| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
< CHD既往高血圧症例とARB | メイン | HYVETサブ解析 >
きょうは、日本発のプラバスタチンについての日本発の研究であるMEGA Studyの発展版であるAPPROACH-J Studyについて勉強しました。
「第40回日本動脈硬化学会総会・学術集会ポスターセッション」で発表された記事が教材です。
APPROACH-J Study
日本における脂質低下療法の新たなエビデンス創生に向けて
日本の軽度から中等度高脂血症患者を対象に,動脈硬化性疾患一次予防におけるプラバスタチン投与の有用性が示されたMEGA Studyの結果が記憶に新しいが,現在,日本の脂質低下療法に関するさらなるエビデンスの創生に向けた研究が進行中である。
第40回日本動脈硬化学会総会・学術集会ポスターセッションにおいて,「APPROACH-J Studyのデザインとその意義(The design and rationale for the Affirmation Primary prevention with Pravastatin in Reduction of Occlusive Atherosclerotic Complications in Hypercholesterolemia-Japan Study)」と題し,APPROACH-J Study医学アドバイザーで帝京大学内科学主任教授の寺本民生氏が発表を行った。
APPROACH-J Studyをめぐる背景
一次予防高リスク群に残されたエビデンスの必要性
生活習慣の欧米化に伴い,糖尿病有病率の増加,コレステロール値の上昇など,代謝異常に伴う動脈硬化性疾患の発症頻度の上昇が危惧されている。
そうした状況から,動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版では,脂質異常を是正すべくリスク別脂質管理目標値が設定された。
冠動脈疾患の既往のない一次予防例においては,LDLコレステロール(LDL-C)値以外の主要危険因子の保有数によって3群に分類し,それぞれLDL-C管理目標値を低リスク群160mg/dL未満,中リスク群140mg/dL未満,高リスク群120mg/dL未満と設定されている(表)。
そしてLDL-C値について20~30%の低下率も治療目標とできる可能性を提言している。
しかしながら,日本人において LDL-C値をどこまで下げるのが有効か,その真のゴールについて現時点では十分なエビデンスが得られていない。
一方,治療方針の原則にも記されているように,動脈硬化性疾患の予防は長期にわたる生活習慣の改善が必須である。
そのため,患者自身が治療に対し主体的な意欲を持って取り組むことが治療継続の鍵となる。
近年,こうした患者自身の主体的な服薬遵守意識や生活習慣改善意識といった治療行動"アドヒアランス"がますます重要視されているものの,アドヒアランスを指標に検討された研究報告はいまだ少ない。
APPROACH-J Studyの臨床的意義
脂質低下療法の真のゴールとアドヒアランスが
脂質コントロールに与える影響が明らかに
以上のような背景から企画されたのが,現在進行中のAPPROACH-J Studyである(概要参照)。

本研究に医学アドバイザーとして参画し,研究計画全体の指導に当たっている帝京大学内科学主任教授の寺本民生氏は,次のように解説した。
APPROACH-J Studyの対象は,日常診療において薬物療法が選択される頻度の高い,一次予防症例の高リスク群にプラバスタチンを投与した症例である。
その目的は,
(1)脂質コントロールと血管系疾患イベントの発症頻度の関連から,ガイドラインで設定されたLDL-C管理目標値の妥当性を確認し"一次予防高リスク群に対する脂質低下療法の真のゴール"を検討する,
(2)アドヒアランスが脂質コントロールに与える影響を検討する
ことである。
本研究は統計学的に有効な解析結果を得るべく5,000例,観察期間は2年間と設定されている。
また,長期観察研究を可能にするために,研究開始1年および2年時点で対象患者の健在確認を行って高いフォローアップ率の確保を目指している。
さらに本研究は,患者から文書同意を取得して行う観察研究であり,過去の観察研究では調整が不十分であったバイアスを極力排除するために,LDL-C管理目標値を事前に調査し,管理目標値を考慮した解析を行うこととしているのも特徴である。
本研究への登録期間は2008年2月1日~2009年1月31日,調査期間は2011年1月31日までである。
同氏は,「APPROACH-J Studyにより冠動脈疾患一次予防高リスク群の脂質低下療法に関する,より質の高い日本独自のエビデンスが得られることを期待している」と述べ,エビデンス創生のためにも広く本研究への協力を仰いだ。
治療実態に即した研究で残された課題に答えるAPPROACH-J Study
帝京大学内科学主任教授
寺本民生氏コメント
LDL-Cの低下が動脈硬化性疾患の予防に重要であることは,種々の大規模臨床試験により明らかにされている。
一方,一次予防におけるリスク群ごとの脂質管理目標値に対する実証は未だ乏しい。
一次予防高リスク群のLDL-Cは果たしてどの程度低下させるべきか,その答えを得る治療実態下での実践的な研究がAPPROACH-J Studyである。
脂質低下療法を受けた患者をLDL-Cの到達値により分類し,LDL-C到達値と血管系疾患イベント発症との関連を検討することで,ガイドラインで提唱しているLDL-C管理目標値を検証できる。
また,今後アドヒアランスがますます重要視されていくが,研究報告がいまだ少ない。
これについて,アドヒアランスとLDL-Cの到達値との関係などを検討する。
本研究により,真のLDL-C管理目標値やアドヒアランスについて,日常で診療に当たる医師にとって示唆に富んだ結果を得ることができるであろう。
そうした臨床上有用な知見にどこまでアプローチできるかがこの研究の最大の目標である。有用な結果を得るには登録症例のフォローアップが決め手になるため,本研究への積極的なご協力を願っている。
出典 Medical Tribune 2008.8.14
版権 メディカル・トリビューン社
読んでいただいてありがとうございます。
コメント
コメントはまだありません。コメントを書く