戯れ言たれる侏儒
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昨日に続き、3〜4年前の第78回米国心臓協会学術集会(AHA 2005.11.13〜16、ダラス)でのASCOT試験の記事で勉強しました。
ASCOT-BPLA(Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial-Blood Pressure Lowering Arm)試験のサブ解析であるASCOT-CAFE(Conduit Artery Functional Evaluation)試験です。

ASCOT試験,新たに史上初の 2つのエビデンス発表
―次々と明らかにされるアムロジピンの心血管系イベント抑制のメカニズム─
この試験は,異なる降圧療法が大動脈圧にどのような影響を及ぼすかを検討した初の大規模臨床試験。
長時間作用型Ca拮抗薬アムロジピンをベースとする降圧療法とβ遮断薬アテノロールをベースとする降圧療法を比較検討するとともに,大動脈圧が心血管系イベント発症の予測因子となりうるかなどが検討された。
ASCOT-CAFE試験 :
アムロジピンベース治療により,心臓や脳に近い大動脈圧の低下が明らかに

演者
University of Leicester
School of Medicine, Leicester, UK
Bryan Williams氏
異なる降圧療法が大動脈圧に及ぼす影響を比較した初の大規模臨床試験

降圧療法に関する多くの大規模試験では,心血管系予後の指標として上腕で測定した血圧(末梢血圧)が用いられているが,降圧薬の末梢血圧に対する降圧効果は,大動脈圧に対するものとは必ずしも一致しないことが報告されている。
高血圧患者 1 万9,257例を対象にアムロジピンベース治療とアテノロールベース治療を検討したASCOT-BPLA試験では,末梢血圧の降圧効果は両群間で平均で収縮期血圧,拡張期血圧がそれぞれ2.7mmHg,1.9mmHgの差があったものの,その血圧値の差以上に,アムロジピンベース治療群で全死亡や全心血管系イベント,脳卒中,糖尿病発症リスクが有意に抑制された。
今回発表されたASCOT-CAFE試験は,ASCOT-BPLA試験の一部の対象患者における大動脈圧を検討したサブ解析である。
同試験は,異なる降圧療法が大動脈圧に及ぼす影響を検討した初の前向き大規模臨床試験として注目されている。
アムロジピンベース治療により血管保護の指標の1つである
大動脈圧が有意に低下

ASCOT-CAFE試験には,ASCOT-BPLA試験の対象である高血圧患者のうち2,199例が登録された。
評価可能症例は2,073例(アムロジピンベース治療群1,042例,アテノロールベース治療群1,031例,intention-to-treat解析)。ASCOT-CAFE試験の患者背景はASCOT-BPLA試験と同等であった。
トノメトリー法(Sphygmocor©)を用いて橈骨動脈圧波形から大動脈圧波形を推定し,大動脈圧およびaugmentation index(収縮期圧に占める反射波成分の割合)を算出した。
 
末梢の平均収縮期血圧値は,アムロジピンベース治療群133.2mmHg,アテノロールベース治療群133.9mmHgと同等であった(p=0.07)。
一方,大動脈の平均収縮期血圧値はアテノロールベース治療群の125.5mmHgに対し,アムロジピンベース治療群では121.2mmHgと平均4.3mmHg有意に低下した(p<0.0001)。
脈圧に関しても,末梢血圧ではアムロジピンベース治療群(平均55.3mmHg)とアテノロールベース治療群(平均56.2mmHg)の間に有意差を認めなかったが(p=0.06),大動脈の脈圧を比較すると,アテノロールベース治療群(平均46.4mmHg)に比べてアムロジピンベース治療群(平均43.4mmHg)では有意な低下が認められた(p<0.0001)。
さらに,脈波解析の結果,アムロジピンベース治療群のaugmentation indexは25.3%とアテノロールベース治療群の31.9%に比べて有意に低下しており(p<0.0001),アムロジピンベース治療による大動脈圧の降圧効果にはaugmentation indexの低下,すなわち末梢血管の硬化度(スティフネス)の改善が寄与し,同薬の血管保護作用が示唆された。
アムロジピンによる血管のスティフネスの改善が優れた心血管系イベント抑制に関与

