戯れ言たれる侏儒
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2008/12 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< HORIZONS-AMI試験 | メイン | 網膜と循環器疾患 >

ビタミンDと心・腎疾患

戯れ言たれる侏儒 / 2008.09.08 00:13 / 推薦数 : 1

最近、CKDに関する講演会を聴きに行ってきました。
ある公立病院の循環器部長の講演ということで、いつものような循環器専門医とは違う切り口の話が聴けると思ってのことでした。
その中で、「腎機能とビタミンD濃度の関連」「活性型ビタミンDの機能」「ビタミンDのレセプターは体中にあり血圧、インスリン、前立腺、乳腺などと関係している」「ビタミンDとCVD」「ビタミンDと心不全」「血中ビタミンDレベルと総死亡」などの話題は興味深いものでした。
彼自身も今ビタミンDに一番興味を持っているとのことでした。
(参考 http://blog.m3.com/reed/20080902「自遊時間」)

きょうはビタミンDを少し勉強しました。

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)
 

ビタミンDの摂取不足はさまざまな死因と関連
グラーツ医科大学(オーストリア・グラーツ)のHarald Dobnig教授らは「大規模研究により,ビタミンD値の低い群では心血管疾患による死亡を含む全死亡のリスクが増加する」との知見をArchives of Internal Medicine(2008; 168: 1340-1349)に発表した。
 
同教授らは冠動脈造影を行う連続3,258例(平均年齢62歳)を対象に25-ヒドロキシビタミンDと1,25-ジヒドロキシビタミンDの値を調査した。
約7.7年のフォローアップ期間中,737例(22.6%)が死亡した。うち463例(62.8%)はCVDによるものであった。
身体活動度や併存症など他の要因を考慮しても,ビタミンD値が低い群で死亡率は高かった。
ヒドロキシビタミンD値が低いことはC反応性蛋白(CRP)などの炎症マーカーとも関連していた。
 
今回の知見から,同教授らは「健康状態を維持するためには,血中25-ヒドロキシビタミンD値20ng/mL以上が推奨される」と結論付けている。
出典 Medical Tribune 2008.9.4
版権 メディカル・トリビューン社


未透析慢性腎疾患の生存率が向上
活性型ビタミンD類似化合物による治療
〔ニューヨーク〕バージニア大学(バージニア州シャーロッツビル)腎臓病学のCsaba P. Kovesdy博士らは,血液透析を受けていない3~5期の成人慢性腎臓病(CKD)患者520例を対象に,経口カルシトリオールを用いた活性型ビタミンD類似化合物による治療と死亡率や透析治療への移行率との関連を調べる観察研究を行い,カルシトリオールにより生存率が有意に向上し,透析治療への移行率は低下するとの結果をArchives of Internal Medicine(2008; 168: 397-403)に発表した。

予後悪化因子あっても好成績
今回の研究では,Kovesdy博士らが検証したサブグループ全員に,カルシトリオールによる効果が表れた。
これらのサブグループには,治療前副甲状腺ホルモン(PTH)低値の症例,高カルシウム(Ca)値の症例,高リン(P)値の症例が含まれていた。
 
同博士らは「カルシトリオール治療を受けた症例には,同治療を受けなかった症例よりも予後が悪化する因子,すなわち高齢,低い拡張期血圧(透析患者の高死亡率に関連),低い推定糸球体瀘過量(eGFR),血清P値の上昇(透析患者とCKD患者の高死亡率におそらく関連)があったにもかかわらず,好成績が得られたのは驚くべきことである」と述べ,これらの悪化因子は維持透析を受けている症例に見られるものと一致すると指摘している。
 
また,CKD患者は二次性上皮小体機能亢進症(SHPT)を頻繁に発症する。
SHPTは骨疾患,尿毒症性痒症,認知機能障害,性機能不全の症例に見られ,心疾患の罹患率や死亡率を上昇させ,他のさまざまな合併症を引き起こす。
SHPTは維持透析を受けている患者にとって深刻な問題だが,初期のCKD患者にも影響する。
同博士らは「SHPTは腎機能の衰えとともに進行する傾向がある」と述べている。
 
今回の試験参加者は米国退役軍人の男性520例で,全員が外来患者。平均年齢は69.8±10.3歳,平均eGFRは30.8±11.3mL/分/1.73 m2であった。

効果はより広範囲に
520例中258例に少量のカルシトリオールを経口投与した。1日当たり0.25μgの一定量を投与し,そのうち23例(9%)には途中で投与量を0.5μg/日に増量した。
投与期間(中央値)は2.1年(0.06?6年)であった。
 
プラセボ投与群に比べて,カルシトリオール治療群は,
(1)高齢
(2)拡張期血圧が低い
(3)P吸着薬を用いる可能性が高い
(4)PTH値が著明に高い(5)GFRが低い(6)血清Ca値が低い―という特徴を有していた。
 
カルシトリオール治療群では,追跡調査中にPTH値が約33%減少した(P<0.001,反復測定分散分析)。一方,プラセボ投与群では有意な変化は認められなかった(P=0.20,反復測定分散分析)。
 
追跡期間中,血清Ca値は両群ともに有意な変化はなかった。血清P値はカルシトリオール治療群にわずかな増加が見られたが,プラセボ投与群では変化はなかった。
 
複数因子を調整したモデル内で治療を受けた症例と受けなかった症例を比較すると,死亡率比は0.35〔95%信頼区間(CI)0.23~0.54,P<0.001〕,死亡と透析開始の複合エンドポイントの罹患率比は0.46(95%CI 0.35~0.61)であった。
 
