戯れ言たれる侏儒
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利尿薬は予後不良因子か

多施設共同研究がスタート
利尿薬は心不全治療に不可欠とされるが,予後に及ぼす影響は明らかではない。
予後不良因子とする報告もある。
そこで兵庫医科大学循環器内科の辻野健准教授らは,利尿薬が慢性心不全患者の予後に及ぼす影響を検討する多施設共同臨床試験を開始した。

急激な体液量減少が悪影響か
うっ血症状を速やかに改善する利尿薬は,心不全治療に欠かせない。
実際,ループ利尿薬を中心に使用頻度は非常に高い。わが国の100床以上の病院を対象とした2007年の調査で,心不全への処方率は82%。強心薬,レニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬などを大きく凌駕してトップに位置する。
 
ところが,予後に及ぼす影響は十分検討されておらず,例えば米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)ガイドラインでは不明とされている。
治療に不可欠であるがゆえに,投与群と非投与群に分けた試験が容易に行えないのである。
 
辻野准教授らの検討では,ループ利尿薬の投与量が多い群で予後が悪かった。
重症例で投与量が多くなった可能性もあるが,多変量解析でループ利尿薬が予後不良因子とした報告も見られる。
このため同准教授らは,ループ系利尿薬が予後に悪影響を及ぼしている可能性も否定できないと考えた。
 
ループ利尿薬には,
(1)電解質異常
(2)水溶性ビタミン欠乏
(3)短時間作用型利尿薬による急激な体液量減少に伴うレニン・アンジオテンシン(RA)系,交感神経系の興奮
といった問題が指摘されているが,(2)が予後に影響する可能性は低い。
(1)については,電解質が保持されていても利尿薬投与群の予後は悪いという報告がある。
一方,(3)に関しては,同大学などの検討で,長時間作用型ループ利尿薬(アゾセミド)は心不全モデルの予後を短時間作用型ループ利尿薬(フロセミド)よりも良好にするという成績が得られている。
そこで(3)が影響する可能性を想定し,全国15施設が参加する前向き試験J-MELODIC(Japanese Multicenter Evaluation of Long-versus short-acting Diuretics In Congestive heart failure)を開始した。
慢性心不全患者300例をランダムにアゾセミド投与群,フロセミド投与群に割り付け,予後を比較する。登録が終了してまだ数か月だが,結果がおおいに注目される。

出典 Medical Tribune 2008.11.13
版権 メディカル・トリビューン社

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(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
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「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
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Upstream治療を提唱
心房リモデリングを防ぎ慢性化を予防
発生した不整脈に対する「downstream治療」に対し,不整脈の発生をもたらす病態そのものの進行を抑える治療戦略を「upstream治療」と言う。
熊谷教授は,AF慢性化の機序に基づき,より上流で慢性化予防を図るupstream治療を提唱している。
また,アブレーションにおいては,拡大肺静脈隔離術に工夫を加えた「Box隔離術」を考案し,治療成績の向上をもたらしている。

Box隔離術で成功率がさらに向上
AFに対するアブレーションの主流と言える拡大肺静脈隔離術の重篤な合併症,左房・食道瘻を予防するため,熊谷教授は「Box隔離術」を考案した(図3右)。
4本の肺静脈と左房後壁を囲い込み,左房後壁の線状焼灼は行わずに肺静脈前壁(図3左)および両上肺静脈間天井と両下肺静脈間底部を線状焼灼する方法だ。
焼灼のエンドポイントは左房後壁の電気的隔離で,この術式により,左房・食道瘻も見られず,
薬剤なしでの成功率が発作性91%,持続性73%,慢性46%,抗不整脈薬とのhybrid療法ではそれぞれ97%,90%,88%の成績が得られている。


 
同教授は「左房後壁を含め広く隔離できるため成功率が向上し,食道障害などの合併症を減らせることが利点」と述べる。
同教授によると,Box隔離術では再発が少ないため,再セッションの必要が少ない(<10%)という。

慢性化は心房筋のリモデリングによる
AFの発生には,心筋のストレッチや炎症,自律神経や甲状腺ホルモンなどが関係している。
特に,高血圧や心不全では左室拡張末期圧が上昇しているため,左房のストレッチと拡大が起こっているとされる。
心筋細胞レベルでは細胞外ストレッチを起こし,これにより伸展活性化チャネルが開き,Ca過負荷を来すとともに左房と肺静脈ではアンジオテンシンII(A II)を上昇させ,これがAT1受容体に結合,G蛋白を介してCa過負荷を来す。
Ca過負荷は異常自動能を引き起こすが,左房の肺静脈壁は薄いため,わずかな圧変化で異常自動能が亢進され,さらに肺静脈のストレッチも影響してAFが開始する,と熊谷教授は考えている。
 
ただ,こうした電気的リモデリングだけではAFは持続せず,一度起こっても停止する。
慢性化に至るには,心房筋の構造的リモデリングである間質の線維化による伝導障害が重要だ。
A IIが線維化を促進する酵素extracellular signal-regulated kinase(Erk)を活性化することにより,間質の線維化が起こり,細胞間の結合が壊れているため伝導時間が遅くなり,リエントリーが多数発生し,慢性化に至ると考えられている。

RA系抑制薬で慢性化を予防
こうした慢性化の機序から,熊谷教授は「高血圧や心機能が低下している患者では,A II受容体拮抗薬(ARB)やACE阻害薬を早めに投与してAFの発症を抑制し,慢性化を予防するのがupstream治療の概念(図4)」と説明する。


また,心房筋全体に線維化が広がるとアブレーション成功率は低下するため,アブレーション後も慢性化予防を念頭にRA系薬を投与するのは理にかなっており,特にARBはリバースリモデリング作用を有することを実験モデルで証明したことから,「AF発症後でもARBを投与する意義がある」と話す。
 
Upstream治療の基礎的エビデンスとして,同教授らはイヌAFモデルを用いて検討を行った。
高頻度ペーシングによりAFを誘発すると,対照群では次第に不応期が短縮したが,ARB/ACE阻害薬投与群ではいずれも不応期は短縮しなかった。
この機序として,ARB/ACE阻害薬は圧負荷の軽減およびCa2+過負荷の抑制により不応期短縮を予防したのではないかと推測される。
さらに,高頻度ペーシングを5週間施行したところ,ARBは伝導遅延とAFの持続時間を有意に抑制した。
5週後の病理所見では,線維化が有意に抑制されていた。このことから,短期の心房ペーシングでは不応期の短縮が,長期では間質の線維化による伝導障害がAFの発症または持続に関与することが示唆され,RA系の抑制は,短期的な電気的リモデリングを抑制するだけでなく,長期的な構造リモデリングに対しても抑制効果があると考えられた。
 
