| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | |||||
| 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
| 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
| 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
| 31 |
昨秋のエプレレノン(商品名セララ)の発売で「アルドステロン」は一定の盛り上がりがありました。
きょうは、「原発性アルドステロン症」を勉強しました。
アルドステロン研究の現在
http://blog.m3.com/reed/20080623/1
アルドステロン・ブレイクスルー
http://blog.m3.com/reed/20080704/1
原発性高アルドステロン症:まれだが診断と治療が重要
Primary Hyperaldosteronism: Rare, but Important to Diagnose and Treat
高血圧患者における原発性高アルドステロン症の有病率の推定値には、選択されない患者において20%にも及ぶものから1%に過ぎないものまである。
この研究では、20年間にギリシャのある高血圧診療所を受診した連続する患者1,616人を対象に、原発性高アルドステロン症の有病率を検討した。
患者はすべて治療抵抗性の高血圧(利尿薬1種類および他の薬物2種類でコントロールされておらず、自宅または自由行動下の血圧測定で確認された)であった。
すべての患者について、コントロールされた状況でアルドステロン/レニン比(aldosterone-to-renin ratio:ARR)および血清アルドステロン濃度を測定した。
両方の測定値が上昇していた患者338人に対し、塩負荷による抑制試験 および4日間のfludrocortisone試験を行い、原発性高アルドステロン症であるかを確認した。
原発性高アルドステロン症が確認されたすべての患者に対し、spironolactone単独療法を行い、血圧のコントロールに必要であれば他の薬剤を追加した。
患者182人(ARR高値の患者の53.8%、患者全体の11.3%)で、原発性高アルドステロン症が確認された。
これらの患者すべてにおいて、spironolactone単独療法開始後2~4週間以内に統計学的に有意な血圧低下が認められ、spironolactone単独(37%)または他の薬物との併用により、すべての患者で血圧の目標値が達成された。
コメント:
高血圧症例の約10%が治療抵抗性で、原発性高アルドステロン症が(この研究におけるように)それらの症例の約10%を占めるとすると、全体での有病率は約1%となる。
しかしそれでも、症例の発見は重要である。
というのも、原発性高アルドステロン症では、本態性高血圧と比較して標的臓器の障害のリスクがより高いと考えられ、また高アルドステロン症は治療が容易であるからである。
低カリウム血症は、感度も特異度も低い。ARRおよび血清アルドステロン値は非特異的であり、確定診断(例、場合によっては特定の降圧薬を中止後に、塩負荷による抑制試験を実施)は、費用がかかり、リスクを伴う可能性がある。
エディトリアル執筆者は、ARRおよび血清アルドステロン濃度が高値である患者、またはアルドステロン阻害薬の経験的な投与に反応しない患者は、専門施設に紹介するよう勧めている。
Bruce Soloway, MD
Published in Journal Watch General Medicine July 22, 2008
Douma S et al. Prevalence of primary hyperaldosteronism in resistant hypertension: A retrospective observational study. Lancet 2008 Jun 7; 371:1921. (http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(08)60834-X)
Kaplan NM. Deja vu for primary aldosteronism. Lancet 2008 Jun 7; 371:1890. (http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(08)60809-0)
http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW08-0724-01.html
Journal WATCH Online 日本語版 2008 July 24

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)
<関連サイト その1>
慢性腎疾患に対するアルドステロン遮断?
Aldosterone Blockade for Chronic Renal Disease?
