戯れ言たれる侏儒
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< 循環器官用薬と飲食物・サプリメント 1(... | メイン | 高血圧症に対するワクチン療法の有効性 >

以前は降圧剤としてファーストチョイスとして降圧利尿剤が使われていました。
その代表的な薬剤はフルイトランです。
今からして思うとあの独特な花びらのような剤型は割って、投与量を調整できるようになっていたのかなとも思います。

私は個人的には、ループ利尿剤の方が、催糖尿病作用などの代謝異常惹起が少ないのではないか、どうしてサイアザイド系利尿剤なのかと思っていました。

昨日届いた日本医事新報に、こんな質疑応答が載っていました。
質問内容は「本誌4382号91頁に、『高血圧症でフロセミドを降圧薬として積極的に使用することはほとんどない。通常、降圧利尿薬を用いるからである』との記載があるが、その理由について」というもので、筆者あての質問です。
以下はその回答です。
 

高血圧治療薬として利尿薬は、
①サイアザイド系利尿薬およびその類似薬、
②K保持性利尿薬、アルドステロン拮抗薬、
③ループ利尿薬が挙げられているい。
しかし、通常、降圧利尿薬としては①のサイアザイド系利尿薬およびその類似薬を使用するのが、ガイドラインや各種大規模臨床試験の成績から推奨されている。
しかも、通常量の4分の1や2分の1の少量を用いることが副作用を減らし、効果がもたらされることが示されている。
 
特に、米国ではALLHAT試験の成績を受け、サイアザイド系利尿薬の位置づけが高まった。
我が国ではまだ普及していない部分があるが、上手に使用すれば副作用の発現を抑え、厳格な降圧を目指す上で非常に有効である。
したがって、「通常、降圧利尿薬としてはサイアザイド系利尿薬を用いる」という表現をさせていただいた。
 
ループ利尿薬は利尿作用は強いが、降圧効果はそれほど強くない。
しかし、うっ血性心不全や腎不全では適応になる。
我が国では降圧薬としてカルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の使用頻度が高
いが、併用薬としては少量サイアザイド系利尿薬の使用が増えている。
例えば、トリクロルメチアジド1mgやインダパミド0.5~1
mgなどである。
特に塩分摂取量が多い我が国では、ARBやアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)の降圧効果が弱い時に
これらを併用すると降圧効果が得られることをよく経験する。現在、世界ではその合剤が使用されており、我が国ではまだロサルタン50mgとヒドロクロロチアジド12・5mgの合剤しか使用できないが、今後増えてくることが推測される。
現実的には、Ca拮抗薬、ARB、少量サイアザイド系利尿薬の三者併用が必要になる患者も多い。
 
抗アルドステロン薬であるスピロノラクトンや、最近発売になったエプレレノンは低レニン性高血圧、食塩感受性高血圧、治療抵抗性高血圧における併用薬として効果が期待されているが、ガイドライン上の位置づけはまだ決まっていない。
 
ご存知のように、サイアザイド系利尿薬はループ利尿薬とは異なり、遠位尿細管からのナトリウムの再吸収を阻害して利尿作用を生じる。
各種利尿薬の作用部位、機序や適応、副作用を考え、上手に利尿薬を使用していくことが必要であろう。

九州大学病院循環器内科講師 廣岡良降
   
出典 日本医事新報 2008.9.20
版権 日本医事新報社

 

 「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

<コメント>
実は、質問者が疑問に思った内容は、私自身常日頃考えていることで、日本医事新報4382号の指摘された内容も私は読んでいました。
同じ疑問を持つ先生がみえることに意を強くしました。

廣岡先生には申し訳ありませんが、今回の回答の内容は質問者にも私にも期待はずれのものでした。

数日前にCKDの講演会に出席しました。
座長は高名な腎・高血圧分野を専門とする大学教授でした。
講演後の懇親会で知人のドクターと雑談しているとその教授が自ら声をかけてきてくれました。(後から考えると、宴も終わりかけで会場にはほとんど人がいなかったためと思われました)
ともかく気さくに話かけていただいたので、つい「ループ系利尿剤の”降圧剤”オイテンシンは、どうして最近使われないのでしょうか」と調子こいて訊きました。
「あれはもう終わった薬です。RA系を賦活してかえって血圧があがってしまうこともあります。」というご返事でした。
それならサイアザイド系はどうですか、と切り返そうとも思ったのですが、酔いも回り周囲に人がいなくなったので大人しく帰路につきました。
この教授の講演会の座長ぶりは、演者に対する質問やコメントも的を得たもので、座長の人柄もあり会場は温かい空気につつまれました。
もちろん演者の講演内容も素晴らしいもので気分良く帰路につくことが出来ました。
もちろん気分のよかった多くはアルコールのせいだったかもしれませんが。

