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橈骨動脈アプローチを用いて実施される経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は全体の2%に満たないものの、その手技成功率は大腿動脈アプローチと同等であり、しかも危険性が低いことが、新たな研究から示された。
「最大の所見は、橈骨動脈アプローチに伴う出血は有意に少ないが、そのアプローチは、特に出血リスクの高い患者ではほとんど施行されていないということである」と筆頭著者であるDurham VA Medical Center (ノースカロライナ州)のDr. Sunil V. Raoはロイターヘルスに語った。
これまでの研究で両方のアプローチが比較されてきたが、今回の研究は米国で施行された約60万件を対象とした最大規模のものである。
さらに、「我々の研究では臨床現場におけるこの手技の利用を評価し、高齢者や女性など出血の合併症リスクが高い患者において、その使用頻度を特定しようとした。これは全く初めての試みである」とDr. Raoは述べた。
Journal of the American College of Cardiology: Cardiovascular Interventions誌8月号で報告されているとおり、橈骨動脈アプローチによるPCIは1.32%に過ぎなかった。
前述のとおり、橈骨動脈および大腿動脈アプローチは同程度の手技成功率であった。
対照的に、橈骨動脈アプローチにより出血の合併症リスクは58%減少した。
このベネフィットは、女性、75歳未満の患者、急性冠症候群のためPCIを受けている患者で最も顕著であった。
PCIを実施する医師へのメッセージは「橈骨動脈アプローチを学ぶべきである。手技の成功率を低下させることなく、合併症率を低下させることが可能ということだ」とDr. Raoは強調した。
Dr. Raoのグループは、他の国で橈骨動脈アプローチの利用について研究することに関心を持っている、と同医師は述べた。
この手技は、米国以外の場所でより幅広く利用されている、と同医師は補足した。
J Am Coll Cardiol Intv 2008;1:379-386.
http://kanematsu-rmn.jp/news/kowa-souyaku/news2.php?mode=jpview&num=200808270025042
出典 ロイターヘルス
版権 ロイター社
<TRI関連サイト>
メタボリック症候群と経橈骨動脈冠動脈インターベンション
http://www.kamakuraheart.org/PDF-Files/j_articles/Number_Iryo.pdf
東邦大学医療センター大森病院心血管インターベンション室
http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/iv_cardiology/hajimeni.html
冠動脈インターベンション治療の進歩
http://www.yamaguchi.med.or.jp/kaihou/sentan/1906.htm
[PDF] ライブケース・デモンストレーション: 冠動脈インターベンション
http://www.kamakuraheart.org/world/no33_usa02/10-Dr.Saito.pdf
<番外編>
安定型心疾患患者は経皮的冠動脈インターベンションによりQOLが向上
ニューヨーク(ロイターヘルス)‐安定型冠動脈疾患患者において、至適薬物療法に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を追加する事で、QOLが約24ヵ月間向上することが新しい研究から示唆されている。
それ以上の期間では、薬物療法単独以上の有意性はみられない。
Clinical Outcomes Utilizing Revascularization and Aggressive Drug Evaluation(COURAGE)試験の主要評価では、薬物療法単独群またはPCI併用群において、患者の死亡または心筋梗塞(MI)の発症率に差は認められなかった。
Dr. William S. Weintraubらは、COURAGE試験の参加者2,287名を対象とした今回の研究において、シアトル狭心症質問票を用い、割り当てられた治療が狭心症緩和に及ぼす影響について、またRAND36項目健康調査を用いて、割り当てられた治療が全般的な健康状態に及ぼす影響について報告している。
Christiana Care Health System(デラウェア州ニューアーク)のDr. Weintraubらは、今回の所見をNew England Journal of Medicine誌8月14日号に報告している。
ベースライン時に、狭心症が認められなかった患者は22%であったことが報告では示されている。
この比率は3ヵ月目において、PCI群では53%、薬物療法単独群では42%に上昇した(p<0.001)。
両群ともこの治療により、3ヵ月目における身体機能の制限、狭心症の安定性、狭心症の頻度、治療満足度およびQOLが改善した。
