戯れ言たれる侏儒
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CASE-Jサブ解析

戯れ言たれる侏儒 / 2008.08.31 00:39 / 推薦数 : 0

CASE-Jは
「高リスク高血圧患者において,AII受容体拮抗薬candesartanとCa拮抗薬amlodipineの長期の心血管イベント抑制効果に有意差は認められず。左室肥大,新規糖尿病発症はcandesartan群で有意に低かった。」
といったような内容でした。
今回、このCASE-Jのサブ解析の記事が出ていました。

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会特集    CASE-Jサブ解析

糖尿病やCKD,左室肥大を有する患者では130/80mmHgレベルからイベントリスク増加
日本人の高リスク高血圧症に対してARBカンデサルタンとCa拮抗薬アムロジピンの有用性を比較した大規模臨床試験がCASE-J(前回のISHで主要結果発表)である。
同試験のサブ解析から,糖尿病や慢性腎臓病(CKD),左室肥大を有する患者では130/80mmHg以上で心血管イベントリスクの増加が見られたと,大阪府立急性期・総合医療センターの荻原俊男院長が発表した。

イベント発生の血圧閾値がシフト
サブ解析の対象は,CASE-J試験の主要解析対象と同じ4,703例。
到達血圧は最終来院時(心血管イベントを起こした患者はその発生前6か月以内に測定したもの)と定義した。
 
糖尿病,CKD,左室肥大の有無で分け追跡期間中の血圧推移を見ると,いずれもベースライン時に比べ最終来院時に有意に低下していた。
 
到達血圧のレベル別に心血管イベント発生率を見ると,ほぼすべての血圧レベルにおいて糖尿病群のほうが非糖尿病群よりもイベント発生率が高かった。
SBP130mmHg未満を1とすると,イベント発生の相対リスク(RR)は,非糖尿病群ではSBP 130~139mmHgで1.14だったのに対し,糖尿病群では1.46。DBPも75~79mmHgを1とすると,80~84 mmHgでのRRはそれぞれ1.38,1.51となった。
CKDも同様で,各血圧レベルで非CKD群よりCKD群のほうがイベント発生率が高く,SBP 130?139mmHgでのRRは非CKD群の1.11に対し,CKD群では1.47。DBP 80~84mmHgでのRRはそれぞれ2.13,1.22。左室肥大もある群のほうがない群より各血圧レベルでイベント発生率が高く,SBP 130~139 mmHgでのRRは非左室肥大群の1.03に対し,左室肥大群は2.21。DBP 80?84mmHgでのRRはそれぞれ1.14,2.28であった。
 
以上のように,糖尿病やCKD,左室肥大の有無にかかわらず,到達血圧が高いほど心血管イベントは増加したが,いずれの到達血圧レベルにおいても,これらの危険因子を持つ患者では持たない患者に比べて心血管イベント発生率が高かった。
危険因子がある患者では,ない患者に比べて心血管イベントが起こる血圧閾値がより低いレベルにシフトしており,130/80mmHg以上からリスクの増加が認められたため,荻原院長は「2型糖尿病やCKD,左室肥大を有する高血圧患者の心血管イベントを予防するには130/80mmHg未満に下げることが重要だ」と結論した。

腎機能高度低下例でより有益
同じくCASE-J試験のサブ解析から,腎機能低下が著しい症例ではカンデサルタンのほうが心血管イベント抑制に優れていたと,慶應義塾大学の猿田享男名誉教授が報告した。
 
対象は,ベースライン時に推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2未満であったか,または蛋白尿が認められ,CKDと診断された2,720例。

対象例の試験期間中の血圧の推移は,カンデサルタン群とアムロジピン群で差はなかった。
また,心血管イベントの発生率も両群で差は認められなかった。
 
そこで,CKDのレベルで分けて検討したところ,腎機能高度低下のステージ4(eGFR 15~29mL/分/1.73 m2)では,カンデサルタン群で心血管イベント発生率が有意(P=0.043)に低いことが判明。
イベントのなかでもとりわけ腎イベント発生が同群で少なく,両群間の差は有意(P=0.003)であった。
 
同名誉教授は「腎機能低下が著しい高血圧患者に対して,カンデサルタンはアムロジピンよりも心血管イベント予防のうえで有益である可能性が高い」と述べたうえで,「CKD合併の高血圧患者におけるカンデサルタンの効果を明らかにするには,適切にデザインされたランダム化比較試験を行う必要がある」と結んだ。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

<関連サイト>
CASE-J ISH2006
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/ish2006/caseJ.html
CASE-J
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002499.html
candesartan群の方が明らかに多くの降圧薬を併用していることが明らかになったことの意味は大きい。すなわちcandesartanは他の薬剤をたくさん併用しなければamlodipine群と同等の降圧が得られないことを証明しているのである。
またエンドポイントの内訳をあらためて見直してみると,candesartan群が優位なのは狭心症,TIAといった客観性に乏しいエンドポイントばかりであり,脳卒中などの客観性のあるエンドポイントはむしろamlodipine優位に傾いているのである。狭心症やTIAが試験薬群に優位という傾向は JIKEI- HEART試験でも同じように認められ,ここに企業支援によるPROBE法の問題点が明瞭に浮かんでくるのである。
トライアル初期から中期にかけてcandesartan群の方の脱落例が明らかに増えており,candesartan群はハイリスク症例で早期にイベントを起こしていることを示している。このような試験ではtime to eventまでの期間を比較するべきであり,その意味ではamlodipine群の方がcandesartan群よりもハイリスク症例のイベント発症をより先送りさせることができたことを示している。amlodipine群の方が治療中の血圧が低かったことが早期のイベント発症抑制に効果があったと考えられる。
(桑島先生の読み応えのある、相変わらずの辛口コメントです)
 

<CASE-J関連ブログ
全国CASE-Jサミット・・・日本人の日本人による・・・
http://blog.m3.com/Aget-KNKblog/20061104/_CASE-J_
(私もこの会に参加しました)
降圧薬の治験:CASE-Jの勉強会
http://blog.m3.com/DrTakechan/20061104/_CASE-J_
(この先生も参加してみえました)

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ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
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「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
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きょうは、技術の進歩の著しい「末梢血管インターベンション」について勉強しました。
われわれ開業医にとって、これらのup to dateな勉強ももちろん大切です。
しかし、これらの病気の患者さんを紹介する際にどの病院に紹介すればよいかという現実があります。
紹介先によって患者さんの運命が変わる場合も当然ありうることです。
最先端の技術があることを(習得ではなく)勉強しても、手近なロケーションにやっていただける施設があるかどうか、また複数の選択肢があればどちらがよいか。
そのあたりの情報(?)の方が大切かも知れません。

先日、ある病院から病診連携の案内が届きました。
国立病院機構の某病院です。
近くに救急医療にも力を入れている大規模病院があって、(まったくもって失礼ないい方ですが)「終わっている」病院です。
内容は「お互い顔の見える医療を目指して懇親会を持ちましょう。ついては会費・・・」というものです。
いろいろ、苦しい事情はよくわかります。
発起人の先生もよく知っている先生ですでに「顔」はよくわかっています。

私のスタンスはこうです。
(幸い都会に住んでいるというとメリットを生かして)出来るだけ多くの講演会に出席して、近くの病院の医師が演者の場合には、「力量」と「顔」を実際インプットする。

会費まで払って「顔」だけみる会はもちろん欠席しました。

 

 

 「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

ガイドワイヤやステントの改良で安全性,成績が向上
末梢血管インターベンションを安全に施行し成績を向上させるため,デバイスや施行法は年々進歩を遂げている。
郡山市で開かれた第16回日本心血管インターベンション学会(会長=星総合病院心臓病センター・木島幹博副院長)のシンポジウム「末梢血管インターベンションの最近の進歩」(座長=大阪大学先進心血管治療学・南都伸介特任教授,社会保険小倉記念病院循環器科・横井宏佳部長,スペシャルコメンテーター・伊Gruppo Villa Maria Endovascular・Giancarlo Biamino氏)では,ガイドワイヤ,ステント,アプローチ法に改良を加えることにより,腹部大動脈瘤,粥状硬化性腎動脈狭窄症,浅大腿動脈慢性閉塞などに対するインターベンションの安全性,成績が向上していることが明らかとなった。

腹部大動脈瘤に対する血管内修復術
ステント改良によりエンドリークが減少
わが国では昨年から今年にかけて,腹部大動脈瘤(AAA)に対する血管内修復術(EVAR)に用いられる企業製作のステントグラフトが 2 種類保険収載された。
大阪大学心臓血管外科の倉谷徹准教授は,同科においてカスタムメードのステントグラフトを使用したAAAに対するEVARの成績を検討し,「同術は良好な長期成績が得られる安全で有効な治療法で,ステント改良によりエンドリーク発症を減少できた。同術は企業製作のステントグラフトによりさらに普及すると考えられる」と述べた。

