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ACCOMPLISH試験についてはすでに
ACCOMPLISH試験
http://blog.m3.com/reed/20080601/ACCOMPLISH_
でとりあげています。
最近、JAMAにその内容が論文として出たということで再度とりあげてみました。
現行のJNC7のガイドラインでは、ステージ1高血圧症の初期治療としてチアジド系利尿薬の単剤での使用を勧めています。
日本でこのような治療をする先生はまずいないはずです。
そして、ステージ1高血圧症の段階で2剤が処方されていることが多いのではないでしょうか。
しかも今回のACCOMPLISH試験で評価されたCCB+ACEI(ARB)です。
何をいまさらといった感じは否めません。
考えてみればJNCは米国合同委員会、JAMAは米国医師会雑誌というわけですから彼岸の話というくくりでいいのかも知れません。
米国一のプロ野球チームを決めるシリーズをワールドシリーズと呼ぶ国です。
JNCを気にせずに日本独自(日本発)のガイドラインを作成して欲しいものです。
このことは喘息治療ガイドラインなどにもあてはまることです。
Ca拮抗薬・ACE阻害薬併用の有用性をめぐる論議
JAMA ( 2008; 299: 2263~2264 )によると、ステージ2高血圧症患者の治療において、アンジオテンシン変換酵素 (ACE)阻害薬とCa拮抗薬(CCB)の併用療法は、ACE阻害薬とチアジド系利尿薬の併用療法に比べ、心血管疾患の発症率および死亡率が20%低いという知見が最近、米国心疾患学会(ACC)で報告された。
両治療群の差が事前に定めた基準より有意に大きかったため、同臨床試験 ( ACCOMPLISH;Avoiding Cardiovascular Events in Combination Therapy in Patients Living with
Systolic Hypertension ) は途中で中止されたという。
「高血圧症の予防、発見、評価、治療に関する米国合同委員会」第7次報告書( JNC-7 )による現行のガイドライン(http://www.nhlbi.nih.gov/guidelines/hypertension/jnc7fulll.pdf)では、ステージ1高血圧症(収縮期血圧139~160 mmHg、拡張期血圧89~100 mmHg)の患者に対する初期治療として生活習慣の改善とチアジド系利尿薬の使用を推奨している。
一方、高リスクのステージ2高血圧症(収縮期血圧160 mmHg以上、拡張期血圧100 mmHg以上)に対しては生活習慣の改善ならびに2種類の薬剤、通常は利尿薬とACE阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、β遮断薬またはCCBの併用を推奨している。
高血圧症患者の6割がコントロール不良
現在、米国には高血圧症の患者が約7300万人いると推定される(高血圧症であることを知らない患者も含む)。
しかし、このうち血圧がJNCの推奨目標値である140/90 mmHg未満にコントロールされている患者はわずか約3分の1だ、とACCOMPLISHの筆頭研究者でMichigan大学医学部内科教授のKenneth A. Jamersonは指摘する。
JamersonらがCCBとACE阻害薬の併用療法を評価しようと考えた根拠は、動物モデルで両剤の組み合わせが血管機能を改善し、-酸化窒素(NO)値の上昇がもっとも高く、心血
管系の保護作用が期待されたからだ。
ACCOMPLISHは無作為化、二重盲検、対照試験として米国と北欧諸国で11,462人の患者を登録して実施された。被験者は55歳以上(平均68歳)で心血管疾患の高リスク者であった(収縮期血圧160mmHg以上、または現在降圧薬を服用している、心血管・腎疾患の既往)。
試験が中止されるまで最長36カ月間追跡された。
患者はベナゼプリル(ACE阻害薬)とアムロジピン(CCB)の配合剤もしベナゼプリルとヒドロクロロチアジド(利尿薬)の配合剤(対照群)のいずれかを無作為に投与された。
30カ月後、両群とも血圧が低下し、収縮期血圧が平均約130mmHg、拡張期血圧は約80mmHgに低下した。
注目すべき点は、CCB・ACE阻害薬の併用群では対照群に比べ、心血管疾患の発症・死亡が20%少なかったことだ。
ステージ2高血圧症をCCB・ACE阻害薬併用療法で治療した場合の他の利点として、それほど高価でないこと、配合剤として製剤化が可能であること、そのため良好な服薬遵守
が期待できることだ、とJamersonはあげている。
ガイドラインも変更?