臨床のエビデンスとしては,心不全患者を対象とした大規模試験においてARB/ACE阻害薬は5年後のAF新規発症頻度を有意に減少させることが実証された。
さらに,左室肥大を伴う高血圧患者では,ARB群のほうがβ遮断薬群よりもAF新規発症率が有意に低いことが示されている。
また,7日以上の持続性AF患者を対象に,アミオダロン単独とアミオダロン+ARB併用を比較した臨床試験では,洞調律維持率がアミオダロン単独群よりもARB併用群で有意に高率であった。
このように,ARBはAFの新規発症を予防するだけでなく,持続したAFに対する除細動後の洞調律維持にも有効であることが実証されている。

アブレーションは今後さらに重要な治療選択肢に
AFの基本的な治療戦略として,リズムコントロールとレートコントロールがあるが,熊谷教授は「AF治療は症状を改善することが一番の目的。症状が強い発作性AFではリズムコントロールが望ましいが,心房筋のリモデリングを来して洞調律維持が困難な慢性AFでは一般的にレートコントロールが選択されている」と説明する。
実際に,日本人のAF患者を対象にしたJ-RHYTHM試験では,発作性ではリズムコントロールが優位であったが,慢性では差がなかったことが報告され,この結果は北米で実施されたAFFIRM試験でも同様であった。
慢性AFで全く症状がない高齢者にあえてアブレーションや抗不整脈薬を使う必要はないが,慢性AFでも左房径が50mm以内であれば十分洞調律が回復可能であり,また若年者ではAFによる将来の脳梗塞や心機能低下を避けるため,積極的にリズムコントロールを行っているという。
 
リズムコントロールの手段としては,抗不整脈薬とアブレーションがあるが,欧米では抗不整脈薬を1剤試みて効果がなければ,セカンドチョイスとしてガイドラインで推奨されている。
同教授は「発作性AFは今やアブレーションで治療可能であり,特に若年者ではアブレーションが第一選択になりうると考えている。慢性AFでも異常電位の好発部位がわかってきたことから,よほど長期持続したAFでなければ積極的にアブレーションで治療する流れにある」と話す。
 
今後の課題として,同教授はアブレーションにより脳梗塞を減らせるのか,予後を改善できるのかを多施設大規模臨床試験で証明する点を挙げている。
手技の難しさや合併症などの課題も残されているが,新たな機器の開発も進んでいることから,「さらに成功率,安全性が向上していくであろう」と,同教授は期待を寄せている。


出典 Medical Tribune 2008.12.25
版権 メディカル・トリビューン社

 

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私のような開業医レベルでは、心房細動についてはどのとうな症例をアブレーション施行のために紹介すればよいのかだけを把握していればよいことかも知れません。
冠動脈のインターベンションも同様ですが、循環器領域自体が日進月歩。
昔は禁忌であったような症例も現在では適応になっていたりします。
最新の知識、つまり現時点における病院紹介の要否を把握しておくことが患者さんのためでもあります。

アブレーションの進化
発作性AFは積極的に,慢性AFにもhybrid療法で成績向上

桜橋渡辺病院ではAFに対するアブレーションの症例数が急増しており(Monthly Data参照),井上医長らは,年間300例以上に施行している。
AFの治療において今や抗不整脈薬に次ぐセカンドチョイスとして位置付けられている。また,慢性AFに対してはアブレーションに抗不整脈薬を併用するhybrid療法を行い,治療成績の向上を図っている。

発作性には拡大肺静脈隔離術で良好な成績
1998年にHaissaguerreらにより,AFの発生トリガーとなる心房性期外収縮の90%以上が肺静脈内の心筋から発生していることが発見され,これらをターゲットとするアブレーションによりAFが根治しうることが報告された。
これを契機に,AFに対するアブレーション治療は急速に進化してきた。
 
当初は,肺静脈内にカテーテルを挿入して焼灼する「肺静脈内局所アブレーション法」が施行されたが,発生部位だけをピンポイントで焼灼することが難しいことから再発率が高く,また肺静脈内を焼灼するため肺静脈狭窄の合併リスクが問題であった。
 
そのため,4本すべての肺静脈と左房間の伝導を電気的に途絶させる「肺静脈隔離術」が考案され,4本の肺静脈を1本ずつ隔離する方法が行われた(図1)。


しかし,発作性AFで60~70%,慢性AFでは20~30%程度の成功率しか得られず,さらに肺静脈狭窄が起こりうる問題がなお残った。
 
その後,電気生理学的に不整脈の持続をもたらすリエントリーサーキットを形成する基質が,肺静脈と左房の接合部である肺静脈前庭部に存在し,この部位は不整脈の発生に重要であることがわかってきた。
そこで,肺静脈を一度に左右2本ずつ,それぞれ肺静脈前庭部を含むよう広範囲に焼灼する「拡大肺静脈隔離術」が行われるようになった。
さらに,リエントリーが左房天井や僧帽弁輪峡部,中隔ラインなど肺静脈以外の部位でも好発するため,拡大肺静脈隔離術においてAFが持続あるいは誘発されれば,左房アブレーションとして線状焼灼(図2)あるいはCFAE(Complex fractionated atrial electrogram)を指標とした左右心房焼灼術が追加されている。


現在,AFに対するアブレーションはこの拡大肺静脈隔離術が主流であり,発作性AFでは再発例にアブレーションを再施行することで90%以上の成功率が得られている。
 
井上医長は「発作性AFでは拡大肺静脈隔離術により根治治療できることが多いが,慢性AFでは再発をいかに少なくするかが今後の課題であり,線状焼灼やCFAEはその戦略の1つ」と話す。

慢性AFはhybrid療法で洞調律維持
井上医長らは,慢性AFに対してアブレーションだけでは再発が多いため,抗不整脈薬を併用するhybrid療法を行っている。
電気的リモデリングをリバースする作用があるベプリジルの低用量投与を併用し,高率に洞調律化が期待できるという。ただ,ベプリジルは心室性不整脈や徐脈を合併することがあるため使用には注意を要するという。
 
このhybrid療法を施行した慢性AF患者連続50例を対象に,同医長らが平均21か月間追跡したところ,48例(96%)で洞調律維持が可能であった。
しかし一方,洞調律が維持され頻脈発作も起こらなかった38例のうち28例でベプリジル投与を中止したところ,9例で頻脈発作が再発したことから,ベプリジルの中止は慎重にすべきことも浮き彫りとなった。
 
アブレーション後の薬物療法については,発作性AF例では抗不整脈薬を中止し,慢性AF例では継続したまま半年程度経過を観察し,再発しなければ減量していく。
再発した場合は再度アブレーションを試みるか,抗不整脈薬を投与するかの選択肢があるが,多くの症例がアブレーションを選択している。以前効果がなかった薬剤でもアブレーション後に効果が認められる場合もあるという。
 
血栓塞栓症,特に脳梗塞予防のためのワルファリン投与に関しては,施設により異なるが,同院では基本的にはアブレーション当日から投与を再開している。

薬物療法無効例が第一の適応,課題は手技の難しさ
アブレーションは,現状では洞調律を維持してQOLを改善する治療法と考えられており,適応については,ガイドラインで「薬物療法により症状をコントロールできない場合や副作用などで薬物が使用できない場合の発作性AF」がクラスII aとなっており,2,3種類の抗不整脈薬を試みて効果がなければアブレーションが勧められている。
同院では,AFにより心機能がさらに低下した「心機能不全患者」,パイロットやアスリートなど「症状のために社会的に不利益を被る患者」,特に「50歳未満」では積極的に勧められることが多いという。
さらに,ワルファリン投与にもかかわらず血栓塞栓症を発症した患者に対しても,脳梗塞リスクを軽減するために考慮されるという。
 