アルドステロンは心筋に対して直接的な有害作用を示し、またアルドステロン遮断によって、心不全患者の罹患率と死亡率が低下する。
さらに少数のエビデンスであるが、慢性腎疾患患者に対するアルドステロン遮断の役割も示唆されている。
このデンマークの二重盲検クロスオーバー試験では、2型糖尿病、高血圧および顕性アルブミン尿を有する患者21人を、spironolactone(連日25mg)とプラセボをランダムな順に8週間投与するコースに割り付けた。
ベースライン時点で、すべての患者が利尿薬とアンジオテンシン変換酵素(angiotensin-converting-enzyme:ACE)阻害薬またはアンジオテンシン受容体遮断薬を服用していた。
大部分の患者はカルシウムチャネル遮断薬も服用していた。適格基準は、糸球体濾過率>30mL/min/1.73m2と、血清カリウム値<4.5mmol/L未満であった。
尿アルブミン値および24時間自由行動下血圧の平均は、spironolactone投与後がプラセボ期間終了後より有意に低かった(1.1g対1.6g/24時間、および132/67mmHg対138/71mmHg)。
アルブミン尿と血圧の個々の変化の大きさは相関していなかった。
1人の患者はspironolactoneの2週間投与後に重度の高カリウム血症(血清カリウム濃度7.1mmol/L)を起こしたため、分析から除外した。
コメント:
これらの所見が示唆しているように、アルドステロン遮断は糖尿病性腎症(おそらくは他の慢性腎疾患も含む)の治療に役立つかもしれない。
しかし、アルブミン尿と血圧におけるこれらの短期的な改善が持続するかどうか、またこれらによって臨床アウトカムが最終的に改善するかどうかを判断するには、より大規模な研究が必要である。
さらに、このような治療では致死的な高カリウム血症のリスクがあることから、きわめて慎重に監視する必要があろう。
Allan S. Brett, MD
Published in Journal Watch September 23, 2005
Rossing K et al. Beneficial effects of adding spironolactone to recommended antihypertensive treatment in diabetic nephropathy. A randomized, double-masked, cross-over study. Diabetes Care 2005 Sep; 28:2106-12.
http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW05-0923-01.html
Journal WATCH Online 日本語版 2005 September 23
<関連サイト その2>
もう1つのアルドステロン拮抗薬がLV機能障害患者に有益
Another Aldosterone Blocker Benefits Patients with LV Dysfunction
RALES研究は、重度のうっ血性心不全の治療におけるアルドステロン拮抗薬spironolactoneの役割を確立した(Journal Watch Sep 10 1999)。
今回、企業支援を受けた新たな国際研究で、研究者らはもう1つのアルドステロン拮抗薬eplerenoneについて検討している。
研究者らは、6,632人の患者を、心筋梗塞後3~14日の時点でeplerenoneかプラセボ投与にランダムに割り付けた。患者全員で心不全の臨床的徴候が認められ、左室駆出率(LVEF)が40%以下であり、ほとんどの患者がβ遮断薬とアンギオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬あるいはアンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の投与を受けていた。
血清クレアチニンレベルが2.5mg/dLを超えるか、血清カリウムレベルが5.0mmol/Lを超えている患者は除外した。
平均16ヵ月のフォローアップ期間中、全体の死亡率はeplerenone群のほうがプラセボ群よりも有意に低かった(1年間の推定死亡率、11.8%対13.6%)。もう1つのエンドポイントとした心血管系の原因による死亡あるいは入院も、eplerenone群で有意に頻度が低かった(26.7%対30.0%)。
重篤な高カリウム血症はeplerenone群でプラセボ群よりも有意に多く認められ(5.5%対3.9%)、重篤な低カリウム血症は有意に少なかった(8.4%対13.1%)。
コメント:
この試験は、LV機能が相当に障害を受けている患者でのアルドステロン拮抗薬の適応を広げる。
RALES研究の患者と比較し、この試験での患者はLVEFの平均がより高く(33%対25%)、β遮断薬の使用が多かった(75%対10%)。
さらに、今回の研究の患者は全員、虚血性心疾患を伴っていた(RALES研究の患者では半数のみであった)。spironolactoneはeplerenoneよりもかなり安価であるため、臨床家は最初にspironolactoneを使用し、いずれかの薬物を使用する際は、血清カリウムとクレアチニンを慎重にモニターするように、エディトリアル執筆者は提案している。
米国では、eplerenoneを心不全の治療に利用することはまだできない。
Allan S. Brett, MD
Published in Journal Watch April 18, 2003
Pitt B et al. Eplerenone, a selective aldosterone blocker, in patients with left ventricular dysfunction after myocardial infarction. N Engl J Med 2003 Apr 3; 348:1309-21.
