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洞調律維持と心拍数調節の有効性は同等
〔カナダ・モントリオール〕モントリオール心臓研究所(MHI)とモントリオール大学(ともにモントリオール)の心臓医であるDenis Roy部長らは,心房細動のある心不全患者において,心拍数維持による簡便な管理により,電気的除細動の頻度,入院回数などが減少するとNew England Journal of Medicine(2008; 358: 2667-2677)に発表した。
欧米での前向き多施設試験
今回発表されたのは,心房細動のある心不全患者において,リズムコントロール(洞調律維持)とレートコントロール(心拍数調節)を比較し,心血管死に与える影響を検討した多施設前向き試験Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure(AF-CHF)の結果である。
心不全は死因の上位を占めており,心房細動の合併で死亡リスクはさらに増加する。
今回の試験は,カナダ保健研究所(CIHR)から650万ドル以上の助成を受けて実現したもので2001年に開始された。
心房細動と心不全の治療法を改善し,罹患率と死亡率を減少させることを目的に,北米,南米,欧州,イスラエルの123施設で1,376例を登録した。
2001年5月~05年6月に,電気的除細動と投薬により洞調律化を行うリズムコントロール群と,β遮断薬とジギタリスにより心拍数を安定させ,特別な洞調律化は行わないレートコントロール群に患者をランダムに割り付けた。
主要エンドポイントは心血管死で,データの整理・解析はMHIに設置された調整センター(MHICC)が統括して行った。
Intention-to-treat(ITT)解析において,主要エンドポイントである心血管死亡数は,リズムコントロール群が182例(27%),レートコントロール群が175例(25%)で,両群間に有意差は認められなかった。
総死亡数,心不全の悪化,脳卒中発症に関しても同等であった。
入院回数はリズムコントロール群で多く,その多くは心房細動の管理によるものであった。
重要な新知見を提供
Roy部長は「今回の結果は,心不全患者の心房細動管理で広く適用されている2つの方法に関し,重要な新知見を提供するものである。リズムコントロールをルーチンで行ってもレートコントロールと比べ死亡率は変化せず,さらに,心不全悪化など他の重要なアウトカムに関しても2つの方法の間で有意差は認められなかったが,レートコントロールにより電気的除細動を必要とする頻度と入院率が減少した」と指摘。
「レートコントロールにより心房細動が簡便に管理でき,入院率が減少することがこれで明らかになった。今回の知見は,レートコントロールを心房細動とうっ血性心不全の合併患者に対する第1選択治療とすべきことを示唆している」と述べている。
CIHR循環器・呼吸器学研究所の科学責任者であるPeter Liu博士は「今回の示唆に富む知見は,このような患者群に対し,電気的除細動を頻繁に行わない保存的な管理が可能であることを示しており,今後のケアの在り方に関し,新たな基準が提供されるであろう」と評価している。
出典 Medical Tribune 2008.8.14
版権 メディカル・トリビューン社

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)
<関連サイト>
AF-CHF:心不全の時の心房細動研究 心拍コントロール群 vs 心調律コントロール群
http://intmed.exblog.jp/6411610/
AF-CHF
Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure
http://www.incirculation.net/whatswhat/11093_73472.aspx
AF-CHF試験
http://blog.m3.com/reed/20071210/A_
AF/CHF Trial: Rate as Good as Rhythm Control for AF in Heart Failure
http://www.medscape.com/viewarticle/565469
AF-CHF: Even in heart failure, rate-control strategy best for atrial fib
http://www.theheart.org/article/876415.do
AF-CHF The Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure Trial
心房細動と心不全の合併例において,リズムコントロールの心血管イベント抑制効果はレートコントロールを上回らない。
http://www.ebm-library.jp/circ/trial_AHA_2007.html#aha2007AFCHF
<番外編>
心臓エコー診断装置を入れ替えたお話はすでにしました。
循環器医と名乗りながら従来の装置はカラードップラーのないものでした。
昨日、不整脈で通院中の60代男性に心エコーを行いました。
一通り検査も終わりかけ、そうそうカラードップラーでもやってみようとスイッチをオンにしました。
プローブを当てた途端に大動脈弁に逆流が・・・・。

すっかりあわててしまって「二尖弁は?重症度判定は?」といったことは吹っ飛んでしまいました。
時間外に再度検査してゆっくり評価したいと思いました。
この検査は、診察時間外にたっぷり時間をかけて行うのがよいのかも知れません。
来月から月1回、心強い臨床検査技師が手伝ってくれるので楽しみです。
さて、この患者さんに聴診器をあてましたが心雑音は聴こえません。
リットマンのCardiologyを引っ張り出してきて、前屈位になっていただきましたが聴こえません。
ConstantのBedside Cardiology(2nd Ed.)を見ましたが雑音のないARの記載はありません。
もっともカラードップラーが導入される前のテキストということで当然といえば当然です。
silent or mute AR(私が勝手につけた名前です)は一体どの程度の頻度であるのでしょうか。
数多くの症例を経験された先生なら動脈硬化性のARで臨床的な意味はあまりないといわれると思います。
しかし、気になるので一度専門病院へ紹介して心音図と心エコーの再評価をお願いしようかとも思っています。
やっぱりカラードップラーはすごい。
何を今更と皆さんは思われるでしょう。
<関連サイト>
大動脈弁閉鎖不全症
http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/circulatory/node113.html
大動脈弁閉鎖不全症
カラードップラーを用いた評価
pressure half time
http://medtoolz.xrea.jp/echo/node12.html
後天性弁膜症大動脈弁膜症
http://www.e-clinician.net/vol43/no452/pdf/gp_452.pdf
二尖弁と大動脈疾患
http://blogs.yahoo.co.jp/chibanishi_artery/10510349.html
二尖弁
http://www.kcc.zaq.ne.jp/dfcmd409/echo/echo.html
心エコー検査により術前に診断された大動脈四尖弁の2症例
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjmu/34/2/34_171/_article/-char/ja
(「四尖弁」、初めて聞きました)
先天性大動脈二尖弁
http://blog.m3.com/reed/categories/839
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。