戯れ言たれる侏儒
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第72回日循 心筋症

戯れ言たれる侏儒 / 2008.06.13 00:36 / 推薦数 : 0

第72回日本循環器学会特集の記事で「心筋症」を勉強しました。

~ EV関連DCM ~
TLR8発現量多いほど臨床転帰悪い
エンテロウイルス(EV)は拡張型心筋症(DCM)における炎症反応との関連性が報告されている。
岩手医科大学第二内科・循環器医療センターの佐藤衛氏は,ヒトToll様受容体(TLR)8とそのアダプター分子,MyD88EV関連DCMにおけるEV複製と関係しているかを検討。
両分子の発現量が多いほど臨床転帰が悪いと報告した。

DCM群でTLR8とMyD88発現量が有意に多い
心筋組織からEV RNAが検出されたDCM患者72例(平均年齢57±1歳)を対象とし,左室機能が正常な20例(同56±6歳)を対照群とした。
年齢,性,収縮期血圧,拡張期血圧などは両群間に差が認められた。
TLR8,MyD88のmRNAおよびEV RNA(プラス鎖,マイナス鎖)の発現量は逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)で求め,免疫染色によりこれらの分子の細胞ソースを確認した。平均426日間の追跡調査を行い,臨床イベント(総死亡および心不全発症)を検討した。
 
その結果,TLR8とMyD88のmRNA発現量は対照群と比べてDCM群で有意に多く(P<0.01),DCM群におけるTLR8 mRNA発現量とMyD88 mRNA発現量には正の相関が認められた(r=0.60,P<0.001)。
同様に,TLR8 mRNA発現量とEV RNAの発現量にも正の相関が認められた(r=0.76,P<0.01)。
一方,TLR8,MyD88ともに,左室容量とは正の相関,左室駆出率とは負の相関が認められた。
免疫染色ではEV蛋白陽性心筋細胞にTLR8とMyD88の発現が認められた。
 
追跡期間中,心臓死が3例(4.2%),心不全が11例(15.3%)あり, TLR8の発現量が最も多い第3三分位群では他の2群に比べて心イベント回避生存率が有意に低かった。
同様の結果はMyD88に関しても得られた。
 
以上から,佐藤氏は「EV関連DCM患者におけるTLR8とMyD88発現量はEV RNA複製に対する免疫応答に関与しており,臨床転帰にも関係している」と結論した。

~ MMP-2 ~
サルコメア遺伝子変異を有するHCM患者の予後予測に有用
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-2が肥大型心筋症(HCM)の予後を規定する左室機能不全や心筋リモデリングに関係していると報告されていることから,金沢大学循環器内科の舛田英一氏らは,サルコメア遺伝子変異を有するHCM患者を対象に,この知見の臨床的妥当性を検討。MMP-2の血中濃度が心イベント予測のマーカーとして有用であることが示唆されたという。

カットオフ値800ng/mL
舛田氏らは,サルコメア遺伝子変異を有するHCM患者31例(平均年齢56.4歳)に対して,酵素免疫アッセイ法を用いてMMP-2の血中濃度を測定。平均48か月の追跡期間中の心イベント(心不全または心室細動による入院)および心臓死を検討した。
 
心エコー所見は,心室中隔壁厚(IVST)13.7±4.9mm,左室後壁厚(PWT)10.4±2.4mm,最大左室壁厚(MWT)15.1±5.4mm,左室拡張末期径(LVDd)49.0±9.0mm,左室内径短縮率(FS)31.1±12.3%,左房径(LAD)41.8±5.5mm,血中MMP-2値は883±266ng/mLだった。
 
Nojiらの報告(Circ J,2004)で,FS 25%以上のHCM患者の平均がMMP-2値800ng/mLと対応することが示唆されていることから,今回の患者をMMP-2値800ng/mL未満(A群)と800ng/mL以上(B群)に分けた。
その結果,A・B群間で IVST(P=0.01),LVDd(P=0.02),FS(P=0.002),MMP-2(A群685±98,B群1,069±238;P<0.0001)に有意差が認められた。
また,各患者のMMP-2値をグラフにプロットしたところ,心イベントが発生しなかった患者のMMP-2値は800ng/mL前後に集まることが確認された。
 
同氏は「サルコメア遺伝子変異を有するHCM患者では,血中MMP-2値800ng/mLが予後予測のカットオフ値と考えられるかもしれない」と結んだ。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41191062&year=2008

 

<参考サイト>

拡張型心筋症
http://www.geocities.jp/study_nasubi/c/c54.html
原因不明の心不全で、本症の病因としてウイルス感染との関連が注目され、本症の心筋からPCR法など分子生物学的方法によりエンテロウイルスやC型肝炎ウイルスなどのウイルスゲノムが検出されており、検討が続けられている。

