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肥満がすべてリスクとなるわけではない
〔米オハイオ州クリーブランド〕 エーベルハルト・カール大学(独チュービンゲン)内科のNorbert Stefan博士らは,過体重は心血管疾患と他の疾患リスクを高めると報告されているが,一部の肥満は心血管疾患リスクを高めず,一方で正常な体重であっても同リスクが高まることがあるとArchives of Internal Medicine(2008; 168: 1609-1616)に発表した。
また,アルバートアインシュタイン医科大学(AECM,ニューヨーク)のRachel P. Wildman博士らも同様の知見を同誌(2008; 168: 1617-1624)に発表した。
肥満リスクは肝臓への脂肪蓄積が重要
Stefan博士らは,314人(年齢18~69歳,平均45歳)を対象として,MRIを用いて体脂肪,内臓脂肪,皮下脂肪を計測,また経口ブドウ糖負荷試験によりインスリン抵抗性を測定した。
これらの測定結果に基づき,被験者を,
(1)正常体重群
(2)過体重群
(3)インスリン感受性の肥満群
(4)インスリン抵抗性の肥満群
の4群に分類した。
その結果,過体重群と肥満群はともに体脂肪と内臓脂肪が多かった。
しかし,インスリン抵抗性の肥満群ではインスリン抵抗性のない肥満群と比べて肝臓と骨格筋内に脂肪が多かった。
さらに,インスリン抵抗性の肥満群には頸動脈狭窄が見られた。
また,インスリン抵抗性のない肥満群では,インスリン感受性および頸動脈壁厚の点でも正常体重群と変わらなかった。
これらの結果から,同博士らは「内臓より肝臓への脂肪蓄積のほうが,肥満リスク者を同定するのに重要と見られる」と結論付けた。
腹部外の脂肪蓄積は良性
Wildman博士らは,1999~2004 年の米国保健栄養調査(NHANES)に参加した5,440例を対象に体重と高血圧,高トリグリセライド,低HDLコレステロールなどの心血管代謝異常について評価した。
異常が0~1つは正常代謝,2つ以上は代謝異常とみなした。
米国成人のうち,正常体重の23.5%(約1,630万人)は代謝異常であったが,過体重の51.3%(約3,590万人)と肥満の31.7%(約1,950万人)は正常であった。
正常体重群で代謝異常の者は,
(1)高齢
(2)運動量が少ない
(3)正常代謝の者に比べてウエスト周囲径が大きい
傾向にあった。
肥満群で正常代謝の者は,
(1)若年
(2)運動量が多い
(3)ウエスト周囲径が小さい
(4)アフリカ系米国人が多い
傾向にあった。
ノースウェスタン大学(シカゴ)総合肥満センターのLewis Landsberg博士は同誌の付随論評(2008; 168: 1607-1608)で,「いずれの研究も腹部外の脂肪蓄積は健康に害を及ぼすものではないと強調している。また,いずれの研究でも内臓脂肪の蓄積とその代理指標であるウエスト周囲径の大きさが有害な影響を及ぼすことが証明され,正常体重の者においてもウエスト周囲径が危険因子であることを示すこれまでの研究を支持している」と述べている。
出典 Medical Tribune 2008.10.16
版権 メディカル・トリビューン社
<コメント>
ある講演でMetsの源流は脂肪肝であるというお話を聞いたことがあります。
今回の報告は、まさにその通りの内容でした。
腹囲測定が重要であることがしばしば強調されており、そのことにはまったく異論のないところです。
しかし、誰でも思うことですが基準値についてはおおいに問題があります。
男女の性差もそうですが、まったく身長が考慮されていないからです。
実際に中年男性の85センチは平均的な数値であるといわれています。
いっそのこと身長(cm)/2ぐらいにしてしまったほうが納得がいくのですが。
<自遊時間>
日循の機関誌“Circulation Journal”2008.10をパラパラ読みました。
どうやら、今後“症例報告”の掲載がなくなるようです。
表紙に目次が載っています。
最近、あまり真面目には読んだことがなかったのですが
Special Article (1)
Clinical Investigations(20)
Experimental Investigations(3)
Rapid Comunications(2)
Case Reports(4)
Letter to the Editor
と内容別に整理されていました。
以前は基礎的研究志向が強く(多分、学会自体は今でもそうだと思いますが)、“心臓病学会”が新たに発会されるきっかけになったように記憶しています。
しかるに、この目次の内容を見る限り、随分臨床研究志向に変わってきたようです。
先週、JSH2009についてサイトで調べていて「日本高血圧学会」のHPにたどりつきました。
その際、今月札幌で行われた第31回学術集会のプログラムが目にとまりました。
今や、高血圧にとどまらず循環器領域の幅広い演題(特にセミナーなど)がありました。
開業医にとっては一番魅力的かも知れません。
実は横浜で開催された第1回の学会に出席していたのですが、直後に退会しています。
再度の入会を真剣に考えています。
第31回日本高血圧学会総会プログラム
http://www.convention.co.jp/31jsh/program.html
専門医制度もスタートしたようです。
高血圧専門医制度
http://www.jpnsh.org/specialties.html
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~ 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
~2008.5.21
があります。
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