5年エンドリーク回避率は83%
対象は,同科で1995年 2 月~2006年12月にカスタムメードのステントグラフトを用いたEVARを施行した563例(胸部大動脈瘤,胸部腹部大動脈瘤,AAA)のうち,AAA 74例(男性58例,女性16例;平均年齢76歳)。
術前合併症は,冠動脈疾患が約 5 割,脳卒中が約 3 割など,高率に存在した。
ステントは, Spiral Z(1995~2000年31例)またはGiantruco Z(2003年以降43例)を,グラフトは薄いポリエステル製を使用した。
手術法は,Straight type 15例,腹部大動脈~片側性腸骨動脈type(片側性腸骨動脈ステントグラフトに大腿~大腿動脈バイパス術を施行)を55例,分岐typeを 4 例に施行した。
 
早期成績を見ると,成功率は全体で86.5%,Spiral Z使用例で80.7%,Giantruco Z使用例で97.5%だった。
入院死亡率は2.7%。
合併症は,一過性脳虚血発作(TIA)が2.7%に認められた。
 
中略

以上から,倉谷准教授は「カスタムメードのステントグラフトを使用したAAAに対するEVARは良好な長期成績が得られる有効な治療法であり,ステントの改良によりエンドリークの発症を減少させることができた。企業製作のステントグラフトの保険収載によりさらに普及すると考えられるが,そのためには心血管外科医と心血管インターベンションを行う循環器内科医の連携が重要である」と述べた。


粥状硬化性腎動脈狭窄症に対する経皮的腎動脈ステント術
ロープロファイルシステム使用で安全に良好な成績が
粥状硬化性腎動脈狭窄症(ARAS)は動脈硬化症患者に高率に認められ,高血圧,腎不全,不安定狭心症,肺水腫と関連し,特に心血管疾患患者の予後を悪化させる。
最近,ARASに対する治療法として,経皮的腎動脈ステント術(PTRS)が行われているが,施行するうえで安全性が問題となる。菊名記念病院(神奈川県)循環器科の宮本明部長は,ロープロファイルステントシステムを用いることで,ARASに対するPTRSを低侵襲,簡便,安全に施行でき,良好な急性期,中期成績が得られることを示した。

急性有害事象発症率は0%
PTRSの適応は,血管造影による狭窄率50%以上,圧較差20mmHg以上の腎動脈狭窄(RAS)で,原因不明のうっ血性心不全または不安定狭心症,治療抵抗性高血圧,両側性または孤立性RASを伴う進行性腎機能不全となっている。
 
今回,PTRSを安全に行う方法として,宮本部長は6FrガイドカテーテルとロープロファイルPalmaz-Genesisステントを用いたPTRSの効果を検討した。
 
現在わが国でARASに対して承認されているステントはPalmazステントのみであるが,同ステントは,8Frガイドカテーテルが必要で, 80cm長のシャフトのみのため大腿動脈からのアプローチしかできず,柔軟性がないため挿入が難しいなどの問題がある。
 
一方,ロープロファイルPalmaz-Genesisステントは,
(1)80cmと135cm長のシャフトがあり経大腿動脈,経上腕動脈,経橈骨動脈アプローチが可能
(2)小径の0.018インチガイドワイヤを使用
(3)より柔軟で6Frガイドカテーテルが使用可能
―であることから,従来のPalmazステントよりも使用しやすくなっている。

対象はARAS患者17例(男性11例,女性 6 例;平均年齢73.3歳)18病変。
そのうち17病変は腎動脈口から 3 mm以内に位置し,病変長は平均11.8mm,対照血管径は平均5.1mm,最小血管径(MLD)は平均1.92mm,狭窄率は平均62.1%だった。

中略(詳細は)

浅大腿動脈慢性閉塞に対するナイチノール製自己拡張型ステント留置術
小プロファイルガイドワイヤの双方向性アプローチで成績向上
浅大腿動脈(SFA)慢性閉塞例に対する血管内治療はまだ確立されておらず,その成功率,慢性期開存率はいまだに低いという問題点がある。
最近開発された末梢動脈閉塞病変治療用の小プロファイルガイドワイヤと従来のステンレス製よりも破損しにくいナイチノール製自己拡張型ステント(NSES)を用いることにより急性期手技成功率の向上とともに慢性期開存率の改善が期待されている。
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)循環器科の宮下裕介医長は,SFA慢性閉塞に対する小プロファイルガイドワイヤを用いたNSES留置術は,双方向性アプローチで逆行性にバルーン拡張を行うことで成功率と慢性期開存率が改善したと報告した。

成功率88%,1年開存率82%
対象は,2004年 9 月~06年12月に同科で小プロファイルガイドワイヤ(0.018インチのTreasure,0.014インチのRubyまたはCruise)とNSES(SMART,Luminexx)を用いて血管内治療を施行したSFA慢性閉塞例64例(平均年齢71.2歳),68病変(入口部病変37病変,中位病変31病変)。
分岐部から 5 cm以内に存在する病変を入口部病変,5 cm超に存在する病変を中位病変と定義した。対象の約20%は人工透析患者であった。
 
成功率は全体で88%,入口部病変で78%,中位病変では100%だった。

中略

 

急性期の合併症は,Blue toe症候群が入口部病変の 1 例に,急性閉塞が入口部病変の 1 例に,血栓による遠位部塞栓が中位病変の 1 例に認められたが,ワイヤによる血管穿孔,血管破裂,出血性の合併症などは認められなかった。
 
当初,同科では小プロファイルガイドワイヤを順行性アプローチのみで閉塞病変の通過を試みていた。
その際の手技成功率は入口部病変で60%であった。
そこで,膝窩動脈穿刺を加え双方向性アプローチに変更したところ,成功率が入口部病変でも82%に上昇し,さらに逆行性にバルーンを拡張することで手技成功率を入口部病変でも100%にすることができた。
 
中略
 
以上から,宮下医長は「小プロファイルガイドワイヤを双方向性にアプローチし,逆行性にバルーンを拡張してNSESを留置する血管内治療は,SFA慢性閉塞例の入口部病変,中位病変に有効であることが示唆された。今後は血管内超音波法(IVUS)を用いた多施設の前向き試験で同法の効果を明らかにする必要がある」と述べた。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E6%A2%A2%E8%A1%80%E7%AE%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3&perpage=0&order=1&page=0&id=M4033161&year=2007&type=article
出典 Medical Tribune 2007.8.16
版権 メディカル・トリビューン社

<関連サイト>

大動脈瘤に対する血管内手術:
   ステント・グラフト留置術
http://www.yamaguchi-u.ac.jp/yu/yu47/47-33.html
■ステントとは19世紀のイギリスの歯科医Charles Stentに由来し、内腔を保持する支持物をさします(・・・「ステント」が人名由来とは知りませんでした)
■大動脈瘤の好発部位である腹部大動脈瘤では、腎動脈と動脈瘤の間の正常大動脈(proximal neck)の距離が、遠位弓部大動脈瘤では左総頚動脈または左鎖骨下動脈と動脈瘤の距離が15mm未満ですと、本手術の適応からはずれます。これはproximal neckまたはdistal neckが短いと、エンドリーク(endoleak)という合併症が発生しやすいためです。エンドリークとは動脈瘤内でかつステント・グラフトの外側の血流の漏れで、これが6ヶ月以上続きますと動脈瘤の拡大や破裂をきたします。術後エンドリーク率は、腹部大動脈瘤では5%、胸部大動脈瘤では25%です。

 

大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_takamoto_h.pdf
(カテーテル・インターベンション PDF1614 46/78)

大動脈・末梢血管インターベンションの現状
http://www.medicalview.co.jp/catalog/MAGA17541-08-01-0.html
(医学雑誌「Heart View」の特集の目次です)
第8回日本心血管カテーテル治療学会学術集会
http://jacct8.umin.jp/03program/03program.html
(学術集会のプログラムです)
2007年アメリカ心臓学会レポート
Thoracic Aortic Disease II
http://physician.pfizer.co.jp/cardiology/report/aha/2007/44.html

 

<自遊時間>
昨夕の診察中に、知人のA先生(開業医)から電話がありました。
最近、医師会に入会した先生です。
電話の内容はこんなことでした。

昨日、『医師連盟』からの郵便配布物が送られて来たとのこと。
自動的に『医師連盟』に入会させられているのは納得がいかなくて医師会に電話したが明確な返事が得られなかったとのことでした。

 

