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冠動脈疾患を伴う高血圧患者の心血管イベントに対するアムロジピンとカンデサルタンの併用効果
〜HIJ-CREATE試験より〜

東京女子医科大学循環器内科
山口 淳一 氏

Ca拮抗薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬(ARB)の併用はESH-ESC高血圧治療ガイドラインでも推奨されている治療の1つであるが,それによって高リスク高血圧患者の心血管イベントがどの程度減少するかは明確ではない。
そこで山口氏らは,日本人の冠動脈疾患を伴う高血圧患者を対象としたThe Heart Institute of Japan Candesartan Randomized trial for Evaluation in Coronary Artery Disease(HIJ-CREATE)試験のサブグループ解析を行い,アムロジピンが投与されている患者においてカンデサルタンの併用により主要心血管イベント(MACE)のリスクが有意(P=0.015)に低下したことを明らかにした。

アムロジピン投与患者におけるサブグループ解析
HIJ-CREATE試験は冠動脈造影で冠動脈疾患が確認された高血圧患者2,049例を対象として,カンデサルタンをベース薬とした治療(ほかのレニン・アンジオテンシン系阻害薬は併用しない)とARBを使用しない標準治療とを比較したPROBE法(前向き・ランダム化・オープンラベル・エンドポイント盲検化)による試験である。
降圧目標値を130/85mmHg未満とし,MACE〔(1)心血管死,(2)非致死性心筋梗塞,(3)入院を必要とする不安定狭心症,心不全,脳卒中,その他の心血管イベント〕をエンドポイントとして追跡を行った。
 
対象患者2,049例はカンデサルタン群(1,024例)と標準治療群(1,025例)に無作為に割り付けられたが,カンデサルタン群のうち457例,標準治療群のうち574例は試験開始時に既にCa拮抗薬を使用していた。
さらに,このうちカンデサルタン群では170例,標準治療群では218例がアムロジピンを使用しており,山口氏らは今回,これらの患者を対象にサブグループ解析を行った。追跡期間の中央値は4.1年である。

カンデサルタンとアムロジピンの併用でMACEのリスクが低下
本サブグループ解析においてアムロジピンが含まれるカンデサルタン群(以下,カンデサルタン群)とアムロジピンが含まれる標準治療群(以下,標準治療群)の患者背景に有意差は認められず,無作為割り付けの時点でカンデサルタンの投与量は8mg/日未満が66%,8mg/日以上が34%であった。また,標準治療群の62%がACE阻害薬を使用していた。その他のβ遮断薬,利尿薬,スタチン,硝酸薬,アスピリンの使用に関して有意差は認められなかった。
追跡中,両群において血圧は同等に推移し,こちらも両群間に有意差は認められなかった。

一方,MACEの発生率はカンデサルタン群のほうが有意(P=0.015)に低く,そのハザード比は0.61(95%信頼区間0.41?0.91)であった。
MACEの各項目について個別に解析すると,特に不安定狭心症のリスク低下(P=0.007)が顕著であった。

この結果はpost-hoc解析であるものの,冠動脈疾患を伴う高血圧患者において,カンデサルタンとアムロジピンの併用による心血管イベント抑制効果の増強が認められた意義は大きい。
山口氏は特にそれが日本人のデータとして認められた点を強調し,わが国におけるエビデンスに裏づけされた併用療法の確立とともに合剤の開発にもつながる可能性を指摘した。

【監修者のコメント】
近年,日本人の冠動脈疾患患者は増加してきており,高血圧とともに心不全の成因に大きく関与している。
冠動脈疾患を伴う高血圧患者の治療は最終病態である心不全を予防するために重要である。
レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の抑制は心血管系のリモデリングを抑制する作用を有するため,ACE阻害薬やARBは正常血圧の心筋梗塞患者にも使用されている。
一方,日本人は冠攣縮性(スパズム)狭心症が多いため,高血圧治療のためだけでなくスパズムの予防のためにもCa拮抗薬が使用されている。
 
また,一般的にARBとCa拮抗薬は降圧治療の第一選択薬であり,一次予防効果は得られていると考えられる。
特にアムロジピンは,標準的治療薬として今回の研究の対象者においても約50%に使用されていた。そこで今回は,カンデサルタンとアムロジピンの併用群のサブ解析がなされている。
結果は併用群のほうがMACEが少なく,なかでも入院を必要とする不安定狭心症の発症は有意に抑制されていた。
 
ARBとCa拮抗薬の併用は実験的に血管平滑筋細胞内のCaレベルの上昇を単独投与よりも強く抑制することが示されている。
本研究の結果は冠攣縮性狭心症の多い日本人においてCa拮抗薬にARBを併用することで狭心症の予防効果が増強されている可能性を示唆しているかもしれない。
現在,臨床においてはCa拮抗薬とARBの併用は一般的に行われており,今後導入されるであろう合剤による治療は,服薬コンプライアンスを向上させ,費用対効果の改善も望まれるため,有用と考えられる。
 

監修:東京慈恵会医科大学循環器内科教授 谷口郁夫

http://www.medical-tribune.jp/cgi-local/esh2008.cgi/6-23/11.html

 

<参考ブログ>
HIJ-CREATE
http://blog.m3.com/reed/20071128/HIJ-CREATE
HIJ-CREATE試験/ARBとACE阻害薬
http://blog.m3.com/reed/20080629/HIJ-CREATE_ARB_ACE_

 

<自遊時間>
日本医事新報に連載されている茨木保先生の「がんばれ!猫山先生」。
楽しみに読まれている先生方も多いのではないでしょうか。
ユーモアとペーソス。
風刺と自虐。
絶妙のバランスです。
特に開業医には身につまされる内容が盛り沢山です。

著作権のこともあるでしょうから漫画自体は載せずに内容のサワリだけ紹介させていただきます。

2007.6.2号
モリゾー先生(TVで野球中継を見ながら)「最近、誰が巨人の選手かわからんようになってきたわい」
猫山先生「毎年スタメンが変わりますからねえ」
モリゾー先生(TVでモーニング娘を見ながら)「もう、コレにいたってはさっぱり・・・」
猫山先生「名前覚えたころには卒業ですからね」
モリゾー先生「覚えた頃に変わるんなら、はじめから覚えんほうがいいのう」
猫山先生「たしかに、エネルギーの無駄ですねえ」

猫山先生「先生、ガイドラインまた改定されましたよ」
モリゾー先生「わしゃ、次に変わった頃に覚えるからええよ」
などと言いながら、10年以上、知識を更新していないモリゾウ先生であった。

漫画の欄外に茨木先生のコメント
「クリニックの駐車場に不正駐車する車が多発。カラーコーンを小脇に右往左往の日々です」

当院では買ったばかりのカラーコーンをさっさと盗まれました。
検査センターへ出す検体も玄関先においてあったのをアイスボックスごと盗まれました。
盗んだこのアイスボックス。
何に使うのか不思議です。

トホホ。 

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~ 「井蛙内科/開業医診療録」 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
~2008.5.21
があります。

 

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