戯れ言たれる侏儒
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Mass-DAC

戯れ言たれる侏儒 / 2008.12.25 00:07 / 推薦数 : 0

糖尿病患者もDESで死亡や心筋梗塞が減少  
糖尿病を有する冠動脈疾患患者は,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の再狭窄率が高く,心イベントも起こしやすいことが知られているが,大規模な観察研究Mass-DAC(Massachusetts Data Analysis Center Registry)の結果,従来のステント(BMS)に比べ薬剤溶出ステント(DES)は死亡や心筋梗塞の発生を有意に減少させることが示されたと,Brigham and Women's病院(ボストン)のLaura Mauri氏が報告した。

絶対リスクで3~5%低下
2003年4月~04年9月にマサチューセッツ州で行われた全PCI症例(ただしわが国の国立に当たる連邦立病院での施行例は除く)2万1,045例中,糖尿病患者は3割近い6,008例。
そのうち,同州非在住者や入院記録が入手できない者,BMSとDESの両方を植え込まれた者を除いた5,051例(BMS 34%,DES 66%)が同研究の解析対象とされた。DESのうち73%がシロリムス溶出ステント(SES),25%がパクリタキセル溶出ステント(PES),2%が両者併用であった。  
対象のうち3分の1がインスリン治療を要していた。
また,これはランダム化比較試験(RCT)ではなく観察研究のため,BMS群とDES群の患者背景にはさまざまな有意差が見られた。
例えば,DES群のほうが高血圧合併率は高かったが,心筋梗塞(MI)既往や冠動脈バイパス術(CABG)既往,心不全合併率は低いなど。
病変血管数はBMS群のほうが多く,治療血管数はDES群のほうが多かった。
補正しない3年後の死亡率はBMS群22.2%,DES群14.4%であった。  
さらに,両群から背景因子をマッチさせた1,476例ずつを抽出し,3年後のイベント発生率を比較したところ,死亡率はBMS群20.7%に対し,DES群17.5%と有意(P=0.02)に低かった()。


MI発症率もBMS群の16.9%に比べてDES群では13.8%と有意(P=0.02)に低く,標的血管再血行再建術(TVR)施行率もそれぞれ23.7%,18.4%と有意差(P<0.001)が認められた。  
以上のように,population-basedの解析により,糖尿病を有していてもBMSに比べてDESのほうが有益であることが確認された。
同研究は発表と同時にCirculation電子版に掲載された。

出典 Medical Tribune 2008.12.4
版権 メディカル・トリビューン社

 

<関連サイト>
■Mass-DAC - Home Page
http://www.massdac.org/

■<Late-Breaking Clinical Trials II>
Mass-DAC Drug-Eluting and Bare-Metal Stenting for Diabetes Mellitus: Results from the Massachusetts Data Analysis Center Registry
糖尿病患者における薬剤溶出ステントとベアメタルステントの比較: Mass-DAC登録研究

http://therres.jp/entry/aha2008_1110.php

(こんな綺麗な先生が発表していたのです)
 

■King氏にLate-Breaking Clinical Trialsを聞く
Mass-DAC: DESがBMSより優れているとは言い切れない
http://therres.jp/entry/aha2008_king.php
Mass-DAC登録研究の結果をみて,実地臨床や臨床試験と比較して生存率が高いという印象を受けました。
これはMass-DACだけでなく,他の登録研究にもいえることです。
患者の選択や非調整交絡因子が影響しているのかもしれません。

今回,DESとBMSの比較において,患者背景などのマッチングを行って交絡因子の影響を排除していますが,「データベース上には統計値として表現されないけれど,治療選択において重要な要因」というのがたくさんあると思います。
たとえば,血管の位置/状態がBMSに適しているか,手術を要するか,長期間の抗血小板療法を患者が望んでいるのかといったことです。
観察研究である以上,いくら交絡因子をマッチングさせ,ランダム化比較試験に類似させても,交絡因子の調整には限界があります。
したがって,結果の解釈には注意が必要です。
さらに, Mass-DACは「DES療法」が「BMS療法」より優れることを示しましたが,DES自体が改善をもたらしたと言い切ることはできません。
DES患者で行われる積極的な抗血小板療法が貢献している可能性も否定できないからです

■Mass-DAC: 糖尿病患者におけるステントの安全性と有効性の問題に答えがでた
http://therres.jp/entry/aha2008_holmes.php
糖尿病患者におけるステントの安全性と有効性の問題がとりざたされていましたが,Mass-DAC登録研究はこの問題に答えをだしてくれました。
この研究では,DESとBMS植込み例の患者背景の違いを,67の交絡因子についてマッチングすることで補正しています。
それでもなお交絡因子が残っている可能性は否定できませんが,両群は実によくマッチングされていたと思います。

対象者の30%以上がインスリンを服用しているような患者集団で,DES群はBMS群との比較で死亡率に関して,3%の絶対差を得,DESの安全性を証明しました。
さらに,標的血管血行再建術でみた有効性に関しても,5%の絶対差を得ています。

今回の研究により,DESはBMSと比較して,より安全で,有効性に優れていることが示されたのです。

 

他に

ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
http://wellfrog3.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/ 
(内科医向き)

があります。

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