現行のガイドラインはステージ2高血圧症の患者に対する併用療法にチアジド系利尿薬を含めるよう推奨しているが、今回の新しい治験からは、ガイドライン変更の必要性が示唆さ
れる。
「今回の臨床試験で明らかにしたように、CCB・ACE阻害薬併用は利尿薬と他の降薬の併用に比べ優れている」とJamersonは言う。
なお、彼自身が現行のJNCガイドラインの作成委員であった。
しかし、ACCOMPLISH試験の結果のみで日常診療における降圧療法が変わるという予測は、時期尚早だと言う専門家もいる。
その1人、Jhons Hopkins大学医学部内科教授のLawrence J. Applel も、この試験結果はまだピアレビュー誌に発表されていないと指摘する。
「本研究について否定的な見方をしているわけではないが、もっと長期間追跡して評価したい」
出典 MMJ Vol.4,No7 2008
版権 毎日新聞社

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)
<関連サイト>
ACE阻害薬・Ca拮抗薬併用療法はACE阻害薬・利尿薬併用療法より優れる
日経メディカル オンライン 2008. 4. 1
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/acc2008/200804/505928.html
■ 両投与群の比較では、ACE阻害薬とCa拮抗薬併用療法がACE阻害薬と利尿薬併用療法よりも、心血管疾患の発病および死亡の抑制において20%(p<0.0001)優れているとの結論が出た。これは95%のエンドポイントの裁定を基にした中間分析によるものである。この結果をふまえると、今後、高血圧管理のガイドライン(利尿薬をベースにした療法)が書き換えられていくことになりそうだ。
特別企画 高血圧治療の新たな戦略は?
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=ACCOMPLISH&perpage=0&order=0&page=0&id=M41250081&year=2008&type=allround
Medical Tribune 2008.6.19
■ 高血圧治療については,これまで,数多くの降圧薬が開発され使用されてきましたが,その一方で,血圧が十分コントロールされている患者さんは,まだまだ一部に過ぎません(Messerli FH, et al : Lancet 370 : 591-603, 2007)。
降圧治療の戦略の1つとして,併用療法が用いられますが,■ 最近では,異なる作用機序を組み合わせた合剤も新たな選択肢として加わってきています。そうしたなか,今回のACCで結果発表されたのがACCOMPLISH試験です。
■ 従来の臨床試験は,1剤から投与を始めて,次第に増量・追加するというプロトコールでの比較でした。これに対してACCOMPLISHでは,始めから併用のかたちで比較を開始したのです。RA系抑制薬と併用する降圧薬としてはCa拮抗薬のほうが優れると考えられます。(Daholf )
■ ACCOMPLISHの結果は,利尿薬に重きを置いた米国の高血圧ガイドラインJNC-7の内容変更に繋がるでしょうか?
