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新着のMedical Tribuneの特別企画の対談で勉強しました。
2007年度の日本の降圧薬市場について調べたことがありました。
1位は当然のことながらARBで4740億円。
なんと全体の市場の47%を占めています。
ちなみにCa拮抗剤が3548億円と善戦。
3位がβ遮断剤の782億円。
4位ACE-Iにいたっては667億円。
きょう勉強する座談会のようにARB一辺倒の情報提供の賜物か、また原因と結果が逆なのか。
こんな実情を知ったら、ACE-Iを持ち上げるお話が聞けない理由もわかってしまいます。
かくいう私も、今夕のテルミサルタンの研究会(東京)に出席するので大きなことはいえません。
DECREASE III試験
http://blog.m3.com/reed/20081120
ところでいつも思うのですが、全国規模の研究会。
軽く1億円は数時間で消えてしまうのではないのでしょうか。
4740の1と考えれば小さい数字かも知れません。
それに見合う処方の伸びはあるのでしょうか。
きょうの内容は、動脈硬化に対するアンジオテンシンII(A II)の役割と、実験の成績についての解説でかなり難解でした。
NEW Original Articles of Olmesartan
動脈硬化性病変を伴う高血圧に対するARBの最新の話題
(一部改変)
愛媛大学大学院医学系研究科 分子心血管生物・薬理学教授
堀内 正嗣 氏(聞き手)
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 循環器内科学教授
佐田 政隆 氏(解説)
動脈硬化が進展して心血管系イベントを発症するにあたっては,プラーク容積の拡大という量的変化だけではなく,プラークの不安定化という質的変化も重要な役割を果たしている。
レニン・アンジオテンシン(RA)系は,これらの経過をいずれも進展させることが近年明らかにされ,大きな注目を集めている。
佐田氏らは,脂質異常症で動脈硬化のモデルとして広く使われているアポE欠損マウスの動脈硬化に対する,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)オルメサルタン メドキソミル(オルメテックR)[以下,オルメサルタン]の影響を検討した。
AT1受容体が動脈硬化に関与
堀内
本日は動脈硬化とRA系のかかわり合い,さらには動脈硬化を合併した高血圧の治療におけるARBの役割について,まずは動脈硬化の病態について解説をお願いします。
佐田
私は高血圧,脂質異常症,糖尿病といった危険因子が,どのようにして動脈硬化を引き起こすかということに興味を持ち,長年研究を続けてまいりました。
今日ではその機序として,メタボリックシンドロームが酸化ストレスを増大させたり,炎症を惹起するプロスタノイドが増えたり,あるいはAGE(advanced glycation endproducts,最終糖化産物)が増加したりするといったことが指摘されています。
そのなかでも特に注目を集めているのが,危険因子から血管病変に至る経路として組織のRA系が非常に重要な役割を果たしているということです。
われわれが実施した検討でも,脂質異常症動物にA IIを投与するとプラークにおける脂質沈着が増加してコラーゲンが低下するという,動脈硬化の進展やプラークの不安定化が観察されています。
また,DCA(方向性冠動脈粥腫切除術)などで患者から摘出した血管の解析では,急性冠症候群患者のプラーク内でRA系が活性化されていることが明らかにされています。
堀内
先生は遺伝的にAT1受容体をノックアウトするという方法で,動脈硬化におけるRA系の役割を検討されていますが,その結果をご紹介いただけますか。
佐田
われわれは,AT1受容体の作用を完全に遮断するとどのような影響がみられるかということを明らかにするため,脂質異常症で動脈硬化のモデルとして広く使われているアポE欠損マウスにAT1受容体欠損マウスをかけ合わせてダブルノックアウトマウスを作成し,通常のアポE欠損マウスと動脈硬化の進展を比較しました。
その結果,AT1受容体が存在しないアポE欠損マウスにおいて血中コレステロールは通常のアポE欠損マウスと同様に高値を示したのですが,血管を開くと動脈硬化が約半分に抑制されていました(図1)。
この結果により,AT1受容体の存在が動脈硬化を進展させることがわかりました。
また,血管にAT1受容体が存在しないと血圧が降下することもわかりました。
骨髄のAT1受容体が動脈硬化とプラークの不安定化に関与
堀内
AT1受容体が動脈硬化を進展させる機序については,どのようなことが考えられますか。
佐田
酸化ストレスの増大,血管内皮の障害,マクロファージの活性化,脂質の酸化,外膜からの血管新生の促進といったことが挙げられると思います。
そのなかでも私が注目しているのは,骨髄のAT1受容体が動脈硬化を進展させているのではないかということです。
堀内
佐田先生は骨髄のAT1受容体の役割についても,骨髄細胞が動脈硬化の進展に関与しているということを報告されていますが,その結果をお示しいただけますか。
佐田
まずわれわれは,10~14週齢のアポE欠損マウスにAT1受容体が存在する通常のマウスより得た骨髄とAT1受容体ノックアウトマウスより得た骨髄をそれぞれ移植し,移植後12週経ってからA IIを8週間投与しました。
血圧では明らかな違いはありませんでしたが,動脈硬化巣を染色したところ,AT1受容体が存在する通常の骨髄を移植したマウスではAT1受容体をノックアウトした骨髄を移植したマウスに比べ,明らかに動脈硬化病変が広がっていることが観察され,コラーゲンの減少もみられました。
この結果から,骨髄にAT1受容体が存在すると骨髄由来細胞が病巣に集まり,動脈硬化を進展させ,プラークを不安定化させるのではないかと考えました。
そこで,われわれは実際に骨髄由来細胞が動脈硬化病変を進展させる過程を検証しました。10週齢の通常のアポE欠損マウスに,GFP(緑色蛍光蛋白質)を発現している,AT1受容体が存在する通常のマウスの骨髄とAT1受容体をノックアウトしたマウスの骨髄をそれぞれ移植し,骨髄細胞の動脈硬化巣への蓄積を観察しました。
GFP陽性細胞(骨髄由来細胞)の蓄積によって,骨髄細胞が動脈硬化巣へ本当に蓄積しているかどうかを確認しました。
骨髄移植後12週目にA IIの投与を開始し,8週間続けたところ,AT1受容体が存在しない骨髄を移植したマウスでは,GFP陽性細胞の蓄積が抑制されていました。
また,動脈硬化の進展が抑制されており(図2),脂質の沈着も抑制され,コラーゲンが増加し,プラークの安定化が観察されました(図3)。
次に,骨髄のAT1受容体をノックアウトしたマウスと血管壁にAT1受容体が存在するマウスにおいてA IIを8週間投与したところ,AT1受容体と動脈硬化における脂質沈着やコラーゲンの減少量が相関していました。
骨髄細胞のAT1受容体がアテローム性動脈硬化にどのように寄与するのかをプラークの質で検証したところ,骨髄のAT1受容体が存在するマウスでは,プラークの不安定化がみられ,動脈硬化の進展が認められました。
これらの結果により,骨髄のAT1受容体が動脈硬化の進展やプラークの不安定化を促進していることが明らかになりました。 (続)
出典 Medical Tribune 2008.11.20
版権 メディカル・トリビューン社
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