戯れ言たれる侏儒
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ACC2008/SCAI その2(2/2)

戯れ言たれる侏儒 / 2008.05.28 00:03 / 推薦数 : 0

 

三塩清巳(日展評議員・田代沼
http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c177248075
 

 

薬剤溶出バルーン,次世代ステントに注目
薬剤溶出ステント(DES)は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のアキレス腱とされた再狭窄を激減させたものの,新たに浮上した遅発性血栓症の問題がある。
また,DESはベアメタルステント(BMS)に比べ再搾取を減少させたとは言え,なお残るステント内再狭窄への対策など課題も少なくない。
さまざまな解決策が模索されているが,ここでは薬剤溶出バルーン(DEB)生体吸収性ポリマーを使用したシロリムス溶出ステント(SES)内皮前駆細胞(EPC)抗体被覆ステントなど,SCAI-ACCi2で発表された次世代ステントの成績を紹介する。
いずれも,長期有用性の評価は今後の検討を待つことになる。 

パクリタキセル溶出バルーン
ステント内再狭窄の再発抑制はDESより良好
フランクフルト大学(独フランクフルト)のMartin Unverdorben准教授らは,未治療冠動脈にステント内再狭窄を生じた狭心症患者を対象に,パクリタキセル溶出バルーン(SequentRPlease,独B. Braun Vascular Systems社)の安全性と有効性をパクリタキセル溶出ステントと比較した第II相試験PEPCADIIを実施。
1年後のイベント回避率は,intention-to-treat(ITT)解析では有意差には至らなかったものの,パクリタキセル溶出バルーンで優れる傾向にあったと報告した。
 
パクリタキセル溶出バルーンは,パクリタキセル3μg/mm2をバルーン表面にコーティングしたもの。
ステントに比べて薬剤と血管壁の接触表面積が大きいというメリットがあり,バルーンを標的病変部位で拡張すると,脂溶性のパクリタキセルが血管壁に迅速に吸収されるという。
 
今回の検討では,血管径2.5~3.5 mm,病変長22mm以下の未治療冠動脈にBMSによりステント内狭窄を生じた安定または不安定狭心症患者131例を,パクリタキセル溶出バルーン(DEB群)およびパクリタキセル溶出ステント(DES群)の2群にランダムに割り付け追跡した。
 
その結果,PCI後の最小血管径(MLD)は,DEB群2.30mm対DES群2.56mmと後者で有意に大きく,狭窄率は20%対11%とDEB群で高かった。
しかし,一次評価項目の6か月後のITT解析による遠隔期内腔損失は,DEB群0.20±0.45mm,DES群0.45±0.68mmと,DEB群で有意(P=0.02)に小さかった。
セグメント内のbinary再狭窄は7.0%対20.3%(P=0.06),主要有害心血管イベント(MACE)は7.8%対16.9%(P=0.2)と,ともにDEB群で発生率が低かったが,有意差には至らなかった。
 
1年後のイベント回避率は,ITT解析でDEB群約92%,DES群約83%と,DEB群で高い傾向(P=0.09)を示した。実際にそれぞれの手技を受けた症例のみで解析すると,1年後のイベント回避率はDEB群で有意(P=0.01)に優れたという。

生体吸収性ポリマー使用SES
1年後のMACE発生率は2.7%
一方,Shenyang Northern病院(中国瀋陽市)のYaling Han氏らは,生体吸収性ポリマー使用SESの市販後調査として実施された前向き多施設登録研究CREATEの成績を報告。

同ステントは,再狭窄抑制に有効で,1年後のMACE発生率は2.7%と低く,実地診療で安全に使用できることを示した。
 
今回,同氏らが用いたのはExcel(TM)ステント(中国JW Medical Systems社)。
ポリマーは6か月で完全に吸収されるという。
 
対象は,冠動脈ステント留置術の適応例2,077例。そのうち17.8%は発症24時間以内の急性心筋梗塞が占め,31.6%に実施された冠動脈造影によると,平均で血管径2.77mm,病変長22.4mm,狭窄率は73.5%,MLDは0.74mmであった。
 
ステント留置後の平均ステント径は3.05mmで,追跡の結果,9か月後の遠隔期内腔損失はセグメント内0.21±0.35mm,ステント内0.21±0.39mm,binary再狭窄発生率はセグメント内6.7%,ステント内3.8%。
 
一次評価項目の1年後のMACE発生率は2.7%であった。また1年後の標的病変再血行再建(TLR)率は1.6%で,心臓死は1.1%,非致死性心筋梗塞は0.4%に認められた。
 
抗血小板療法については77.7%が6か月でクロピドグレルの使用を中止していた。
30日~1年後の遅発性血栓症の発症は「確実」1例,「強い可能性あり」0例,「可能性あり」6例の計7例(0.34%)で,3例がクロピドグレル中止後に発症した。
1年後の全血栓性イベント発生率は0.82%で,「確実」のみでは0.29%であったという。

