戯れ言たれる侏儒
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国内での高齢化社会化や食生活や生活習慣の変化によるメタボリックシンドロームの増加により,冠動脈疾患の増加が危惧されています。
冠動脈疾患患者さんの長期予後を改善するための降圧療法はいかにあるべきか。
日本人のエビデンスに基づいた討論がされた座談会の記事で勉強しました。

冠動脈疾患患者さんの予後を考える
~ ARBによる降圧療法への期待 ~  (前編)
司会:
熊本大学循環器病態学 教授
小川 久雄 氏 
出席者(発言順):
石川県立中央病院 副院長
金谷 法忍 氏
新東京病院 副院長 兼 心臓血管センター長兼熊本大学心血管治療先端医療講座 客員教授 
中村 淳 氏
広島市立安佐市民病院循環器科 主任部長 
土手 慶五 氏
日本医科大学循環器内科 講師  
高野 仁司 氏
横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター教授 
木村 一雄 氏 
天陽会中央病院循環器科 部長
山口 浩士 氏
熊本大学心血管治療先端医療講座 特任准教授
角田 等 氏 

 

デバイスの変化は予後を改善したか?
小川 
近年,生活習慣の変容や高齢化に伴い,冠動脈疾患(CAD)患者さんの増加が懸念されています。
一方で,わが国のCAD治療は,1981年にPTCAが初めて行われて以降,1993年にはステント,2004年にはDrug Eluting Stent(DES)が認可されるなど,著しく進歩しています。
さらに,RA系抑制薬やチアゾリジン,抗血小板薬,スタチンといった,CAD治療にエビデンスを有する薬剤も登場し,CAD患者さんの再発抑制に対して,器具,手技,薬物療法ともに充実しつつあります。
DESの登場により,従来型ステント(BMS)の問題点であった再狭窄は大きく減少しましたが,長期予後は変わらないことが報告され,新たな問題となっています。
そこで本日は,CAD患者さんの長期予後に関する現状と課題について,循環器を専門とされる先生方からご意見を伺いたいと思います。

金谷 
デバイスの進歩により冠インターベンション(PCI)の成功率や安全性が向上した結果,院内死亡率は著しく改善し,また,ハイリスクなCAD患者さんへのPCIも可能になってきました。
しかし,長期予後はDESとBMSで差はなく,さらには,PCIよりも冠状動脈バイパス手術(CABG)のほうがよいとの報告もあります。
このことは,責任病変の治療だけでなく,患者さんの長期予後を改善する全身管理をどのように行うかが重要な課題であることを示しています。

中村 
長期予後に大きくかかわる因子は,糖尿病や慢性腎臓病(CKD)だと考えています。
糖尿病を有すると,デバイスの種類にかかわらず予後が悪いこと(図1),また,わずかな腎機能の低下がPCI後の予後を悪化させることが示されているからです。


 

また,DES特有の遅発性ステント血栓症(VLST)も大きな問題だと考えています。
VLSTの発症率は約0.3%と高くありませんが,その半数が重篤な心血管系イベントを発現し,死亡率が高いのです。
DESにより責任病変における再狭窄の抑制を期待できますが,デメリットも考慮し,症例に応じてデバイスを選択する必要があります。
また,PCIやCABGなどの再灌流療法は局所の治療であり,責任病変以外のイベントを抑制するため,全身血管のコントロールを考えていかないといけないと考えています。

土手 
糖尿病はCAD発症のリスク因子ですが,一方でCAD後に糖尿病を発症する方が多いことも事実です。
CAD患者さんは,糖尿病発症リスクが高いと認識し,フォローアップのときにはHBA1Cに注意する必要があるでしょう。また,癌の発現にも留意が必要です。
私たちの病院では,10年間でCAD患者さんの約12%が大腸癌や肺癌,前立腺癌などの悪性腫瘍を発症しています。日本人CAD患者さんの心臓死は40%程度であり,残りは非心臓死であることからも,心臓以外にも目を向ける必要があります。
血糖値,腎機能,さらには癌にも留意することが,日本人のCAD患者さんの長期予後を改善するために重要なポイントになると考えています。

 

高齢化,メタボリックシンドロームの増加をどう考えるか?
小川 
近年,わが国では高齢者や若年者のCAD発症が増加しています。
高齢者は,全身の機能が低下していることが多く,また,若年者は肥満を基盤にリスク因子を重積したメタボリックシンドローム(MetS)の方に多く発症しています。高齢者と若年者のCAD患者さんの予後改善には何が大切でしょうか?

