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第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会の記事でANBP2の勉強をしました。
ANBP2
高齢高血圧患者の長期生命予後
ACE阻害薬と利尿薬に有意差なし
ACE阻害薬と利尿薬を基礎薬とした治療の予後改善効果をPROBE法で比較,ALLHATと異なり「心血管イベント+総死亡」の抑制にACE阻害薬が優れるとの結果が話題を呼んだコホート研究ANBP2の10年近い追跡結果が発表された。
本解析では総死亡に有意差はなかったが,モナシュ大学(オーストラリア・メルボルン)のChristopher Reid氏によると,長期追跡でも,両群の総死亡に有意差は認められなかったという。
喫煙や糖尿病などが有意に関連
2003年に報告されたANBP2の対象は,65~84歳,SBP160mmHgかつまたはDBP90mmHg以上の高齢高血圧患者6,083例。
ベースラインの平均年齢は71.9歳,平均血圧168/91mmHgで,喫煙者は7%であった。
対象をACE阻害薬,利尿薬を基礎薬とする2群にランダムに割り付け,中央値で4.1年追跡した結果,血圧は両群とも26/12mmHgと同等の降圧が得られたにもかかわらず,1次評価項目の「心血管イベント+総死亡」のリスクは利尿薬群に比べてACE阻害薬群で有意水準ぎりぎり(P=0.05)で11%減少。
死亡については有意差には至らなかったものの,ACE阻害薬群で10%減少した。
通常,臨床試験の追跡期間は3~5年程度で,長期転帰に関するデータはほとんどないのが現状だ。
そこでReid氏らは,中央値で9.3年まで追跡期間を延長。
総死亡,心血管死の発生率,関連要因を評価した。
中央値で9.3年,5万3,260人・年の追跡の結果,総死亡の発生率は1,000人・年当たり利尿薬群25.6,ACE阻害薬群25.1であった。
Cox比例ハザードモデルによる利尿薬群に対するACE阻害薬群のハザード比(HR)は,年齢,性,心血管疾患の既往,糖尿病,SBPなどによる調整後で0.96〔95%信頼区間(CI)0.86~1.07〕と,両群に有意差は認められなかった。
心血管死のHRも1.04で,両群に有意差はなかった。
一方,10年後の生存には,糖尿病非合併,SBP低値,喫煙なしや婚姻状況などが有意に関連することがわかった。
実際,喫煙者では喫煙歴なしの2.46倍,糖尿病合併例では非合併例の1.50倍,離婚例で1.76倍に,総死亡のリスクが増大したという。
試験終了後の降圧治療について情報がないなどの限界を指摘したうえで,同氏は「10年後の生存には,5年の試験期間中にACE阻害薬,利尿薬のいずれの治療に割り付けられたかは関連しなかった」とした。
出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社
<関連サイト>
ANBP2
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2001466.html
(目的)
高齢の高血圧患者において,ACE阻害薬と利尿薬との転帰を比較する。一次エンドポイントは全心血管イベントまたは全死亡。
(桑島先生のコメント)
2002年の国際高血圧学会で発表されたときは,さほど反響をよばなかったが,今回はALLHATの発表後まもなく,まったく違った結果ということで俄然注目された。高齢者の,特に男性ではACE阻害薬の脳心血管合併症が利尿薬よりも良かったという結果であるが,ALLHATも含めて人種差の理解なしには日本人にその結果の適応は難しいことが実感させられる。
ALLHATとの基本的な違いは,二重盲検法ではなく,本試験はオープン試験である。対象者がALLHATでは黒人が約35%占めるのに対して,本試験では主に白人である。降圧薬がALLHATでは非サイアザイドのchlorthalidoneに対して,本試験ではサイアザイドのhydrochlorothiazideが推奨されている。追加薬としてはALLHATではβ遮断薬,reserpine,clonidineなど交感神経抑制系であるのに対し,本試験ではβ遮断薬,Ca拮抗薬,α遮断薬である。5年間での他の降圧薬併用率が利尿薬40.7%,ACE阻害薬43.0%であったのに対して,本試験ではそれぞれ33%,35%であった。また治療前血圧も大きく異なり,ALLHATでは146/84mmHgであるのに対して,本試験では168/91mmHgと高い。リスク因子や合併症もALLHATでは脳心血管合併症をすでに有している例が52%前後であるのに対し,本試験では13%である。糖尿病もALLHATでは36%前後であるのに対し,本試験では7%にすぎない。
このような様々な臨床背景,プロトコールの違いが,異なった結果をもたらしたと考えられる。しかし二つの臨床試験が伝えるメッセージはどの降圧薬を選択するかではなく,しっかり血圧を下げることの重要性である。
(結論)
高齢の高血圧患者において,ACE阻害薬で降圧治療を開始した場合,利尿薬と比べ降圧効果は同等であるものの,特に男性において良好な転帰をもたらすと思われる。
<自遊時間>
8月4日の
「脈圧と拡張期血圧」
http://blog.m3.com/reed/20080804/1
の中の<自遊時間>で「日本医師連盟」についてとりあげさせていただきました。
実は今月、「日本医師連盟」の”上納金”の案内があり、8月23日が集金締め切り日とのFAXが医師会支部の”班長”から届いていました。
以前から、この「日本医師連盟」については不満を持っていたため、勇気を奮って今年こそ支払いを断ろうと決めたことはすでにお話しました。
案の定、8月23日に督促のFAXが届きました。
文面は「以前FAXにてご連絡した医師連盟の寄付金ですが、集金締切日を過ぎまだご確認できておりません。つきましては当院までお持ちいただきますよう宜しくお願いいたします。A会員:30,000円となります。集金時に領収書をお渡しいたします。」というものでした。
早速、8月25日の朝、”班長”の診療所に電話を入れました。
こちらの気持ちを伝えたら、「実は私も医師会入会時に疑問に思い、医師会に問い合わせたことがある」ということでした。
そして「班内のある一人の先生には声をかけなくてもいいと上から言われている」という言質を取ることも出来ました。
想像するに、K党をはっきり支持しているような会員からはとらないように、ということか、うるさいないしはむつかしい(?)会員からは無理して集金しなくてもよいということだと思いました。
全員”寄付金”を支払っていると思っていたのに意外で、勇気づけられる言葉でした。
実はちょっと前に別の用件で医師会(本部ではありません)に電話した際に、事務に医師連盟のことをついでに聞いたことがありました。
返ってきた言葉は「入会は任意であり、かつ寄付金である」という非常にあっけらかんとしたものでした。
私はこのまま、”寄付”は断るつもりです。
私に対して、医師会からの脱会勧告でも出ればその時点で考えます。
皆さんはどうされますか?
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。