戯れ言たれる侏儒
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大動脈二尖弁

戯れ言たれる侏儒 / 2008.11.01 00:20 / 推薦数 : 1

疾患というのは、実際にその疾患を持った患者さんに遭遇(?)しないとしっかり勉強して知識を深めようという気持ちにならないものです。
「大動脈二尖弁」も違う世界の疾患と思っていました。
しかし、最近心内膜炎を合併して手術にまで至った働き盛りの壮年男性の症例を経験しました。
決して稀ではないといわれる「大動脈二尖弁」(ごく軽い場合まで含めると100人に1~2人)。
動脈硬化性大動脈弁狭窄症もいまや臨床上重要視されています。
いわゆる非リウマチ性弁膜症がクローズアップされているわけですが、リウマチ性弁膜症が激減しているためかも知れません。
私の世代がひょっとしてリウマチ性弁膜症を数多くみた最後の世代かも知れないとも思っています。

話は飛びますが、PTMCを開発された井上寛治先生が、昔勤務していた病院に来院されPTMCを実際される様子を見学しました。
その当時でさえ、すでに国内のMSの症例が減っていて、中国や東南アジアへ行かれて手術されているというお話を聞いたのを思い出します。

井上寛治先生
http://www.mtoyou.jp/pci/report/15/15_03_harada.pdf
心臓弁膜症のカテーテル治療
http://tomochans.exblog.jp/2593080/


逆に四尖弁、5尖弁もあるようです。
なんだかクローバの葉みたいです。

心不全症状出現を契機に発見された大動脈四尖弁の1例
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjmu/34/2/34_183/_article/-char/ja
非常に希な先天性大動脈5尖弁による大動脈弁閉鎖不全症の1手術例
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006548688/

さて、前置きが長くなりました。
きょうは「大動脈二尖弁」の勉強をしました。

 

最も高頻度に見られる先天性心疾患の現代の予後が明らかに
壮年期の大動脈二尖弁では、年齢、大動脈弁狭窄の重症度、大動脈弁逆流症の重症度が主要な心イベントの予測因子であることが、国際的な大規模コホート試験で明らかとなった。
大動脈二尖弁は成人における最も頻度の高い先天性心奇形であるが、その予後を系統的に評価した知見はないという。
10年生存率は一般人口と同等 大動脈二尖弁の成人患者における心イベントの頻度および予後予測因子を検討する大規模なコホート研究を実施した。
対象は、1994~2001年にカナダ先天性心疾患センターを受診した642例[平均年齢35歳(SD 16歳)、男性68%]であり、平均フォローアップ期間は9年(SD 5年)であった。
主要心イベントの頻度および予測因子を多変量解析で評価し、死亡率について年齢および性別をマッチさせた一般人口と比較した。
おもな結果は以下のとおり。
●フォローアップ期間中の死亡: 28例、平均4%(SD 1%)   
●1つ以上の主要心イベントの発症:161例、平均25%(SD 2%)  
・心臓死:17例、平均3%(SD 1%)  
・大動脈弁あるいは上行大動脈に対するインターベンション:142例、平均22%(SD 2%)  
・大動脈解離あるいは大動脈瘤:11例、平均2%(SD 1%)  
・入院を要するうっ血性心不全:16例、平均2%(SD 1%)  
●主要心イベントの独立の予測因子  
・年齢>30歳:ハザード比3.01、95%信頼区間2.15~4.19、p<0.001  
・中等度~重度の大動脈弁狭窄:ハザード比5.67、95%信頼区間4.16~7.80、p<0.001  
・中等度~重度の大動脈弁逆流症:ハザード比2.68、95%信頼区間1.93~3.76、p<0.001  
●10年生存率は一般人口との間に有意差を認めなかった。  
・試験群 96% vs. 一般人口97%、p=0.71  
●最終フォローアップ時に、大動脈洞もしくは上行大動脈の拡張がみられた症例:280例、平均45%(SD 2%)
 [監修者のコメント]
本研究は最も多い先天性心疾患である大動脈二尖弁の近年の長期予後を検討し、ひと昔前の報告と異なり、その生命予後は悪くはないことを明確に示した点が重要である。
本研究では、35歳の若い二尖弁患者では約10年の経過観察において、大動脈弁狭窄や大動脈弁逆流などの進展のために、約25%に大動脈弁や大動脈の置換術を中心とした何らかのイベントが発生するが、その生命予後は決して悪くはないことが示された。
通常の大動脈弁は左冠尖、右冠尖、無冠尖の3弁より構成されているが、大動脈二尖弁は前弁と後弁の二弁のみで成り立っている奇形である。
これまで、本症は合併症のない限り無症状であるが、大動脈弁狭窄や大動脈弁逆流、さらに感染性心内膜炎のリスクが高く、生命予後も悪いことが報告されていた。
これまでの報告との違いは、近年、血圧管理、感染性心内膜炎などの感染症管理や、手術管理が向上したことなどによると考えられる。
本研究では、二尖弁患者では大動脈洞の拡大は28%にみられ、臨床的に重要である40mmを超える患者は10%であった。
この大動脈洞の拡大の規定因子は、30歳以上であること、男性、高血圧、中等度・重度大動脈弁狭窄か逆流の合併であった。
循環器内科では、大動脈弁狭窄の患者の心臓エコー検査で、発見されることが多い。
比較的若い年代での大動脈弁領域の収縮期駆出性雑音の聴取時には、本症例も念頭に入れ、心エコーによる精査が必要である。
経過観察において重要な点は、本症では感染性心内膜炎の発症リスクが高いことも念頭においておくことと、心エコーにより定期的に大動脈弁狭窄・逆流と大動脈・大動脈洞拡大の進展度をチェックし、手術タイミングを逃さない点である。
([監修] 自治医科大学 循環器科 教授 苅尾七臣)
Tzemos N et al. JAMA. 2008; 300: 1317-1325.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18799444?ordinalpos=29&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum

出典 Care.Net.com 2008.10.6
版権 ケアネット


<二尖弁 関連サイト>
生涯歴から見た大動脈二尖弁診断における駆出音の有用性
http://www.nv-med.com/pcs/journal/abstract_ja.php?bn=20001606&no=8&JSPCCSmembers=50699a8139417bb380521b66de8b7442
大動脈二尖弁は心内膜炎予防のためにも早期診断が必要で,弁の可動性のある小児期には,大動脈駆出音に着目することにより,雑音が無くとも診断の手がかりを得られると考えられた.

大動脈二尖弁:機能異常・心内膜炎・大動脈解離などと関連
http://intmed.exblog.jp/7493794/

 

 

<きょうの一曲> ”NATHALIE”
NATHALIE- BECAUD
http://jp.youtube.com/watch?v=asAepCRxpek&feature=related
GILBERT BECAUD - NATHALIE
http://jp.youtube.com/watch?v=qKoYJEekiKs&feature=related
Gilbert Becaud - Nathalie
http://jp.youtube.com/watch?v=cxvhG78121Y&feature=related
Gilbert Becaud - Nathalie 1964
http://jp.youtube.com/watch?v=otiyMbGUvMA&feature=related
Nathalie
http://jp.youtube.com/watch?v=iHgRj86cv6Q&feature=related
Nathalie
http://jp.youtube.com/watch?v=SYsBojx4W1I&feature=related

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