戯れ言たれる侏儒
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< EUTOPIA Study その2(2/... | メイン | INNOVATION試験 >

SMART

戯れ言たれる侏儒 / 2008.06.06 00:13 / 推薦数 : 0

糖尿病性早期腎症に対するバルサルタンの腎保護効果
ACE阻害薬併用群での最新解析も発表−−SMART研究

微量アルブミン尿を認める2型糖尿病患者の腎保護作用は、アムロジピンよりバルサルタンが上回るとしたSMART(Shiga Microalbuminuria Reduction Trial)研究の最新解析を、滋賀医大内科学講座の柏木厚典氏が6月1日、第51回日本腎臓学会のLate -Breaking Clinical Trialsにおいて報告した。

SMART研究は2型糖尿病患者の微量アルブミン尿に対する改善作用をバルサルタンとアムロジピンで比較した多施設共同無作為化試験である。
アムロジピンでは18%アルブミン尿が増加したのに対し、バルサルタンでは32%低下し、2群間には有意差があった(p<0.001)。

一方、到達血圧値別の解析では、アムロジピンは降圧した群のみアルブミン尿を改善したのに対し、バルサルタンのアルブミン尿改善作用には「降圧」と「降圧に依存しない作用」があることが昨年のDiabetes Care誌ですでに報告されている。

今回新しく報告されたのは、SMART研究登録患者150例中、試験開始時にACE阻害薬を服用していた72例におけるPost-hoc解析のデータである。
尿中アルブミンの変化をアルブミン/クレアチニン比(ACR)で比較すると、「バルサルタン+ACE阻害薬併用」群(34例)では26%減少したが、「アムロジピン+ACE阻害薬併用」群(38例)では増加傾向を示し、両群間の差は有意だった(p<0.01)。
このことから、ACE阻害薬を併用している患者のみで比較しても、バルサルタンによる微量アルブミン尿改善作用はアムロジピンを上回っていたといえる。 

なお、ACE阻害薬を併用していなかった76例で比較しても、バルサルタン単独群(39例)ではACRが39%低下したのに対し、アムロジピン単独群(39例)では逆に26%増加し、群間に有意差が認められた(p<0.01)。

この結果に対しコメンテーターとして登場した東北大腎高血圧内分泌科の伊藤貞嘉氏は、全身血圧の影響を受けやすい傍髄質糸球体とは異なり、表層糸球体ではレニン・アンジオテンシン(RA)系による輸出細動脈収縮が糸球体高血圧を来す場合も多いとし、SMART研究では後者による微量アルブミン尿が多かったため、ARBが奏効したのではないかとコメントした。
ただし、腎保護における積極的降圧治療の有用性が否定されたわけではないと注意も促した。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsn2008/200806/506688.html
日経メディカル オンライン 2008.6.3
版権 日経BP社

 

<コメント> 

このSMARTは、2型糖尿病性早期腎症に対するARBとCCBの比較を十分な降圧下に実施した試験がなかったということで行われた試験です。

「十分な降圧」についての追加
これまで腎臓病の進展予防を目的に130/80mmHg未満を降圧目標として、RAS抑制剤の効果を検証した臨床研究はなかったとのことです。
ちなみにMARVAL試験での目標血圧は135/85mmHg。
SMARTは130/80mmHgを目標に、最終観察時の平均血圧は131/75mmHgでした。

SMART
Shiga Microalbuminuria Reduction Trial
http://www.ebm-library.jp/circ/doc_japan/J0032.html
Rationale and Design for Shiga Microalbuminuria Reduction Trial
http://clinicaltrials.gov/show/NCT00202618


<参考サイト>

糖尿病学会腎臓学会合同シンポを初めて開催
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?phrase=SMART++%E8%85%8E&perpage=0&order=0&page=0&id=M4026161&year=2007&type=allround
早期腎症は 6 年間で約50%,顕性腎症は 7 年間で約30%,ネフローゼ症候群は 7 ~ 8 年間で約25%のremissionが可能であると考えられる

 

糖尿病性腎症では降圧目標値130/80mmHg未満を厳格に達成すべき
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsn2008/200806/506691.html
糖尿病性腎症を治療するためには降圧目標値130/80mmHg未満を厳格に達成する必要があり、RA系抑制薬の最大量までの増量や降圧薬多剤併用とともに、副作用を回避して安全、確実に治療が進むようチームで協力する必要がある──。社会保険横浜中央病院副院長兼腎・血液浄化療法科部長の海津嘉蔵氏(写真)は、第51回日本腎臓学会総会のシンポジウム「糖尿病性腎症の成因と治療」で、同院が2004年から取り組み始めた「腎機能改善外来」で行っている診療の詳細を発表した。

CKD講演会
http://blog.m3.com/m/magic/show_entry?entry_id=39782&_session_id=41a4ba2f276b2f10f69955dc4d6e8b86
(しっかり講演会で勉強されています。感心します。)


SMART試験は同じ名前で気管支喘息、バイパスグラフト関連の試験もあるようです。

 

 <番外編>
ONTARGETの評価が動画で配信されました。

専門家に聞くONTARGETの評価
ONTARGETの結果発表を受けて、その評価を専門家にうかがいました。今回収録しました方々は以下です。

 
愛媛大学大学院医学系研究科分子心血管生物・薬理学教授
堀内正嗣氏
 
九州大学大学院医学研究院循環器内科学教授
砂川賢二氏
 
愛媛大学大学院医学系研究科病態情報内科学教授
檜垣實男氏
 
千葉大学大学院医学研究院循環病態医科学教授
小室一成氏
 
京都府立医科大学大学院医学系研究科循環器内科学教授
松原弘明氏
 
大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授
森下竜一氏
 
カナダLaval大学
Gilles R. Dagenais氏
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/search/j02/0011.jsp


ONTARGET
http://on-target.jp/

日経メディカル オンライン 2008. 4. 11

注目の降圧薬臨床試験 ONTARGET
http://blog.m3.com/reed/20080404
ONTARGETの結果を考察する
http://blog.m3.com/reed/20080412
糖尿病医から見たONTARGET
http://blog.m3.com/reed/20080413

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
~2008.5.21

があります。

 

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