Kovesdy博士らは,積極的治療を受けた患者の生存率を上げる作用機序について,「初期の死亡率低下はPTH値の低下によってもたらされた可能性がある」と指摘。
しかし,この説明自体は不十分で,活性型ビタミンDの効果はより広範囲にわたるかもしれないとしている。

動脈の石灰化を抑制
Kovesdy博士は「ビタミンD受容体は偏在しており,活性型ビタミンDは動脈における石灰化やアテロームの形成にかかわるサイトカインの産生を抑制し,心血管系に直接的な影響を及ぼすことが明らかにされている」と説明。
さらに,活性型ビタミンD欠乏は血液透析患者における全死亡率および心疾患による死亡率を上昇させ,1,25ジヒドロキシビタミンD3値が低いと冠動脈の石灰化が増悪することから,ビタミンD値と生存率がPTHには独立した関連があることも示唆されている。
「試験開始前のPTH値が低い症例のサブグループでもカルシトリオール治療は有効で,投与量が少ない(PTH低下効果を制限したかもしれない)にもかかわらずかなりの効果を示したことは,これまでおもにin vitroおよび動物実験で説明されたように,直接的な心血管機序が重要な役割を果たしていることを示唆している。
活性型ビタミンD療法は,SHPTの抑制のみに着目して行うべきか,あるいはおもに心血管への効果を通じて生存期間を延長する手段として行う療法になりうるかが,より大きな問題である」と同博士らは認識しているが,これを調べるにはランダム化比較臨床試験を行う必要がある。
 
同博士らは,因果関係を検証するためにランダム化比較臨床試験の実施を推奨するとともに,選択的ビタミンD類似化合物による治療や別の治療計画が同等あるいはより優れた効果を示すか否かを明らかにするために,さらなる研究が必要だと指摘している。

出典 Medical Tribune 2008.9.4
版権 メディカル・トリビューン社

<番外編>
ビタミンDはがんの予防効果も報告されています。

ビタミンDにがんの予防効果
〔米オハイオ州クリーブランド〕 ダナ・ファーバーがん研究所とハーバード大学公衆衛生学部(ともにボストン)のKimmie Ng博士とCharles Fuchs准教授らは「結腸直腸がんの患者では,血中ビタミンD値が高いと死亡リスクは低い」とJournal of Clinical Oncology(2008; 26: 2984-2991)に発表した。

がん化学療法との併用も検討中
今回の研究は,ビタミンDが特定の患者群に有益な効果をもたらしたことを示す初の研究である。
しかし,Ng博士らは結腸直腸がん患者にビタミンDのサプリメントをルーチンに処方するには時期尚早であるとしている。同博士らの研究ではビタミンD値の高い患者は,やせていて身体活動が高い傾向にあり,このことによっても今回示された結果の一部を説明可能だからである。
 
同博士らは長期的な2つの疫学的研究(女性看護師保健研究と医療従事者追跡研究)から,1991~2002年に結腸直腸がんと診断された304例のデータを前向きに分析した。全例で診断の2年以上前に血中ビタミンD値を測定し,2005年まで(それ以前に死亡した場合は死亡まで)フォローアップした。
2005年までに死亡した123例中96例は結腸がんによるものであった。
ビタミンD値が四分位数で最も高い群では,最も低い群に比べて結腸直腸がんを含む全死亡リスクが48%低かった。
 
同博士らは「この研究は,結腸がんと診断される前の血中ビタミンD値が高いほど,診断された後の全死亡を有意に低下させることも示唆している」と述べている。
 
同博士らは,今後の研究では結腸直腸がん患者のビタミンDサプリメントの役割について調査すべきであると指摘。
現在,結腸がん患者が術後にがん化学療法と併用してビタミンDサプリメントを摂取する研究が計画されている。
同博士らは「必要なビタミンDの投与量については医師と相談すべきであるが,1日当たりの標準推奨量は50歳未満で200IU,50~70歳で400IU,70歳以上で600IUである」と述べている。

出典 Medical Tribune 2008.9.4
版権 メディカル・トリビューン社

<自遊時間> その1
ごく最近のMedical Tribune誌のリレーエッセイ「続・時間の風景」に、私の学生時代に心電図の講義をしていただいた先生が投稿されていました。
写真入りということで随分懐かしくエッセイを読ませていただきました。
随分高齢となられた筈ですが、昔の面影も残っています。
そして文面からは、昔と少しも変わらないウイットとユーモア(茶目っ気?)が伝わって来ます。。
性格も含めて、人間ってそうそう変わるものではないんだなあと感じ入った次第です。
<自遊時間> その2
昨日の日曜日は所属医師会の休日診療所の出務でした。
結構長い間やっていますが、患者数が確実に減ってきていることが実感できます。
診察中のことです。
受付の事務員が、「○○という方から先生にお電話です」と言って来ました。
私はこれでも結構カンが働くほうなので、「用件をまず聞いてみて」と返事しました。
先生方もピンと来たと思いますが、どうやら節税や資産運用という名目のマンションなどの不動産か先物取引の勧誘を疑ったのです。
案の定、先方は「後でまたかけ直します」といって電話を切ったとのことでした。
ナースによれば、毎週のようにこんな電話がかかってくるとのこと。
会員名簿が手に入りにくくなって、休日診療所の不特定のドクターをターゲットにし出したようです。
嗚呼。
私は少し前から、同門会や医師会の名簿などに自宅の電話番号は載せないようにしています。
おかげで夕食時の不愉快な電話での勧誘はなくなりました。
しかし、こんな新手が現れるとは。

相手も結構やります。アッパレ。

名簿で思い出しましたが、所属医師会の電話帳のような名簿。
何とかならないでしょうか。
役に立ったためしがないばかりではなく、個人情報が入っているので、捨てるにもまったくもって苦労します。

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

 

固定リンク | コメント (0)

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。