一方,重症弁膜症などで左房径が50mm以上の症例では,効果が低く,今後の課題となっている。
 
アブレーションの問題点として,重症合併症が0.5?1%の頻度で起こることが挙げられる。
左房のなかで操作するため,血栓塞栓症のリスクがある。特に,脳梗塞の発生が問題である。
このため,治療前日には経食道エコーを行い,心房内に血栓がないことを確認するとともに,術中はヘパリンを十分に投与し,ACTを300秒程度にコントロールしている。
また,出血性合併症として心タンポナーデがある。この場合,心嚢穿刺あるいは外科的に止血が必要となりうる。
さらに,左房・食道瘻の発生が危惧されている。
左房の後側を走る食道を傷つけてしまうために起こり,海外では死亡例が報告されているが,食道と接する部位を避けて通電したり,通電エネルギーを調節したりすることで予防が可能である。
 
手技の難易度が高いことも普及の壁となっている。高度の経験と技術が必要であり,施行できる施設も限られているが,さらに施設間・術者間で治療成績に大きな差が見られるのが現状だ。
しかし,「AFの根治を目指せるのは,現状ではアブレーションだけ」と井上医長は指摘し,「局所麻酔で行え,手技を獲得すれば2~3時間で行えることから,薬物療法と並んでAFの重要な治療法として位置付けることができる」とその重要性も強調している。

出典 Medical Tribune 2008.12.25
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「井蛙内科/開業医診療録(3)」2008.12.11~
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昨日に続きβ遮断剤で勉強しました。
降圧剤については(メーカーのひも付きの)ARBの話題が全盛の中で、β遮断剤は”箸やすめ”のようでもあり何だかほっとします。

肥満・糖尿病合併高血圧症に対しカルベジロールは有用
一般的に、糖代謝などへの悪影響が懸念されるβ遮断薬だが、少なくともカルベジロールに限っては、肥満・糖尿病合併高血圧症治療に有用のようである。
6月19日、HYPERTENSION2008のポスターセッションにおいてロシアState Research Center for Prevention MedicineのS.Shainova氏らがおよそ600例を対象とした無作為化試験ACCORD-studyの結果として報告した。
 
対象となったのは、血圧140~180/90~110mmHgで、「腹部肥満」(腹囲径:男子>102cm、女性>88cm)、「2型糖尿病」の少なくとも1つを認める592例。
降圧治療の有無は問わなかった。
重症の心疾患(心不全NYHAIII-IV、閉塞性肥大型心筋症、直近3カ月以内の心筋梗塞など)や不整脈、その他重篤な合併症の症例などは除外した。
平均年齢は56歳、血圧平均値156/95mmHg、BMIは34kg/m2だった。
34%が2型糖尿病を合併し、92%が「腹部肥満」に相当していた。 
これら592例はカルベジロール群(291例)と標準的治療群(301例)に無作為に割り付けされ、24週間追跡された。
カルベジロール群は6.25~25mg/日×2/日を服用、標準的治療はカルベジロール以外の降圧薬は全て使用可能だった。
 
その結果、カルベジロール群では収縮期血圧、拡張期血圧とも、標準的治療群に比べ有意に低下していた(p<0.0001)。また140/90mmHg未満を達成できていた割合を全例で比較すると、カルベジロール群で有意に高値だった(96.8% 対 88%、p<0.001)。
糖尿病合併例で130/80mmHg未満を達成した割合もカルベジロール群57.7%で標準的治療群の45.7%に比べ高値だったが、有意差には至らなかった。
なお、カルベジロール群では心拍数も有意に減少していた(p<0.0001)。

糖代謝、脂質代謝に与える影響は両群で同等で、また有害事象発現、両群間で同等だった。

Shainova氏らは「2型糖尿病あるいは腹部肥満を伴う高血圧患者に対し、カルベジロールは代謝への悪影響なく、良好な血圧コントロールが可能である」と結論していた。

出典 NM online 2008. 6. 20
版権 日経BP社

<コメント>
平生ロシアの医師の論文や発表を知る機会は多くありません。
これも医学の分野におけるグローバリゼーションなのでしょうか。
USAとカナダで行われた試験にロシアの医師が関連している理由がよくわかりません。
それとも、文中の「無作為化試験ACCORD-study」はACCORDとは別の試験なのでしょうか。

<ACCORD 関連サイト>
”ACCORD”を検索すると実に多くの関連サイトが見つかります。
この試験の反響の大きさを物語っています。

ACCORD、Questions and Answers
http://www.nhlbi.nih.gov/health/prof/heart/other/accord/q_a.htm
(NHLBIが2008年6月に公表したACCORD試験に関するQ&Aです)
ACCORD study
http://www.accordtrial.org/public/index.cfm

ACCORD試験:一部が早期中止に - the long tail soup
http://d.hatena.ne.jp/pure_jam/20080209

ACCORD糖コントロール強化群中止の波紋
http://intmed.exblog.jp/6835757/

ADVANCED と ACCORD 研究
http://wikiwiki.jp/nobukinkin/?ADVANCED%A1%A1%A4%C8%A1%A1ACCORD%A1%A1%B8%A6%B5%E6

Studying Diabetes and Heart Disease: The ACCORD Study
http://www.netwellness.org/healthtopics/diabetes/clinical.cfm

Is More Always Better? - the ACCORD Study Results
http://hcrenewal.blogspot.com/2008/02/is-more-always-better-accord-study.html

ACCORD STUDY
http://www.gme.duke.edu/newsletters/March%202008/AccordStudy.pdf

Effects of Intensive Glucose Lowering in Type 2 Diabetes
http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMoa0802743

ACCORD Study: Wrong and Wronger
http://www.diabetesmine.com/2008/02/accord-study-wr.html

GlaxoSmithKline responds to findings in ACCORD study
http://www.gsk.com/media/pressreleases/2008/2008_pressrelease_0110.htm

Intensive Glycemic Control and Cardiovascular Disease Observations From the ACCORD Study
http://diabetes.diabetesjournals.org/cgi/content/full/57/5/1163

 

<きょうの1曲> The Eagles - Desperado
http://jp.youtube.com/watch?v=umw1-Do3-ho&feature=related

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高血圧では心不全リスクが2倍になるといわれています。
βブロッカーは心不全の効果的な治療薬であることから、βブロッカーは他の降圧剤よりも心不全予防効果が優れているかもしれないと考える人がいます。
きょうはそのあたりについて勉強しました。


高血圧患者の心不全予防にβ遮断薬?
β-Blockers to Prevent Heart Failure in Hypertensive Patients?

