戯れ言たれる侏儒
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< 脳卒中の血圧管理とARB  その1(1/... | メイン | 循環器官用薬と飲食物・サプリメント 1(... >

脳卒中における血圧管理の重要性
─なぜ,ARBを用いた厳格な降圧が必要なのか─(後編)

外来血圧が低くても夜間や早朝の血圧が高いと脳卒中の抑制は不十分
棚橋 
2008年4月よりABPMが保険適用となったのですが,脳卒中を抑制するには特にどの時間帯の降圧が重要だとお考えですか。

北川 
それに関しては,2007年にIDACOという疫学研究で非常にしっかりしたエビデンスが発表され,ABPMが施行された日本人を含む7,458例の解析で,夜間血圧の低下が不十分であったり,夜間血圧が昼間の血圧よりも上昇したりする患者では,脳卒中や心血管系イベントのリスクが増大することが明らかにされました。
 
このように脳卒中は,
外来血圧が低くても夜間血圧がきちんと下がっていないと十分に抑制されないことから,確実な降圧作用を有する降圧薬が求められます。

棚橋 
早朝の血圧に関しても,モーニングサージがあると脳卒中のリスクが高くなることが指摘されていますので,やはり24時間を通しての厳格な血圧管理が重要となりますね。

ARBは脳卒中の一次予防と二次予防の両方でエビデンスが集積されている
棚橋 
脳卒中の予防におけるARBの役割についてですが,近年では脳卒中に対するARBのエビデンスが集積され,一次予防に関してはLIFE,SCOPE,VALUEといった海外の検討に加えて,CASE-JやJIKEI Heart Studyといったわが国の検討でもARBの有用性が明らかにされています。
また,二次予防に関しては,MOSESARBとCa拮抗薬は降圧作用に差はないものの,脳血管イベントのリスクはARBのほうが低下したことが報告されています。
 
これらのエビデンスをみますと,ARBとCa拮抗薬の優劣に関してはまだ議論があるかもしれませんが,ARBは脳卒中にかなりよいと申し上げることはできると思います。
 
さらに近年では,レニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬のさまざまな脳保護作用が報告されていますが,この点についてはいかがでしょうか。

北川 
私もRA系抑制薬の脳保護作用には注目しています。
例えば,脳内細動脈リモデリングの抑制は脳循環自動調節能を改善しますし,近年ではアテローム硬化や炎症が非常にホットな話題となっているのですが,これらに対するRA系の関与も明らかにされています(図2)。


また,心原性脳塞栓症では心房細動が重要な危険因子ですが,その心房細動の発現にもRA系が関与しています。

オルメサルタンは24時間血圧をコントロールすることに加えて脳卒中とのかかわりが深い炎症を抑制する
棚橋 
北川先生は脳卒中における炎症の役割をご検討されているそうですが,その結果をご紹介いただけますか。

北川 
われわれは,アテローム血栓性脳梗塞の原因となる頸動脈プラークの不安定化に炎症がかかわっているのではないかと考え,プラーク不安定化の指標である超音波輝度の低下と,炎症性サイトカインであるIL-6の関係を検討しました。その結果,IL-6が高値であるほどプラーク輝度が低下し,プラークが不安定化することが観察されました(図3)。


 
さらにわれわれは,従来はあまり検討されていなかった頭蓋内の血管についても検討を行い,アテローム血栓性脳梗塞の原因となる無症候性の主幹動脈狭窄や,ラクナ梗塞の原因となる無症候性脳梗塞も,IL-6やhs-CRPといった炎症の指標と関連していることを報告しています。

棚橋 
そのような炎症に対して,ARBはどのように作用するのですか。

北川 
ARBの抗炎症作用に関してはこれまであまりはっきりした報告がなかったのですが,EUTOPIAではオルメサルタンがhs-CRPやIL-6を低下させることが報告されています(図4)。

棚橋 
降圧効果に関しても,オルメサルタンは24時間にわたり血圧をコントロールすることが報告されていますが(図5),これについてはいかがでしょうか。

 

北川 
オルメサルタンはダブルチェーンドメインがAT1受容体と強力に結合することや,アンジオテンシンII(AII)がなくても誘発されるAT1受容体のシグナルを抑制するインバースアゴニストであることが,強力な降圧作用の根拠になっているのではないでしょうか。

棚橋 
本日は,脳卒中における降圧の重要性,さらには脳卒中と炎症のかかわりについて,北川先生から多くの興味深いお話をお伺いすることができました。
脳卒中の予防では実地医家の先生が中心的役割を果たされることになるのですが,脳卒中は降圧で防げることは明らかですので,ぜひ厳格な降圧を実践していただきたいと思います。
 
また,降圧薬を選択する際には,降圧作用はもちろんですが,北川先生からご指摘がありました炎症に対する作用などが重要なポイントになるのではないかと思います。

出典 Medical Tribune 2008.9.11
版権 メディカル・トリビューン社


 <コメント>
当院にも10年以上前より24時間ホルター血圧計があります。
夜間血圧測定というと、どうしても寝ながらの血圧測定ということになるので、患者さんに検査を提案することが出来ません(特に最近の患者さんは怖いのでどんな検査も提案を恐る恐るやっています)。
この検査は、本年4月より保険適応となりましたが一度も行っていません。
購入後24時間使用したことも一度もありません。
(数例、数時間行っただけです)
夜間血圧の把握。実際はとても難しいものです。

 

<参考サイト>
IDACO
高血圧治療ガイドラインの次回改訂ポイント
http://blog.m3.com/reed/20080520/1
自由行動下血圧測定(ABPM)は24時間は要らない? 論文の読み方
http://homepage.mac.com/k_kudo/iblog/B2007620793/C177514499/E20071019224336/index.html
(興味深く読ませていただきました。素晴らしいサイトです。)
自由行動下血圧測定(ABPM)は24時間が望ましい:IDACO
http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=658
LIFE
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2000095.html
SCOPE
http://www.ebm-library.jp/circ/cgi-bin/pre_search.cgi?word_old=&field=all&word=SCOPE&imageField.x=17&imageField.y=9
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2001071.html
VALUE
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2000055.html
http://www.ebm-library.jp/circ/trial_2005.html#esh2005VALUEmonotherapy
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/esh2004/esh200401.html
CASE-J
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002499.html
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/ish2006/caseJ.html
JIKEI Heart Study
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/wwc-esc2006/jikei.html
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002503.html
MOSES
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002387.html
EUTOPIA
EUTOPIA Study その1(1/2)
http://blog.m3.com/reed/20080604/EUTOPIA_Study_
EUTOPIA Study その2(2/2)
http://blog.m3.com/reed/20080605/EUTOPIA_Study_

自由行動下血圧測定(ABPM)は24時間は要らない? 論文の読み方
http://homepage.mac.com/k_kudo/iblog/B2007620793/C177514499/E20071019224336/index.html
(興味深く読ませていただきました)
 

<きょうの一曲>
時代
Nakajima Miyuki - Jidai 時代
http://jp.youtube.com/watch?v=ZlhYlQZKko8&feature=related
Miyuki Nakajima 中島みゆき 中島美雪 時代 (じだい) 1993 Version
http://jp.youtube.com/watch?v=Vnue0b9Yc0M&feature=related
徳永英明
http://jp.youtube.com/watch?v=Z1RzSEBKLt8&feature=related
http://jp.youtube.com/watch?v=jSZGV2aHGtk
 夏川りみ - 時代
http://jp.youtube.com/watch?v=ZKhvbKMbayg&feature=related

 

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