私「それで連盟費は払っているの」

A先生「納得できないから最初から払っていない」

私「それはえらい。私は今年になって一念発起して蛮勇を奮って払わないことにしたよ」

A先生「それで退会手続きはどうやってすればいいの。医師会では各地域の医師会に相談しろっていっていたよ」

私「医師会の中でたらいまわしされるだけで埒があかないよ。私も以前相談に行ったけどダメだった。奥から理事が出てきて怖かった。とても医師にはみえなかった。後日、ネットで電話番号を調べて『医師連盟』にかけても誰も電話には出なかった。要するに実態がない事務局なんだよ」

A先生「そうだったんだ。」

私「とにかく先生みたいに払っていない会員がいたということがわかっただけでも心強いよ。文面はかなり強制的で高圧的だけど所詮『寄付』だから強制されるようなものではないよ。入会手続きをしてないから退会手続きもないだろうから、払わずに静観ということで・・・」

A先生「ほんじゃ我慢してしばらくそうするわ」

 

迷えるわれわれ子羊に神のご加護を。

 

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洞調律維持と心拍数調節の有効性は同等
〔カナダ・モントリオール〕モントリオール心臓研究所(MHI)とモントリオール大学(ともにモントリオール)の心臓医であるDenis Roy部長らは,心房細動のある心不全患者において,心拍数維持による簡便な管理により,電気的除細動の頻度,入院回数などが減少するとNew England Journal of Medicine(2008; 358: 2667-2677)に発表した。

欧米での前向き多施設試験
今回発表されたのは,心房細動のある心不全患者において,リズムコントロール(洞調律維持)とレートコントロール(心拍数調節)を比較し,心血管死に与える影響を検討した多施設前向き試験Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure(AF-CHF)の結果である。
心不全は死因の上位を占めており,心房細動の合併で死亡リスクはさらに増加する。
 
今回の試験は,カナダ保健研究所(CIHR)から650万ドル以上の助成を受けて実現したもので2001年に開始された。
心房細動と心不全の治療法を改善し,罹患率と死亡率を減少させることを目的に,北米,南米,欧州,イスラエルの123施設で1,376例を登録した。
 
2001年5月~05年6月に,電気的除細動と投薬により洞調律化を行うリズムコントロール群と,β遮断薬とジギタリスにより心拍数を安定させ,特別な洞調律化は行わないレートコントロール群に患者をランダムに割り付けた。
主要エンドポイントは心血管死で,データの整理・解析はMHIに設置された調整センター(MHICC)が統括して行った。
 
Intention-to-treat(ITT)解析において,主要エンドポイントである心血管死亡数は,リズムコントロール群が182例(27%),レートコントロール群が175例(25%)で,両群間に有意差は認められなかった。
総死亡数,心不全の悪化,脳卒中発症に関しても同等であった。
入院回数はリズムコントロール群で多く,その多くは心房細動の管理によるものであった。

重要な新知見を提供
Roy部長は「今回の結果は,心不全患者の心房細動管理で広く適用されている2つの方法に関し,重要な新知見を提供するものである。リズムコントロールをルーチンで行ってもレートコントロールと比べ死亡率は変化せず,さらに,心不全悪化など他の重要なアウトカムに関しても2つの方法の間で有意差は認められなかったが,レートコントロールにより電気的除細動を必要とする頻度と入院率が減少した」と指摘。
「レートコントロールにより心房細動が簡便に管理でき,入院率が減少することがこれで明らかになった。今回の知見は,レートコントロールを心房細動とうっ血性心不全の合併患者に対する第1選択治療とすべきことを示唆している」と述べている。
 
CIHR循環器・呼吸器学研究所の科学責任者であるPeter Liu博士は「今回の示唆に富む知見は,このような患者群に対し,電気的除細動を頻繁に行わない保存的な管理が可能であることを示しており,今後のケアの在り方に関し,新たな基準が提供されるであろう」と評価している。

出典 Medical Tribune 2008.8.14
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<関連サイト>
AF-CHF:心不全の時の心房細動研究 心拍コントロール群 vs 心調律コントロール群
http://intmed.exblog.jp/6411610/
AF-CHF
Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure
http://www.incirculation.net/whatswhat/11093_73472.aspx
AF-CHF試験
http://blog.m3.com/reed/20071210/A_
AF/CHF Trial: Rate as Good as Rhythm Control for AF in Heart Failure
http://www.medscape.com/viewarticle/565469
AF-CHF: Even in heart failure, rate-control strategy best for atrial fib
http://www.theheart.org/article/876415.do
AF-CHF The Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure Trial
心房細動と心不全の合併例において,リズムコントロールの心血管イベント抑制効果はレートコントロールを上回らない。
http://www.ebm-library.jp/circ/trial_AHA_2007.html#aha2007AFCHF

<番外編>
心臓エコー診断装置を入れ替えたお話はすでにしました。
循環器医と名乗りながら従来の装置はカラードップラーのないものでした。
昨日、不整脈で通院中の60代男性に心エコーを行いました。
一通り検査も終わりかけ、そうそうカラードップラーでもやってみようとスイッチをオンにしました。
プローブを当てた途端に大動脈弁に逆流が・・・・。


すっかりあわててしまって「二尖弁は?重症度判定は?」といったことは吹っ飛んでしまいました。
時間外に再度検査してゆっくり評価したいと思いました。
この検査は、診察時間外にたっぷり時間をかけて行うのがよいのかも知れません。
来月から月1回、心強い臨床検査技師が手伝ってくれるので楽しみです。

さて、この患者さんに聴診器をあてましたが心雑音は聴こえません。
リットマンのCardiologyを引っ張り出してきて、前屈位になっていただきましたが聴こえません。

ConstantのBedside Cardiology(2nd Ed.)を見ましたが雑音のないARの記載はありません。
もっともカラードップラーが導入される前のテキストということで当然といえば当然です。
silent or mute AR(私が勝手につけた名前です)は一体どの程度の頻度であるのでしょうか。
数多くの症例を経験された先生なら動脈硬化性のARで臨床的な意味はあまりないといわれると思います。
しかし、気になるので一度専門病院へ紹介して心音図と心エコーの再評価をお願いしようかとも思っています。

やっぱりカラードップラーはすごい。
何を今更と皆さんは思われるでしょう。

 

 

<関連サイト>
大動脈弁閉鎖不全症
http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/circulatory/node113.html
大動脈弁閉鎖不全症
カラードップラーを用いた評価
pressure half time
http://medtoolz.xrea.jp/echo/node12.html
後天性弁膜症大動脈弁膜症
http://www.e-clinician.net/vol43/no452/pdf/gp_452.pdf
二尖弁と大動脈疾患
http://blogs.yahoo.co.jp/chibanishi_artery/10510349.html
二尖弁
http://www.kcc.zaq.ne.jp/dfcmd409/echo/echo.html
心エコー検査により術前に診断された大動脈四尖弁の2症例
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jjmu/34/2/34_171/_article/-char/ja
(「四尖弁」、初めて聞きました)
先天性大動脈二尖弁
http://blog.m3.com/reed/categories/839

 

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冠動脈疾患と親族リスク

戯れ言たれる侏儒 / 2008.08.28 00:17 / 推薦数 : 0

急性心筋梗塞で病院に搬送された患者が血液検査で脂質異常がみられることはしばしば経験することです。
このことに触れることは、学会や講演会では一種のタブーとされています。
きょうは、そんな疑問のごく一部の解答が得られるかもしれない報告で勉強しました。
 

冠動脈疾患では親族リスクも高い
〔米オハイオ州クリーブランド〕グラスゴー大学(英グラスゴー)のC. K. Chow博士らは,早発性冠動脈疾患(CAD)の家族歴を有する中年層を対象にスクリーニングを行うだけで,早発性急性心筋梗塞(AMI)の42%,AMI全体の 8 %を予防できるとの知見を,BMJ(2007; 335: 481-485)に発表した。

生活習慣と遺伝的素因が同じ
Chow博士らは「同胞(兄弟姉妹)にCAD患者がいる人を一般人口と比較した場合,生活習慣と遺伝的素因を同胞と共有しているという理由から,CADリスクが少なくとも 2 倍になる」とし,さらに「一 親等は高リスク群であるにもかかわらず,臨床では彼らを対象としたスクリーニングは行われていない。例えば,デンマークでは早発性CAD患者325例の同胞のうち高血圧患者の83%,高コレステロール血症患者の33%しか治療を受けていなかった。
しかも,十分な治療域に達していたのは,それぞれ28%,7 %であった」と述べている(Hengstenberg C, et al. European Heart Journal 2001; 22: 926-933)。
 
ジョンズホプキンス大学(メリーランド州ボルティモア)で行われた研究(Yanek LR, et al. Hypertension 1998; 32: 123-128)では早発性CAD患者490例の同胞859例を対象としたが,米国の一般人口と比較した場合,患者の同胞は高血圧リスクに関する認知度が低く(60%対90%),高血圧を管理する方法に関する知識も低かった(16%対24%)。
 