(森下)
そうですね,大きな影響を与えると思います。(Daholf)
降圧薬の合剤でコンプライアンス改善
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=ACCOMPLISH&perpage=0&order=0&page=0&id=M4026681&year=2007&type=allround
Medical Tribune 2008.6.28
■ ミシガン大学(ミシガン州アナーバー)心血管センター(CVC)のメンバーで同大学心血管内科のKen Jamerson教授は,1 万700例以上の高血圧患者を対象にACE阻害薬の塩酸ベナゼプリルを含む 2 種類の合剤を用いて国際的な研究を行ったところ,
中等度の高血圧患者であっても血圧管理に有効であったとする18か月に及ぶデータを米国高血圧学会(ASH)の集会で報告した。
6 か月のデータについてはBlood Pressure(2007; 16: 13-19)に発表された。
■ 数百万人の米国人が高血圧のため薬剤を服用しているが,血圧のコントロールができていないケースも多い。
18か月の治療後,患者の血圧コントロールは良好に維持された。実際,被験者の80%以上がコントロールでき,平均SBPが129mmHgとなった。米国で臨床医の治療を受けている一般の患者の場合,SBP 140 mmHg,DBP 90mmHgの平均血圧値を達成するのは36%であることを考えれば,これは例外的な好成績である。
■ 今回のACCOMPLISH(Avoiding Cardiovascular Events through Combination Therapy in Patients Living with Systolic Hypertension)試験は,Novartis社の助成を受けて2003年に開始され,2 つの合剤が高血圧患者の世界的サンプルの長期的健康に与える影響を比較することを目標としている。
同社は,2 つの合剤を販売しているが,合剤中に含まれる単剤はいずれも個別の薬剤としても上市されている。
今回の試験では患者をランダムに 2 つの合剤のいずれかに割り当てた。
いずれの合剤にも,ACE阻害薬の塩酸ベナゼプリルが含まれており,一方には利尿薬のヒドロクロロチアジド,他方にはCa拮抗薬のアムロジピンが含まれていた。
■ 降圧効果と,心血管関連イベントと死亡の予防に対しいずれの合剤が優れているかについて判断するのは時期尚早である。
■ Jamerson教授は「血圧が低下すれば脳卒中,心筋梗塞,心不全などの疾患リスクが低下する可能性があることが多くの研究により示されているので,高リスクの人の多くが血圧をコントロールできれば,それ自体が快挙である」と述べている。
■ 現在,血圧治療ガイドラインでは,SBPが140mmHg以上160mmHg未満,DBPが90mmHg以上100 mmHg未満である第 1 期の高血圧患者にはまず 1 種類の薬剤を投与すべきであるとしている。
■ 米国では6,000万人もが高血圧である。
しかし,高血圧には症状がないので,患者の大部分はその自覚がない。
血圧管理を怠ると次第に血管壁に影響が見られるようになり,動脈瘤が形成されたり,心筋梗塞や脳卒中の原因になる血栓を生じさせる可能性のある狭窄部位や炎症のある領域の形成が促進される。
■ 現在米国では,血圧コントロールができているのは高血圧患者のわずかに30%,降圧薬を服用している患者でも60%にすぎない。幸いにも,診断が付けば,それを管理するための薬剤は,ジェネリックを含め幅広く利用できる。
しかし,研究によると,患者は必要な複数の薬剤を服用するのが困難であることが多いため,多くのメーカーが合剤を開発している。
■ ACCOMPLISHのデータによると,これらの合剤はコントロール達成率を80%以上に改善する可能性があるという。
第57回米国心臓病学会(ACC 2008)/
米国心血管造影インターベンション学会(SCAI)
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=ACCOMPLISH&perpage=0&order=0&page=0&id=M41200221&year=2008&type=allround
Medical Tribune 2008.5.15
(HYVET,ACCOMPLISH,ONTARGET,PERISCOPE,TAPASなどの臨床試験の成績が簡潔にかつわかりやすくまとめられています)
高血圧治療におけるCa拮抗薬の位置付け
―交感神経系亢進抑制の意義,腎保護を中心として―
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=ACCOMPLISH&perpage=0&order=0&page=1&id=M41260281&year=2008&type=allround
Medical Tribune 2008.6.26
■ わが国でも,日本高血圧学会の後援により,高齢高血圧患者を対象に,ARB+Ca拮抗薬とARB+少量利尿薬の比較試験であるCOLM studyが進行中です。
本試験でも,Ca拮抗薬+RA系抑制薬の有用性が示されるかどうかが大変注目されます。