しかし、改善度は薬物療法単独群と比べ、PCIと薬物療法の併用群の方が有意に高かった。
より重度でより高頻度の狭心症を有する患者は、PCIにより最大のベネフィットが得られる様である、と同研究者らは報告している。
24ヵ月目までに、狭心症の緩和治療とQOLにおいて治療間の格差は縮小し始めた。
36ヵ月目になると、統計的有意差は認められなかった。
「COURAGE試験では、いずれの治療法も患者の健康状態に大きなプラスの効果をもたらすことを示しており、第一選択治療を至適薬物療法として、奏効を示さない患者や重度のベースライン時症状を有する患者に推奨されるPCIの補完的な役割について示唆している」と論説委員であるDuke University(ノースカロライナ州ダラム)のDr. Eric D. PetersonおよびUniversity of Colorado(デンバー)のDr. John S. Rumsfeldは述べている。
「しかし、このような治療法を実施するには、現在のケアに対するアルゴリズム、および最適に医薬品を管理し、患者の健康状態をモニタリングするために必要な努力に対し、適切な価値を付与するために必要な方針の変更を再考する『勇気』が、不可欠であろう」と同研究者らは補足している。
N Engl J Med 2008;359:677-687,751-753.
http://kanematsu-rmn.jp/news/kowa-souyaku/news2.php?mode=jpview&num=200808140024670
<COURAGE 関連サイト>
COURAGE
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002562.html
PCI は安定狭心症患者の症状の緩和(quality of life)と,ST 上昇あるいは非ST 上昇ACS の予後(quantity of life)改善効果が証明されている。
しかし,無症候性を含めた安定狭心症症例の予後改善効果には否定的な報告が多く,これは薬剤溶出性ステント(DES) が主流となった現在においても何ら変わってはいない。
COURAGE trial はこれまでの同様の試験に比べて圧倒的な症例数で行われたマルチセンター試験で,その信憑性は高い。
症例の内訳を見ても,低左心機能症例が除外されていることと男性の比率が高い以外は,ほぼリアルワールドを反映していると考えられる。
PCI 群では94%にステント(ほとんどBMS)が植え込まれ,薬物療法ではLDL-C に対するアグレッシブな治療が特徴である。
血圧・糖尿病のコントロールも良好で,厳重な薬物療法下においてはPCI はsecondary preventionの具にはならずpreventive intervention は意味がない,というのがメッセージである。
PCI のような局所治療では冠動脈全体に起こりえるプラークの不安定化やそこから生じるACSを予防することはできず,従って心臓死や心筋梗塞の発症を抑制できない,ということであろう。
最近はマルチスライスCT(MSCT)やMRI 等での非侵襲的な冠動脈病変の評価に注目が集まっているが,狭窄性病変だけではなくプラークの性状評価の重要性を改めて認識させられる。
COURAGE Clinical Outcome Utilizing Revascularization & Aggressive Guideline
http://www.ebm-library.jp/circ/trial_AHA_2007.html#aha2007COURAGE
http://www.ebm-library.jp/circ/trial_AHA_2007.html#aha2007
至適薬物治療へのPCI追加により心筋虚血が有意に減少。虚血残存率は死亡,心筋梗塞発症リスクと相関。
COURAGE
http://www.ebm-library.jp/circ/trial_ACC_2007.html#acc2007COURAGE
安定冠動脈疾患患者において,至適薬物治療にPCIを併用した場合の長期死亡+非致死的心筋梗塞の抑制効果は認められなかった。
<きょうの一曲> ” La Cumparsita”
Tango Fire - La Cumparsita
http://jp.youtube.com/watch?v=R7_rnucyZg8&feature=related
LA CUMPARSITA
http://jp.youtube.com/watch?v=eHNz3vEnhUM&feature=related
Juan Carlos Copes y Johana Copes - La Cumparsita
http://jp.youtube.com/watch?v=gS8B4mNoIhA&feature=related
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/
「井蛙内科/開業医診療録」 ~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。