同博士は「早発性CAD患者の親族に対して禁煙を促し,高血圧を治療し,他の危険因子を調整するなどCADを予防できる絶好のチャンスが医師の目前にある。また,家庭内で危険因子について話し合うことにより,家族のAMIを予防できる。だれかが早発性MIで病院に搬送されると,患者家族も来院するが,その家族もMIリスクを有していることから,このときが高リスク家族と接するのに理想的なタイミングである」と述べ,「従来,オンラインでのアンケート,あるいは学校や職場で高リスク者を検出する試みが行われてきたが,家族の来院時にCADリスクを説明し,高リスクとなる生活習慣を改めるよう指導するほうが予防的意義が高い」と主張している。
出典 Medical Tribune 2008.1.17
版権 メディカル・トリビューン社

 

 

早期心疾患とメタボリックシンドロームに
まれな遺伝的変異が関与
〔米コネティカット州ニューへブン〕 エール大学(ニューヘブン)内科心臓病学のArya Mani助教授と同大学遺伝学のRichard Lifton学科長らによる国際的な研究から,メタボリックシンドロームと世界的に主要な死因となっている早期心疾患の実質的リスクである単独の遺伝子のまれな変異を同定したとScience(2007; 315: 1278-1282)に発表した。
新しい経路を特定
今回の研究では,心疾患に関与していると思われる新しい経路が特定された。
今回の知見からメタボリックシンドロームと早期心疾患に対する健康的側面を改善するための新たなアプローチが示唆された。
Mani助教授は「われわれの知見から,よく知られているWntシグナル伝達経路の活性の変化が,心疾患に寄与している複数の代謝経路に大きな影響を与えることが示された」と述べている。
一般に冠動脈疾患(CAD)は,高LDLコレステロール(LDL-C),高トリグリセライド値,低HDLコレステロール,高血圧,糖尿病などの危険因子の集積を含むメタボリックシンドロームにより引き起こされる。
今回の研究は,早期CADの有病率が異常に高いイラン人の大家族の家系に基づいている。
親族58例中28例は,男性が50歳以前に,女性が55歳以前に早期CADと診断された。
この28例中23例は,CADにより若年で死亡した。
対照的に,早期CADを発病しなかった親族は平均81歳で死亡している。
CADと診断された親族は,LDL-Cとトリグリセライドが高値で,高血圧,糖尿病であったが,CADに罹患しなかった親族ではこれらの疾患は認められなかった。
また,CAD罹患者は骨粗鬆症になりやすい素因を有していたが,骨粗鬆症とCADの関連性を示す最近のエビデンスを考えると,これは特に興味深い知見である。

複数の危険因子が関与
研究チームは,この家系のCADの遺伝的形質と各染色体断片の遺伝的形質を比較することにより,疾患の原因となる遺伝子の位置を第12染色体の短断片にまで絞り込むことに成功した。
この染色体領域において,LRP6と呼ばれる遺伝子に単一変異が発見された。
LRP6遺伝子はWntシグナル伝達経路に作用し,特定の癌の発現に関与していることが知られている。
この変異により 1 つのアミノ酸が蛋白質に変換し,この蛋白質がLRP6によりコードされている蛋白質の活動を変化させることがわかった。
Lifton学科長は「複数の危険因子が互いに関連している理由はこれまでなぞに包まれていたが,われわれの知見から多数の危険因子の形成と早期CADにおけるWntシグナル伝達経路の関与が示唆される。
今後,早期CADとメタボリックシンドロームの患者を対象にWntシグナル伝達経路の研究を進めれば,疾患原因の基礎生物学に関する新しい知見が得られるとともに,疾患予防の新たなアプローチが示唆されるのではないか」と見ている。 

出典 Medical Tribune 2007.5.17
版権 メディカル・トリビューン社


<関連サイト>
■ 左主冠動脈と遺伝
http://blog.m3.com/reed/20080102/1

■ 日本人における虚血性心疾患の特徴
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000131_0016.html
日本人における狭心症あるいは冠動脈疾患への遺伝学的なアプローチもみられる。
性差や,従来の冠危険因子の有無などの条件にもよるが,apolipoprotein E(ApoE)やstromelysin-1(MMP3),またconnexin-37(GJA4)の特定の遺伝子多型が冠動脈疾患との関連性を示したという報告がある。
また,Heme oxygenase-1遺伝子プロモーターの多型と冠危険因子を有する冠動脈疾患患者との関連性を示す報告がある。
Paraoxonase(PON)のA/B多型は冠動脈疾患の危険性との関連はみられなかった84)が,PON-1については,そのR/R genotypeは冠動脈疾患になりにくいという報告がある。
また,アンジオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子の多型性は日本人の血清ACE活性ならびに冠動脈疾患のリスク増加と関連するとされ,DDは冠動脈疾患の危険因子という報告がある。
von Willebrand因子の受容体である血小板GPI bαの大きさが異なる遺伝子多型では,日本人の心筋梗塞患者ならびに狭心症患者においては少なくとも1つの4-repeat alleleを持つものが多いという。
遺伝的背景の差異や対象症例数などにより必ずしも同様の成績が報告されるとは限らないが,今後とも検討の必要な領域である。
■ 心臓病と他の疾患を結びつける遺伝子
Gene Links Heart Disease and Other Disorders
http://www.sciencemag.jp/highlights/20070302.html
冠動脈疾患は、高血圧症や糖尿病など集合的に「メタボリック・シンドローム」と呼ばれる病気と関係している場合が多いが、その理由を解明する新たな手がかりが得られた。冠動脈疾患は心臓発作を引き起こし、全世界で主要な死亡原因となっている。
Arya Maniらは、メタボリック・シンドロームの特徴の多くを備えた、珍しい遺伝性の若年性冠動脈疾患に苦しむ家族を調査し、この疾患の原因となる遺伝子の突然変異が「Wntシグナル経路」の一部であるLRP6遺伝子で起こっていることを報告した。
Wntシグナル経路は幅広い生物学的プロセスに関与するタンパク質の複雑なネットワークで、胚発生や癌との関連が特によく知られている。
この経路でのたったひとつの変異により、冠動脈疾患に付随する様々な種類の疾患が生じるという発見は、これらの疾患が相互に関連していることが多い理由を説明するのに役立つだろう。  


■ Wnt Induces LRP6 Signalosomes and Promotes Dishevelled-Dependent LRP6 Phosphorylation
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/316/5831/1619


■ 骨粗鬆症治療画像集
http://www2.eisai.co.jp/motor/gazou/0607v5n3/01.html
http://www2.eisai.co.jp/motor/gazou/0607v5n3/02.html
http://www2.eisai.co.jp/motor/gazou/0607v5n3/03.html

 

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スタチンで血圧低下

戯れ言たれる侏儒 / 2008.08.27 00:41 / 推薦数 : 0

スタチンのclass effectとして血圧がわずかだが下がるというお話です。
血圧計の目盛りとしてわずか1目盛り程度。
測定誤差がきちんと補正されているのか。
どのような測定法だったのかは元文献をあたっていないのでわかりません。
そして、このわずかな血圧低下が本当に心血管イベントの有意な抑制につながるのか。

スタチン系薬で血圧が有意に低下
正常血圧でも降圧効果認められる
〔ニューヨーク〕カリフォルニア大学サンディエゴ校(カリフォルニア州ラホヤ)家庭・予防医学のBeatrice A. Golomb博士らが実施した大規模ランダム化二重盲検試験で,スタチン系薬はプラセボと比べて,血圧を緩徐ながらも有意に低下させることが示された。詳細はArchives of Internal Medicine(2008; 168: 721-727)に発表された。

脂質低下作用と同等の降圧作用
水溶性スタチンと脂溶性スタチンはいずれも収縮期血圧(SBP)値と拡張期血圧(DBP)値を低下させ,その効果は正常血圧者でも認められた。
この緩徐な降圧効果は,これまでに報告されている
スタチン系薬による脳卒中リスクの低下や心血管イベントの減少に寄与するものと考えられる。

今回の研究では,スタチン系薬によってSBP値とDBP値がともに低下することが示された。
さらに,この降圧効果は,正常血圧で降圧薬による治療を受けていない"Pre-Hypertension"の人でも認められた。Golomb博士は「この効果は,ほとんどの水溶性スタチンと脂溶性スタチンによる脂質低下作用に匹敵する」としている。
 
また,同博士は「スタチン系薬による降圧効果は,そのプラークの進展抑制効果のみでは説明できない心血管への速やかな効果に関連するものと考えられる」とし,「スタチン系薬による降圧効果は緩徐である。しかし,脳卒中発症率とLDLコレステロール(LDL-C)値との関連性は一貫していないものの前者は血圧と強く関連するため,この降圧効果は同薬による一過性脳虚血発作や脳卒中の減少に寄与している可能性がある」と考察している。
 