講演で得られる一番のことは、どこまでわかっていてどこがわかっていないことかということが直接聴けることにあります。
そのあたりを正直にお話いただける演者には好感を持ちます。
今回の講演内容については折をみて紹介したいと思います。 

<関連サイト>
糖尿病と高血圧
http://www.e-clinician.net/vol36/no379/pdf/sp12_379.pdf
ちょっと古い文献ですが、耐糖能悪化については、以下のように記載されています。
サイアザイド系   +
非サイアザイド系  -
ループ利尿剤    ±
これだけを見ると「非サイアザイド系」がいいような気がしてきます。

オイテンシン(フロセミド)
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se21/se2139005.html
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2139005N1022_1_05/
腎臓で尿中の水分が再吸収されますが,本剤の代表である,フロセミドは,ヘンレのループ上行脚と呼ばれる部分に作用し,水分の再吸収を阻害して尿量を増やすため,「ループ利尿薬」と呼ばれています。
エタクリン酸,ブメタニド,ピレタニドは,フロセミドとは構造的にはかなりかけはなれていますが,作用の現れ方が同じため,同様にループ利尿薬と呼ばれます。

利尿剤
http://ns.gik.gr.jp/~skj/drug/diuretics.php3
HYVET
Hypertension in the Very Elderly Trial
80歳以上の超高齢高血圧患者において,サイアザイド系利尿薬indapamideをベースとした降圧治療により脳卒中発症率,死亡率が有意に低下。
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/acc2008/HYVET.html
ALLHATに基く降圧治療FAQ
http://ns.gik.gr.jp/~skj/ht/ALLHAT-FAQ.php3
利尿薬
http://www.naoru.com/rinyouyaku.htm
■降圧薬は何がいいんだ?
降圧薬の選択には二つの原則しかない。一つは副作用がでたら別の降圧薬にする。二つ目は臓器障害がほとんどないなら降圧薬はなんでも良い。心臓を守るのにβブロッカーだの、腎臓にはARBだの、なんだかんだ言われるが、臓器障害が軽いなら、ほとんど、(降圧薬の種類など)そんなの関係ない、である。
■アルファ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、ACE阻害薬は血糖と血中コレステロール値への短期効果が好ましいので、多くの医師がこれらの薬剤を処方している。しかし、今回の分析で明らかになったように心血管疾患を予防することについては利尿薬のほうが優れており、したがって、高血圧症による不良な健康転帰の予防と、高血圧の降下に関して利尿薬よりも新世代薬を優先して選択することは支持されない。
Wright JT et al. Clinical outcomes by race in hypertensive patients with and without the metabolic syndrome. ALLHAT. Arch Intern Med 2008; 168:207-217
■メタボリックシンドローム患者においてサイアザイド系利尿薬よりもカルシウム拮抗薬、アルファ遮断薬、ACE阻害薬を優先させることは、それらの代謝プロファイルのほうが好ましいものであるにも関わらず、ALLHATの新知見で支持されなかった

メタボリックシンドローム患者でも降圧薬の第一選択薬はサイアザイド系
http://www.m3.com/news/news.jsp?pageFrom=m3.com&sourceType=SPECIALTY&articleId=66979&articleLang=ja
(非常に示唆に富む論文と思います)

利尿薬
http://www.lifescience.jp/ebm/medhist/9606/9606.htm

利尿薬
http://hobab.fc2web.com/sub4-Diuretics.htm
各種降圧薬の特徴と主な副作用~利尿薬
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000049_0060.html

利尿薬
http://www.naoru.com/rinyouyaku.htm
サイアザイド系利尿薬
トリクロルメチアジド 「フルイトラン」
ヒドロクロロチアジド 「ダイクロトライド」
ベンチルヒドロクロロチアジド 「ベハイド」

チアジド系類似薬(非サイアザイド系)
インダバミド 「ナトリックス」
クロルタリドン 「ハイグロトン」
トリパミド 「ノルモナール」
メチクラン 「アレステン」
メフルシド 「バイカロン」


<きょうの一曲> 「言葉にできない」
言葉にできない  - オフコース - Kotoba ni Dekinai - Off Course
http://jp.youtube.com/watch?v=PLU5eDAoI90&feature=related
言葉にできない
http://jp.youtube.com/watch?v=Z--siVJjgWs&feature=related
言葉にできない:おもしろ編
http://jp.youtube.com/watch?v=8Pd98F3kbwE&feature=related
言葉にできない:悲しい編
http://jp.youtube.com/watch?v=Woqa8iQ5Vgo&feature=related
爆笑画像集 言葉にできない
http://jp.youtube.com/watch?v=SV-whloctGg&feature=related
おもしろ画像集 言葉にできない 
http://jp.youtube.com/watch?v=cJmbYRuglz8&feature=related

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

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