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内科開業医にとって、深部静脈血栓症や肺塞栓症はほとんどおめにかかりません。
したがって興味もあまり持てないところですが、循環器内科医という以上は知識だけでも持っていないとということで勉強しました。
当院では8月末に購入したGE社製の超音波装置の調整中です。
最近、女性の担当者(”アプリケーション”と呼ぶようです)が調整のため、自ら”おみ足”を出して下腿部の静脈をエコーで見ていました。
画像を見たほうがいいのか足を見たほうがいいのか一瞬迷いました。
いとも簡単に静脈を描出し、これからは”聴診器代わり”の超音波装置という意を強くしました。
最近、心エコーの本で”心機能評価”の勉強をしています。
その本では”心エコー法検査前に必ず心音の聴取を”と書かれています。
聴診法も腕を磨きたいところです。
下肢静脈エコーによるDVT診断-簡便法で十分な診断が可能
イタリア・コネグリアーノ市民病院のEnrico Bernardi氏らは,深部静脈血栓症(DVT)に対する下肢静脈エコーの簡便法が,下肢全体のエコーと変わらない診断能を有するとのランダム化比較試験(RCT)の結果をJAMA オンライン版(2008; 300(14): 1653-1659)に報告した。
下肢全体のエコーと変わらない診断能
下肢静脈エコーによるDVT診断は侵襲をともなわないだけでなく,安全かつ低コストに実施できるとしてゴールドスタンダードとなりつつある。
Bernardi氏らによると,下肢全体のエコーには,高規格のエコー機器と一定のスキルが必要だが,簡便法はエコーの機種や規格の新旧を問わないうえ,2か所の静脈の圧迫のみで簡単かつ再現性があり,広く応用可能だという。
しかし,両者の診断能を比較したエビデンスはなく,これまで下肢全体のエコーのほうが優れると考えられてきた。
同氏らの検討では2003年1月~06年12月にイタリア国内の14施設から下肢DVTの疑いありと診断された初発例2,465人が登録された。
検討対象となった2,098例を,下肢の2か所のみエコーを実施する簡便法*(1,045例),全下肢のエコー実施(1,053例)に割り付けし,初回診断から3か月間の静脈血栓塞栓症(VTE)発症率を比較した。
症候性VTEの発見率は簡便法群で0.9%(95%CI0.3~1.8%),全下肢エコー群で1.2%(95%CI0.5~2.2%)で,観察期間終了時点の両群の差は0.3%(95%CI-1.4%~0.8%)と同等性が証明された。試験期間中に死亡あるいは追跡が中断した例を含めた感度分析においても,この結果との差違は見られなかった。
同氏によると,簡便法にはさまざまなベネフィットがある一方で,DVTの疑いが認められた場合,1週間以内に再度近位部の検査が必要で,被検者の約4分の1が再検査(ただしD-dimerが正常な場合は再検査の省略を検討しても可)の対象となるという。
一方,およそ1日の検査期間を要するが1度で検査と治療が済む下肢全体のエコーは,下肢に重篤な症状のある人や旅行者,検査機関から遠いところに住む人に適しており,両者を状況に応じて使い分けることが可能ではないかと同氏は述べている。
※5~10MHzのリニアプローブを用いて鼠径部の大腿静脈および膝窩静脈-腓腹筋静脈の分岐部,2か所の横断面を描出する。
MT Pro 2008年10月9日掲載
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0810/081013.html
<関連記事>
■PE合併例はDVT単独例に比べ右側に血栓が飛びやすい
○深部静脈血栓症(DVT)単独例は肺塞栓症(PE)合併例に比べ,発生部位に関係なく左側に有意に多く,両者の合併例は右側に血栓が飛びやすい解剖学的問題の存在が示唆された。
○PE粗死亡者数は年々増加傾向にあり,全国アンケートでは2006年の推計患者数は1996年の約2.2倍に増加した。
また,臨床上の診断数の検討では,2006年時点でPEが年間約8,000例,DVTが約1万5,000例と推計(精神科を除く)された。
○PE患者予後を発見時の状態別に心肺停止,ショック,右心負荷あり・ショックなし,右心負荷・ショックなしに分けて比較したところ,心肺停止状態で見つかった場合は30日後の生存率が5割未満であった。
○BMI増加,長期臥床,最近の大手術,最近の外傷・骨折などがPEのリスクとして挙げられた。
○VTEの診断法については,血流シンチとCTがともに6割を超えており,従来のゴールドスタンダードであった肺動脈造影は減少し,造影MRIや経食道心エコーによる診断数は非常に少なかった。
○1割がDVTの検索をしておらず,DVTの診断手段は静脈造影,下肢静脈エコーが最も多く,次いでCTの順であった。
○VTEの治療について,ヘパリンはどちらも9割以上に投与されていたが,血栓溶解療法と経皮的心肺補助装置(PCPS)は減少していた。