さらに,スタチン系薬による降圧効果は,ベースライン時に血圧が高かった者を除外した解析で顕著であった。
 
なお,被験者の多くは非高血圧者で,研究には比較的低用量のスタチン系薬が用いられた。

治療後6か月で有意に低下
今回の研究対象は,心血管疾患(CVD)や糖尿病の既往歴がなく,LDL-C値115~190mg/dLの男女973例。
被験者はシンバスタチン投与群,プラバスタチン投与群,プラセボ群のいずれかに割り付けられた。
 
ITT解析の結果,スタチン系薬(シンバスタチンおよびプラバスタチン)群ではSBP値が2.2mmHg(P=0.02),DBP値が2.4mmHg(P<0.001)低下し,プラセボ群に比べ有意に血圧が低下した。
 
また,HDLコレステロール(HDL-C)値が中央値(50mg/dL)を超える者ではSBP値が4.7mmHg低下した(P<0.001)が,HDL-C値が中央値を下回る者ではSBP値の低下はわずか1.5mmHgであった(P=0.30)。
 
なお,DBP値は,HDL-C値が中央値を超える者では2.8mmHg低下し(P=0.01),同値が中央値を下回る者ではDBP値の低下は2.7mmHgであった(P=0.01)。
 
さらに,ベースライン時のSBP値が140mmHg超かつDBP値が90 mmHg超の者を除外し,降圧薬を使用せずに8か月間追跡した。
その結果,追跡開始1か月時点ではスタチン系薬群でSBP値とDBP値が低下したものの,有意ではなかった。
開始6か月時点では,プラセボ群に比べスタチン系薬群において, SBP値とDBP値のベースライン時からの有意な低下が認められた(P<0.05)。
これらの血圧の変化は,スタチン系薬による治療の中止後2か月で消失した。
 
同博士らは「この知見は,スタチン系薬の経時的効果に関するさらなる情報を提供するものである」としている。

他疾患患者での効果は不明
今回の研究では,シンバスタチン投与群,プラバスタチン投与群のいずれにおいてもSBP値とDBP値が2.4~2.8mmHg低下した。
この結果は,降圧薬による影響を受けていない者で得られた。
血圧に対するスタチン系薬の効果は,被験者が既に使用していた降圧薬との相互作用に純粋に起因するものでないということは興味深い。
しかし,糖尿病や心血管疾患の既往のある患者,LDL-C値がきわめて高いか,またはきわめて低い患者,高血圧患者などで同様の効果が得られるか否かは不明である。
 
スタチン系薬が血圧を低下させる機序には,強力な血管拡張因子である内皮一酸化窒素合成酵素の発現亢進や活性化,内皮機能の改善,血流による血管拡張が関与すると考えられている。
スタチン系薬は,アンジオテンシンII 1型受容体の発現の低下を引き起こすと言われている。
 
また,
内皮機能や血管拡張に対するスタチン系薬の効果は,その抗酸化作用によるものであると考えられており,HDL-C値が低い者や糖尿病患者などでは効果が消失あるいは減弱すると言われている。

出典 Medical Tribune 2008.8.21
版権 メディカル・トリビューン社

 

<関連サイト>

高血圧 | Minds 医療情報サービス
MindsID S0028666
スタチンは血圧を下げるか?: ランダム化比較試験のメタアナリシス
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000085_S0028666_0004.html
脂質異常症治療薬として広く用いられているスタチンを用いた臨床試験において,血圧に及ぼす影響を解析したメタアナリシスの成績である。全体として収縮期血圧-1.9mmHgと僅かながら有意な降圧効果が認められ,その程度は,血清脂質の変化とは関係なく,血圧高値において大きい傾向があった。
降圧効果が小さいため,降圧薬としてのスタチンの使用は勧められないが,多面的作用の存在を示唆する成績である。高血圧に限らず,メタボリック症候群あるいは生活習慣病の総合的な改善を図る上で考慮されるべき情報である。(石光俊彦)


MindsID S0023232
The Brisighella Heart Study研究における異なる脂質低下療法と血圧コントロールとの関係 
http://minds.jcqhc.or.jp/G0000085_S0023232_0004.html
近年,高脂血症を伴う高血圧患者数は着実に増加してきており,降圧薬とともに脂質低下薬としてスタチン製剤がよく用いられるようになってきた。
このような治療において,スタチン製剤が降圧効果をもたらすという報告も出てきている。
そこで,本研究では,イタリアにおけるBrisighellia Heart Studyの参加者の中から高脂血症と高血圧を合併する患者を選出し,スタチン製剤を投与した場合とスタチン以外の脂質低下薬を投与した場合とで,脂質低下効果および降圧効果を検討した。
その結果,脂質低下薬を投与して脂質が低下すると降圧効果がみられた。
高血圧と高コレステロール血症の著明なものほど血圧が低下しやすく,その際,LDL-コレステロールの低下度には両剤で差がないが,スタチン製剤群で特に降圧効果が著明であった。
スタチン製剤と非スタチン製剤で降圧効果になぜ差がみられたか明らかではないが,スタチン製剤の動脈硬化改善作用が強力なことが降圧効果をより著明にもたらした可能性が考えられる。
 <コメント>
降圧の実数値が記載されていないため、どの程度の降圧かを知りたいところです。

<番外編>

〔独デュッセルドルフ〕ザーナ病院(デュッセルドルフ)ドイツ西部糖尿病健康センターのStephan Martin教授は「毎日,1片のビターチョコレートを摂取するだけで血圧が下がり,血管内皮機能が改善される可能性がある」と糖尿病アップデートで報告した。

低用量のポリフェノールでも有効
ポリフェノールが心血管リスクを低下させることは広く知られ,さまざまな試験で,高用量ポリフェノールが血圧と血管内皮機能に与える優れた効果が実証されている。
 
そこで,ケルン大学では低用量のポリフェノールでも効果があるのか,またポリフェノールを含むチョコレートを毎日食べると実際に血圧が下がるのかを検証すべく,正常高値血圧(前高血圧あるいはステージI)だが,ほかに心臓危険因子のない54~73歳の44人に市販のビターチョコレートまたはポリフェノール非含有のホワイトチョコレートを毎日6.3g摂取させた(30kcal/日)。
 
18週間後,ビターチョコレート群で収縮期血圧が平均2.9mmHg,拡張期血圧が平均1.9mmHg下がり,前高血圧(プレ・ハイパーテンション)罹患率が86%から68%に低下した。一方,ホワイトチョコレート群では変化はなかった。
体重,血中脂質,血糖値,酸化ストレスマーカーは両群とも不変であったが,ポリフェノールと酸化窒素の血漿濃度はビターチョコレート群で上昇していた。
 
Martin教授は「患者には,毎日,一片のビターチョコレートを摂取させるのがよいだろう。ただし,すべてのビターチョコレートのポリフェノール含有量が同じとは限らず,しかもチョコレート製品にその含有量は明示されていない」と述べた。
出典 Medical Tribune 2008.8.14
版権 メディカル・トリビューン社

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ANBP2

戯れ言たれる侏儒 / 2008.08.26 00:01 / 推薦数 : 0

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会の記事でANBP2の勉強をしました。
 

ANBP2
高齢高血圧患者の長期生命予後
ACE阻害薬と利尿薬に有意差なし
ACE阻害薬と利尿薬を基礎薬とした治療の予後改善効果をPROBE法で比較,ALLHATと異なり「心血管イベント+総死亡」の抑制にACE阻害薬が優れるとの結果が話題を呼んだコホート研究ANBP2の10年近い追跡結果が発表された。
本解析では総死亡に有意差はなかったが,モナシュ大学(オーストラリア・メルボルン)のChristopher Reid氏によると,長期追跡でも,両群の総死亡に有意差は認められなかったという。

喫煙や糖尿病などが有意に関連
2003年に報告されたANBP2の対象は,65~84歳,SBP160mmHgかつまたはDBP90mmHg以上の高齢高血圧患者6,083例。
ベースラインの平均年齢は71.9歳,平均血圧168/91mmHgで,喫煙者は7%であった。
対象をACE阻害薬,利尿薬を基礎薬とする2群にランダムに割り付け,中央値で4.1年追跡した結果,血圧は両群とも26/12mmHgと同等の降圧が得られたにもかかわらず,1次評価項目の「心血管イベント+総死亡」のリスクは利尿薬群に比べてACE阻害薬群で有意水準ぎりぎり(P=0.05)で11%減少。
死亡については有意差には至らなかったものの,ACE阻害薬群で10%減少した。
 
