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検診でもwhole heart coronary MRAが可能に
これまで冠動脈疾患診断の主役であった冠動脈造影は侵襲性が高いため,治療を前提としないものはマルチスライスCTによる冠動脈検査に置き換わりつつある。
一方,心臓領域のMRIは放射性同位元素を用いた核医学CT(SPECT)による血流評価,心筋バイアビリティなどの機能検査とマルチスライスCTによる冠動脈狭窄など形態検査の両方を併せた情報が得られる利点があり,しかも放射線被曝がない。
従来,CTは冠動脈狭窄や動脈硬化性プラークの診断に,MRIは心筋血流や心筋梗塞,壁運動の評価に有用と考えられてきたが,心臓用32チャネルコイルなどの開発によって,MRIによる冠動脈狭窄やプラークの診断も可能となってきた。
三重大学病院中央放射線部副部長の佐久間肇准教授らは,MRIにより心臓全域の冠動脈診断が可能なwhole heart coronary MRAに2004年から取り組んでいる。
同准教授に現在の心臓MRIでどこまでがわかるのか,また,CTやSPECTとの比較における優位点を聞いた。
心筋梗塞・狭心症診断ではSPECTをしのぐ
佐久間准教授によると,64列マルチスライスCTの冠動脈狭窄診断能は感度が80%台後半,特異度が90%台と非常に高い。
しかし,問題は放射線被曝で,マルチスライスCTによる冠動脈造影検査を行うと,1回当たりの被曝線量は胸部単純X線写真1,000回分に相当するという。
そのため,現在マルチスライスCTによる冠動脈造影の適応は冠疾患リスク症例における冠動脈病変の除外診断が中心となっている。
一方,MRI検査のうちシネMRIは心機能と局所壁運動を評価でき, 遅延造影MRIでは心筋梗塞巣や線維化を診断できる。
さらに,負荷パーフュージョンMRIでは心筋虚血が診断できる。
心筋梗塞および狭心症の診断においてMRIはSPECTをしのいでおり,しかも検査費用はSPECTよりも安価である。
「心臓画像診断の流れを中長期的に見ると,現在は,SPECTによる心筋梗塞や虚血の検査をMRIが肩代わりしようとしている過程にあり,被曝がないのでCTのような検査対象者の制限もない」と同准教授。
32チャネルコイルの開発で画質が向上,検査時間は短縮
図1は同部で行われている心臓MRI検査の流れである。

シネMRIと負荷パーフュージョンMRI,遅延造影MRIは従来と変わりないが,冠動脈MRアンギオグラフィー(MR血管撮影:MRA)で使用される信号検出用のコイルが従来の5ないし8チャネルに代わり,32チャネルとなった(図2)。
このコイルの開発により,以前は平均13分程度かかっていたwhole heart coronary MRAが数分以内で撮れるようになり,画質も向上した。
佐久間准教授によると,現在,負荷心筋パーフュージョンMRIの適応は中等度の冠疾患リスク群で負荷心電図所見がはっきりしない場合や,負荷心電図が実施不能の場合,マルチスライスCTにおいて冠動脈狭窄が認められた場合に心筋虚血の有無を判定する目的に推奨されている。
一方,遅延造影MRIは心筋梗塞,心不全,心筋症,各種心筋疾患に適応があるとされており,心筋梗塞診断における心臓MRIの高い診断能が評価された形となっている。
冠動脈診断におけるCTの優位性は変わらないが,「心筋梗塞の診断ではMRIをまず実施する時代になってきた」と同准教授は強調する(図3)。
また,予後診断においても心臓MRIの有用性が認められている。同大学内科の栗田泰郎氏らは,負荷心筋パーフュージョンMRIと遅延造影MRIを実施し,両方ともに正常な群はどちらかに異常が認められた群に比べて,予後が有意に良好であることを報告している。
心筋虚血と冠動脈狭窄を一気に診断
冠動脈の診断・治療では心筋虚血と冠動脈狭窄の情報が最も重要だが,whole heart coronary MRAではこの両方が一度に把握できる。
同撮像法はMRAの一種で,心臓全体の高分解能3次元画像を一度にまとめて撮影する方法である。
