価項目とした。

■5年間の追跡で、アスピリン群は対照群に比べて全アテローム性動脈硬化性イベント発生率を抑制したが、有意差は認められなかった(ハザード比0.80、P=0.16)。ただ、致死的心血管・脳血管イベント発生率についてはアスピリン群で有意な抑制が認められた(ハザード比0.10、P=0.0037)。

■また、全体では有意差を示さなかった全アテローム性動脈硬化性イベント発症率を65歳以上のサブグループで解析した結果、アスピリン群は対照群よりも有意差をもって抑制した(ハザード比0.68、P=0.047)。
小川氏は「65歳以上では有意な結果が出た。世界のガイドラインを変える可能性がある」とした。

j-Cypherの3年追跡 遅発性ステント血栓症は年率0.28%上昇
■日本人を対象としたシロリムス溶出型ステント(SES)の患者観察研究「j-Cypherレジストリー」について、大会長でもある木村剛氏から最新の解析データが示された。

■同試験の登録患者数は1万2824人で、SES留置に関する多施設患者観察研究としては世界的にも最大級となっている。

■3年間の追跡結果について解説した木村氏は、「臨床実態(リアル・ワールド)を反映した、高い追跡率を誇る大規模多施設患者観察研究で、1年間のステント血栓症発生率は0.6%と非常に低いことが確認できた」とした。

■留置1年以降に発生する「遅発性ステント血栓症」の発生する危険性は3年間続いた。
発生率は年率0.28%で増えたが、「臨床上許容できる範囲と思われる」と木村氏は安全性を強調した。


SYNTAX試験発表を受けPCI/CABGの選択を討論
「SYNTAXスコア」の有用性を強調
■2008年9月の欧州心臓病学会学術集会(ESC2008)で、薬剤溶出型ステントを用いたPCI(経皮冠動脈インターベンション)とバイパス手術(CABG)の治療成績を世界で初めてランダム化比較試験(RCT)で検証した「SYNTAX」試験が発表された。

■2008年11月24日のグレートディベート「SYNTAX以降のPCI/CABGの選択」に参加した主任研究者のPatrick.W.Serruys氏(オランダ)は、同試験で開発された虚血性心疾患の指標「SYNTAXスコア」の有用性を強調した。

■ESCでは、SYNTAX試験での12カ月間の追跡結果が報告され、1次評価項目である「主要心血管・脳血管イベント(MACCE)」の発生率はPCI群17.8%、CABG群12.1%となり、CABG群の方が優れていた(P<0.0015)。
PCI群でPCI実施後の再血行再建件数が多いことが有意差に結び付いたとされている。

■SYNTAXスコアは、病変の部位や狭窄度、蛇行度、屈曲度、病変数、分岐部の分類などを基に算出される。

■試験の結果についてSerruys氏は、「スコアが軽度の22点以下であればPCI・CABGのいずれも選択可能。中等度の23~32点ではPCIが妥当だが有意差はないもののMACCEが高まるため、患者の特徴で選択すべきだ。33点以上はCABGを選択する」とし、スコアの有用性を紹介した。

出典 Japan Medicine 2008.12.22
版権 じほう社

 

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。

 

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