戯れ言たれる侏儒
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CASE-Jサブ解析

戯れ言たれる侏儒 / 2008.08.31 00:39 / 推薦数 : 0

CASE-Jは
「高リスク高血圧患者において,AII受容体拮抗薬candesartanとCa拮抗薬amlodipineの長期の心血管イベント抑制効果に有意差は認められず。左室肥大,新規糖尿病発症はcandesartan群で有意に低かった。」
といったような内容でした。
今回、このCASE-Jのサブ解析の記事が出ていました。

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会特集    CASE-Jサブ解析

糖尿病やCKD,左室肥大を有する患者では130/80mmHgレベルからイベントリスク増加
日本人の高リスク高血圧症に対してARBカンデサルタンとCa拮抗薬アムロジピンの有用性を比較した大規模臨床試験がCASE-J(前回のISHで主要結果発表)である。
同試験のサブ解析から,糖尿病や慢性腎臓病(CKD),左室肥大を有する患者では130/80mmHg以上で心血管イベントリスクの増加が見られたと,大阪府立急性期・総合医療センターの荻原俊男院長が発表した。

イベント発生の血圧閾値がシフト
サブ解析の対象は,CASE-J試験の主要解析対象と同じ4,703例。
到達血圧は最終来院時(心血管イベントを起こした患者はその発生前6か月以内に測定したもの)と定義した。
 
糖尿病,CKD,左室肥大の有無で分け追跡期間中の血圧推移を見ると,いずれもベースライン時に比べ最終来院時に有意に低下していた。
 
到達血圧のレベル別に心血管イベント発生率を見ると,ほぼすべての血圧レベルにおいて糖尿病群のほうが非糖尿病群よりもイベント発生率が高かった。
SBP130mmHg未満を1とすると,イベント発生の相対リスク(RR)は,非糖尿病群ではSBP 130~139mmHgで1.14だったのに対し,糖尿病群では1.46。DBPも75~79mmHgを1とすると,80~84 mmHgでのRRはそれぞれ1.38,1.51となった。
CKDも同様で,各血圧レベルで非CKD群よりCKD群のほうがイベント発生率が高く,SBP 130?139mmHgでのRRは非CKD群の1.11に対し,CKD群では1.47。DBP 80~84mmHgでのRRはそれぞれ2.13,1.22。左室肥大もある群のほうがない群より各血圧レベルでイベント発生率が高く,SBP 130~139 mmHgでのRRは非左室肥大群の1.03に対し,左室肥大群は2.21。DBP 80?84mmHgでのRRはそれぞれ1.14,2.28であった。
 
以上のように,糖尿病やCKD,左室肥大の有無にかかわらず,到達血圧が高いほど心血管イベントは増加したが,いずれの到達血圧レベルにおいても,これらの危険因子を持つ患者では持たない患者に比べて心血管イベント発生率が高かった。
危険因子がある患者では,ない患者に比べて心血管イベントが起こる血圧閾値がより低いレベルにシフトしており,130/80mmHg以上からリスクの増加が認められたため,荻原院長は「2型糖尿病やCKD,左室肥大を有する高血圧患者の心血管イベントを予防するには130/80mmHg未満に下げることが重要だ」と結論した。

腎機能高度低下例でより有益
同じくCASE-J試験のサブ解析から,腎機能低下が著しい症例ではカンデサルタンのほうが心血管イベント抑制に優れていたと,慶應義塾大学の猿田享男名誉教授が報告した。
 
対象は,ベースライン時に推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2未満であったか,または蛋白尿が認められ,CKDと診断された2,720例。

対象例の試験期間中の血圧の推移は,カンデサルタン群とアムロジピン群で差はなかった。
また,心血管イベントの発生率も両群で差は認められなかった。
 
そこで,CKDのレベルで分けて検討したところ,腎機能高度低下のステージ4(eGFR 15~29mL/分/1.73 m2)では,カンデサルタン群で心血管イベント発生率が有意(P=0.043)に低いことが判明。
イベントのなかでもとりわけ腎イベント発生が同群で少なく,両群間の差は有意(P=0.003)であった。
 
同名誉教授は「腎機能低下が著しい高血圧患者に対して,カンデサルタンはアムロジピンよりも心血管イベント予防のうえで有益である可能性が高い」と述べたうえで,「CKD合併の高血圧患者におけるカンデサルタンの効果を明らかにするには,適切にデザインされたランダム化比較試験を行う必要がある」と結んだ。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

<関連サイト>
CASE-J ISH2006
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/ish2006/caseJ.html
CASE-J
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002499.html
candesartan群の方が明らかに多くの降圧薬を併用していることが明らかになったことの意味は大きい。すなわちcandesartanは他の薬剤をたくさん併用しなければamlodipine群と同等の降圧が得られないことを証明しているのである。
またエンドポイントの内訳をあらためて見直してみると,candesartan群が優位なのは狭心症,TIAといった客観性に乏しいエンドポイントばかりであり,脳卒中などの客観性のあるエンドポイントはむしろamlodipine優位に傾いているのである。狭心症やTIAが試験薬群に優位という傾向は JIKEI- HEART試験でも同じように認められ,ここに企業支援によるPROBE法の問題点が明瞭に浮かんでくるのである。
トライアル初期から中期にかけてcandesartan群の方の脱落例が明らかに増えており,candesartan群はハイリスク症例で早期にイベントを起こしていることを示している。このような試験ではtime to eventまでの期間を比較するべきであり,その意味ではamlodipine群の方がcandesartan群よりもハイリスク症例のイベント発症をより先送りさせることができたことを示している。amlodipine群の方が治療中の血圧が低かったことが早期のイベント発症抑制に効果があったと考えられる。
(桑島先生の読み応えのある、相変わらずの辛口コメントです)
 

<CASE-J関連ブログ
全国CASE-Jサミット・・・日本人の日本人による・・・
http://blog.m3.com/Aget-KNKblog/20061104/_CASE-J_
(私もこの会に参加しました)
降圧薬の治験:CASE-Jの勉強会
http://blog.m3.com/DrTakechan/20061104/_CASE-J_
(この先生も参加してみえました)

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

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