戯れ言たれる侏儒
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Very Late Stent Thrombosis

戯れ言たれる侏儒 / 2008.09.19 00:35 / 推薦数 : 2

第17回日本心血管インターベンション学会学術集会(、平山治雄会長、2008年7月3~5日、名古屋)の記事で勉強しました。
この学会は2009年度中に日本心血管カテーテル治療学会との統合が予定されているようです。

日本心血管インターベンション学会と日本心血管カテーテル治療学会の共同企画としてシンポジウム「Very Late Stent Thrombosis(DES留置後1年以降に発生する遅発性ステント血栓症)の発症機序と対策」(座長:一色高明・帝京大付属病院教授、木村剛・京都大付属病院准教授)での発表からです。

遅発性ステント血栓症で3年間の追跡結果を報告
日本人は年率0.29%上昇で欧米人の2分の1

■ j-Cypher研究の最新フォローアップデータ
 天理よろづ相談所病院の中川義久氏は、日本人を対象に実施している患者登録研究「j-Cypher」研究の最新知見やDES留置後の検査所見から、日本人における遅発性ステント血栓症の最新データを報告した。

中川氏は、「j-Cypher」の最新フォローアップデータを示して、日本人は欧米人に比べてDESによる遅発性ステント血栓症が少ないことをあらためて紹介した。

中川氏によると、3年間追跡できた675人では、総死亡率は10.5%、心臓死5.4%、突然死2.2%となった。
ARC基準に基づくステント血栓症発生率は、留置後1年以内で0.59%、2年以内で0.78%、3年以内で1.2%となった。その結果、30日後から3年までの遅発性ステント血栓症の発生率は年0.29%上昇することが分かった。
欧米では年0.6%でステント血栓症の発生率が上昇すると報告されており、日本の成績は2分の1程度と低いことが示された。

同試験の対象患者は1万2824人(登録患者数1万5155人)で、多枝病変や分岐部病変などの複雑病変を含む実臨床を反映した研究となっている。
日本の施設は技術が高く、ステント留置の成功率は99.8%となっており、同試験の1年間後の追跡率も96%と高い。

DESの再狭窄率および標的病変再血行再建術(TLR)施行率は、BMSに比べて明らかに低い。
しかし、BMS留置後1年以内に再狭窄・TLRがなかった患者では、以後のステント血栓症はまったく発生していない。そのため、中川氏は一定期間を過ぎたBMS留置患者では「安定感がある」と印象を述べた。

ステント血栓症が発生した患者は、8割が心筋梗塞に、残りの2割が死亡に至り、極めて予後が悪い。
発生後30日以内に死亡することが多く、退院できても低心機能となり、死亡に至るケースが少なくない。
発生後1年での死亡率は26.7%、2年で30%という重大なイベントだ。

同試験でのこれまでの追跡では、1年以降の遅発性ステント血栓症が20症例で発生している。
抗血小板療法について検証した結果、アスピリンとチエノピリジン系薬の併用療法で25%、アスピリン単独で60%、両薬とも中止で15%だった。
31~181日についてさらに解析すると、アスピリンを中止した患者でステント血栓症の発生が有意に高い。
ただ、180日以降も2剤を併用した方がステント血栓症の発生は抑制されるものの、ステント血栓症は年率0.29%で上昇し、3年間の追跡では減衰傾向は依然として認められていない。

中川氏は「2剤併用の継続がステント血栓症を抑制するとの明確な裏付けはないが、チエノピリジン系薬の中止がステント血栓症のリスクになるということもできない」と解説。
少なくともチエノピリジン系薬を中止することでステント血栓症の発生率が上昇するというエビデンスはないことから、抗血小板療法の継続期間については「出血との相対関係で考慮すべき」との考えを示した。

 

出典 Japan Medicine 2008.8.29
版権 (株)じほう

 

■会長招待講演
欧州では22種類のDES  詳細な実証研究が必要  
虚血性心疾患に対するPCI(経皮冠動脈インターベンション)とCABG(冠動脈バイパス手術)の研究動向   
独ルートヴィヒ・マクシミリアン大(ミュンヘン大)のSigmund Silber教授
ドイツではPCIの適応が拡大しており、PCI施行例の90%にステントが留置されている。
ESC(欧州心臓病学会)のガイドラインではPCIとCABGの死亡率は同等とされ、エビデンスレベルAとして推奨されている。
ただ、PCIではイベント発生率や再狭窄率が高いことが問題点となっている。

欧州では22種類のDESが承認されている。
インターベンショニストは、安全性・有用性に関するデータを検証しながら7種類のDESを選択しているのが現状だ。Silber氏は「ステント同士を直接比較した試験は多数あり、メタ解析も行われているが、35%の研究に誤りがあった。
メタ解析についても詳細な実証研究が必要だ」とした。

評価項目は、臨床的なアウトカムの評価の方が心臓カテーテル検査による代替的な評価よりも統計学的な意義が高い。
ESCのPCIガイドラインでは、厳格な大規模試験の結果のみを重視しており、日本で使用可能なTUXASとCypherとで、有用性に相違はないとされている。

抗血小板療法についてSilber氏は、アスピリンとクロピドグレルの併用療法をいつまで長期継続するかは、今のところ充分なエビデンスがないとした。
その上で、ドイツではクロピドグレルの後発医薬品が使用され始めたことや、TIMI-38試験で新薬のプラスグレルがステント血栓症の発症を48%抑制したものの、出血は増えたことなどを紹介した。

DESとCABGとの比較についても多くの研究が報告されている。
予後をみると、死亡率では両者に有意差はないものの、標的血管再血行再建術(TVR)はPCIの方が多いという結果が出ている。
ただ、部位や病変数などの条件を補正すると結果が異なる場合が多いため、「研究結果を鵜呑(うの)みにすることはできない」とし、ランダム化比較試験(RCT)による検討が必要だと強調した。

DESとCABGを比較したRCTは、8月末に開催されるESCで、SYNTAX試験での1年間の追跡結果が発表される。DES対CABGのRCTの研究発表は同試験が初めてとなる。

出典 Japan Medicine 2008.8.29
版権 (株)じほう

 

<きょうの一曲>
うちのお父さん
http://jp.youtube.com/watch?v=YKZ9XXiiLa8
うちのお父さん(かぐや姫)  歌詞
http://www.kashizo.com/data/006ka/010_kaguyahime/009.html

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

 

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