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昨日の
動脈硬化性病変を伴う高血圧とARB その1(1/2)
http://blog.m3.com/reed/20081123/1
の後半です。
動脈硬化に対するオルメサルタンの影響
堀内
先生はオルメサルタンの動脈硬化に対する影響についても検討を行われたそうですが,その結果をお話しいただけますか。
佐田
われわれは,アポE欠損マウスにオルメサルタン(10mg/kg/日)およびヒドララジン(30mg/kg/日)を6か月間投与して,動脈硬化への影響を検討しました。
それによると,血圧や血中コレステロールでは両群間の差は認められなかったのですが,オルメサルタン群では動脈硬化の進展が抑制され(図4),プラーク内のコラーゲンの増加が観察されました。オルメサルタンによってコラーゲンが増加したことから,プラークの安定化が期待されると思います。
堀内
佐田先生のご検討では,オルメサルタン群とヒドララジン群の血圧に差はなかったということですから,単に血圧を下げるだけでは動脈硬化の進展は十分抑制されないと考えてよろしいのですか。
佐田
そう思います。
局所でのAT1受容体をブロックすることが重要だと思います。
同様の報告として,高コレステロール食で飼育したサルにオルメサルタンを投与した検討では,すでに形成されていた動脈硬化病変が,血圧やコレステロール値とは独立して退縮したことが明らかにされています。
この報告から考えられるのは,ARBには降圧とは別の独立した作用があり,動脈硬化が形成された状態で投与を開始しても,有用性が期待できるのではないかということです。
堀内
オルメサルタンの動脈硬化への影響を臨床的に検討したものとしては,最近報告されたMORE Studyにおいて,心血管系リスクを有する高血圧患者にオルメサルタン(20~40mg)あるいはアテノロール(50~100mg)を104週投与すると,オルメサルタン群ではベースラインのプラーク容積が中央値以上の患者で,プラーク容積の退縮が認められています。
この結果は,ヒトにおいても血圧を下げる場合に,ARBを使うことのメリットが示されたのではないかと考えられます(図5)。
近年では新しい研究分野として,血管内皮前駆細胞(EPC)の血管保護作用が注目を集めていますが,EPCの作用について解説をお願いします。
佐田
従来は血管が傷害されると,その近くの細胞が増殖して傷害を修復すると考えられていたのですが,近年では骨髄細胞が血中に前駆細胞として動員された後,傷害血管に定着してその修復に関与していることが明らかにされつつあります。
その骨髄前駆細胞の代表がEPCであり,例えば冠動脈疾患の患者では,EPCが少ないと予後が悪いことが指摘されています。
また糖尿病患者では,健常人に比べてEPCが減少しているのですが,オルメサルタンを投与するとEPCが増加することが報告されています。
堀内
つまりオルメサルタンはEPCを増加させるので,これが血管保護につながるのではないかということですね。
オルメサルタンがEPCを増加させる機序については,どのようなことが考えられますか。
佐田
糖尿病による酸化ストレスの増加をオルメサルタンが抑制したことで,二次的な効果が出たのではないでしょうか。
堀内
それから近年では,昇圧などのAT1受容体の作用とは逆の働きを示すRA系の新たな構成要素として,ペプチドであるAng-(1-7)と,その産生を促進する酵素であるACE2の役割が注目を集めています。
動脈硬化の領域においてこれらはどのように評価されていますか。
佐田
私は動脈硬化の領域でも重要な役割を果たしていると考えています。
ACE2をノックアウトしたマウスでは動脈硬化が悪化して,炎症の指標が上昇してくることが観察されています。
また,動物実験ではオルメサルタンがACE2を増加させることが報告されています。
堀内
炎症に関しては,EUTOPIAでオルメサルタン(20mg)がhs-CRP,IL-6,hs-TNFα,MCP-1といった炎症の指標を有意に低下させたことが明らかにされています。
また降圧という点においても,オルメサルタンは夜間や早朝を含め24時間にわたり血圧をコントロールしていることが報告されています(図6)。
佐田
ARBには多面的作用がありますが,やはり降圧作用は重要なポイントであると思います。
堀内
本日は佐田先生をお迎えして,動脈硬化におけるRA系の役割や骨髄のAT1受容体の作用について,非常に興味深いお話をお伺いすることができました。
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