戯れ言たれる侏儒
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第30回欧州心臓病学会の記事で勉強しました。

アジア人のステント血栓症は低い発症傾向
新東京病院心臓血管センター(松戸市)の中村淳副院長らは,日本を含むアジア5か国5施設から成る多施設共同登録試験を行っている。
今回,平均3年間の追跡から,ステント血栓症の発症頻度が報告され,薬剤溶出ステント(DES)の遅発性ステント血栓症は年率0.2%と低率に推移していたことが明らかにされた。

ステント血栓症の危険因子は分岐部病変と低い左室駆出率
調査に登録されたのは2002年3月?04年3月にステント留置に成功した1万4,577例。
このうち8,809例にはシロリムス溶出ステントかパクリタキセル溶出ステントのどちらかが,5,768例にはベアメタルステント(BMS)が留置された。
 
亜急性期のステント血栓症の発症率はDESが0.5%,BMSは0.6%であった。ステント留置30日後以降の遅発性ステント血栓症はDESが0.2%で,BMSでは発症はなかった。
さらに,留置後1年以上経過後の超遅発性ステント血栓症は,DESが0.4%/2年で,BMSはなかった。
 
ステント血栓症の独立した危険因子は,分岐部病変(オッズ比1.9,P=0.01)と左室駆出率(同0.9,P=0.03)であった。両群合わせてステント血栓症後に心筋梗塞で死亡した患者は0.2%のみであった。

出典 Medical Tribune 2008.10.9

 

<ステント血栓症 関連サイト>
ベアメタルステントと薬剤溶出性ステント留置後の新生内膜被覆の差:血管内視鏡による検討
http://www.jc-angiology.org/journal/pdf/2008/193.pdf
<コメント>
血管内視鏡を用いてSESとBMS留置6か月後のステント内側の新生内膜増殖や血栓の変化を比較。いずれもBMSの方が良好という結果であった。
さらにステント内再狭窄(i n-stent restenosis:ISR)の頻度はSES群とBMS群間に統計的優位差は認めなかったということで、この研究ではSESって本当に有用かという疑問を持たせる論文です。

循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(JCS2004)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2004_kasanuki_h.pdf

ステント血栓症の現況と,その克服に向けての展望
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87&perpage=0&order=0&page=0&id=M4052741&year=2007&type=allround
■DESでステント血栓症のリスクが高いという報告は,正確さを欠いた解析方法により導かれた
■日本のj-CYPHER Registryの結果からは, DESの安全性が懸念されるシグナルは見出せない
■欧米での高いステント血栓症の頻度には,ステント留置の技術の拙さが反映
■ステント血栓症予防のためには通常は 2 剤の抗血小板薬による併用療法が必要
■手術に伴い抗血小板療法を中止しても,それによりステント血栓症が多発するということはない?
■シロリムス溶出ステントとパクリタキセル溶出ステントでは,ステント血栓症の頻度に差がある可能性

薬剤溶出ステント
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87&perpage=0&order=0&page=0&id=M41110241&year=2008&type=allround
■費用に見合う価値は低い
■主要心血管イベントの発生率は従来型と同等
■費用効果が高いのは 3 割
■ステント術の種類で異なる結果
■長期間の費用効果は不明
■クロピドグレルの役割が問題
■別の研究では死亡リスクは同等
(興味深い内容でした)

シロリムス溶出ステントは他のステントよりも臨床的に優れる
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87&perpage=0&order=0&page=1&id=M4040382&year=2007&type=allround
(Lancetの原文です。Outcomes associated with drug-eluting and bare-metal stents: a collaborative network meta-analysis.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17869634?dopt=Abstract   Stettler C, et al. Lancet 2007; 370: 937-948. )

薬剤溶出性ステントの有効性と限界
長期予後対策を考える
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%88%E8%A1%80%E6%A0%93%E7%97%87&perpage=0&order=0&page=1&id=M3921721&year=2006&type=allround
■DESの登場  “アキレス腱”の再狭窄が激減
■DESに伴う遅発性血栓症の問題  
  頻度は少ないものの重篤
  1年後でもステントがむき出し状態
  抗血小板薬をいつまで続けるべきか
■PCIが長期予後に及ぼす影響
  新規病変の発生は抑制できない
  局所治療としてのPCIの限界
■心臓リハビリの重要性
  もう1つの“DES”
  地域医療連携が不可欠

 

<追加>
2008.11.14のブログ

フルーツが特定薬剤の吸収に影響
http://blog.m3.com/reed/20081114/1

に対して有難いコメントをいただきました。
2002年の以下の論文を紹介していただき私の疑問が氷解しました。

グレープフルーツ果肉部分摂取時におけるジヒドロピリジン系Ca拮抗薬ニフェジピン及びニソルジピンの薬物動態への影響
http://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/122/5/323/_pdf
(結論としてはGF果肉もGFジュースと同様にCa剤服用前後1時間は控えるべきという内容でした。論文中にあるように病院食ではそこまで考えてデザートとしてのGFを出しているのか気になるところです)

<きょうのブログ>
麻生首相の問題発言・そして自民党が何をしてきたか
http://blog.m3.com/invest/20081120/1
(医師連盟が連綿として、この自民党への投票をわれわれ日医会員に半ば強要してきた事実にも触れていただければなおよかったのですが・・・)

医療報道を斬る
http://blog.m3.com/kiru/20081120/1

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。

 他に
 ふくろう医者の診察室
 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
 (一般の方または患者さん向き) 
 「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
 http://wellfrog2.exblog.jp/
 「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
 http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

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