通常,臨床試験の追跡期間は3~5年程度で,長期転帰に関するデータはほとんどないのが現状だ。
そこでReid氏らは,中央値で9.3年まで追跡期間を延長。
総死亡,心血管死の発生率,関連要因を評価した。
 
中央値で9.3年,5万3,260人・年の追跡の結果,総死亡の発生率は1,000人・年当たり利尿薬群25.6,ACE阻害薬群25.1であった。
Cox比例ハザードモデルによる利尿薬群に対するACE阻害薬群のハザード比(HR)は,年齢,性,心血管疾患の既往,糖尿病,SBPなどによる調整後で0.96〔95%信頼区間(CI)0.86~1.07〕と,両群に有意差は認められなかった。
心血管死のHRも1.04で,両群に有意差はなかった。
 
一方,10年後の生存には,糖尿病非合併,SBP低値,喫煙なしや婚姻状況などが有意に関連することがわかった。
実際,喫煙者では喫煙歴なしの2.46倍,糖尿病合併例では非合併例の1.50倍,離婚例で1.76倍に,総死亡のリスクが増大したという。
 
試験終了後の降圧治療について情報がないなどの限界を指摘したうえで,同氏は「10年後の生存には,5年の試験期間中にACE阻害薬,利尿薬のいずれの治療に割り付けられたかは関連しなかった」とした。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

<関連サイト>
ANBP2 
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2001466.html
 (目的)
高齢の高血圧患者において,ACE阻害薬と利尿薬との転帰を比較する。一次エンドポイントは全心血管イベントまたは全死亡。
 (桑島先生のコメント)
 2002年の国際高血圧学会で発表されたときは,さほど反響をよばなかったが,今回はALLHATの発表後まもなく,まったく違った結果ということで俄然注目された。高齢者の,特に男性ではACE阻害薬の脳心血管合併症が利尿薬よりも良かったという結果であるが,ALLHATも含めて人種差の理解なしには日本人にその結果の適応は難しいことが実感させられる。
ALLHATとの基本的な違いは,二重盲検法ではなく,本試験はオープン試験である。対象者がALLHATでは黒人が約35%占めるのに対して,本試験では主に白人である。降圧薬がALLHATでは非サイアザイドのchlorthalidoneに対して,本試験ではサイアザイドのhydrochlorothiazideが推奨されている。追加薬としてはALLHATではβ遮断薬,reserpine,clonidineなど交感神経抑制系であるのに対し,本試験ではβ遮断薬,Ca拮抗薬,α遮断薬である。5年間での他の降圧薬併用率が利尿薬40.7%,ACE阻害薬43.0%であったのに対して,本試験ではそれぞれ33%,35%であった。また治療前血圧も大きく異なり,ALLHATでは146/84mmHgであるのに対して,本試験では168/91mmHgと高い。リスク因子や合併症もALLHATでは脳心血管合併症をすでに有している例が52%前後であるのに対し,本試験では13%である。糖尿病もALLHATでは36%前後であるのに対し,本試験では7%にすぎない。
このような様々な臨床背景,プロトコールの違いが,異なった結果をもたらしたと考えられる。しかし二つの臨床試験が伝えるメッセージはどの降圧薬を選択するかではなく,しっかり血圧を下げることの重要性である。
(結論)
高齢の高血圧患者において,ACE阻害薬で降圧治療を開始した場合,利尿薬と比べ降圧効果は同等であるものの,特に男性において良好な転帰をもたらすと思われる。

<自遊時間>
8月4日の
「脈圧と拡張期血圧」
http://blog.m3.com/reed/20080804/1
の中の<自遊時間>で「日本医師連盟」についてとりあげさせていただきました。
実は今月、「日本医師連盟」の”上納金”の案内があり、8月23日が集金締め切り日とのFAXが医師会支部の”班長”から届いていました。
以前から、この「日本医師連盟」については不満を持っていたため、勇気を奮って今年こそ支払いを断ろうと決めたことはすでにお話しました。

案の定、8月23日に督促のFAXが届きました。

文面は「以前FAXにてご連絡した医師連盟の寄付金ですが、集金締切日を過ぎまだご確認できておりません。つきましては当院までお持ちいただきますよう宜しくお願いいたします。A会員:30,000円となります。集金時に領収書をお渡しいたします。」というものでした。

早速、8月25日の朝、”班長”の診療所に電話を入れました。
こちらの気持ちを伝えたら、「実は私も医師会入会時に疑問に思い、医師会に問い合わせたことがある」ということでした。
そして「班内のある一人の先生には声をかけなくてもいいと上から言われている」という言質を取ることも出来ました。

想像するに、K党をはっきり支持しているような会員からはとらないように、ということか、うるさいないしはむつかしい(?)会員からは無理して集金しなくてもよいということだと思いました。

全員”寄付金”を支払っていると思っていたのに意外で、勇気づけられる言葉でした。

実はちょっと前に別の用件で医師会(本部ではありません)に電話した際に、事務に医師連盟のことをついでに聞いたことがありました。
返ってきた言葉は「入会は任意であり、かつ寄付金である」という非常にあっけらかんとしたものでした。

私はこのまま、”寄付”は断るつもりです。
私に対して、医師会からの脱会勧告でも出ればその時点で考えます。

皆さんはどうされますか?

 

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第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会の記事で勉強しました。

メタアナリシス・ARBによる心筋梗塞のリスク増加は認められず
ここ数年,ARBが心筋梗塞のリスクを増すかどうかが論争になっていたが,ローマ大学ラ・サピエンツァ校(ローマ)のGiuliano Tocci氏は,最近の大規模臨床試験ONTARGET,PRoFESSまでを含め,11万人を超える対象でのメタアナリシスから,プラセボや他の降圧薬に比べて,ARBによる心筋梗塞リスクの有意な増加は認められなかったと指摘した。

薬剤別の比較でも有意差認めず
2004年,Verma,Straussらが,ARBにより心筋梗塞のリスク増加の懸念があるとの仮説を発表した後,8件のメタアナリシスが報告されたが,Straussらの2件を除くと,リスク増加は認められていないという。
 
Tocci氏らのグループも既に,2005年3月までのPubMedデータベースを用いて,1次評価項目,2次評価項目の一部として致死性/非致死性心筋梗塞の発症リスクに対するARBの有用性を評価した主要な多施設ランダム化対照試験11試験を同定,そのメタアナリシスにより,ARB群とプラセボ群または他の実薬群との間で,致死性/非致死性心筋梗塞の発症リスクに有意差は認められないことを報告している。
 
今回の解析対象試験は,ELITE I およびII,Val-HeFT,IDNT,RENAAL,OPTIMAAL,LIFE,VALUE,SCOPE,CHARM-AlternativeおよびPreserved,VALIANT,DETAIL,MOSES,E-COST,Jikei Heart Study,ONTARGET,PRoFESSの18試験。
 
ARB群5万5,344例とプラセボ,実薬を併せた対照群5万5,249例の比較では,対照群に対するARB群の心筋梗塞のオッズ比(OR)は,試験内分散のみを反映する固定効果モデルでの解析で1.019,試験内分散と試験間分散の両者を反映するランダム効果モデルでの解析では0.992であり,ともに両群間に有意差は認められなかった。
ただし,試験間には有意(P=0.0006)な不均一性が存在した。
新規に加わった症例数の大きいONTARGETのORは1.061,PRoFESSのORは1.032で,ともに対照群とARB群に有意差はなかった。
 
薬剤別の比較では,プラセボ(OR解析同順で0.990,0.948),利尿薬/β遮断薬(0.977,0.700), Ca拮抗薬(1.112,1.074),ACE阻害薬(ともに1.006)と,いずれも両群に有意差はなく,他の実薬群に対するARB+ACE阻害薬のORも0.993,0.986と,両群に有意差はなかった。
 
以上から,同氏は「ARBの投与を受けている患者において,心筋梗塞のリスクが増すとのエビデンスは認められなかった」と結論した。
 
なお,
昨年報告されたBlood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration(BPLTTC)のメタアナリシスによると,「冠動脈疾患」としての解析で,ACE阻害薬とARBによる血圧依存性の抑制効果は同等だが,他薬に比べてACE阻害薬には血圧非依存性に約9%のリスク減少が認められ,この点ではARBと有意差があったという。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

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ここ数年間に、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)が、心血管イベント・リスクを抱える患者の心筋梗塞リスクを上昇させるという報告が複数あった。カナダAlberta大学のMichael A McDonald氏らは、ARBの心筋梗塞リスクを評価するため、利用可能なすべてのエビデンスの系統的レビューを試みた。その結果、ARBと偽薬、ARBとアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の間で、心筋梗塞リスクに有意な差はないことが示された。詳細はBritish Medical Journal誌電子版に2005年9月29日に報告された。

