戯れ言たれる侏儒
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Doctors Blog

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高齢者の高血圧治療をどうすればよいのかを勉強しました。

このテーマについては以前このブログでもとりあげました。

 

超高齢者の収縮期高血圧
http://blog.m3.com/reed/20070928
高齢者高血圧の降圧目標
http://blog.m3.com/reed/20071031/1
HYVET
http://blog.m3.com/reed/20080407/HYVET
HYVET試験アゲイン
http://blog.m3.com/reed/20080511/1

まずは、後期高齢者での健康診査の内容(健診項目)を皮肉るような報告からです。

高齢者はメタボよりも高血圧と空腹時高血糖に注意すべき(AIM誌から)
収縮期血圧150mmHg以上、空腹時血糖110mg/dL以上で有意なリスク上昇
メタボリックシンドローム(以下、メタボと略)自体よりも、メタボの診断基準の構成要素に含まれる空腹時高血糖と高血圧が、高齢者の死亡の予測因子として有効であることが、米国の高齢者を対象とする前向きコホート研究の結果、明らかになった。
米国Brigham and Women’s HospitalのDariush Mozaffarian氏らの報告で、詳細はArch Intern Med誌2008年5月12日号に掲載された。

米国で用いられているNCEP-ATP III基準では、5つの危険因子(腹部肥満、トリグリセリド高値、HDL-c低値、高血圧、耐糖能異常)を指標とし、3項目以上該当すればメタボと判定される。IDF(国際糖尿病連盟)とWHOもほぼ同様の基準を使用している。

中年層を主な対象とする研究では、メタボと総死亡を含む転帰不良の関係が示されているものの、高齢者については十分なデータがなかった。
そこで著者らは、高齢者を対象に、NCEP-ATP IIIに基づいて診断されるメタボと、これを構成する個々の危険因子の死亡リスクとの関係を評価した。

米国で1989〜1993年に行われた、65歳以上の高齢者の心血管リスクを調べた集団ベースの多施設試験Cardiovascular Health Studyの被験者で、心血管疾患(CVD)の既往がなかった4258人を2004年まで追跡し、CVDと非CVDによる死亡を調べた。

ベースラインでメタボ基準を構成する5つの危険因子について測定が行われた。ベースラインの平均年齢は73歳。男性の31%、女性の38%がメタボと判定された。
個々の危険因子の存在頻度は、高血圧が最も高く、腹部肥満、空腹時高血糖、トリグリセリド高値、HDL-c低値と続いた。

15年間の追跡で、2116人が死亡。多変量調整Cox比例ハザード分析を行ったところ、メタボ群の死亡率は非メタボ群に比べ22%高かった(相対リスク1.22、95%信頼区間1.11-1.34)。

死亡リスク上昇は、空腹時高血糖(110mg/dL以上または治療されている糖尿病患者)があるメタボ患者(相対リスク1.41、1.27-1.57)、高血圧があるメタボ患者(1.26、1.15-1.39)で高かった。
空腹時高血糖がないメタボ患者では相対リスク0.97(0.85-1.11)、高血圧がないメタボ患者では0.92(0.71-1.19)で、リスク上昇は見られなかった。
個々の危険因子について分析すると、高血圧と空腹時高血糖のみが死亡率上昇を予測できた。

メタボの死亡に対する集団寄与リスクは6.3%だが、これは、空腹時高血糖のあるメタボの寄与リスク6.2%と高血圧のあるメタボの寄与リスク6.5%によると考えられた。
高血圧のないメタボまたは空腹時高血糖のないメタボの集団寄与リスクはいずれも0%だった。

ベースラインでCVD既往があった被験者を加えて解析したが、同様の結果だった。
メタボ患者の死亡の相対リスクは1.26(1.17-1.36、寄与リスクは7.7%)、空腹時高血糖があるメタボ患者では1.45(1.32-1.58、7.2%)、空腹時高血糖のないメタボ患者では1.00(0.89-1.12、0%)。高血圧があるメタボ患者では1.30(1.20-1.40、7.9%)、高血圧がないメタボでは0.92(0.73-1.15、0%未満)だった。