心不全は高血圧性心疾患の重大な合併症であり、臨床的心不全の患者の治療にはしばしばβ遮断薬が用いられる。
しかし、高血圧患者において、β遮断薬は新規発症の心不全に対して他のクラスの降圧薬と同等の保護をもたらすだろうか?
β遮断薬を降圧薬の第一選択薬として評価した12件のランダム化試験(患者数112,000人超;各試験には、新たに発症した心不全に関する1年以上のフォローアップのデータが報告されている)を対象に、メタアナリシスを行った。

プラセボ対照試験では、β遮断薬により血圧および心不全の新規発症率の両方が低下した。
比較研究では、β遮断薬の利益は他の薬剤(利尿薬、アンジオテンシン変換酵素(angiotensin-converting?enzyme:ACE)阻害薬、カルシウムチャネル遮断薬)にみられた利益と同等であった。
副次的評価項目である脳卒中の発症率の解析では、結果の相違が明らかとなった。
若年患者(60歳未満)では、β遮断薬は他の薬剤と比べて脳卒中のリスクの有意な(22%)低下をもたらしたが、それより高齢の患者では有意に高いリスクを伴っていた(相対リスク1.19)。
著者は、心不全の一次予防は十分な血圧の低下に依存し、β遮断薬の心不全の予防効果は他の薬剤と同等であると結論付けた。
しかし、高齢患者における脳卒中のデータを考慮し、高血圧患者の心不全予防のための第一選択薬としてはβ遮断薬を使用しないように忠告している。

コメント:
この解析では、β遮断薬は血圧および心不全の新規発症率の低下に関して他の薬剤と同等に有効であったが、若年患者と高齢患者における脳卒中に対する影響の差は、折り合いをつけるのが困難である。
著者とエディトリアル執筆者は、メタアナリシス固有の限界のほかに、いずれの試験でも心不全が主要評価項目とされなかったこと、心不全の定義が多様であったことを指摘している。
エディトリアル執筆者は、高血圧患者、とくに既存の心疾患がある患者では、β遮断薬が心不全の一次予防として用いられうる薬剤クラスの選択肢であり続けることを示唆し、また、薬剤間の差は、不十分な治療の影響とくらべると小さなものであることも指摘している。
十分な治療を受けているのは高血圧患者の約半数にすぎないことを、さまざまな研究が示唆している。

Kirsten E. Fleischmann, MD, MPH
Published in Journal Watch General Medicine November 26, 2008

Citation(s):
Bangalore S et al. Beta-blockers for primary prevention of heart failure in patients with hypertension: Insights from a meta-analysis. J Am Coll Cardiol 2008 Sep 23; 52:1062.
Original article (Subscription may be required)

Fowler MB. Hypertension, heart failure, and beta-adrenergic blocking drugs. J Am Coll Cardiol 2008 Sep 23; 52:1073.
Original article (Subscription may be required)

http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW08-1125-05.html

2008 November 25

 

<関連サイト>
高血圧から慢性心不全までの大規模介入試験からみたβ遮断薬の評価
http://www.lifescience.jp/ebm/sa/2008/0801/index.html
(築山久一郎先生がまとめられた素晴らしい内容です)

 

高血圧から心不全への進展をいかに遅らせるか
http://cvd.jp/area_em/01sapporo2/p4.html

 

Should β blockers remain first choice in the treatment of primary hypertension? A meta-analysis
The Lancet, Volume 366, Issue 9496, Pages 1545 - 1553, 29 October 2005
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(05)67573-3/fulltext
In comparison with other antihypertensive drugs, the effect of β blockers is less than optimum, with a raised risk of stroke. Hence, we believe that β blockers should not remain first choice in the treatment of primary hypertension and should not be used as reference drugs in future randomised controlled trials of hypertension.

 

Beta-blockers for primary prevention of heart failure in patients with hypertension insights from a meta-analysis.
J Am Coll Cardiol. 2008 Sep 23;52(13):1073-5.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18848139?ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DiscoveryPanel.Pubmed_RVAbstractPlus
In hypertensive patients, primary prevention of HF is strongly dependent on blood pressure reduction. When compared with other antihypertensive agents, there was similar but no incremental benefit of BBs for the prevention of HF. However, given the increased risk of stroke in the elderly, BBs should not be considered as first-line agents for prevention of HF.

 

<番外編>

合併症を伴わない高血圧にはβ遮断薬より他の薬物が勝る
Other Drugs Outperform β-Blockers in Uncomplicated Hypertension
β遮断薬は、心筋梗塞、狭心症、頻拍性不整脈、心不全の患者にとって明らかに有益である。
β遮断薬は、合併症を伴わない高血圧の治療に広く推奨され、よく使用されているが、この比較的健康な集団での冠動脈性心疾患の予防効果については議論があり、いくつかの最近の研究結果から、この目的では他の薬物がβ遮断薬より優れていることが示唆された。
2005年9月に公表されたASCOT-BPLA(Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial- Blood Pressure Lowering Arm)試験で、研究者らは、複数の心臓疾患のリスクファクターを有するが過去に顕性の冠動脈心疾患を起こしたことのない高血圧患者ほぼ20,000人について、β遮断薬atenolol(必要であれば利尿薬を最初に追加)とカルシウム拮抗薬amlodipine(必要であれば最初にアンジオテンシン変換酵素[angiotensin-converting-enzyme:ACE]阻害薬を追加)を比較した。
主要エンドポイントである心臓死と非致死的心筋梗塞は、amlodipine群でより少なかった。
この結果は統計的に有意ではなかったが、それはおそらく予想外に多くの患者が血管再生を受け、エンドポイントを回避したためであろう。
大部分の二次エンドポイント(たとえば、有害な冠動脈イベント、心血管系の死亡率、すべての原因による死亡率、脳卒中)は、amlodipine群で有意に少なかった。
この結果は、amlodipine群で平均血圧の低下がわずかに大きいということが交絡した。
amlodipine-ACE阻害薬群でより良いアウトカムとなった原因が、単に血圧低下がより大きいためであるのか(それとも薬物自体の他の特性によるものなのか)、著者らとエディトリアル執筆者では、意見が一致していなかった(日本語版 Journal Watch Oct 21 2005)。

1ヵ月後に、研究者らは、本態性高血圧患者でβ遮断薬を他の薬物または無治療と比較した20件の試験のメタアナリシスを公表した。
他の薬物と比較した13件の試験では、脳卒中の相対リスクがβ遮断薬で16%高く、すべての原因による死亡率または心筋梗塞発生率には有意差はみられなかった。
7件のプラセボ群または無治療群との比較では、脳卒中のリスクがβ遮断薬群で19%低く(これはβ遮断薬と利尿薬を使用した他の試験でみられた脳卒中リスクの低下の約半分)、β遮断薬群の患者は、心筋梗塞またはすべての原因による死亡率の有意な減少を示さなかった(日本語版 Journal Watch Dec 9 2005)。

これらの研究の著者らとエディトリアル執筆者は、合併症を伴わない高血圧の第一選択の療法としてβ遮断薬を推奨するガイドラインを再考するべきであると示唆している。しかし、将来の高血圧ガイドラインにおける位置付けに関係なく、β遮断薬は、心臓病が確立した患者治療に重要な役割を保ち続けるであろう。

