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以下の記事で「心不全スクリーニングのバイオマーカーとしてのBNP基準値」について勉強しました。
第56回日本心臓病学会学術集会ランチョンセミナー
心不全スクリーニングのためのBNP基準値策定に向けた検証が進行中
近年,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の測定は,心不全の診療に不可欠な検査となっている。
2007年6月,それまでの「心不全の病態把握」に加えて,「心不全の診断」に保険適用が拡大されたこと,また簡便・迅速なBNP測定系が普及したことにより,日常診療における心不全鑑別のための主要検査の1つに位置付けられつつある。
このようななか求められているのが,心不全のスクリーニングのための新たなBNP基準値の設定である。
現在の値は,健常者から得られた値であり,心不全のスクリーニングのための基準としては厳しすぎるという意見が多い。
BNP研究の第一人者である東京慈恵会医科大学循環器内科教授の吉村道博氏は,厳密な解析のもと,心不全の可能性がある患者を拾い上げるためのBNP値算出を目指した検証を進めている。
本セミナーでは,その経過報告が示された。
なお,司会は京都大学内科学講座内分泌代謝内科教授の中尾一和氏が務めた。
座長
京都大学内科学講座内分泌代謝内科教授
中尾 一和 氏 氏
演者
東京慈恵会医科大学循環器内科教授
吉村 道博 氏
日常診療での心不全の早期発見や予後予測にも有用なBNP測定
■BNPは、心不全で過剰亢進したRAA系を抑制するために分泌されるホルモンで,血中のBNP濃度は,心不全の重症度が増すほど上昇することがわかっている。
■このBNPは心不全の病態把握のマーカーとして臨床利用されてきたが,心不全の早期発見のためにも有望である。
■日常診療における心不全の早期発見は容易ではなく,きめ細かな問診に加え,心尖部ギャロップ音の聴取,的確な心機能検査診断が必要になる。通常行われる心機能検査には心電図,胸部X線,心エコーがあるが,ここにBNP測定をプラスすることで,心不全診断のための強力な手掛かりを得ることができる(表)。
■日本では近年,15分程度で結果の得られるBNP測定システムが登場した。
これにより,診療現場でBNPを迅速に測定することが可能になった。
■BNPは予後予測にも有用である。
■急性心筋梗塞患者145例を対象に行った長期追跡研究では,BNP低値(180pg/mL未満)群の長期生存率が,BNP高値群に比べ著明に優れることが明らかにされている(図1)。
■Wang TJらは,心不全のない3,343例のBNP値と予後の関係を検討し,BNP値が低いほど予後は良好であったと報告している(フラミンガム・オフスプリング研究,2004)。
■BNP測定の臨床的有用性は多岐にわたる(図2)。
心不全患者の早期発見に役立つ現実的なBNP基準値の策定に向けて
■BNP測定の臨床的意義が拡大するなか,基準値の見直しの必要性が指摘されている。
■1993年に吉村氏らが報告した基準値(18.4pg/mL以下)は,純然たる健常者を対象に求められたものである。
よって,心不全のスクリーニングという観点からは,この値は厳しすぎるとの指摘もある。
■吉村氏らの,より現実的な心不全スクリーニングの値を算定するための研究
全国5施設(大学4,病院1)から,BNPが測定された約8,000症例を集め
A:心肥大(左室重量係数(LVMI)で評価)なし,
B:心房細動(AF)なし,
C:腎機能低下なし(推算糸球体濾過率(eGFR)60mL/分/1.73㎡)以上
の条件をともに満たす363例のBNP値を年齢層別に検討。結果はBNPの95%点は,44歳未満で38.0pg/mL,45~64歳で50.9 pg/mL,65~74歳で87.0pg/mL,75歳以上で161.0pg/mLであった。
■極めて厳格な除外を施しても加齢に伴うBNP値の上昇が認められた。
■一般年齢において多く使われている40~50pg/mL程度が本解析においても目安になる。
そして、この値を超える患者では,心機能の異常が存在する可能性が高い。
■正常,すなわち心不全除外診断の指標は,従来の「年齢に関係なく20(18.4)pg/mL以下」。
出典 Medical Tribune 2009.1,8
版権 メディカル・トリビューン社
他に
ふくろう医者の診察室http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~ http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科医向き)
があります。