Toll様受容体
http://ja.wikipedia.org/wiki/Toll%E6%A7%98%E5%8F%97%E5%AE%B9%E4%BD%93
動物の細胞表面にある受容体タンパク質で、種々の病原体を感知して自然免疫(獲得免疫と異なり、一般の病原体を排除する非特異的な免疫作用)を作動させる機能がある。
脊椎動物では、獲得免疫が働くためにもToll様受容体などを介した自然免疫の作動が必要である。

感染に応答する宿主免疫機構
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/biken/BioScience/page12/index_12.html#midashi07
Toll様受容体のシグナル伝達機構には、どのような分子機構が関与しているのだろうか。
先述のように、 IL-1受容体、および、Toll様受容体の細胞質内領域には、TIRドメインと呼ばれる共通の領域が存在する。この領域は、TIRドメインを持つMyD88という細胞質内に存在するアダプター分子と会合する。
この会合は、最終的には、NF-κB, MAPK(mitogen-activated protein kinase)カスケードを活性化に至るシグナル伝達経路を活性化する。
この経路は、IL-1受容体、Toll様受容体ファミリーに共通の経路である。
MyD88は、Toll様受容体刺激によるサイトカイン産生誘導に必須である

Increased Circulating Matrix Metalloproteinase-2 in Patients With Hypertrophic Cardiomyopathy With Systolic Dysfunction
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002667539/
Changes in the release and activity of MMP-2 and TIMP-2 may be associated with the mechanisms responsible for cardiac remodeling in patients with HCM.

<MR面会備忘録(H20.6.12>   

月1回のMRとの面談の中での話です。
■J-PREDICT(Japan Prevention Trial of Diabetes by Pitavastatin in Patients with Impaired Glucose Tolerance)が進行中。
耐糖能異常患者におけるHMG-CoA reductase阻害薬pitavastatinの糖尿病予防効果の検討。
http://www.ebm-library.jp/circ/doc_japan/J0056.html
目的: 主要アウトカム評価項目:1回の経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)陽性に基づく新規糖尿病の発症;空腹時血糖値に基づく新規糖尿病の発症。
副次アウトカム評価項目:臨床診断に基づく新規糖尿病の発症;新規糖尿病発症までの時間;耐糖能の改善;心筋梗塞;うっ血性心疾患;狭心症;血行再建術施行;脳出血;脳梗塞;くも膜下出血;一過性脳虚血発作など。
■「リバロ」カナダで販売
2008/06/05-19:07 興和、11年にカナダで販売へ=高コレステロール血症治療剤を

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200806/2008060500826
医薬品製造の興和(名古屋市)は5日、子会社で英現地法人のコーワ・ファーマシューティカル・ヨーロッパと、ベルギーの化学・医薬大手ソルベイグループのカナダ現地法人ソルベイ・フォーマが、高コレステロール血症治療剤「ピタバスタチンカルシウム」(国内製品名「リバロ錠」)のカナダでの販売についてライセンス契約を締結したと発表した。
■合剤の降圧剤が今後目白押しで発売予定。
タケダがアムロジピンのジェネリックを発売予定(?)。その後ブロプレスとの合剤(?)
もし本当だとすれば「CASE-J試験」っていったい何だっただというお話。

「CASE-J」
http://www.takeda.co.jp/press/article_1289.html
CASE-J試験は、日本人のハイリスク高血圧症患者4,728例を対象に、わが国の高血圧症治療薬として最も繁用されているアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)のブロプレスとカルシウム拮抗薬のアムロジピンとを比較した、日本で最初の大規模臨床試験です。
・心血管系イベント発症抑制に対し、ブロプレスはアムロジピンと同程度の抑制効果が認められました(発症率は両群とも5.7%)。<主要評価項目>
・全死亡の発症率は両群間で有意差はありませんでした。しかしながら、肥満度の高い患者層でブロプレスはアムロジピンと比較してそのリスクを49%減少させました(p=0.045)。
<副次評価項目>
・ 糖尿病の新規発症に対し、ブロプレスはアムロジピンと比較して新規発症リスクを36%減少させました(p=0.030)。さらに、肥満度が高くなるほどブロプレス群はアムロジピン群と比較してより顕著に糖尿病の新規発症を抑制しました。


第一三共がオルメテックとカルブロックの合剤(?)
今後ARB+CCBの合剤の流れ?

ガセネタかも知れません。

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~ 「井蛙内科/開業医診療録」 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
~2008.5.21
があります。

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