Bruce Soloway, MD
Published in Journal Watch December 30, 2005
http://ds-pharma.jp/medical/gakujutsu/jwtopstory/2005/top05-05.html

 

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おもに収縮機能障害としての慢性心不全の薬物治療は,ACE阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB),β遮断薬を中心に有用性がほぼ確立されています。

しかし,β遮断薬ノンレスポンダーの存在,利尿薬の長期予後への影響など,検討すべき課題は今なお少なくない状況です。

きょうは、第56回日本心臓病学会(東京 会長=東京大学大学院心臓外科・呼吸器外科・高本眞一教授)のシンポジウム「心不全の薬物療法Update」(座長=山口大学大学院器官病態内科学・松崎益徳教授,慶應義塾大学循環器内科・吉川勉准教授)の記事で勉強しました。
hANP投与でアディポネクチン増加
心保護作用の機序に関与か
ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)製剤のカルペリチドを心不全患者に投与すると,アディポネクチン濃度が上昇するというデータが,滋賀医科大学呼吸循環器内科学の蔦本尚慶講師らによって報告された。

7日後に15%増加
アディポネクチン(以下,Ad)は,抗動脈硬化作用,インスリン抵抗性改善作用や心保護作用を有することが知られている。
ところが,心不全患者では重症度に伴って増えることもわかってきた。
このことがAdのどんな働きを示唆しているのかは十分解明されていないが,蔦本講師らの検討でも,総Ad,善玉Adと言われる高分子型Adの濃度とも,ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類が重症であるほど高かった。
また,Ad濃度の上昇は,各種の循環動態指標とは相関しなかったが,ANP高値あるいは脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)高値とは関連した。
内因性ANP,BNPの増加に伴ってAd濃度が上昇するのであれば,心不全治療に使用されているhANP製剤の投与によりAd濃度が上がる可能性が考えられる。
 
そこで,同講師らは今回,急性増悪で入院した慢性心不全患者52例を対象に,カルペリチド投与によるAd濃度の変化(投与前と7日後)を検討し,ニトログリセリン(NTG)を投与した23例と比較した。
ANP濃度,BNP濃度はNTG群ではともに低下したが,カルペリチド群ではBNP濃度が低下,ANP濃度は上昇した。
総Ad濃度は,NTG群で低下,カルペリチド群で上昇。
投与前と7日後の変化率を求めると,カルペリチド群で総Ad濃度が15%増加,高分子型Adが10%増加したのに対して,NTG群ではそれぞれ13%,11%の減少が認められた()。


hANP製剤による心保護作用の機序の1つとして,Ad増加が関与する可能性を示すデータとして注目される。

出典 Medical Tribune 2008.11.13
版権 メディカル・トリビューン社

<アディポネクチン~心不全 関連サイト>
自治医科大学 研究シリーズ集
http://rseeds.jichi.ac.jp/research_seeds/public/ResearchResultDetail.php?publicId=00prR9OQHGQYRR55N9ciBwyltPtNCV&resultCd=4&sectionCd=69
うっ血性心不全では心不全の進行に伴って血中adiponectinは増加する。
血中adiponectinは、BNPと正相関,cardiac indexと負の相関をする。
心不全ではadiponectinは心保護作用を有する可能性が示唆されている。

 

うっ血性心不全患者の予後マーカーとしてのIGF axisとアディポネクチン
http://ww2.ttmed.com/cardiology/jp/esc2008/pdf/13.pdf

 

Circulating adiponectin concentrations in patients with congestive heart failure
http://heart.bmj.com/cgi/content/abstract/92/10/1420
Adiponectin is increased in CHF patients and predicts mortality and morbidity.

 

Adiponectin and Risk of Congestive Heart Failure
JAMA Vol. 295 No. 15, April 19, 2006
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/295/15/1772-b
Increase in serum adiponectin concentration in patients with heart failure and cachexia: relationship with leptin, other cytokines, and B-type natriuretic peptide
http://eurheartj.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/ehm033v1
The correlation between BNP and adiponectin also raises the possibility that the former might increase the secretion of the latter.

 

Adiponectin is released from the heart in patients with heart failure.
Int J Cardiol. 2008 Jan 11.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18192035
Adiponectin is released from the heart into the peripheral circulation in proportion to the extent of LV dysfunction in patients with HF irrespective of etiologies of HF.



<きょうの一曲>
nana mouskouri - amazing grace
http://jp.youtube.com/watch?v=lhc7MEYY-Ho&feature=related
 

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Mass-DAC

戯れ言たれる侏儒 / 2008.12.25 00:07 / 推薦数 : 0

糖尿病患者もDESで死亡や心筋梗塞が減少  
糖尿病を有する冠動脈疾患患者は,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の再狭窄率が高く,心イベントも起こしやすいことが知られているが,大規模な観察研究Mass-DAC(Massachusetts Data Analysis Center Registry)の結果,従来のステント(BMS)に比べ薬剤溶出ステント(DES)は死亡や心筋梗塞の発生を有意に減少させることが示されたと,Brigham and Women's病院(ボストン)のLaura Mauri氏が報告した。

絶対リスクで3~5%低下
2003年4月~04年9月にマサチューセッツ州で行われた全PCI症例(ただしわが国の国立に当たる連邦立病院での施行例は除く)2万1,045例中,糖尿病患者は3割近い6,008例。
そのうち,同州非在住者や入院記録が入手できない者,BMSとDESの両方を植え込まれた者を除いた5,051例(BMS 34%,DES 66%)が同研究の解析対象とされた。DESのうち73%がシロリムス溶出ステント(SES),25%がパクリタキセル溶出ステント(PES),2%が両者併用であった。  
対象のうち3分の1がインスリン治療を要していた。
また,これはランダム化比較試験(RCT)ではなく観察研究のため,BMS群とDES群の患者背景にはさまざまな有意差が見られた。
例えば,DES群のほうが高血圧合併率は高かったが,心筋梗塞(MI)既往や冠動脈バイパス術(CABG)既往,心不全合併率は低いなど。
病変血管数はBMS群のほうが多く,治療血管数はDES群のほうが多かった。
補正しない3年後の死亡率はBMS群22.2%,DES群14.4%であった。  
さらに,両群から背景因子をマッチさせた1,476例ずつを抽出し,3年後のイベント発生率を比較したところ,死亡率はBMS群20.7%に対し,DES群17.5%と有意(P=0.02)に低かった()。


MI発症率もBMS群の16.9%に比べてDES群では13.8%と有意(P=0.02)に低く,標的血管再血行再建術(TVR)施行率もそれぞれ23.7%,18.4%と有意差(P<0.001)が認められた。  
以上のように,population-basedの解析により,糖尿病を有していてもBMSに比べてDESのほうが有益であることが確認された。
同研究は発表と同時にCirculation電子版に掲載された。

出典 Medical Tribune 2008.12.4
版権 メディカル・トリビューン社

 