高野 
私たちは,急性冠症候群(ACS)を発症した職業運転手の患者背景を年齢別に検討しました。
コントロール群では,高血圧や糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病が加齢とともに増加しますが,職業運転手では,これらのリスク保有率は若年者で最も高く,しかも複数のリスクを保有している方が多いのです(図2)。


 

近年,若年者で増加しているACSは,リスク因子の管理が不十分であることが原因で発症していることを示唆する成績だと考えます。
 
一方,CAD後の院内死亡を逃れた80歳以上の超高齢患者さんの予後を検討したところ,5年生存率は60%を超え,予後は決して悪くありませんでした。
そして,予後を規定する因子は,多枝病変と腎機能低下でした。さらにQOLも検討したところ,左室駆出率の低下がQOLを悪化させました。
高齢者であっても多枝病変にしないために,生活習慣病の管理を徹底すること,その際に腎機能と心機能に留意することが大切でしょう。

木村 
高齢者の健康寿命を延ばすためには,寝たきりを防がなくてはいけません。
寝たきりの原因疾患のトップは脳血管障害ですが,特に日本人は,心疾患よりも脳血管疾患による死亡が多いことからも,最大のリスク因子である血圧をしっかりとコントロールする必要があります。
その際,脳血管疾患にエビデンスのある薬剤を用いて治療することが重要だと認識しています。

山口 
高齢者は,腎機能低下例が多く潜在していることを念頭に治療に臨むべきでしょう。
腎機能低下は,心血管系イベントのリスク因子になるだけでなく,造影剤腎症のリスクでもあります。
この心腎連関の悪循環を断ち切るためにも,そのKey Factorとなるアンジオテンシン II をしっかりと抑え,臓器保護を念頭に置いた血圧管理が望まれます。
CASE-J試験でカンデサルタンは強い降圧を示し(図3),70歳以上の高齢者,左室肥大,心疾患,腎機能低下(Ccr<60)を有する患者さんの腎イベントの発現・腎機能悪化リスクを大きく低下し(図4),さらに糖尿病の新規発症も抑制しました。


 

リスク因子の重積は,CADの病変数を増加,重症化させることからも,この成績は非常に意義があると考えます。
 
CADの1次予防・2次予防には,血圧,血糖,血清脂質等のリスク因子を重積させないことが重要で,各因子を厳格にコントロールしなければいけません。
同時に,それが冠動脈あるいは脳血管かもしれませんが,全身の血管に存在する不安定プラークを安定化させなければいけません。
そのためには,内服薬で,特にARB,チアゾリジン,スタチン,抗血小板薬等の薬剤を用いて,個々の患者さんの病態に合わせて厳格に管理することが不可欠でしょう。 (続)

出典 Medical Tribune 2008.9.25
版権 メディカル・トリビューン社

 

<きょうの一曲> いとしのエリー
サザンオールスターズ - いとしのエリー
http://jp.youtube.com/watch?v=1IBwt6_J_6s&feature=related
サザンオールスターズ いとしのエリー
http://jp.youtube.com/watch?v=bFSb_HqdsVQ&feature=related
Itoshi no Elly ~いとしのエリー~
http://jp.youtube.com/watch?v=ptTtkkrJ57k&feature=related
いとしのエリー / SOUTHERN ALL STARS
http://jp.youtube.com/watch?v=2Lt4ICZnL44&feature=related
いとしのエリー 1979
http://jp.youtube.com/watch?v=1oWNd9_F61o&feature=related
サザンオールスターズ いとしのエリー
http://jp.youtube.com/watch?v=bFSb_HqdsVQ&feature=related
いとしのエリー
http://jp.youtube.com/watch?v=sSTS8jMSWC4&feature=related
いとしのエリー 江ノ島 Itoshi no Elly Eno Shima Island
http://jp.youtube.com/watch?v=d_3olD2afFQ&feature=related
サザンオールスターズ~いとしのエリー~
http://jp.youtube.com/watch?v=n8O6PdEiwo0&feature=related
Ray Charles レイ・チャールズ - Ellie My Love (いとしのエリー)
http://jp.youtube.com/watch?v=YWcDI4TU8k8&feature=related
桑田佳祐「いとしのエリー」~音楽寅さんより
http://jp.youtube.com/watch?v=eQKhcrurZxs&feature=related

 

<自遊時間>
私には医学部6年生の子供がいます。
6年生になってから講義や実習がありません。
卒業試験があるだけです。
最近の医学部はそんな風でしょうか。
私立医大なら「授業料返せ」といったところでしょうし、文部科学省として1年間まるで講義や実習なしで試験だけというカリキュラムを認めていることが不思議です。
自分の6年生の時を思い起こそうとしましたが、遠い昔のことで授業があったかどうか思い出せません。
しかし、どう考えても授業がなかったとは思えないのです。
そんな我が子から今日質問が浴びせられました。
「DCMでⅢ音、HCMでⅣ音が聴取されるのはどうして?」
<関連サイト>
閉塞性肥大型心筋症
http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/circulatory/node134.html
拡張型心筋症
http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/circulatory/node132.html
臨床実習
http://www.medic.mie-u.ac.jp/student/sinnonn3.html
OSCEなんてこわくない
http://sec.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2000dir/n2392dir/n2392_11.htm
聴診
http://ja.wikipedia.org/wiki/聴診
(Ⅲ音、Ⅳ音について比較的詳しく書かれています)
心不全の発生機序
http://blog.m3.com/reed/20080301/1

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

 

 

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