戯れ言たれる侏儒
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フロセミド立位負荷試験

戯れ言たれる侏儒 / 2008.06.30 00:16 / 推薦数 : 1

横浜労災病院・西川哲夫先生が書かれた記事で勉強しました。


本邦では3500万人以上が罹患している高血圧症の診療の上で注目されている疾患が、原発性アルドステロン症(PA)である。
現在まできわめて稀な2次性高血圧症と考えられてきたが、最近になって、その頻度は、高血圧症の数%を占める割合の高い疾患であることを筆者らは報告してきた。
 
PAを病型分類すると、
①副腎腺腫(aldosterone producing adenoma;APA)
②両側副腎過形成(idiopathic hyperaldosteronism;IHA)
に大きく分けることが可能である。
筆者らの検討からは、片側病変の本疾患が80%以上を占めているので、積極的に病変側の同定により外科的処置が可能である。
いずれの病型でも、低レニン性高アルドステロン血症性高血圧を示し、副腎病変の同定には副腎静脈採血を行う。
アルドステロン過剰分泌が片側性か両側性かを確認する。片側副腎病変であればその摘出を、両側病変では抗アルドステロン薬などによる薬物療法を行う。
過剰アルドステロン血症による心血管障害の発症進展を防ぐ必要があるので、早期診断・治療が必要である。

〔フロセミド2時間立位負荷試験方法〕
高血圧症例では可能な限り全例を対象に、30分間ベッド上安静後に採血する。
筆者らは血漿レ二ン活性(PRA)が1.0ng/ml/時未満、血漿アルドステロン濃度(PAC)が12.0ng/dl以上を指標にしてスクリーニングするが、PAC/PRA比(aldosterone-renin ratio:ARR)が20以上であれば本疾患を疑う。
 
上記スクリーニングを行った後にフロセミド2時間立位負荷試験を行い、2時間後のPRA値を測定し、2.0ng/ml/時未満の症例はPAの可能性が高い。
 
フロセミド2時間立位負荷試験方法は、スクリーニングの際と同様に午前中、朝食を欠食の状態で30分間ベッドと安静後に血圧と脈の測定を行い、何時に負荷前採血するとよい)。その後、肘静脈からフロセミド40mgのボーラス投与を行い、ベッドを離れ立位になる。
ナースの目の届く範囲内(起立低血圧に陥り、目眩、動悸、ふらつきを訴えると危険であるため)の室内歩行を許可し、排尿も自由に行ってもらう。
 
120分間の軽歩行を行ってもらうが、立っていられない方も稀にいる。
その際は、立位を中止し座位後ただちに血圧、脈拍測定し、刺激後の採血を行う。
脱水が著明と高いままであった。
IHAでは、38.5と本態性高血圧症のそれに比較し、わずかに高値を示した。
すなわち、フロセミド(ラシックス40mg静注)+立位負荷2時間後のARRでAPAとIHAとの鑑別の一つの指標と考えられるが、最終的には副腎静脈サンプリングで左右差を明確にすべきである。
 
フロセミド2時間立位負荷試験は外来でも行えるが、気分が悪い、動悸がひどいといった症状を訴える患者も多く、入院の上、病棟内で行うよう心がけている。
また脳卒中、心筋梗塞後の症例は禁忌である。

出典 日本医事新報 No.4380 2008.4.5P91
版権 日本医事新報社

<参考サイト>
アルドステロン研究の現在
http://blog.m3.com/reed/20080623/1

原発性アルドステロン症診断におけるACTH 負荷副腎静脈採血法の有用性
http://endo80.umin.jp/CH/C-10.pdf

「原発性アルドステロン症はコモンディジーズか?」
http://endo80.umin.jp/symposium/S-5.pdf

アルドステロンブロックの臨床的意義とそのターゲット患者像に迫る
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=%E3%83%AC%E3%83%8B%E3%83%B3&perpage=0&order=0&page=2&id=M41180401&year=2008&type=allround

<コメント>
血中のレニンは直接測定できないためレニン「活性」として測定します。
どうして直接測定できないのかはよくわかりません。
高血圧患者をみた場合に、最初から「本態性高血圧」と決め付けてしまいがちです。
かくいう私も、正直レニンやアルドステロンをルーチンには測定していません。
正常K値のPAも結構いるとのことですから、すくなくとも治療開始前には測定しておくべきと思われます。
講演などでその気になっても診察室では忘れてしまいます。

低レニンをみつけるのに随時のレニン測定はむしろいいような気もするのですが、どうなんでしょうか。
座位や立位が一種の負荷試験となり、それでも「低レニン」であるという結果が出ればそれはそれでいいように思うのですが。(負荷状態でもレニン分泌が抑制) 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~ 「井蛙内科/開業医診療録」 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
~2008.5.21
があります。

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