戯れ言たれる侏儒
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前回の
PRoFESS 血小板療法の比較(2008.7.18)
http://blog.m3.com/reed/20080718/PRoFESS
___
に続きPRoFESSに関する記事で勉強しました。

テルミサルタン群とプラセボ群、脳卒中再発抑制において有意差なし
PRoFESSの結果-脳卒中再発予防効果
カナダ マクマスター大学教授のSalim Yusuf氏

2008年5月、フランスのニースで開催された第17回欧州脳卒中学会(ESC2008)のLarge clinical trials のセッションで、脳卒中再発予防の評価を目的とした大規模臨床試験PRoFESS(Prevention Regimen For Effectively avoiding Second Strokes)の結果が発表された。

まず、抗血小板療法に関する結果が報告され、続いてテルミサルタンとプラセボを比較した結果が、カナダ マクマスター大学教授のSalim Yusuf氏によって発表された。

これまでの大規模臨床試験によって、降圧療法は、脳卒中の再発を抑制することが示されている。

例えば、PROGRESS(Perindopril Protection Against Reccurrent Stroke Study)では、ACE阻害薬と利尿薬の併用を4年間行うことで、収縮期血圧は9mmHg低下し、脳卒中再発抑制が示された。

また、HOPE(Heart Outcomes Prevention Evaluation Study)では、ハイリスク高血圧患者にACE阻害薬が4.5年間投与され、3mmHgの降圧によって脳卒中再発抑制が示されている。

そこでPRoFESS試験では、追跡期間2.4年(中央値)という早期の段階での脳卒中再発抑制が検討された。

比較されたのは、テルミサルタン(Telmi群)の1万146例とプラセボ(Plac群)の1万186例。
1次アウトカムは脳卒中再発、2次アウトカムは、脳卒中再発・心筋梗塞・血管死・心不全新規発症および悪化の複合アウトカムと糖尿病新規発症とされた。

試験開始時の血圧はPlac群144.1/83.8mmHg、Telmi群144.2/83.8mmHgとほぼ同じであり、試験期間を通じてTelmi群ではPlac群と比較して収縮期血圧は3.8mmHg、拡張期血圧は2.0mmHg低下した。

その結果、1次アウトカムの脳卒中再発に関しては、Telmi群に5%のリスク減少がみられたが、有意差は認められなかった。
Telmi群におけるリスクは、0~6カ月では7%増加、6カ月を過ぎた期間では12%減少だった。

また、Telmi群おける複合アウトカムは6%のリスク減少、糖尿病新規発症は18%のリスク減少がみられたが、いずれも有意差はみられなかった。

この結果についていYusuf氏は、「6カ月を過ぎた時期からリスク減少がみられているので、テルミサルタンの長期投与によって、ベネフィットが得られる可能性が示唆された」と述べた。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/ATT08/hcp/topics/200807/507252.html

 

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

 

<関連サイト>
PRoFESS 
脳梗塞2次予防にみる最新の動(2008.4.14)
http://wellfrog.exblog.jp/tags/PRoFESS/

 

PRoFESS試験と治療ガイドラインの関係
http://medicineblog.blog32.fc2.com/blog-entry-34.html

(以下、サイトの内容からの抜粋です)
■ 抗血小板薬に関するリコメンデーションは、
(1)非心原性虚血性卒中またはTIAの患者には、卒中の再発やその他の心血管イベントのリスクを削減するために、抗凝固薬より抗血小板薬を推奨する(クラスⅠ、エビデンスレベルA)
(2)当初の治療に際して、アスピリン(50-325mg/日)、dipyridamole徐放製剤とアスピリンの併用、そしてclopidogrelは、何れも容認できる選択肢である(I、A)
(3)アスピリン単剤よりもdipyridamole徐放製剤との併用を推奨する(I、B)
(4)直接比較試験に基づいて、アスピリン単剤に代えてclopidogrelを考慮すべきかもしれない(IIb、B)
(5)アスピリン以外の抗血小板薬の選択に関する十分なエビデンスはない。
(6)抗血小板薬の選択は患者のリスク因子や耐容性、その他の臨床的特徴に基づかなければならない。

PRoFESS試験では、dipyridamole徐放製剤とアスピリンのコンビ薬の効果がclopidogrelと比べて非劣性であることが確認されませんでしたが、clopidogrelのほうが優れていた訳でもありません。AHA/ASAのガイドラインには矛盾しないことになります。

■血圧管理に関するリコメンデーションは、
(1)虚血性卒中またはTIAを経験して超急性期を超えた人には卒中の再発やその他の血管イベントを防ぐために血圧治療を推奨する(I、A)
(2)効果は高血圧症の有無を問わないので、全ての虚血性卒中またはTIA患者について、上記の推奨を考慮すべきである(IIa、B)
(3)血圧低下目標は不確かであり、また、患者毎に決定されるべきだが、効果に関連が見られるのは平均10/5 mm Hgの削減であり、また、JNC-7(血圧管理ガイドライン)は120/80 mm Hg未満を通常血圧と定義している(IIa、B)

解説文によれば、高血圧症患者の卒中・心血管イベント一次予防に有効であるというエビデンスは豊富に存在する一方で、卒中・TIAの二次予防に関するエビデンスは限られているのだそうです。
降圧剤の選択に関する推奨も明確には記されていません。
メタアナリシスでは、利尿剤や利尿剤とACE阻害剤の併用で顕著な再発予防効果が見られましたが、ACE阻害剤単剤やベータブロッカーでは見られなかった、と記されています。
ACE阻害剤はHOPE試験とPROGRESS試験が紹介されていますが、良いとも悪いとも言っていません。
前者は解釈を巡って意見がまとまらなかったのではないかという印象です。
脳卒中再発予防におけるACE阻害剤の効用が明確でないならば、PRoFESS試験のインプリケーションは、ARBも効果が明確でないのでやっぱり利尿剤が一番、ということになるのかもしれません。

■ 血圧管理目標を達成するために複数の薬を併用しなければいけない患者にとっては、個々の薬の優越はそれほど重要ではないかもしれません。

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 

 があります。

 

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