ASCOT-BPLA試験では,全心血管系イベントおよび血行再建術をはじめとしてアムロジピンベース治療群で有意なイベント抑制作用が認められている。
ASCOT-CAFE試験の対象患者で,Cox比例ハザードモデルを用いて,上腕および大動脈の脈圧,augmentation indexが複合エンドポイント(全心血管系イベント+腎障害+血行再建術)の予測因子となりうるかを検討したところ,補正前にはいずれの指標に関しても有意差が認められたが,補正後は大動脈の脈圧のみに有意差が認められ(ハザード比1.11,p=0.048),大動脈の脈圧が心血管系イベントの予測因子の1つとなりうる可能性が示唆された。
 
同試験から,末梢血圧に対する降圧効果はアムロジピンベース治療群とアテノロールベース治療群間で同等であるにもかかわらず,大動脈圧に対する降圧効果はアムロジピンベース治療群において有意に優れることが明らかにされた。
この点について,Williams氏は「アムロジピンによる血管スティフネスの改善作用が寄与している可能性が示された。
さらにアムロジピンベース治療群における優れた心血管系イベント抑制作用には,こうした大動脈圧の低下作用が関与していることが示唆された」と結論付けた。
COMMENT Bryan Williams氏
日本の降圧治療の正当性を裏づける結果
アムロジピンは高血圧患者に最も有用な薬剤の1つ
〜心血管系イベント抑制の差は大動脈圧の低下が示唆〜
ASCOT-CAFE試験は,2,000例を超える高血圧患者を対象に,2 つの降圧療法による大動脈圧への影響を直接評価したユニークな試験である。
 
同試験において上腕で測定した末梢血圧はアムロジピンベース治療群とアテノロールベース治療群でほぼ同等であったが,大動脈圧についてはアテノロールベース治療群に比べてアムロジピンベース治療群で有意に低下していた。
さらに,この大動脈の脈圧が心血管系イベントの予測因子となる可能性が示唆された。
 
先に発表されたASCOT-BPLA試験では,アムロジピンベース治療がアテノロールベース治療に比べて心血管系イベントの抑制に優れることが示され話題を呼んだが,その程度は両群間の末梢血圧値の差から予想される範囲を超えており,心血管系イベント発症の有意な差は末梢血圧値の差だけでは説明できないとされた。
 
ASCOT-CAFE試験の結果は,ASCOT-BPLA試験で示された心血管系イベント抑制作用の差に,アムロジピンとアテノロールの大動脈圧に対する影響の差が関与している可能性を示したという点で意義深い。
また,これらの成績から,末梢血圧値から推測される以上のベネフィットがアムロジピンから得られる可能性があるとも言える。
 
なお,日本では長年にわたり降圧治療においてCa拮抗薬が広く使用されていると聞いているが,今回示されたASCOT-CAFE試験の結果は,日本の高血圧治療の正当性を裏づけた結果と言える。
今後,アムロジピンベース治療は高血圧患者に対し,最も有用な降圧治療の1つとして位置付けられていくものと考える。(談)

出典 Medical Tribune 2006.1.19
版権 メディカル・トリビューン社

<番外編>
昨日届いたMedical Tribune(2009.1.1,8)で各種
ARBの広告を紙面数でチェックしてみました。

プレミネンン    3面
ディオバン      2面
オルメテック    2面(2面)
ブロプレス      2面
ミカルディス    2面
イルベタン      2面(BNP1面)

リピトール     2面
セララ           2面(2面)
リバロ        2面
プラビックス     6面

循環器以外の広告 8面

協和発酵キリン
     (カルシウム拮抗薬2面)

 

全部で78面のうち、全広告は36面(46%)、循環器関連広告は28面(36%)、循環器関連の広告及び製薬メーカー提供記事は35面(45%)、循環器以外の広告は8面(10%)。
またARBの広告がいかに多いかということがわかります。
循環器専門医には大いに興味あるこのMT誌も、他の領域の先生方にはつまらないかも知れません。
いかに現在の製薬メーカーが、循環器領域の薬剤とりわけARBに力を注いでいるかということです。
カモにならないように気をつけたいものです。

他に
ふくろう医者の診察室http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~ http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)
があります。

 

 

 

 

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