32チャネルコイルの開発により,検査時間が短縮されただけでなく,従来は呼吸が安定しない患者ではうまく撮影できず成功率が86%程度だったのが,ほぼ100%に改善しているという。
周知のように,X線CTに比べてMRIのスキャン時間は長いので,呼吸による体動の影響を受けやすい。
そこで,横隔膜の位置情報をもとに呼吸による体動に追従するようにリアルタイムで体軸方向に撮影位置をずらしながら心臓全体を撮れるようにしたのがwhole heart coronary MRAである。
もちろん,マルチスライスCTでも心臓全体の冠動脈は撮れるが,MRIでは被曝がないうえに造影剤を必要とせず(1.5テスラ時),CTが苦手とする石灰化した血管でも内部が観察できるという利点がある(図4)。
32チャネルコイルで検査時間が短縮され,成功率が改善したことから,whole heart coronary MRAはルーチンに使える撮像法になっている。
MRAがCTよりも優れている対象は川崎病や冠動脈奇形の小児,ヨード過敏症例,冠動脈高度石灰化例などだが,佐久間准教授は「現在の成功率や画質からすれば,32チャネルコイルによる冠動脈MRAは検診に使ってもよいレベルに来ていると思う」と語る。
現在,3テスラの装置でもwhole heart coronary MRAが検討されており,その診断能は64列マルチスライスCTに匹敵することが最近の海外学会で報告されているという。
ただし,3テスラ装置で同法を行う際にはMRI用造影剤が必要になる。「1.5テスラ装置は造影剤を使わない冠動脈スクリーニングに,3テスラ装置は造影剤を使った冠動脈病変の精査に用いられるのではないか」
同准教授らは,さらなる心臓MRI診断の普及を目指し,技師・医師向けの各種教育プログラムを実施している。
「MRI装置の普及にもかかわらず,心臓MRIが今ひとつ普及しない理由は,心臓MRI撮影がCTよりも難しく,教育研修が不足しており,撮影条件が標準化されておらず,心臓MRIの有用性に対する認知度が低いことにある」と同准教授は心臓MRI教育に熱意を燃やしている。
出典 Medical Tribune 2008.1.31
版権 メディカル・トリビューン社
<参考サイト>
CVデバイスとMRI
http://blog.m3.com/reed/20080110/CV_MRI__
MDCT,電子ビームCTによる石灰化スコア
http://blog.m3.com/reed/20080426/MDCT_CT_
専門医の期待に応える64列MDCTの高画質
http://blog.m3.com/reed/20070930/1
MDCTによる不安定プラークの診断
http://blog.m3.com/reed/20080423/MDCT_
<自遊時間>
超音波装置が壊れた話は先回しました。
現在、新規購入に向けて業者を呼んで検討中です。
壊れた装置を購入した時点では、「超音波装置はアロカ」という頭がありました。
したがって開業時には何の迷いもなくアロカを購入しました。
しかしデジタル化が進むにつれ販売の勢力図も随分塗り替えられたようです。
大体4社にしぼりましたが、現時点での知識では
GE
性能はよさそうだが高そう。但しデモ機がお値打ちで購入できるかもしれない。
日立
自社製品で出来ているが高そう。
業者も価格では恐らく当社は負けますと言っていた。
東芝
一部、松下の部品を使用。
アロカ
デジタル化の波に少し遅れている。
日立が株を少し保有。
日立との技術提携から将来は・・・。
業者はデモはいかがといっていますが、見ても恐らく分からないのでどうしようかと迷っています。
開業医なのでそんないい機械も要らないし、といったところですが、購入は急いでいます。
ポラロイド社がポラロイドの生産を打ち切るので眼底カメラも買い換えないといけないし・・・頭が痛いです。
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~ 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
~2008.5.21
があります。
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