メタボの判定にWHOまたはIDFの定義を用いても、結果に大きな変化はなかった。
WHO基準ではATP IIIとほぼ同等。IDF基準を用いた場合には相対リスクと寄与リスクは、いずれも20〜30%低くなった。

さらに男女別に分析したところ、メタボ患者の死亡の相対リスクは、男性の方が女性よりも高く(P=0.03)、男女とも空腹時高血糖または高血圧のあるメタボ患者でリスク上昇が見られた。年齢、人種などとの関係は見られなかった。

個々の危険因子について、異なるカットオフ値を用いた場合に結果に影響が及ぶかどうか調べるために、5項目のそれぞれについて男女別に5分位に分けて死亡リスクを調べた。
腹囲、トリグリセリド値、HDL-c値については、どの5分位群でもリスク上昇は有意にならず、収縮期血圧150mmHg以上、空腹時血糖110mg/dL以上で有意なリスク上昇が見られた。

なお、空腹時高血糖と高血圧の両方を持つ集団の死亡リスクは、これらを両方とも持たないグループに比べ82%高く(相対リスク1.82、1.58-2.09)、集団寄与リスクは10.4%だった。

メタボはCVDによる死亡を予測した(相対リスク1.51、1.29-1.76)が、非CVD死亡は予測できなかった(1.08、0.96-1.21)。
メタボなし群と比較した場合に、非CVD死亡の予測因子として有意だったのは、メタボで空腹時高血糖のみ(1.21、1.05-1.39)だった。
ただし、CVD死亡に対する集団寄与リスクは、メタボ(11.8%)より、空腹時高血糖と高血圧の併発(44.6%)の方が大きかった。

メタボは死亡リスクを22%上昇させる(1000人-年当たり死亡が9.2増加)。
しかしメタボは、高血圧、空腹時高血糖がない高齢者の死亡リスクを予測することができないなど、総死亡とCVD死亡、非CVD死亡の予測における有用性は限られていることが明らかになった。
出典 日経メディカル オンライン
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/etc/200805/506591_2.html
版権 日経BP社

原題は「Metabolic Syndrome and Mortality in Older Adults: The Cardiovascular Health Study」
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/168/9/969

(原文、抄録)

 

次は高齢者でも厳格な降圧が必要であるというお話です。
 

「高齢者は診察室血圧150mmHgでも重症夜間高血圧の可能性がある」
東京都老人医療センター内科部長の原田和昌氏は、同センター副院長の桑島厳氏をリーダーとする研究グループの一員。
高齢者でも、厳格な降圧治療が必要であり、「中間目標」の設定が、後期高齢者の積極的な降圧治療の障害になるのではないかと懸念している。

——高齢者の降圧目標について活発な議論があるようですね。
原田 
私たちは、85歳までの高齢者の拡張期血圧は140mmHg以下が目標であり、85歳以上は十分なデータがないのでケースバイケースという立場をとっている。
恐れているのは、75歳〜85歳の後期高齢者の血圧は150mmHg以下なら良いといったニュアンスがガイドラインに盛り込まれることだ。

——なぜ、後期高齢者の血圧を140mmHg以下に下げるべきなのでしょうか。
原田 
私たちが主張している理由の1つは、高齢になるに従って、夜間の血圧が昼間の血圧と比べて10%以上下がらない「ノンディッパー」が増えるということだ。
夜間血圧が高いと、イベントの発生率が上昇することが、これまでに行われたメタアナリシスから分かっている。
昼間血圧が140mmHgであっても、ノンディッパーなら、即、夜間高血圧ということになる。まして150mmHgの高齢者を放置すべきではない、ということだ。

——何が争点になりますか。
原田 2004年以後に発表された2つの大規模スタディー、「JATOS」と「HYVET」をどう解釈するかということだろう。
JATOSでは、75歳以上の高齢者の血圧を140 mmHg未満に降圧した場合と、140〜160mmHgを目標に降圧した場合の心血管系イベントの発生率を比べても有意差がなかった、という結果が出た。
これを前面に持ってきて、日本人の後期高齢者の降圧目標は140~160mmHgでよい、と言えるのかということだ。