EPC抗体被覆ステント
高リスク患者で14か月後のMACE発生率は16%
ステント血栓症と再狭窄の予防を目指し,EPC抗体でステントを被覆した新規ステントの1年以上の有効性と安全性も,Campus Bio-Medico大学(伊ローマ)のMarco Miglionico氏らの追跡結果から明らかになった。
 
EPC抗体被覆ステント{Genous R-stent(TM),中国香港OrbusNeich社}は,循環EPC表面抗原に対する特異的抗体(抗CD34抗体)で被覆されており,病変部位にEPCを捕捉して血管の自然な修復過程を促そうとしたもの。
再狭窄を防ぐために修復過程の細胞増殖を抑制しようとしたDESとは,逆の発想から生まれたわけだ。
 
同氏らは,同大学病院を受診した糖尿病,不安定冠症候群(発症1か月内の不安定狭心症,ST上昇型/非ST上昇型心筋梗塞),左室機能不全,多枝病変,B2/C冠動脈病変のうち2つ以上を伴う連続する高リスク患者80例に,EPC抗体被覆ステントを留置した。
ステント留置は98%で成功(93ステント留置),PCI後のMLDは3.3mm, PCI後のQ波心筋梗塞,院内死亡や緊急冠動脈バイパス術(CABG)はなく,急性・亜急性ステント血栓症は生じなかった。
 
平均14か月追跡した結果(追跡可能78例),遠隔期内腔損失は0.88mmで,非心臓死1例(1%),心筋梗塞1例(1%),ステント血栓症はなく,TLRは10例(13%),MACEは13例(16%)に生じた。Kaplan-Meier life-table解析による「心臓死,心筋梗塞,再PCI」のイベント回避率は86%であったという。 
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=0&order=1&page=0&id=M41210241&year=2008

出典 Medical Tribune   2008.5.22
版権 メディカル・トリビューン社

<コメント>
なによりも驚いたのがインターベンションの新しいデバイスが中国で開発され製品化されていることです。
石原都知事は以前、製品を作る金型などを例にあげて、「中国では新しい製品は作れない。永遠に日本を抜くことはない」と例の石原節で豪語していました。
彼の発言は新銀行東京を始め、信用できないことが今回の記事でもわかります。
日本もうかうか出来ません。
テ○モさん、がんばって下さい。

<番外編>
ひさしぶりのコメントをいただきました。
うれしかったです。

はじめまして。
ONTARGETの結果についてARBに有利なデータは出なかったと私も考えています。冠動脈疾患発症に関しても,実際の値をBPLTTCの回帰曲線にプロットすると見事にのっかります。したがって今回の試験の結果はBPLTTCの解析結果を覆すものではなく,IHDにはACEIを投与すべきだと思います。
written by ドロッポ透析医 / 2008.05.27 11:10
ドロッポ透析医 様。

コメント有難うございます。
ACEIの利点はARBに比較して安価なこと。
欠点は周知のごとく咳嗽や咽頭違和感などの副作用のため増量が困難なこと。
一方、ARBの利点は増量が比較的容易なこと。
欠点は高薬価のため、この増量が難しいこと。
日本人に比較してACEIの認容性(コンプライアンス)のよい諸外国では、大規模臨床試験の際の用量が多くてACEIによい結果が出やすいと思います。
この辺でいつも隔靴掻痒感を感じてしまいます。
先生の考えはいかがでしょうか。
またのコメントをお待ちしています。
written by 戯れ言たれる侏儒 / 2008.05.28 08:09

<番外編・ホットニュース>
ビタミンB群心筋梗塞抑制・厚労省研究班が調査
レバーやホウレンソウなどを普段の食事で食べ、ビタミンB群(B6、B12、葉酸)を多く摂取する人はあまり摂取しない人に比べて心筋梗塞(こうそく)になるリスクが37―48%低くなるとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が27日発表した。
3種類をバランスよくとれば予防効果がさらに高まるという。
 
研究班メンバーの磯博康・大阪大学教授らは全国の男女約4万人を約11年間追跡調査した。聞き取りでビタミンB6とB12、葉酸の摂取量を推計した。
サプリメントは対象外。期間中に192人が心筋梗塞を発症した。

ビタミンB6の摂取量で五グループに分けた。最も摂取量の多いグループ(1日あたり1.6ミリグラム)は最も少ないグループ(同1.3ミリグラム)と比べ、心筋梗塞になるリスクが48%下がった。ビタミンB6は肉や魚に100グラムあたり0.4ミリグラム、野菜に同0.2ミリグラムほど含まれる。
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2008052703220h1

日経新聞・夕刊 2008.5.27
版権 日経新聞社
 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。

他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~

「井蛙内科/開業医診療録」 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
~2008.5.21

があります。

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