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きょうは、すでに臨床現場でおなじみのBNPについて復習してみました。
このBNPについては以前に
NT-proBNPについて
http://blog.m3.com/reed/20070906/NT-proBNP
で、NT-proBNPとの両者間の比較をしました。
私自身、NT-proBNPを一時期使っていましたが、最近はBNP一辺倒です.
それは上記のブログでコメントをいただいたのがきっかけでした。
先生方はBNPとNT-proBNPをどのように使い分けておみえでしょうか。
BNPの産生部位
BNPは1988年にわが国の基礎研究者である松尾久壽、寒川賢治、南野直人らの研究グループによってブタの脳内から発見されたペプチドである。
この研究グループが、脳内の新しいペプチドの系統的な検
索の途上でブタの脳内から発見したものである(注)。
その後の研究で、BNPは構造と分布が動物の種でかなり異なることが判明した。
すなわちヒトでもBNPが発現・分布しているが、脳にはきわめて少なく、心臓が主要なBNPの合成器官であることがわかった。
心房でもBNPは産生・分泌されているが、その組織の重量等を考慮するとBNPの主要な産生の部位は心臓、中でも心室と考えられている。
脳性と呼ばれる理由
先に述べたように、BNPはヒトにおいて心臓から産生・分泌されるペプチドであることが後に判明したが、種による分布の差が多く、たまたまブタの脳で検索している時に発見されたため、このように命名されて発表された(ブタではたまたま脳内のBNP濃度が高かったが、ヒトでは低く、ヒトの脳で検索していたら発見できなったといわれる)。
これが脳性と呼ばれる理由である。
これが誤解を招くとして、B型ナトリウムペプチド(B-type natriuretic peptide)と呼んでいる論文も最近で多くみられる。
BNPの心保護作用
BNPの作用はBNPがその受容体に結合して細胞内にシグナル伝達して作用が発揮される(図1)。

ナトリウムペプチドの受容体は現在NPR-A(natriuretic peptide receptor - A)、NPR - B、NPR - Cの3種類報告されており、NPR-A、NPR - Bはグアニレートシクラーゼドメインが結合しているが、NPR - Cにはなく、この受容体は別名クリアランス受容体とも呼ばれる(図2)。

BNPはNPR-A受容体に主に結合して作用を発揮すると考えられている。
したがって、ANPとは半減期は異なるが作用はほぼ同じである。
BNPを静脈内投与すると、血圧が低下し、利尿作用が発揮される。
現在では図1に示すように、当初示された腎臓、血管、副腎、中枢だけではなく、心臓に働き、他にも骨や、紬胞にも働くことが明らかとなっている。
BNPの心保護作用では、心臓に直接働く作用がまず挙げられる。
以前は心臓にナトリウム利尿ペプチドの受容体はないといわれていたが、最近の研究から、心臓にもNPR- Aが発現し、心筋細胞に働いて肥大を抑制し、線維芽細胞にも働いてその増殖を抑制し、コラーゲン線維の産生を抑制する作用のあることがわかっている。
また心不全の時などにはBNPの血中濃度は増加するが、心臓以外にも働いて間接的に心臓を保護する作用を有している。
つまりBNPは腎臓に働いてNa利尿作用を有し、血管に働いて増加した血管抵抗を抑制する作用を有し、また心不全の時に亢進したレニン-アルドステロンの分泌・産生を抑制する作用を有している。
炎症を抑えたり、細胞外マトリックスを抑える作用のあることも報告されている。
心不全時にこれらの作用はすべて心保護につなが
ると考えられる。
(注)この研究グループはANPのアミノ酸配列を最初に同定し、またCNPという第3のナトリウム利尿ペプチドも発見している。
(著者 独協医大循環器内科助教授 錦見俊雄先生)
出典 日本医事新報 No.4324 2007.3.10
版権 日本医事新報社
<参考ブログ>
血中BNP検査は心不全の治療に不可欠な検査
http://www.m-junkanki.com/topics/topics4h.html
急激な変動がないために、検査の再現性、定量性が安定している。
心不全の診断―BNPガイド下診断
http://www.gik.gr.jp/~skj/lecture/okamoto02.php3
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21
http://wellfrog.exblog.jp/
があります。
コメント
コメント一覧
私の娘も肥大型心筋症でBNPは高い数値を出しています。現在534です。
しかしながらBNPで予後を算出するうえで
閉塞性肥大型心筋症は除外されているらしいのですが
それはどうしてなんでしょう・・?
もともとこの症例ではBNPは高く検出されるものなのか・・・・
心配です。
早速のコメント有難うございました。
ご存知のように特発性心筋症には肥大型以外に拡張型があり、肥大型にも閉塞型と非閉塞型があります。
一般的には閉塞型は不整脈、拡張型は心不全に注意が必要です。
肥大型でも経過の中で心不全を合併することがあるはずですから、BNP測定は無意味とは思えません。
実際に先生が検査してみえるわけでしょうから、一度きちんと尋ねられてはいかがでしょうか?
ただし、心房細動を合併していればあまり測定に意味がないかも知れません。
BNPは心不全がなくても心房細動や頻脈発作で測定値が高くなる可能性があるからです。
ホルター検査の結果はいかがでしょうか?
また、心不全については心エコー検査でもかなり正確に評価できると思いますが、そのあたりの検査結果はいかがでしょうか?
いずれにしろ、不整脈の程度や内容が一番予後に大きく影響するものと思われます。
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