<関連サイト>
■Mass-DAC - Home Page
http://www.massdac.org/

■<Late-Breaking Clinical Trials II>
Mass-DAC Drug-Eluting and Bare-Metal Stenting for Diabetes Mellitus: Results from the Massachusetts Data Analysis Center Registry
糖尿病患者における薬剤溶出ステントとベアメタルステントの比較: Mass-DAC登録研究

http://therres.jp/entry/aha2008_1110.php

(こんな綺麗な先生が発表していたのです)
 

■King氏にLate-Breaking Clinical Trialsを聞く
Mass-DAC: DESがBMSより優れているとは言い切れない
http://therres.jp/entry/aha2008_king.php
Mass-DAC登録研究の結果をみて,実地臨床や臨床試験と比較して生存率が高いという印象を受けました。
これはMass-DACだけでなく,他の登録研究にもいえることです。
患者の選択や非調整交絡因子が影響しているのかもしれません。

今回,DESとBMSの比較において,患者背景などのマッチングを行って交絡因子の影響を排除していますが,「データベース上には統計値として表現されないけれど,治療選択において重要な要因」というのがたくさんあると思います。
たとえば,血管の位置/状態がBMSに適しているか,手術を要するか,長期間の抗血小板療法を患者が望んでいるのかといったことです。
観察研究である以上,いくら交絡因子をマッチングさせ,ランダム化比較試験に類似させても,交絡因子の調整には限界があります。
したがって,結果の解釈には注意が必要です。
さらに, Mass-DACは「DES療法」が「BMS療法」より優れることを示しましたが,DES自体が改善をもたらしたと言い切ることはできません。
DES患者で行われる積極的な抗血小板療法が貢献している可能性も否定できないからです

■Mass-DAC: 糖尿病患者におけるステントの安全性と有効性の問題に答えがでた
http://therres.jp/entry/aha2008_holmes.php
糖尿病患者におけるステントの安全性と有効性の問題がとりざたされていましたが,Mass-DAC登録研究はこの問題に答えをだしてくれました。
この研究では,DESとBMS植込み例の患者背景の違いを,67の交絡因子についてマッチングすることで補正しています。
それでもなお交絡因子が残っている可能性は否定できませんが,両群は実によくマッチングされていたと思います。

対象者の30%以上がインスリンを服用しているような患者集団で,DES群はBMS群との比較で死亡率に関して,3%の絶対差を得,DESの安全性を証明しました。
さらに,標的血管血行再建術でみた有効性に関しても,5%の絶対差を得ています。

今回の研究により,DESはBMSと比較して,より安全で,有効性に優れていることが示されたのです。

 

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THINRS

戯れ言たれる侏儒 / 2008.12.24 00:50 / 推薦数 : 0

ワルファリンコントロール〜自宅でのモニタリングも有効な手段に
自宅でワルファリンのコントロール状態をモニタリングする方法は,クリニックでの検査に比べて,脳卒中や大出血,死亡といったイベントを低下させることはなかったが,抗凝固療法に対する満足度は良好で,クリニックでの検査の代替手段になりうることが,ランダム化比較試験THINRS(The Home INR Study)の結果から明らかとなった
Jerry L. Pettis記念退役軍人局医療センターのスタッフ心臓病専門医でもあるロマリンダ大学(ともにカリフォルニア州ロマリンダ)のAlan K. Jacobson助教授が発表した。

有意差ないがイベントは減少傾向
心房細動患者や人工弁置換術を受けた患者は,血栓ができるのを防ぐためワルファリンを服用しなければならないが,凝固能〔国際標準化プロトロンビン比(INR)〕が一定の範囲内に維持されているかを調べるため,定期的に受診して検査を受ける必要がある。
しかし,身体に障害がある患者や自宅が医療機関から遠い患者にとっては通院が負担になる場合も少なくない。
さらに,INR測定はできるだけ頻回に行ったほうがワルファリンのコントロール状態もよくなると考えられるが,通院しての検査となると回数も限度がある。
 
そこで,クリニックにおける月1回の定期検査よりも,自宅で週1回INRを自己測定する方法のほうが患者の臨床転帰を改善するのではないかとの仮説を検証するため,全米の退役軍人局医療センター28か所で同試験が実施された。
対象は,心房細動患者と人工弁置換術を受けた患者で,ワルファリン服用中の者。
 
まず,試験の第一段階で患者本人または介護者に自己測定の訓練をさせ,自宅でのINR測定が可能と判断され,かつランダム化比較試験(RCT)への参加を希望した者を第二段階に進めた。
その結果,第一段階での対象者の8割に相当する2,922例(うち248例は介護者がINRを測定)がクリニック検査群(1,457例)と自宅測定群(1,465例)に割り付けられ,平均3年間追跡された。
 
1次評価項目は複合主要イベント(脳卒中,大出血,死亡)発生までの期間。退役軍人ということもあり98%が男性で,平均年齢は67歳と抗凝固療法を受けている典型的な患者集団よりやや若かった。
3割が心不全を合併しており,1割に脳卒中の既往があった。
3割がアスピリンを,1割がアミオダロンを併用していた。
 
1次評価項目の発生率は,患者・年当たりクリニック群8.93%に対し,自宅群では7.92%と,有意差は付かなかったものの,自宅群のほうが低い傾向にあった。
脳卒中発症率はクリニック群0.79%,自宅群0.69%,大出血発生率は4.46%,3.85%,死亡は3.71%,3.38%であった。
 
2次評価項目を見ると,「INRが目標範囲内に維持された期間」はクリニック群に比べて自宅群で長く,抗凝固療法に対する満足度も自宅群のほうが高く,Health Utilities Indexを用いたQOL評価でも同群のほうが良好なことがわかった。
 
Jacobson助教授は「今回の結果は,自宅でのINR測定がクリニックでの検査の代替手段になることを支持するものであり,クリニックへのアクセスが困難な患者にとってはより好ましい方法かもしれない」と結んだ。

出典 Medical Tribune 2008.12.4
版権 メディカル・トリビューン社

 

<コメント>
INRをその場で測定するのは病院外来では常識(の筈)です。
しかし、開業医ではコスト意識も働き、器機の導入をためらっておみえになる先生も多いのではないでしょうか。
私自身、患者さんに検査センターへの外注の1か月前の測定値を説明しても意味がないと思いながらも導入出来ずにいます。
来年こそは購入したいと思っています。

コアグチェック XS  血液凝固モニタリング検査

http://www.roche-diagnostics.jp/products/npt/coaguchek/xs/index.html


<きょうの一曲>
想い出のソレンツァラ」エンリコ・マシアス  Solenzara
http://oldieseu.seesaa.net/category/3213932-1.html

 

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治療抵抗性高血圧患者の心血管疾患リスク予測には24時間血圧測定が優れる

治療抵抗性(難治性)高血圧患者の心血管障害リスクを予測するには、診察室(外来)で測定した血圧値よりも、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)による血圧値、特に夜間血圧値が優れていることが明らかにされた。
ブラジル、リオデジャネイロ連邦大学の医師らは、米医学誌「Archives of Internal Medicine(内科学)」11月24日号に掲載の報告で、「昼間(日中)よりも夜間の血圧が心血管の強い危険因子(リスクファクター)となるため、昼間と夜間の血圧を別々に分析するべきである」と述べている。