Jessup M. Aldosterone blockade and heart failure. N Engl J Med 2003 Apr 3; 348:1380-2.
http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW03-0418-03.html
Journal WATCH Online 日本語 2003 April 18
<関連サイト その3>
原発性高アルドステロン症におけるアルドステロン/レニン比
Aldosterone-Renin Ratio in Primary Hyperaldosteronism
高血圧の原因として過少に診断されていると思われる原発性高アルドステロン症のスクリーニング検査として、アルドステロン/レニン比(aldosterone-renin ratio:ARR)が普及しつつある。
しかし、検査陽性については研究によってさまざまな定義がなされている。
香港のこのレトロスペクティブ研究では、原発性高アルドステロン症が疑われ(通常は高血圧に低カリウム血症が合併しているため)、病院の内分泌科に紹介された患者62人の結果を分析した。
最終診断は、外科病理、食塩水負荷検査、CT(コンピュータ断層撮影)所見および副腎静脈からの血液のサンプリングに基づいて行われた(すべての患者が全検査を受けたわけではなかった)。
ARRは一晩横臥した後、30分間座った後、4時間の自由行動の後に各患者について測定した。
原発性高アルドステロン症は最終的に45人の患者で診断された。
他の17人は本態性高血圧と推定された。ARRのすべての結果を再評価した後、30分間座った後の検査がスクリーニングとして受け入れ可能であると著者らは結論付けている。
ARRのカットオフ値を1ng/mL・時間あたり23.6ng/dLとした場合の感度が97%、特異度が94%であった。
カットオフ値を66.9とすると特異度100%となり、このカットオフ値を超える値を示した患者はすべて原発性高アルドステロン症であった。
ARRの中央値は、高アルドステロン症の患者では136.4、対照では5.6であった。
コメント:
この研究では、30分間座位の後のARRが66.9を超える場合原発性高アルドステロン症が確認され、一方、ARRが23.6未満の場合はほぼ確実に除外された。
これら2つのカットオフ値のあいだでは、診断を確認あるいは除外するために追加検査が必要であった。
他の重要な変数(たとえば使用する検査キットの性能、各研究での患者集団の差)があることから、原発性高アルドステロン症を診断する際には、経験のある医師に患者を評価してもらうのがもっとも良いと思われる。
Allan S. Brett, MD
Published in Journal Watch February 11, 2005
Source
Tiu S-C et al. The use of aldosterone-renin ratio as a diagnostic test for primary hyperaldosteronism and its test characteristics under different conditions of blood sampling. J Clin Endocrinol Metab 2005 Jan; 90:72-8.
http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW05-0211-01.html
Journal WATCH Online 日本語版 2005 February 11
<関連サイト その4>
治療抵抗性高血圧を伴う糖尿病患者の原発性アルドステロン症
Primary Aldosteronism Among Diabetic Patients with Resistant Hypertension
いくつかの研究で、原発性アルドステロン症は臨床医が一般に考えるより二次性高血圧の原因としてよくみられることが示唆されている。
このEmory Universityの研究では、治療抵抗性高血圧(3種類以上の降圧薬を服用し、血圧が>140/90mmHgであることと定義した)を伴う連続100人の糖尿病患者(平均年齢59歳)を同定し、原発性アルドステロン症についてスクリーニングを行った。
高血圧の平均持続期間は16年であり、患者の93%は黒人であった。
患者34人はアルドステロン・レニン比の上昇(ここでは>30と定義した)が認められ、その後に確認検査(塩類負荷後のアルドステロン測定)を受け、14人が最終的に原発性アルドステロンと診断された。
副腎画像診断の結果や治療に対する反応に関する情報は報告に示されていなかった。
コメント:
治療抵抗性高血圧で紹介されたこれらの糖尿病患者では、原発性アルドステロン症の有病率が14%ときわめて高いが、これは治療抵抗性高血圧として紹介された患者に関する他の研究と一致している(Journal Watch General Medicine May 1 2001など)。
プライマリケアの設定における原発性アルドステロン症の有病率(およびアルドステロン/レニン比の最適なカットオフ値)に関する大規模な研究があれば、有用であろう。
当面、臨床医は多剤療法に抵抗性の高血圧を有する患者で、この診断を考慮する閾値を低くすべきであろう。
Allan S. Brett, MD
Published in Journal Watch General Medicine July 26, 2007
Umpierrez GE et al. Primary aldosteronism in diabetic subjects with resistant hypertension. Diabetes Care 2007 Jul; 30:1699-703.
http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW07-0726-05.html
Journal WATCH Online 日本語 2007 July 26
<追加・森下竜一先生のブログから>
恩師の退官③
http://blog.m3.com/yomayoi/20070310/1
(阪大・荻原先生の最終講義の写真が見れます)
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。