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< 高血圧症患者の糖尿病新規発症抑制の意義 | メイン | 原発性高アルドステロン症 >
「前高血圧」という言葉自体、目新しいものではありません。
しかし、近々発表を控えたJNC8やJSH2009でどのようにとりあつかわれるか興味のあるところです。
日経メディカルの最新号の巻頭に、たまたま「前高血圧」がとりあげられていたので勉強しました。
これらで取り上げられる血圧の数値。
測定するだけの数があるといわれる血圧値の中でどれをとりあげて話をしているのか。
そして収縮期血圧と拡張期血圧の数値がandなのかorなのか、はたまたand/orなのか。
知らないのが自分だけかと思うとなかなか他人には聞けません。
120/80でも黄信号?
高血圧は”prehypertension”の直訳。
prehypertensionという言葉は、JNC7(高血圧の予防、
発見、診断、治療に関する米国合同委員会第7次報告、2003年)に登場したもので、JNC Ⅵで「正常血圧」(120~129/80~84mmHg)と「正常高値血圧」(130~139/85~89mmHg)に分類していたものを合わせた新しい概念である。
日本や欧州の高血圧学会やWHOのガイドラインにはない独自のものだが、JNC7では、糖尿病やCKD(慢性腎臓病)など心血管疾患の危険因子がなければ薬物療法は不要で、生活習慣の改善を促すことになっている。
前高血圧に対するわが国の専門医の見解は微妙に分かれる。
獨協医大循環器内科主任教授の松岡博昭氏は「努力して生活習慣を改善し、120/80mmHgを維持している人
に、『前高血圧、要注意」とレッテルを貼るのは、現実的ではない」と話す。
「120~139mmHgをひとくくりにするのも疑問。ただし、減塩、減量など健康の維持・増進への意識付けという公衆衛生学的意義はある」。
前高血圧の概念の推奨派を自認する東京都老人医療センター副院長の桑島巌氏も「生活習慣の改善を求める警告として重要だが、130~139mmHgの人を前高血圧と呼ぶのが妥当だろう」と言う。
米国では、JNC8に向けての策定作業が始まり、前高血圧の扱いが議論の的となっている。
5月に行われた米国高血圧学会では、前高血圧を巡るディベートやセッションが設けられたが、それらの結論は「血圧は検査値の一つにすぎない。前高血圧の段階で、心血管疾患の危険因子を早期に発見することが重要である。危険
因子があれば、血管病変の程度を評価し、降圧、血糖コントロール、脂質低下など、血管保護のための的確な治療を選択する」ことに落ち着いた。
前高血圧と呼びながら、降圧に固執せず、血管保護に力点を置いたところが、近年の高血圧診療の風向きの変化を象徴している。
1998年にHOT研究の結果が発表されて以来、血圧はできるだけ低く厳格に管理することが世界的に推奨されてきた。
その間に、降圧薬の主流は、利尿薬、Ca拮抗薬からACE阻害薬、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)などRA系抑制薬へと広がってきた。
一方で「RA系抑制薬だけでは、十分な降圧効果が得られない」と指摘する臨床医は少なくない。
実際、ARBを用いた大規模臨床試験では、降圧が不十分な場合はARB以外に利尿薬などを併用して、降圧目標を達成した試験もある。
米国で、前高血圧への対応が「降圧」から「心血管疾患の予防」へとシフトしつつあるのは、ARBの降圧効果の限界が背景との指摘もある。
JNC8で前高血圧への対応がどう変わるのか、また、この秋に発表予定のJSH2009(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン)で、厳格な降圧がどこまで強調されるのか、注目される。
出典 Nikkei Medical 2008.8
版権 日経BP社
<関連サイト>
前高血圧症の生活改善指導は開業医泣かせ! 新基準で血圧に泣く人が増える?
http://allabout.co.jp/health/familymedicine/closeup/CU20031225BP/
前高血圧症では食事、減量、運動、節酒などの生活改善指導などの予防医療が基本となります。原則として高血圧と異なり投薬はしません。
推定では日本人の1/3が前高血圧症です。もし米国に準じて開業医の方が、前高血圧症の方にも生活改善指導をするとしたら、忙しい外来診療の世界は大変な事になりそうです。
米国の後に、欧州の血圧分類ガイドラインが発表されました。欧州のガイドラインでは、前高血圧症という考えは用いていません。
高血圧前症への薬物治療(TROPHY)
http://intmed.exblog.jp/3342678/
TROPHY
ARBカンデサルタンによる早期介入で高血圧発症が66%減少
TRial Of Preventing HYpertension
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/ebm/topics/200804/506012.html
アンジオテンシン受容体拮抗薬による前高血圧に対する治療の実行可能性 http://minds.jcqhc.or.jp/G0000085_S0028648_0004.html
「高血圧前症」でも心疾患のリスク増大
http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20050812hj000hj
高血圧前症は冠動脈疾患、心筋梗塞のリスク上昇と関連する
http://tomochans.exblog.jp/3317329/
<自遊時間>
あるメーカーのMRさんが「AKI」の講演会の案内をもって来ました。
何でも急性腎不全acute renal failure(ARF)を、最近はccute kidney injury(AKI)と呼称されるようです。
CKDが一段落したら、今度はAKI。
循環器領域でも造影剤を使うインターベンショニスト(?)には、興味がいささかでもあるかも知れません。
一開業医としては関係なさそうなので欠席する予定です。
ARFとAKI。
若干概念が違うのかも知れません。
今後の書籍やMedical Tribune誌でチェックということで。
先端腎疾患病態研究グループ
http://plaza.umin.ac.jp/~kid-endo/a-3-02.html
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。
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