○30日後の死亡と治療の関係を見たデータで死亡を改善すると判定されたのは下大静脈(IVC)フィルターのみで,血栓溶解療法は有意差が得られなかった。
○厚労省研究班がDVT単独群,PE+DVT群,PE単独群の3群の治療法を検討したところ,ヘパリンはDVT単独群よりも合併群やPE単独群で有意に多く使用され,ワルファリンは単独群に比べ合併群で有意に多く使用されていた。
○血栓溶解療法はDVT単独群に比べ,合併群およびPE単独群で有意に多く,IVCフィルターは単独群よりも合併群で有意に多く使われていた。
○厚労省研究班がDVTの発生部位を腸骨静脈,大腿部,下腿部,いずれかの4群に分け,さらに右側・左側で検討を行ったところ,どの部位でもDVT+PE合併例は左右で有意差はなく,DVT単独群は左側で有意に多かった(図)。
○DVT単独群は発生部位に関係なく,有意に左側で多かったが,PE合併群はDVT単独群に比べ,近位部静脈の血栓症が有意に多いことがわかっている。
○以上の結果から,同副院長は、両群の保有リスクに差がないことから,DVT単独群は基礎に静脈の解剖学的問題により血栓が起こりやすく,PE合併DVT例では右側の静脈に血栓が飛びやすい解剖学的条件の存在が示唆される。
出典 Medical Tribune 2008.5.15
版権 メディカル・トリビューン社
■予防的抗凝固療法
発症率は低下するが合併症などへの対処を
○日本麻酔科学会では同学会の認定施設を対象に2002年から周術期症候性PEに関するアンケートを実施している。
○予防的抗凝固療法はVTEの発症頻度,死亡率低下が期待できるが,出血性合併症や術後疼痛の管理, ヘパリン誘発性血小板減少症(HIT)への対処を考えなければならないと報告した。
理学療法と抗凝固療法で死亡率に有意差なし
○麻酔指導病院900施設を対象にした後ろ向きのアンケート結果をもとに,PEに対する予防的抗凝固療法の意義を検討。
○予防ガイドラインが発表される以前の周術期PE発生頻度は1万例当たり4例前後であったが,2004年には3.61例, 2005年には2.8例に有意に減少した。
○死亡率は2004年以降も有意な低下は見られなかった。
○手術部位別のPE発生頻度経年変化は,早くから積極的に予防が行われた産科領域では2003年以降,大きく減っているのに対し,心臓・大血管手術,開胸・縦隔手術,整形外科領域はそれよりも1~2年遅れて減少していた。
○PE予防法の経年変化では,弾性ストッキングや間欠的空気圧迫(IPC)は2004年時点で50~60%の実施率であったが,抗凝固療法は2002~04年では8%前後で変化がなかった。
○予防法のうち,理学療法は最近の米国胸部医学会(ACCP)ガイドラインで出血リスクが高い患者もしくは抗凝固療法での補助的療法との位置付けになっており,欧米の整形外科領域の手術ではほぼ全面的に抗凝固療法が推奨されている。
○わが国の予防的抗凝固療法では,昨年薬価収載された凝固第Xa因子阻害薬フォンダパリヌクスの臨床試験データを見ると,膝関節置換術では2.5mg投与でDVTの発生を75%,股関節置換術では78%抑制できている。
○低分子量ヘパリンのエノキサパリンは,20mg1日2回で対照群に比べ,有意にDVT発症率が低かった。
○抗凝固療法の問題点として,
(1)出血性合併症
(2)術後疼痛管理
(3)ヘパリンによるHIT
―がある。
また,抗凝固薬投与36時間目にカテーテルを抜去し,その12時間後まで(合計48時間)抗凝固薬を中断した場合の出血性合併症とVTEの頻度を検討したEXPERT試験で,カテーテル抜去時の出血性合併症と抗凝固薬中断によるVTE発症率は非カテーテル群と比べ有意差はなかった(図)。
○抗凝固薬を使ってもVTEはなくならず,出血リスクは増えるので,両者のバランスを考えて治療しなければならない。
○予防的抗凝固療法によりVTEの発症頻度や死亡率の低下が期待されるが,抗凝固療法による出血性合併症,術後疼痛,HITを配慮する必要がある。
出典 Medical Tribune 2008.5.15
版権 メディカル・トリビューン社
<番外編>
セララ発売1周年記念シンポジウム(東京)その1
東大・藤田教授の開会の辞
昨日まで行われた第31回日本高血圧学会(札幌 2008.10.9〜10.11)ではアルドステロンに関する研究発表が数多くみられたという話から始まりました。
そして「研究はアルドステロンに移りつつあるとの印象を深くした」とのコメントをされファイザーさんをヨイショされました。
そして1953年から始まるアルドステロンの発見と抗アルドステロン剤の開発の歴史(1963年には国内でスピロノラクトン発売という異様な早さ)を話されました。
最後に“RAAS”の新たな概念”というスライドを提示されました。
これからは“RAS”ではなく“RAAS”というわけです。
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。