治療低抗性高血圧とは、標準的な薬物療法を行っても血圧が危険域から降下しないものを指す。
今回の研究では、高血圧患者の10%以上が該当するとされる治療抵抗性高血圧の患者556人を追跡。
被験者の一部は診察室で通常の定期的な血圧測定を受け、残りは自宅で携帯型血圧測定により、昼間は15分おき、夜間は30分おきに測定した。
平均4.8年追跡した結果、19.6%という高い比率で脳卒中、心臓発作、心不全および死亡が発生し、高血圧の危険性が明白に裏付けられた。
診察室血圧値からは、これらの有害事象(イベント)を予測できなかったのに対して、ABPMは予測できたという。

米テネシー大学(メンフィス)予防医学教授のWilliam C. Cushman博士は、 ABPMがリスク予測に優れているのは、一部には測定頻度が高いせいもあるとし、「ABPMのほうが診察室での測定よりも正確であることを示す証拠が多く出てきている」と述べる一方で、「診察室血圧に基づいた治療によって、これまで劇的な効果を得ていることも確か」と付け加えている。
治療の有効性を示す研究のほとんどが診察室での血圧値に基づいたものであり、夜間血圧に基づく治療によってリスクを軽減できるのかどうかはわからないとも同氏は指摘している。

今回の研究を実施したブラジルのチームも、「夜間高血圧の治療を行えば、昼間血圧を管理する従来の治療に比べて予後が向上するのかどうかは疑問」と述べており、今後、前向き研究によってこの疑問を解消する必要があるとしている。
Cushman氏によると、治療抵抗性高血圧症には利尿薬、ACE阻害薬およびCa(カルシウム)拮抗薬などの薬剤の併用が奏効することがあるという。

ABPMの有用性に疑問を呈する専門家もいる。
米アラバマ大学バーミンガム校のDavid. A. Calhoun博士は、 ABPMは「利便性の点で実用的ではないことが多い」と述べる。
米ロチェスター大学(ニューヨーク州)のJohn Bisognano博士は、治療抵抗性高血圧患者の血圧をさらに正確に測定しようとするのは「燃えているビルに高性能の温度計を用いるようなもので、より正確な温度を測定できても意味がない」と述べ、 ABPMはむしろ境界域高血圧患者に価値があると指摘している。

出典 HealthDay News  2008.11.247
http://www.drakahige.com/NEWS/DAILY/2008/2008120803.shtml

<コメント>
米国心臓協会(AHA)ガイドライン作成委員会が、「治療に抵抗を示す高血圧」に対する初めての共同声明として治療ガイドラインをHypertension(2008; 51: 1403-1419)に発表しました。

 

治療抵抗性高血圧に新しい治療ガイドライン
http://blog.m3.com/reed/20080709/1

 

今回のガイドラインにおける、「治療に抵抗を示す高血圧」の定義は以下の通りです。
(1) 3剤以上の降圧薬を服用しているにもかかわらず、血圧が目標値まで下がらない場合
(2) 血圧は管理されているが、その維持に4剤以上を必要とする場合

この定義でいくと、私の外来の多くの患者さんが「治療抵抗性高血圧」となってしまいます。

しかし実際には、本当に治療抵抗性であるかどうかの診断は簡単ではありません。

つまり「管理不良の高血圧」というのが、服薬コンプライアンスの不良が原因であったり、使用する(複数の)降圧剤が不適切である場合がありうるからです。
さらには喫煙、過剰な食塩摂取や飲酒などのライフスタイルのチェックや二次性高血圧の除外診断も必要になります。
中には肥満やそれに合併しやすい閉塞性睡眠時無呼吸が原因のこともあることから安易にはつけれない病名ではあります。

<治療抵抗性高血圧 関連サイト>
[PDF] 治療抵抗性高血圧の対処法
http://www.cwo.zaq.ne.jp/momokuri/image_animusu_etc/animus.pdf

難治性高血圧症治療のガイドライン
http://homepage.mac.com/k_kudo/iblog/B2007620793/C177514499/E20080409230006/index.html

治療抵抗性高血圧の特徴:高アルドステロン血症
http://intmed.exblog.jp/7197482/

治療抵抗性の高血圧にバルサルタンが有効
高用量単剤投与で高齢患者の収縮期血圧と脈圧を低下
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jcs2006/200603/500039.html

治療抵抗性高血圧患者におけるスピロノラクトンの降圧効果
http://www.aldosterone.jp/evidence_box/page_2.php

[PDF] 高血圧の評価と 治療抵抗性高血圧の対応
http://www.healthcare.omron.co.jp/medical/study03/pdf/record_20080202_b.pdf

治療抵抗性高血圧のAHAステートメント
http://intmed.exblog.jp/7003295/

3薬剤にてコントロールできてない高血圧患者
http://intmed.exblog.jp/4023510/

 

他に

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安定狭心症に対するニコランジルの有用性を証明したIONA studyは英国で行なわれた大規模臨床試験です。

しかしわが国の治療体系とは若干異なるため、同様な結果が得られるかどうかは不明です。

きょうは、わが国のJ-CAD(Japanese Coronary Artery Disease)studyの紹介とそのサブ解析にて明らかになったニコランジルのエビデンスを報告した記事で勉強しました。

周知のようにIONA studyは別に目新しい研究ではありませんが、今となっては温故知新です。

演者は、自らの基礎研究の結果から心血管保護作用が寄与しているかもしれないと結論づけました。

ニコランジルによる予後改善のエビデンスを振り返る-IONAからJ-CADまで-

基礎とエビデンスで見たニコランジルの心血管系保護作用

演者:
獨協医科大学 循環器内科 堀中 繁夫 先生

Sprague-Dawleyラットにおける検討で、ニコランジルは血圧に有意な影響を及ぼさない用量でKATPチャネルのサブユニットであるSUR2 mRNAとecNOS(内皮構成型一酸化窒素合成酵素)mRNAからのタンパク発現を増加させた。
この増加作用はいずれもグリベンクラミド(KATPチャンネル遮断薬)前処置により消失したため KATPチャネルを介する可能性が示唆された。
次にラット心筋梗塞モデルにおいて、ニコランジルは対照群に比べ生存率を改善する傾向を示し、機序として致死性心室性不整脈の抑制が関与していることを示した。
また心臓組織のmRNA発現を検討すると、ニコランジルによりSUR2とecNOSのmRNA発現が増加していた。
結論として「ニコランジルによるKATPチャネル開口作用とともに、ecNOS発現増強を介した心筋NO産生の増加が心保護的に作用するのではないか」と堀中氏は述べた。
またダール食塩感受性高血圧心不全ラットでは心不全期において心臓のecNOS発現が低下していることが報告されている。
このラットモデルにおいてもニコランジルは、血行動態に影響を与えない用量で、左室重量の増加や左室容積の増大を抑制し、左室収縮能および拡張能を改善した。
遺伝子発現の検討では、ニコランジル群で対照群に比べecNOS mRNA発現が増加しており、内皮依存性のNOの増強作用が心不全をも改善させる可能性を示唆した。
J-CAD study:ニコランジルで死亡が35%減少 次に堀中氏は、日本人におけるニコランジルのエビデンスを紹介した。 IONA studyにおいて、ニコランジルは安定狭心症患者の虚血性心イベント(複合エンドポイント)を相対的に17%減少させた(表1)。
ただし、本試験には「対象が日本人以外」、「日本国内承認用量を超える40mg/日を使用」、「SU剤服用例除外」という限界があると堀中氏は指摘。
これらを補うエビデンスとして、わが国で行なわれたJ-CADstudyのサブ解析を紹介した。
The IONA Study Group. Lancet 2002; 359: 1269-1275.

