戯れ言たれる侏儒
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健康な成人の血管内皮機能を予測
血流中の酸化ストレスの評価で
カンザス大学(カンザス州ウィチタ)循環器科のSalman Ashfaq助教授らは,健康な成人において血中酸化ストレスの評価で血管内皮機能を確実に予測できるか否かを検討し,酸化ストレスマーカーでシステイン(Cys)の酸化二硫化物のシスチン(CySS)と混合二硫化物(CySSG)が血管内皮機能の独立した予測因子であること,またこれらのチオール・マーカーが,フラミンガムリスクスコアに組み込まれているような従来の危険因子および炎症とは独立した予測因子であるとHypertension(2008; 52: 80-85)に発表した。

他の危険因子とは別に予測
喫煙,高血圧,脂質異常症,糖尿病,加齢などアテローム動脈硬化症の危険因子にさらされている人では,一酸化窒素(NO)の生物学的利用能の損傷を来していることはよく知られている。
正常な血管内皮において平滑筋の緊張と増殖,血小板の活性化,血栓形成はNOと他のオートクリン/パラクリン因子の放出によって調節されている。
 
今回,Ashfaq助教授らは,血中酸化ストレスと血管内皮機能の関連性を検討するために,健康な非喫煙者124例(平均年齢44歳,男性が40%)を調査した。
研究中,新たに11.2%が高血圧,4.8%が糖尿病と診断された。
 
内皮機能として超音波装置を用いて腕動脈の血流依存性の血管拡張能(FMD)を評価した。
血漿酸化ストレスは,グルタチオン(GSH)では還元型GSHと酸化型GSHを,チオールでは還元型としてCys,酸化型としてCySSおよびCySSGの量を測定して推定した。
Cys自体は酸化体の除去に役立ちCySSへの変換をもたらす主要なチオール・プールを成している。
放出されたGSHがCySSと反応してCySSGとCysを形成する。
 
その結果,フラミンガムリスクスコアと高感度C反応性蛋白(hs-CRP)値を調整した後も,チオール・マーカーの血漿CySS(r=- 0.23,P=0.009)値とCySSG(r=- 0.23,P=0.01)値は FMDと相関した。
これらチオール・マーカーは,いずれも内皮非依存性血管拡張とは相関しなかった。
 
FMDは,従来の危険因子であるBMI,性,フラミンガムリスクスコアとの間に有意で独立した相関性があることが判明した。
また,酸化代謝産物の増加と血管内皮機能の低下に関連性が認められた。
 
同助教授らは「これらのマーカーをフラミンガムリスクスコアと組み合わせれば,将来的にアテローム動脈硬化症の進行リスクをもたらす無症候性の血管内皮機能障害を早期に識別するうえで有用となる可能性がある」と述べている。
 
なお,同助教授らは,酸化ストレスが上昇している比較的健康な低リスクの人に対して,特定の治療的介入が適応となるかどうかはまだ判明していないとしている。

FMDと相関
今回の研究では線形回帰分析から,FMDとCySS,CySSGとの間に有意な逆相関が示された。
Ashfaq助教授らは「これらのマーカーによって測定される酸化ストレス高値がFMDの低下に関連することが示唆される」と述べている。
 
FMDの予測因子を同定するための多変量解析から,予測因子には従来の危険因子とチオール・マーカーの双方が含まれることが判明した。
チオール・マーカーのCySS(β=- 0.19,P=0.03)とCySSG(β=- 0.27,P=0.002)は双方ともFMDの決定因子であった。
これはFMDの決定因子としてのフラミンガム・リスクスコア(β=- 0.23,P=0.01)に匹敵する可能性がある。
 
この多変量解析では,CySSとCySSGの双方を互いに調整した後や,hs-CRP値について調整した後も,FMDの決定因子としての関連性は変わらなかった。
さらに,FMDとニトログリセリン媒介の内皮非依存性血管拡張との間に有意な相関(r=0.42,P<0.0001)が認められた。

他の血管バイオマーカーも
また,最近の別の研究では心血管疾患に関連するさらなるバイオマーカーが同定された。
複数の研究では,尿中と血清中のイソプラスタン値と酸化LDL値は,高リスク集団において冠動脈疾患の存在を予測する因子であることが証明された。
 
ボストン大学(ボストン)のJoseph A. Vita教授らがCirculation(2004; 110: 3604-3609)に発表した研究では,ミエロペルオキシダーゼ酵素が,高リスク集団においてFMDの予測因子であることが証明された。
 
また,Ashfaq助教授らは以前に,血清GSH値とGSH酸化還元が頸動脈内膜肥厚の独立した予測因子であることも証明し,Journal of American College of Cardiology(2006; 47: 1005-1011)に発表した。
これは健康な非喫煙者114例を用いた研究で,GSH酸化還元が他の点では健康な集団において,初期アテローム動脈硬化症の独立した予測因子であると結論している。
 
同助教授らは,GSH酸化還元を細胞内酸化ストレスのin vivo尺度とみなし,その還元型と酸化型との関連性も定義している。

出典 Medical Tribune 2008.12.11
版権 メディカル・トリビューン社

 

<血管内皮機能 関連サイト>
健康な成人の血管内皮機能
http://blog.m3.com/reed/20090104/1

血管内皮機能評価 その1(1/2)
http://blog.m3.com/reed/20080217/1

血管内皮機能評価 その2(2/2)
http://blog.m3.com/reed/20080218/1

<番外編>
先生方のお手元に届いているかと思いますが、年末に届いた新着の「Circulation Journal誌」(Vol.72.Suppl.Ⅳ.2008)にガイドラインが6つ掲載されています。
念のため紹介させていただきます。
■ペースメーカー、ICD、CRTを受けた患者の社会復帰・就学・就労に関するガイドライン
■冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン
■血管炎症候群の診療ガイドライン
■急性心筋梗塞(ST上昇)の診療に関するガイドライン
■脳血管障害、腎機能障害、末梢血管障害を合併した心疾患の管理に関するガイドライン
■心房細動治療(薬物)ガイドライン

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他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
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