戯れ言たれる侏儒
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HYVETサブ解析

戯れ言たれる侏儒 / 2008.08.19 00:08 / 推薦数 : 1

HYVET では80歳以上の超高齢者を対象とした降圧療法の意義が検証され,利尿薬とACE阻害薬を用いて積極的に降圧療法を行った群のほうが脳卒中の発症が少ないという結果が示されました。
この試験はこのブログでも以前とりあげました。
HYVET
http://blog.m3.com/reed/20080407/HYVET
HYVET試験アゲイン
http://blog.m3.com/reed/20080511/1

新着のメディカル・トリビューン誌で、このHYVET試験のサブ解析が紹介されていました。 

 

第2部:第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会特集
臨床試験  HYVETサブ解析
認知症発症リスクは有意差認められずも14%減少
80歳以上の超高齢者でも,積極的な降圧療法により予後が改善することを証明した大規模臨床試験HYVET―。
今回報告されたサブ解析からは,プラセボに比べて利尿薬インダパミド±ACE阻害薬ペリンドプリルによる積極的治療により,有意差は認められなかったものの,認知症の発症リスクが14%減少することなどがわかったという。

メタアナリシスでは有意差も
HYVETは,80歳以上でSBP160~199mmHg,DBP 110mmHg未満の高血圧患者3,845例を対象としたプラセボ対照二重盲検試験。
降圧目標150/80mmHgを目指し,インダパミド徐放剤(1.5mg/日)±ペリンドプリル(2~4mg/日)による実薬群の有用性を評価した。
試験は,実薬群で総死亡の有意な減少が判明し中央値1.8年の追跡で早期終了。
1次評価項目の全脳卒中は有意差に至らなかったものの30%リスクが減少,総死亡,心血管イベントは,それぞれ21%,34%の有意なリスク減少を示すことが明らかになった。
 
インペリアルカレッジ(ロンドン)のRuth Peters氏によると,認知機能に関するサブ解析の対象は3,336例。
ベースラインの平均年齢は83.5歳,平均坐位SBP173.0mmHg,脳卒中の既往が6.5%,Mini-Mental State Examination(MMSE)スコアの中央値は26であった。
 
2年間の追跡の結果,血圧は実薬群で15/5.9mmHg低下。認知症発症は1,000人・年当たりプラセボ群の38に対して,実薬群では33であった。
Cox比例ハザードモデルによる解析では,降圧治療により14%のリスク減少を示したが,有意差はなかった()。


 
高血圧治療に関するプラセボ対照二重盲検試験で,認知症について評価しているのはPROGRESS,Syst-Eur,SHEPの3試験のみ。
そこで,HYVETを加えた4試験でメタアナリシスを実施したところ,相対リスク(RR)は0.87となり,実薬群で13%の有意(P=0.045)なリスク減少が確認されたという。

実薬群で一貫してイベント抑制
一方,同カレッジのNigel S. Beckett氏らは,主解析と同じく3,845例を対象に,事前に設定された性,年齢,心血管疾患の既往の有無,初期SBP値などのサブグループ別に,総死亡,全心血管イベント発生を検討した。
 
その結果,総死亡,全心血管イベントともに,サブグループ間で交互作用は認められず,実薬群で一貫してリスク減少が確認された。
ことに総死亡については,女性,80~84.9歳,心血管疾患の既往なしの各群で,全心血管イベントについては,男女とも,80~84.9歳,心血管疾患既往なし,初期SBP160~199mmHgと180mmHg以上の各群で,有意なリスク減少が認められた。
 
同氏は「サブグループ解析の結果により,全超高齢者に対する降圧治療に,さらなる支持が加わった」と結論した。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

 

<追加 208.9.19>
降圧で超高齢者の認知症リスクが減少
〔ロンドン〕インペリアルカレッジ(ロンドン)内科のRuth Peters博士らは,Hypertension in the Very Elderly Trial(HYVET)の新たな知見から,降圧により80歳以上の超高齢者の認知症発症リスクが低下することがわかったとLancet Neurology(2008; 7: 683-689)に発表した。 

新たな効果の可能性示す
先行研究のエビデンスに基づいて行われたHYVET-COG(the dementia sub-study of HYVET)は,他のプラセボ対照試験の結果と組み合わせることで,降圧治療により認知症発症の相対リスクが有意(13%)に低下することを示した。
Peters博士は「超高齢者において心血管疾患に対する降圧治療の効果は実証ずみであるが,HYVET-COGの結果は新たな効果の可能性を示唆している」と述べている。
 
同試験は,80歳以上の高血圧症患者〔収縮期血圧(SBP)160?200mmHg,拡張期血圧(DBP)<110mmHg〕を対象とした二重盲検プラセボ対照試験で,これらの患者をインダパミド1.5mg徐放剤とペリンドプリル2?4mg錠を投与する群(降圧薬投与群)とプラセボ群にランダムに割り付けた。
降圧目標値はSBP 150mmHg,DBP 80mmHgとした。
 
ベースライン時に臨床的に認知症と診断された者はなく,認知機能はベースライン時,およびその後年1回Mini-Mental State Examination(MMSE)による検査を行った。
MMSEスコアが24点を下回るか,1年で3点を超える低下を示した認知症の可能性のある者は,標準的な診断基準を用いて評価し,専門家の判断に委ねられた。
2年目の年次分析の時点で,死亡と脳卒中の発生率が降圧薬投与群で半減し,救命の可能性のある治療を全患者に提供しない試験を続けるのは非倫理的であることから,この試験は当初予定されていた2007年を前に終了した。

プラセボ群との有意差認められず
フォローアップ評価を1回以上受けたHYVET参加者3,336例(平均フォローアップ期間は2.2年)のうち,1,687例は降圧薬投与群,1,649例はプラセボ群に割り付けられた。
血圧値は,プラセボ群に比べ降圧薬投与群のほうがSBPで15.0mmHg,DBPで5.9mmHg低下した。認知症発症率はプラセボ群で1,000人年当たり38人,降圧薬投与群で同33人であったが,この差は統計学的に有意ではなかった。
しかし,今回得られた結果を他の降圧薬のプラセボ対照試験のメタアナリシスと組み合わせて検討したところ,降圧薬投与により認知症発症の相対リスクが13%有意(P=0.045)に低下することが示された。
 
Peters博士らは,HYVET-COGで認知症の発症に有意差が認められなかった原因として,フォローアップ期間が短かったこと,試験が早期に中止されたこと,および治療効果が緩やかだったことが考えられ,「HYVETの結果は超高齢者における認知症発症を予防するための高血圧治療を多少は支持するものとなった。
HYVETとこれに類似した3件の試験のメタアナリシスによると,降圧に伴う認知症リスクの低下は臨床的に有意でありうる」と結論している。
 
イェーテボリ大学(スウェーデン・イェーテボリ)Sahlgrenskaアカデミー神経科学研究所のIngmar Skoog博士は,同誌の付随論評(2008; 7: 664-665)で「これらの知見の臨床的意味は何であろうか。HYVETでは,降圧治療は短期的にも超高齢者における脳卒中と総死亡率に関して有益であることが示された。
また,高齢者における高血圧の診断と治療自体,認知症を予防するか否かにかかわらず,心血管疾患を予防するうえで重要である」と述べている。
 
出典 Medical Tribune 2008.9.18
版権 メディカル・トリビューン社

 

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

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