 ACE阻害薬が、左心室機能不全のある患者、最近の心筋梗塞の既往歴がある患者、心血管リスクの高い患者の死亡率と有病率を下げることを示すエビデンスがある。理論上ARBは、ACE阻害薬に比べ、アンジオテンシンIIの作用を阻害する効果は高く、忍容性もより高いと考えられた。

 しかし、先の複数の臨床試験では優越性は示されず、逆に心筋梗塞リスクの上昇が示唆された。その結果、医療従事者と患者の間に、ARBの使用に対する不安が生じた。このところの、ロフェコキシブなどの一般的な処方薬の回収も、副作用に対する警戒意識を高めている。

 著者らは、ARBの心筋梗塞リスクを確認すべく、各種データベースから抽出した比較対照試験の系統的レビューを実施した。ARBを偽薬またはACE阻害薬と比較した試験19件、3万1569人の患者を分析。うち2件は高血圧、4件は真性糖尿病および糖尿病性腎症、10件は心不全、3件は心筋梗塞または虚血症状を経験して間もない患者が対象。ARBと偽薬を比較したのは11件(2万1062人)、ACE阻害薬との比較は9件(1万625人)だった。

 まず、偽薬と比較した試験では、1万656人がARB、1万406人が偽薬に割り付けられていた。ARB群の心筋梗塞発症者は436人(4.09%)、偽薬群では450人(4.31%)。ランダム効果モデルにおいて、ARBの使用と心筋梗塞リスク上昇との間に有意な関係は見られなかった(プールしたオッズ比0.94、95%信頼区間0.75-1.16)。固定効果モデルでも同様となった(0.95、95%信頼区間0.83-1.09)。

 ACE阻害薬との比較では、5406人がARB、5219人がACE阻害薬の投与を受けていた。ARB群では435人(8.05%)、ACE阻害薬群では433人(8.30%)が心筋梗塞を発症。ランダム効果モデル(1.01、95%信頼区間0.87-1.16)、固定効果モデル(1.00、95%信頼区間0.87-1.16)のいずれにおいても差は認められなかった。

 著者らは、大規模前向き試験などによって、この問題に関する情報が追加されるまでの間、今回の結果が、この種の薬剤の安全性に関する不安を緩和するだろう、と述べている。

 本論文の原題は「Angiotensin receptor blockers and risk of myocardial infarction: systematic review」。アブストラクトは、BMJ誌Webサイトの[こちらhttp://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/bmj.38595.518542.3Av2]で閲覧できる。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200510/401685.html
日経メディカル オンライン 2005.10.5


アンギオテンシン受容体ブロッカーは心筋梗塞のリスクを増すか?
http://www.city-nakatsu.jp/hospital/digest1/digest200609/09_matsui.pdf


アンギオテンシン受容体阻害剤(ARB)に心筋梗塞のリスク
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=62

 

 

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「CKD 診療ガイド―高血圧編―」発刊!
そのポイントと上手な使い方を聞く  その2(2/2)

蛋白尿の原因として注目される糸球体足細胞とネフリンの障害
―そもそも,RA系抑制薬によってどうして蛋白尿が減るのでしょう。
「ACE阻害薬やARBの蛋白尿減少機序は,従来,糸球体内圧などの腎血行動態で説明されてきました。アンジオテンシンII(A II)は輸出細動脈を収縮し糸球体内圧を上げ,メサンギウム基質を増やし糸球体硬化を進めますが,ACE阻害薬やARBはこれを抑えるからです。しかし近年,蛋白尿の機序について糸球体足細胞(podocyte)の障害が注目されています」

―足細胞とはどんなものですか。
「足細胞は,基底膜の尿腔側にあって内皮細胞,基底膜とともに糸球体毛細血管で血清蛋白を保持するための障壁を形成します(図3)。

 

糖尿病や慢性腎炎などで糸球体毛細血管の内圧が上がると,足細胞にかかる張力が増大します。これが続くと,足細胞は平坦化しeffacement(消失)と呼ばれる腎生検所見を呈します。これは,足細胞表面のAT1受容体が増え,足細胞がアポトーシスに陥ったためと考えられます。
そして,足突起と足突起の間のスリット膜を構成する分子として,1998年Tryggvasonらがネフリンを同定しました。ネフリンは,足細胞と同様に,糸球体毛細血管の透過選択性の維持に必須の分子です。慢性腎炎患者で尿蛋白量とネフリン発現量の相関をみた結果,両者に負の相関があることも確認されています」

バルサルタンはネフリンを増やし足細胞のアポトーシス抑制(ラット)
―それではARBは,足細胞に対してどのように作用するのですか。
「Mifsudらは,糖尿病性腎症ラットの足細胞を電子顕微鏡で観察しました。糖尿病ラットでは顕著な足細胞のeffacementが見られましたが,ARBバルサルタンを投与しておくとeffacementは正常化しました」

―ネフリンにはどう働きますか。
「ネフリンに関しては,Davisらの興味深い検討があります。彼らは糖尿病ラットの糸球体で免疫染色を行い,ネフリン発現が著明に低下する点を見出しました。ところが,バルサルタンを16週間単剤投与したラットでは,ネフリンは対照と同程度に回復。一方,Ca拮抗薬アムロジピンを併用したラットでは,ネフリンは増加しませんでした(図4)。

 

このとき両群の降圧は同等で,アルブミン尿はバルサルタン群のみ減少していました。以上の結果から,バルサルタンの尿蛋白減少作用にはネフリン回復が強くかかわると推測できます。
このように,腎糸球体の微細構造とARBによる腎保護作用は並行して解明されてきました。Tryggvasonらのネフリン同定以降,ARBの腎保護作用のとらえ方も大きく変化したと言えるでしょう(図5)」

SMART;バルサルタンは高血圧合併糖尿病性腎症のアルブミン尿を抑制
―バルサルタンのそうした腎臓での好ましい作用は,臨床でも確認されていますか。
「バルサルタンが早期腎症患者の微量アルブミン尿を有意に減らすことは,2002年のMARVAL試験ですでに確認されています。
日本でのエビデンスとしては,滋賀医科大学の柏木教授が昨年発表したSMART試験があります。SMARTでは糖尿病性腎症150人をバルサルタン群とアムロジピン群に割り付け,6か月間観察しました。そして,試験終了時のHbA1c,血圧値は2群間で差がなく,両群で131/75mmHgと十分な降圧を達成したにもかかわらず,尿中アルブミン排泄量はアムロジピン群で増加,バルサルタン群で減少。群間差が認められました(図6)。


 

さらに,終了時の収縮期血圧130mmHg未満例と以上例を比べると,バルサルタン群では両方で微量アルブミン尿が同等に減っていました。この結果は,バルサルタンの腎保護作用が降圧に依存したものではないことを示唆しています。
微量アルブミン尿患者は,1年間に2.8%が顕性腎症に進展し,3%がCVDなどで死亡します(図7)。

これこそ,CKDの恐ろしさと早期介入の必要性を端的に表した図ですが,SMARTはその解決策を提示した画期的な臨床試験と言えるでしょう。透析大国と呼ばれる日本の状況も,ARBを活用することで5,6年後には患者数が減少に転じるのではないかと,強く期待しています」

出典 Medical Tribune 2008.8.21
版権 メディカル・トリビューン社

 

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最近、某メーカーのMRさんが「CKD診療ガイド-高血圧編-」の小冊子を持ってきてくれました。
しかし、これらのガイドラインは開業医にとって読み込む時間がないので、行間までガイドライン発刊の趣旨を十分に理解することができません。
そんな時に、専門家のコメントに巡り会うと効率よく勉強することが出来ます。
きょう届いた新着のMedical Tribune誌で勉強しました

 

特別企画
「CKD 診療ガイド―高血圧編―」発刊!
そのポイントと上手な使い方を聞く   その1(1/2)
このたび「CKD診療ガイド―高血圧編―」が発行された。
昨年刊行された「CKD診療ガイド」は,CKDキャンペーンに大きな役割を果たしているが,今回の「高血圧編」は降圧療法について詳しく説明した冊子である。
その編集を担当した防衛医科大学校腎臓内科准教授の熊谷裕生氏に,本冊子のポイントと上手な使い方についてお話を聞いた。
そのなかで,CKD患者の高血圧治療では,降圧と同時に尿蛋白減少を追求しなければならないこと,その点では基礎と臨床の両面でARBの有効性が証明されており,とりわけバルサルタンのエビデンスが出揃っていることが示された。