※JATOS:JATOS:The Japanese Trial to Assess Optimal Systolic Blood Pressure in Eldrly Hypertensive Patients
※HYVET :HYpertension in the Very Elderly Trial

出典 日経メディカル オンライン
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t005/200805/506261.html
版権 日経BP社

 

以下は、もう少しゆるい降圧目標でよいのではというお話です。
75歳以上でも「150mmHg未満」を中間目標に積極的に降圧する
阪大老年・腎臓内科教授の楽木宏実氏は、先代教授の荻原氏が作成委員長を務める今回の高血圧ガイドライン改訂で、ガイドライン作成委員会の事務局長を務めている。
「あくまで個人的な考え」としながら、75歳以上の高齢者の高血圧治療については、「最終目標は140/90mmHg未満とするものの、症例によっては慎重な降圧のために、150mmHgを中間目標として入れた方がよい」という立場をとる。
——後期高齢者の降圧目標について、お考えを教えてください。
楽木 
最終到達目標として140mmHgは強調するが、中間目標として150mmHgを入れる、というのが私の考えだ。
中間目標は、あくまでも慎重降圧を推進するための手段と考えている。

2008年3月末に、平均年齢83歳の高齢者を対象とした大規模臨床試験「HYVET」の結果が発表された。
それによると、収縮期は150mm未満、拡張期は80mm未満を目標に積極的に治療した群の方が、プラセボ群より、脳卒中の発生率や総死亡率が低かった。
追跡期間の中央値が1.8年という試験であり、2年目の到達血圧の平均は、プラセボ群で159/86mmHg、実薬群で144/80mmHgであった。
このことは、150mmHg未満への積極的降圧の有効性を示す。
本試験は3カ月ごと薬剤投与量を増やすプロトコールになっており、半年から1年近くで150mmHg未満という目標が達成されたものと推察される。まさに、150mmHg未満を中間目標とした降圧スピードに近い印象を持っている。

※HYVET:HYpertension in the Very Elderly Trial
——「JATOS」の結果を基に、最終目標は150mmHgでいいのではないかという意見は出てきませんか。
楽木 
「JATOS」では、75歳以降の高齢者の降圧目標を140〜160mmHgした場合と、140mmHgにした場合とで、イベントの発生率に有意差がなかった。
しかし観察期間(約2年)と被験者数を考慮すると、この試験の結果から言えるのは、160mmHgを降圧目標とした群と、140mmHgを目標とした群の間に30%以上のリスクリダクションは証明されなかったということだ。
逆に言えば30%以内のリスクリダクションはあり得ることになる。

一方、140mmHgを目標に降圧治療を行っても、イベントは有意に増えておらず、積極的降圧の安全性は担保された。
140mmHgを最終降圧目標とした降圧治療を否定する内容ではない。

慎重な降圧の具体的な手段として150mmHg未満を中間目標にすることを考えている。
さらに、臓器血流障害の有無やQOLに注意して降圧することが重要だ。

※JATOS:The Japanese Trial to Assess Optimal Systolic Blood Pressure in Eldrly Hypertensive Patients

出典 日経メディカル オンライン
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t005/200805/506263.html
版権 日経BP社

 荻須高徳 「パリの道」F20号

 

<自遊時間>
■ アメリカ短期留学から帰国した我が子(医学生)の話。
「アメリカでは走行距離10万キロぐらいはまだ新しい車と思われてる。廃車になるまでに30〜40万キロは平気で乗る」
「トヨタなんかでもアメリカで生産される車はアメリカ仕様として頑丈に作られている。だから長く乗るつもりなら、逆輸入の国産(?)車もお薦めかも」
本当なんだろうか?

間違っていたらトヨタさん、ごめんなさい。
決して、国内生産の国産車が良くないっていっているわけでもありませんから。

■ 以前にもお話ししましたが、超音波診断装置(アロカSSD-650)が壊れたので、新たに購入を検討中です。
GE、日立、東芝、アロカで検討中ですが、昨日は日立がデモ機を持って来てくれました。
来週はGEと東芝のデモがあります。
営業マンにつきあっているうちに情が移ってしまって浪花節の世界に入りそうです。
最終決定がつらいです。 

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~
http://wellfrog2.exblog.jp/

「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
があります。

 

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