戯れ言たれる侏儒
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< アテローム硬化性プラーク構成成分 | メイン | RAS研究の現在と未来・その1(1/2)... >

心不全とQRS時間延長

戯れ言たれる侏儒 / 2008.07.26 00:04 / 推薦数 : 0

心不全患者の単純な心電図QRS時間の延長から臨床的にどこまで考えるか?
心不全の増悪で入院し左室駆出率(LVEF)の低下がみられる患者では、QRS持続時間が延長している例が多く、QRS持続時間延長は退院後の高い疾患罹患率および死亡率の独立の予測因子であることが明らかとなった。
心不全入院患者は退院後の疾患罹患率および死亡率が高いことが知られているが、入院中のQRS持続時間の予後予測因子としての価値はあまり検討されていなかった。

EVEREST試験のレトロスペクティブな事後解析
本研究は、心不全で入院したLVEF≦40%の患者を対象とした二重盲検プラセボ対照無作為化試験Efficacy of Vasopressin Antagonism in Heart Failure Outcome Study With Tolvaptan(EVEREST)のレトロスペクティブな事後解析である。
2003年10月~2006年2月に北米、南米、ヨーロッパの359地区から4,133例が登録された。

登録時にペースメーカーもしくは植込み型除細動器を使用していた1,029例、およびベースライン時にQRS持続時間の報告がなかった142例を除外した2,962例が解析の対象となった。
そのうち、1,641例はベースライン時のQRS持続時間が正常(<120ms)であり、1,321例が延長(≧120ms)していた。主要評価項目は、全原因死亡、および心血管死/心不全による入院の複合エンドポイントの2つとした。

フォローアップ期間中央値9.9ヵ月におけるおもな結果は以下のとおり。
●全原因死亡率:QRS持続時間延長群で有意に高い
・QRS持続時間正常群:18.7%
・QRS持続時間延長群:28.1%
 (ハザード比:1.61、95%信頼区間:1.38~1.87) 
 
●心血管死/心不全による入院の複合エンドポイント:QRS持続時間延長群で有意に高い
・QRS持続時間正常群:32.4%
・QRS持続時間延長群:41.6%
 (ハザード比:1.40、95%信頼区間:1.24~1.58)
 
●補正後のQRS持続時間の延長と主要評価項目の関連
・QRS持続時間の延長と全原因死亡リスクの増加が有意に相関
 (ハザード比:1.24、95%信頼区間:1.02~1.50)
・QRS持続時間の延長と心血管死/心不全による入院のリスクの増加が有意に相関
 (ハザード比:1.28、95%信頼区間:1.10~1.49)
 
●QRS持続時間延長群のうち、入院中の最終の心電図検査でQRS持続時間が正常化していたのは105例(3.6%)にすぎなかった。

 

 「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

<監修者のコメント>
本研究は、心不全患者の単純な心電図QRS時間の延長から、循環器診療において、その予後と最新の治療選択に関する臨床的意義をどこまで考察できるか? という重要なトピックを扱っている点から取り上げた。

まず、重要な点は、左室収縮不全による心不全入院患者において、QRS延長(≧120ms)は対象者の44%と高頻度に見られ、ハードエンドポイントである総死亡を補正前では61%、補正後においても24%の増加と明確に予後不良に関連している点である。
入院時に延長していたQRS時間は、その後、短縮することもあるが、それはまれで、例え短縮しても予後不良に関連している。

また、QRS時間の予後への影響は、心不全のその原因に冠動脈疾患の有無に関わらない。

本研究対象者の左室機能が低下した心不全患者では、β遮断薬、レニンアンジオテンシン抑制薬(ACE阻害薬かアンジオテンシン受容体拮抗薬)、利尿薬(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を含む)等の十分な薬物療法をしているにもかかわらず、一年以内に25%以上が死亡している。

その死因の2/3以上は、心不全死か突然死である。

この重症心不全患者の心不全死に対する最新治療として、QRS時間の延長から、次の手段として心臓同期化療法(CRT)の適応を考える必要がある。
一般的に、左室収縮能が低下した患者において、QRS時間の延長は左室壁の部位により収縮期がずれる左室同期不全を意味する。
実際に組織ドップラーをも用いた心エコーによる検討では、左室駆出分画35%未満のQRS>120 msを示す患者の60%以上に、左室同期不全がみられる。
このような例では、両室ペーシングによる心臓同期化療法(CRT)により、機能的僧房弁逆流の改善や心筋酸素消費量の低下がみられ、長期的には左室リモデリングが改善することが期待できる。
以前、本誌2007年11月26日号にとりあげたEF35%未満でNYHAIIIの心不全患者を対象にCRTの有用性を検討した無作為化試験RethinQ研究では、QRSの延長がない(<130ms)の心不全患者にCRTを行っても、運動耐容能の改善作用は期待できないことが示されている。

([監修] 自治医科大学 循環器科 教授 苅尾七臣)
http://www.carenet.com/news/cardiology/newsnow/det.php?nws_c=4742

<原著>
Clinical implications of QRS duration in patients hospitalized with worsening heart failure and reduced left ventricular ejection fraction.
Wang NC et al. JAMA. 2008; 299: 2656-2666.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18544725?ordinalpos=26&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

<コメント>
気になったところ2点。
レトロスペクティブなら、そのついでに入院前の心不全のない時点での心電図上のQRS持続時間が検討されていれば知りたいこと。
もう1点はQRS持続時間以外にl-VATの検討がされていないこと。

 

 トレンツ・リャド『モナコの薔薇』
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h65345391

 <自遊時間> 
ついに判を押しました。

超音波診断装置(エコー)選びも最終段階。
数日前から業者の動きも慌ただしくなり、値引き競争になっていました。
こちらも半日単位で購入予定機種がコロコロ変わるいい加減さ。
開業医ゆえ、上位機種、さらには中級機種は最初から候補になっていません。
具体的には東芝のNemioXG、日立のApron EUB-7000HV、GEのLOGIQ P6の3機種が候補でした。

最終的に今日契約したのはGEでした。

コンパクトということも魅力ですが、何だか感性に訴えるものがあったからです。
決定打となったのはデジタルRAWデータ・マネージメントでした。
そして以下の言葉でした。
「GE Healthcareでは先生方の検査環境や患者様のことを念頭に置いて、日本を含む世界中の開発チームが密接にリンクしながら24時間365日、超音波診断装置を開発し続けています。」

LOGIQ P5
http://stg-japan.gehealthcare.com/cwcjapan/static/rad/us/msujlogiqp5.html

A fresh look at Ultrasound.
先生方がお探しの超音波診断装置がここにあります。
http://stg-japan.gehealthcare.com/cwcjapan/static/rad/us/index.html

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 

 があります。

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