熊谷氏は,ARBの使用量増加が近い将来での透析患者減少に結びつくのではないかと期待を表明している。

高血圧-CKDの悪循環を断ち切れ!
―なぜ今回,「CKD診療ガイド―高血圧編―」を作られたのですか。
「昨年発行されたCKD診療ガイドは高い関心を集め,学会刊行物としては異例のヒットとなりました。ただあのガイドで"降圧療法"に言及したのは3ページに過ぎず,CKD患者の血圧管理について,もう少し詳しく知りたいという声が相次いで寄せられました。そこで今回,日本腎臓学会と日本高血圧学会がCKD対策合同委員会を作り,木村玄次郎委員長を中心にこの課題に取り組むことになったのです」

―CKD患者における血圧管理の重要性は,どこにあるのでしょうか。
「CKDは,心血管疾患(CVD)と末期腎不全(ESRD)の両方の強力な危険因子です。この点が明らかになり,国民的に対策を強化する目的で,CKDのキャンペーンが始まりました。高血圧は,このCVDとESRD,両方の危険因子です。しかも,高血圧はCKDを促進し,CKDは高血圧を悪化させるという悪循環を形成しています。したがって,適切な降圧療法で,この悪循環を断ち切ることが何よりも求められています」

降圧と尿蛋白減少を同時に追求
―では,CKD患者における血圧管理の基本的考え方を教えてください。
「CKD患者の降圧目標は130/80 mmHg未満としました。尿蛋白が1g/日以上の場合,さらに厳格に125/75mmHg未満を目指します。血圧が低いほど腎機能(GFR)低下の進展を抑えられるからです。ただし,血圧値を外来血圧だけで判断してはいけません。外来血圧が125/75mmHgだと,自宅では100/60mmHgといった例もありますから,家庭血圧計を活用し日常での血圧状態の把握に努めてください。
第二のポイントは,尿蛋白抑制の重要性です。滋賀医科大学の荒木らは,糖尿病患者216人を対象に検討を行い,最初の2年間にアルブミン尿が50%以上減った患者は,その後8年間のCVDや腎不全による入院,死亡が著明に低下したと報告しています(図1)。

このデータは,尿蛋白減少がCKD進展とCVD発症をともに予防することを示す,世界に誇りうる成績です。CKDでは降圧と同時に尿蛋白を減らす高血圧治療が求められています。第三に,CKD患者では厳格な降圧が必要ですが,急激な降圧は避けなければなりません。腎機能を低下させるおそれがあるので,2~3か月をかけ,状態を見ながら降圧目標を達成するようにします

第1選択薬はACE阻害薬かARB
―CKD患者の高血圧治療では,どんな降圧薬を用いるべきでしょうか。
「第1選択薬は,RA系抑制薬すなわちACE阻害薬かARBです(図2)。

ACE

阻害薬やARBでは腎保護作用,とりわけ尿蛋白減少作用が明確に認められているからです。CKD患者ではACE阻害薬かARBを用いてしっかりと血圧を下げること,副作用には注意を払いつつ,十分な尿蛋白減少作用が得られるまで,増量することがポイントとなります」

―第2選択薬としては,何を使えばよいのですか。
「第2選択薬としては,利尿薬またはCa拮抗薬を挙げました。体液量過剰の食塩感受性高血圧の場合,利尿薬を用います。この場合,腎機能が正常ならサイアザイド系,腎機能が低下していたらループ利尿薬を選びます。CVDハイリスク例では,Ca拮抗薬が第2選択薬として推奨されます。第3選択薬は,第2選択薬にしなかったCa拮抗薬か利尿薬となります。単剤で130/80mmHgまで降圧することは容易ではありません。ほとんどの臨床試験では,降圧目標を達成するために3~5剤の多剤併用が行われていることを指摘しておきます」

RA系抑制薬開始時は慎重な観察を
―腎機能の低下例では,使用しにくい降圧薬も少なくありませんね。
「腎機能低下例では,用量調節を要する降圧薬も少なくありません。この点から,冊子の末尾に,"腎機能低下時の降圧薬投与量"を付けました。各社の協力を得て,腎機能別に主な降圧薬の投与量をまとめましたので,活用してほしいですね」

―RA系抑制薬の使用に際しては,どんな点に注意すべきですか。
「CKD患者の高血圧ではRA系の抑制が最も重要です。しかし,ときに血清クレアチニン(Cr)上昇や高カリウム(K)血症を生じる例があります。Cr上昇は輸出細動脈の拡張を示す薬理効果なので,投与前値の30%または1mg/dL以内の上昇なら問題はありません。しかし,これを超える上昇を示す場合は,背景に両側性の腎動脈狭窄や心不全,脱水などが潜む例もあり,休薬して腎臓専門医に紹介すべきです。特に高齢者では,夏場の脱水に注意してください。血清Kの上昇もしばしば見られます。この場合も軽度上昇は問題ありませんが,5.5mEq/Lを超す場合は専門医に相談してください()。ACE阻害薬もARBも,使い始めの3か月間は2週に1回程度採血を行い,CrやKに注意を払うことが必要です

出典 Medical Tribune 2008.8.21
版権 メディカル・トリビューン社

 

<コメント1>
「CKDは,心血管疾患(CVD)と末期腎不全(ESRD)の両方の強力な危険因子です。・・・ 高血圧は,このCVDとESRD,両方の危険因子です。しかも,高血圧はCKDを促進し,CKDは高血圧を悪化させるという悪循環を形成しています。したがって,適切な降圧療法で,この悪循環を断ち切ることが何よりも求められています」
・・・いみじくも私達が今まで疑問に思っていた「ニワトリかタマゴか」といった話です。
CKDでわかりにくいのは、腎障害に至った原因(病因、Pathogeny)を問題にしていないところにあると私は思っています。
この疑問は今も私の中で解決されていません。

<コメント2>
「CKD患者の降圧目標は130/80 mmHg未満としました。尿蛋白が1g/日以上の場合,さらに厳格に125/75mmHg未満を目指します。血圧が低いほど腎機能(GFR)低下の進展を抑えられるからです。ただし,血圧値を外来血圧だけで判断してはいけません。外来血圧が125/75mmHgだと,自宅では100/60mmHgといった例もありますから,家庭血圧計を活用し日常での血圧状態の把握に努めてください。」
・・・実地医家としては、「ではどうすればいいの」といいたくなってしまいます。
有名な「久山町研究」でも、健診時の血圧が140mmHg未満では脳梗塞の発生は少なく、しかもそれ以下の降圧はあまり意味がないというデータがあります。
CKDと脳梗塞では違うといってしまえばそれまでですが、学会では久山町を上回るような「CKDと血圧」に関する日本でのエビデンスを把握しているのでしょうか。
そして、ガイドラインの中に書かれている「降圧目標は収縮期139mmHg未満かつ拡張期80mmHg未満である」の記述。
この「かつ」の持つ重みはどれほどあるのでしょうか。
そろそろ拡張期圧の呪縛から解かれたいと思うのは私だけでしょうか。
実際には拡張期80mmHg未満を目指すのに収縮期圧が110mmHg以下となることは十分にありうることです。
きっと患者のQOLと服薬コンプライアンスは・・・。

<参考サイト>  降圧ターゲットはSBP単独に
http://blog.m3.com/reed/20080821/_SBP_

<コメント3>
「腎機能が正常ならサイアザイド系,腎機能が低下していたらループ利尿薬を選びます。・・・この場合,腎機能が正常ならサイアザイド系,腎機能が低下していたらループ利尿薬を選びます。」
・・・CKDについての話ですから、「腎機能が正常なら」という言い方はおかしいと思いました。
逆に、昔々ある学会で、心不全の発表で「NYHA1°は本当に心不全ですか?」と質問されて壇上で炎上した先生がみえました。
さて、降圧利尿剤としてサイアザイド系にこだわる理由がよくわかりません。
サイアザイド系の使用により(潜在性?)腎不全が(顕在性?)腎不全に移行しないという保障があるのでしょうか。
代謝系に悪影響を及ぼすサイアザイド系ではなく、ループ系(たとえばオイテンシン)を最初に使うのはどうしていけないのでしょうか。
私自身が降圧剤を服用するとしても、サイアザイド系は少量でも服用したいとは思いません。
先生方はいかがでしょうか。

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血圧 日内変動

戯れ言たれる侏儒 / 2008.08.22 00:25 / 推薦数 : 0

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会の記事より「日内変動」の勉強をしました。

ABPMで確認された治療抵抗性高血圧の心血管疾患リスクはより高い
治療抵抗性高血圧(RH)は心血管疾患リスクが高いことが知られている。
バルセロナ大学(スペイン・バルセロナ)内科学のAlejandro de la Sierra氏らは,24時間自由行動下血圧測定(ABPM)レジストリー調査において,RH患者の実態を調査。
外来血圧でRHと診断された患者の約3分の1はABPMではRHが否定される白衣高血圧であったが,ABPMにおいてもRHと診断された患者群では,ABPMでRHが否定された群よりも心血管疾患リスクがより高かったことを報告した。

治療抵