 

IONA studyにおける複合エンドポイント

J-CAD studyはWeb登録による、わが国の虚血性心疾患患者を対象とした前向きコホート研究である。
2000年に開始され、全国 217施設が参加している。
今回紹介されたサブ解析は、冠動脈造影により75%以上の狭窄を少なくとも1枝に認めた連続13,812例中、ニコランジルを服用していた2,558例と非服用の対照群2,558例の比較である。
対照群の抽出にはpropensity scoreが用いられた。ニコランジルの平均服用用量は15.04±4.74mg/日だった。
これら5,116例の平均年齢は67歳、75%が男性であり、36%がスタチンを、46%がレニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬を服用していた。
平均2.7年間の観察期間中、総死亡のリスクはニコランジル群で相対的に35%有意(p=0.0007,Cox解析)に低下していた()。
またニコランジル群では、「心臓死」、「脳血管・血管死」、さらに「心不全発症」も減少していた(表2)。


図. J-CAD studyにおける総死亡リスク

 

表2. J-CAD studyにおける心血管系イベント

また、これらのニコランジルによる有効性はSU剤併用の影響を受けなかった。
すなわち、SU剤服用の有無にかかわらず、ニコランジル群では対照群に比べ「総死亡」は減少していた。
「わが国の臨床において標準的治療を受けている虚血性心疾患患者に対し、ニコランジルの追加投与は心血管死を減少させ、さらに心不全発症も抑制する。
したがって虚血性心疾患患者には積極的に用いる必要があろう」と堀中氏は結論した。
http://www.carenet.com/cardiology/jcc_fs7_2008/text_04.html  
 

<自遊時間>
医療情勢に関する記事をとりあげてみました。

公立病院閉鎖が現実に。
診療報酬改善の前提は医療側の自律と自治
鈴木寛(参議院議員)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200812/508810.html
出典 NM online 2008.12.12
版権 日経新聞社
2006年の医療改革以来、診療報酬は毎年減額。
地域中核病院が閉鎖、縮小、診療所化に追い込まれています。
この流れは昨年12月、総務省の公立病院改革ガイドライン発出から加速。
全国411公立病院中129病院が体制の見直しを迫られています。
公的医療を担う病院の収益が悪くなる理由として、
1)小児科、産科、救急などの非採算部門を他病院が撤退した後も最後の砦として担っている、
2)一部病院では建替え時にハードにお金をかけすぎ返済額が過大、
 3)看護師らコメディカルの勤続年数や平均年齢の関係で人件費が割高、
などが指摘されています。
とはいえ産科はじめ医師確保の緊要性と、良質な看護師の確保・定着のため、必要な人件費は確保しなければなりません。
やはり問題は、これら病院の収入源たる診療報酬が十分でないこと。
診療報酬体系の歪みを直すとともに、総医療費を先進国並みに引き上げていかなければなりません。
私も繰り返し訴えていますが、患者さんからの賛同は得られるものの、健康な市民からの反応が芳しくありません。
国民の間には「医者はいい思いをしている」との意識が今なお根強く、医療界が信頼と尊敬を取り戻し理解を得るには、さらなる努力を要します。
過酷な勤務環境の下で病院勤務医の確保が難しくなっている実態を説明していくと同時に、倫理なき医師を放置することなく、医療界が自律的に、その退場を毅然と迫ることも必要かもしれません。
ドイツでは、強制加入の州医師会が「医師職業規則」にもとづいて医師を監督。
 「医師職業裁判所」が民事・刑事裁判とは独立して審判・制裁を行っています。
医療界が自浄作用を発揮し、診療報酬の病診配分の見直しなど自発的に提起することで、医療費確保への国民の理解も得られるのです。
 医療界のリーダーシップに期待します。 もちろん我々もがんばります。

 

<コメント>
「診療報酬が十分でないこと」 これは全く同感です。
後半の「倫理なき医師を放置云々」は、この議員の、医師に対する偏見を感じます。
医師の中に倫理観が欠如する人間がいる。
たしかにそんな医師もいるかも知れませんが、それはほんの一部で論点のはぐらかしです。
「医者はいい思いをしている」わけでもなく、多くの医師は真摯に医療に取り組んでいます。
「医療界が信頼と尊敬を取り戻し理解を得るには、さらなる努力を要する」のは施策ミスを犯した医療行政側です。

昨夜もNHKで医療問題をとりあげた特番があり「ながら見」をしました。
案の定、患者サイドが声高の発言をし、医師が悪者扱いになっていました。
厚労省官僚も同席していました。
ターゲットを彼に向けて、医療側も受療側も質問すべきです。
案の定、新しい提言は生まれず不毛の議論でした。


NHKスペシャル「医療再建 医師の偏在 どう解決するか」
チャンネル :総合/デジタル総合
放送日 :2008年12月21日(日)
放送時間 :午後9:00~午後10:50(110分)
http://www.nhk.or.jp/special/onair/081221.html
 

「必要な時、必要な場所で、必要な医療が受けられない。」救急や産科、小児科、外科など、特定の診療科で深刻化する医師不足。
地方と都会で広がる医療格差。夜間に頼れる医療機関がない在宅の患者たち。
そして、過酷な病院勤務に見切りをつける医師たち。
今、日本の医療が崩壊の危機に瀕している。こうした事態に、政府は医師の増員を打ち出したが、医師の数が増えても、診療科や地域など「医師の偏在」の問題に取り組まないと現状は変わらない、という声が医療現場や専門家から相次いでいる。
“必要な時に必要な医師がいる”安心をどうしたら実現できるのか。番組では、妊娠中の女性や救急患者が受け入れを断られて亡くなるケースが続出する東京都の医療現場や、崩壊の危機に直面し医療体制の全面的な建て直しに乗り出している地方の模索など、全国各地の医療現場の最前線を取材。
医師を計画的に配置しているヨーロッパの事例などを交えながら、「医療再建の処方箋」について徹底討論を通じて考える。
【ゲスト】厚生労働省医政局長…外口崇,日本医師会副会長…竹嶋康弘,中央社会保険医療協議会委員…勝村久司,世界保健機関西太平洋事務局長…尾身茂,
【解説】岩本裕,
【司会】高橋美鈴

 

 

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