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第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会特集
降圧ターゲットはSBP単独に
「血圧管理はSBPにターゲットを絞るべき」とする見解を,王立医科大学国際循環器センター(ロンドン)臨床薬理・治療学のPeter Sever教授が示した。
同様のステートメントはレスター大学(英レスター)循環器科のBryan Williams教授やウメオ大学(スウェーデン・ウメオ)公衆衛生学,臨床医学のLars H. Lindhorlm教授との共著でLancet(2008; 371: 2219-2221)に掲載された。
特に50歳以降は重要
血圧が年齢によって変化することはよく知られている。
米国の国民健康調査であるNHANES(National Health and Nutrition Examination Survey)IIIでは,未治療高血圧患者における高血圧の型が年代別に解析されているが,それによると,50歳まではDBPとSBPが連動して変化するが,50歳以上ではほとんどが収縮期高血圧であることが示されている。
拡張期高血圧については,50歳以下では起こりうるが,50歳以上ではまれであることも示された(図)。

また,加齢による自然経過としてSBPは50歳以降も上昇するが,DBPは低下傾向であることを示す報告もある(Hypertension 1995; 25: 305-313)。
冠動脈疾患の予測因子としてSBPとDBPのどちらが重要なのかを年代別に比較した検討においても,50歳まではDBPのほうが強い予測因子となりうるが,50歳以降はSBPが重要であり,特に60歳以降についてはDBPが予測因子にならないという結果となっていた(Circulation 2001; 103: 1245-1249)。
臨床試験のエビデンスでは,Syst-EURやSHEPをはじめとして,収縮期高血圧のエビデンスが拡張期高血圧を凌駕している。
また,欧州各国による統計データでも,DBP 90mmHgとSBP 140mmHgの降圧目標値に対して,SBPの目標値に到達しない頻度がDBPの頻度よりも圧倒的に多いことが示されている。
このような状況について,Sever教授は「DBPにもSBPと同様の関心が寄せられていることが,SBPの降圧目標値が達成されない要因になっている」と指摘する。
効果的な降圧治療へ
SBPの目標値については,通常の場合140mmHgであるが,高リスク患者では130mmHgとされている。
Sever教授は今後の降圧治療を展望し,
(1)大半の患者の診断・治療においてSBPを単独指標にすべき
(2)SBPは50歳以上の高血圧を規定する因子
(3)DBPを目標値とし続けることは,不適切な治療につながる
(4)50歳未満ではDBP管理も重要であるが,SBPが主要なターゲットであることには変わりない
―の4点を挙げた。
公衆衛生学的にも,心血管疾患予防の観点からSBPにターゲットを絞ることが有用である,と同教授は強調し,「今後はSBP単独の目標値を置き,臨床医や患者に対してシンプルなメッセージを送ることで,より効果的な降圧治療を推進すべき」と述べた。
出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社
<コメント>
こんなクリアカットな結論の発表は滅多にありません。
誰もが思っていたことを明快にしてくれました。
すっきり。
こんな研究、大好きです。
ついでに言えば血圧の測定値。
数字が一人歩きしているように思いませんか。
そもそもの測定値の定義づけがはっきりしないのです。
最近、血圧測定値について思い浮かべることがあります。
たとえはあまりよくないかも知れません。
それは各地の気温です。
全国で一番暑い市町村は熊谷だの多治見だのといった類の話です。
そんなのは百葉箱の置いている場所(最近は百葉箱は用いないようです。いずれにしても器械の設置場所)でなんとでもなるわけで、直接比較するほうがおかしいのです。
数字で示されたりスライドなどで統計処理されたきれいな図を見せられると妙に納得させられます。
しかし、そのもとになる血圧測定値は・・・。
百葉箱
http://ngy.sakura.ne.jp/hyakuyoso.htm
気温をはかるための器械
http://www.sendai-jma.go.jp/wadai/sokki/sokki2.html
もう・・・高血圧判定は収縮期だけでよいのでは? by Lancet
http://intmed.exblog.jp/7260067/
大学の一研究者のひとりごと
http://blog.goo.ne.jp/stat-hiro/e/82ec4b1ab450917b39f56bbe477d494a
収縮期血圧、拡張期血圧、脈圧、平均血圧
http://intmed.exblog.jp/2279280/
脈圧と拡張期血圧
http://blog.m3.com/reed/20080804/1
収縮期・拡張期血圧
http://blog.m3.com/reed/20071122/1
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。
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