戯れ言たれる侏儒
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高血圧と疫学 2008.9

戯れ言たれる侏儒 / 2008.09.05 00:30 / 推薦数 : 1

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会における”疫学”に関する記事で勉強しました。

その1 腎機能低下
高血圧患者でのみ心血管死リスク上昇と関係
腎機能が心血管死に及ぼす影響について10万人余りを前向きに検討した結果,高血圧患者においてのみ腎機能低下が心血管死リスク上昇と関係していることが判明した。Manhes病院(仏Fleury-Merogis)腎臓科のAlain Guerin氏が報告した。

HRはCG式で2.83,MDRD式で5.26
対象は,1972~88年にIPCセンター(パリ)で標準的な健診を受けた45歳以上の男女10万2,374人(男性6万1,438人,女性4万936人,平均年齢はそれぞれ53.3歳,53.7歳)。Cockcroft-Gaultの式(CG式)およびMD RD式から推算糸球体濾過量(eGFR)を求め,60mL/分/1.73m2以上(腎機能障害なし)と未満(腎機能障害あり)の2群に分けた。140/90mmHg以上あるいは高血圧治療中の場合に高血圧と定義したところ,男性の59.3%,女性の47.6%が該当した。
心血管死リスクはCox回帰モデルを用いて評価した。
 
平均15.4±4.6年の追跡期間中に,男性の15.1%と女性の8.2%が死亡。心血管死はそれぞれ4.2%,2.1%であった。
 
腎機能障害ありの割合は,CG式を用いると正常血圧群で5.1%,高血圧群で8.0%となった。
一方,MDRD式ではいずれも約1%と少なかった。
 
15年間の心血管死率をeGFRのレベルで分けて見ると,CG式,MDRD式ともに60mL/分/1.73m2未満で著しく上昇することがわかった。
 
CG式による腎機能障害なし群に比べて腎機能障害あり群の補正後心血管死ハザード比(HR)は1.13〔95%信頼区間(CI)0.97?1.32〕だが,その腎機能障害あり群をさらに高血圧の有無で分けたところ,正常血圧群のHR 1.02(95%CI 0.70~1.49)に対し,高血圧群ではHR 1.23(同1.04~1.46)となり,腎機能障害と血圧状態との間には有意(P=0.04)な相関が認められた。
また,今回の対象ではMDRD式による腎機能障害ありの割合が少なかったため,70mL/分/1.73m2を腎機能障害の閾値として見たところ,CG式と同様の結果が得られた。
 
正常血圧群の心血管死リスクを1とした場合,高血圧群のHRは,CG式で60mL/分/1.73㎡未満では2.83(95%CI 1.87~4.26),MDRD式で70mL/分/1.73㎡未満では5.26(同2.45~11.30)となった。
 
以上から,Guerin氏は「腎機能障害は高血圧患者においてのみ心血管死リスク上昇に独立して関係している」と結論付けた。


その2 ウエスト径増大
高血圧患者における総死亡リスクに
IPCセンター(パリ)のBruno Pannier氏らは,ウエスト径増大や血圧上昇が死亡にもたらすリスクについて,6万人余りのコホート研究から検討。
一般集団においてウエスト径の増大や高血圧が死亡リスクとなりうることや,血圧別の検討では高血圧患者においてウエスト径増大が死亡リスク上昇となりうることが示された。

正常高値と死亡リスクの関係は認められず
対象は,1999年から2004年にIPCセンターで標準的な健診を受けた45歳以上の男女6万7,166人(男性4万3,691人,女性2万3,475人,平均年齢はそれぞれ54.8歳,56.7歳)。2006年の調査終了時点までに男性510人,女性182人の死亡が確認された。
年齢,性,糖尿病,喫煙,LDLコレステロール,運動,職歴,SBPの各因子を調整後,Cox回帰モデルで総死亡のハザード比を見たところ,高血圧(SBP 140mmHg以上もしくはDBP 90mmHg以上),ウエスト径の増大(男性102cm超,女性88cm超)によりリスクの有意な上昇が見られたが,正常高値血圧(SBP 130~139mmHg,もしくはDBP 80~90mmHg)については,上昇が認められなかった。
 
全対象を血圧レベルで分けると,正常血圧63.4%,正常高値血圧10.3%,高血圧26.3%となった。
各群の死亡率は,正常血圧,正常高値血圧でともに0.86%,高血圧で1.51%だった。
男性のほうが高血圧の割合が多く,死亡率も高い傾向にあった。
各血圧分類におけるウエスト径増大の割合は,正常血圧12.4%,正常高値血圧13.8%に対し,高血圧では25.5%と高かった。
 
さらにPannier氏らは,正常血圧,正常高値血圧,高血圧におけるウエスト径増大の死亡リスクへの影響を検討した。ウエスト径増大がない場合に比べて増大ありの補正後死亡ハザード比は,高血圧の場合のみ有意な上昇が認められた。
 
以上から,一般コホートにおいてはウエスト径や高血圧が総死亡リスクとなりうるが,血圧別の検討では高血圧の場合にのみ,ウエスト径増大が総死亡リスクとなることが示された。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

 

<自遊時間>


 

昨日、ある医療機器業者が「ワイヤレス12誘導心電計」の紹介をするためにやって来ました。

当院は、エルゴメーターやトレッドミルはありません。
もっぱらマスター2階段負荷です。
紹介された装置は大学レベルに少しずつ採用になっているとのことで、基幹病院での採用もされつつあるという説明でした。
常々、運動負荷中の心電図変化を知りたいと食指も少し動きました。
12誘導というのも魅力です。

しかし、GEの心エコー装置を購入したばかりです。

話をしながらこんなことを思いつきました。
2誘導という限界があるにしても、狭心症を疑われる患者にホルター検査をする際に装着直後と翌日の取り外し直前にマスター負荷をやってもらうというアイデアです。
(以前から、装着中は神社の階段なんかを探して上り下りするようには説明していましたが・・・)
あたかも、マラソンの陸上競技場での出発とゴールインのごとくマスター負荷を使うということです。
まあ、そんな話をして業者を煙に巻いて帰っていただきました。
でも、何だか後ろ髪を引かれるアイテムではあります。

http://www.goodcare.jp/products.html


http://www.kuronowish.com/~davinci333/oldpc/


http://homepage2.nifty.com/medicalteknika/duna2/


http://www.goodcare.jp/link.htm

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

 

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