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< 冠動脈・虚血性心疾患・高血圧 その2(2... | メイン | ACC2008/SCAI その2(2/2... >
第57回米国心臓病学会(ACC 2008)/
米国心血管造影インターベンション学会(SCAI)での発表で「t-PA投与後のSTEMI患者にはPCI施行施設へ転送することが必要」「機能性MRに対してクリップを用いた経皮的弁修復術」「VASPガイド治療」の3つについて勉強しました。
~ t-PA投与高リスクSTEMI患者 ~
PCI施行施設へ直ちに転送し追加治療を
〔シカゴ〕経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行していない施設へ搬送され血栓溶解療法を受けた高リスクST上昇型心筋梗塞(STE MI)患者に対して,緊急にPCI施行施設へ転送し,6時間以内にPCIを追加すると,標準治療に比べて30日後の虚血イベントのリスクをほぼ半減できることがわかった。
Southlake Regional Health Centre(カナダオンタリオ州)のWarren J. Cantor部長らが,多施設ランダム化試験TRANSFER-AMIにより明らかにしたもので,第57回米国心臓病学会(ACC 2008)と合同で当地で開かれた米国心血管造影インターベンション学会(SCAI)-ACCi2で報告した。
出血増なく虚血イベントが半減
今回の解析対象は,発症12時間以内の高リスクSTEMI患者で,PCIを施行していない施設で組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)製剤tenecteplaseのボーラス投与による血栓溶解療法を受けた1,010例。
これらの対象を,ルーチンPCI群および標準治療群にランダムに割り付けた。
各群の治療方針は,ルーチンPCI群はPCI施行施設へ緊急搬送し,再灌流状況にかかわらず,6時間以内にルーチンにPCI(ステント使用)を追加。
標準治療群は60~90分後に胸痛,ST上昇消失を評価し,再灌流不成功の場合には転送してrescue PCIを施行,一方,再灌流成功例には必要に応じて24時間を超えてから待機的PCIを施行することとした。
登録には42施設が参加,PCIは11センターで実施された。
両群の手技などを標準治療群,ルーチンPCI群の順に比較すると, PCI施行は62%対84%,ステント使用はともに98%,t-PA投与後PCI施行までの時間は18時間対4時間,t-PA投与後6時間以内のPCI施行は実際の施行例中38%対89%で,GPIIb/IIIa受容体阻害薬使用は53%対73%であった。
その結果,一次評価項目の30日後の「死亡,再梗塞,虚血再発,心不全,ショック」を合わせたイベント発生率は,標準治療群の16.6%に対してルーチンPCI群では10.6%と,46.3%の有意(オッズ比0.537,95%信頼区間0.368~0.783,P=0.0013)なリスク減少を示した。
個別には,再梗塞,虚血再発の発生率が,ルーチンPCI群で有意に低かった。
心原性ショックは標準治療群2.6%,ルーチンPCI群4.5%で,両群に有意差はなかった(P=0.11)。
安全性については,頭蓋内出血は標準治療群1.2%,ルーチンPCI群0.2%で両群に有意差はなく,TIMIまたはGUSTOスケールによる出血や輸血にも有意差は認められなかった。
これらの成績から,Cantor部長は「PCIを施行できない施設で血栓溶解療法を受けた高リスクのSTEMI患者に対しては,再灌流が成功したか確認を待つことなく,血栓溶解療法後直ちにPCI施行施設へ転送すべきだ」と結論。
PCI施行施設へのSTEMI患者の迅速な転送を確実にするため,地域連携システムの構築を課題として挙げた。
クリップを用いる経皮的僧帽弁修復術が有望
機能性の僧帽弁逆流(MR)に対して,開胸手術を行わず,経皮的にクリップを装着する経皮的僧帽弁修復術が,新たな治療選択肢となる可能性が出てきた。聖ビンセント心臓センター(インディアナ州)のJames Hermiller部長の報告によると,少数での登録試験ながら,同修復術は1年後のイベント回避率向上,ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類の改善,左室リモデリングの退縮などをもたらしたという。
1年後のイベント回避率は74%
Hermiller部長らは,今回EVER EST試験の一環として,経食道心エコーによる評価で構造上弁欠損が認められない機能性MR患者を対象に,MitraClipRを用いる弁葉修復術の安全性と有効性を検討した。
対象は,
(1)18歳以上
(2)MR III~V度
(3)A2-P2接合不良に起因
(4)僧帽弁外科手術の適応
(5)経心房中隔が実行可能と思われる
(6)垂直弁尖組織2mm以上
―などの条件を満たす機能性MR患者23例。左室駆出率(LV EF)25%未満,左室収縮末期径55 mm以上,腎不全,心内膜炎,リウマチ性心疾患などは除外した。
方法は,鼠径部から経静脈的にカテーテルを挿入,右房から中隔を経て左房へ進めMitraClipRを開き,僧帽弁を通過させて左室側から,いわば"洗濯挟み"のように収縮時に弁尖を挟み込んで留めるというもの(図)。

対象の背景因子は,年齢75歳,心不全の既往87%,心臓手術の既往が43%で,LVEFは50%,左室収縮末期内径は43mmで,NYHA分類III~IV度が83%を占めた。
検討の結果,1つ以上のクリップを植え込み退院時にMR II度以下を達成した急性期手技成功(APS)率は23例中19例(83%)で,クリップを植え込んだもののMR II度超が3例(13%),クリップを植え込まずMR II度超が1例(4%)。
30日後の主要有害イベント回避率は87%であった。
長期成績を見ると,APS達成例では1年後も89%がMR II度以下を維持しており,「死亡,僧帽弁手術,MR II度超」を合わせたイベント回避率は74%であった。
APS達成後,手術を施行することなく1年後まで追跡できた12例では,
(1)9例(75%)でNYHA分類がⅠ度以上改善し,2例(17%)は不変,1例(8%)で悪化
(2)左室収縮末期径,左室拡張末期径がともに有意に低下(3)左室拡張末期容積も有意に減少
(4)LVEFは50%から48%に若干低下したが,有意差なし
―などの成績が確認された。
23例中19例(83%)では1年後も外科手術を回避でき,クリップ脱落や塞栓症は認められなかった。
以上から,同部長は「少数例での検討ではあるが,Mitra ClipRは機能性MR患者の僧帽弁逆流を軽減する弁尖接合を容易にした」と述べた。
現在,MR患者280例の登録を目指して,MitraClipRによるクリッピング術と開胸手術の有用性を比較する第II相試験EVEREST IIが進行中であるという(http://www.mitralregurgitation.org/Pages/EVEREST.html中で同修復術のイメージビデオを視聴できる)。
VASPガイド治療でクロピドグレル低反応例の予後が改善
ノルド大学病院(仏)のLaurent Bonello氏らは,vasodilator stimulated phosphoprotein(VASP)指数を用いた血小板反応性のモニタリングにより,クロピドグレル低反応例に対し初期用量を調節するVASPガイド治療と,通常治療の臨床転帰を比較。VASPガイド治療群で,30日後の主要有害心血管イベント(MACE)発生が有意に減少することを示した。
VASP50%未満を目標に追加投与
VASPのリン酸化はクロピドグレルの標的である血小板P2Y12受容体の活性化レベルに依存している。
Bonello氏らは,標準化されたフローサイトメトリーアッセイキット(Platelet VASPR,仏Stago社製)を用いて,VASPのリン酸化状況を反映するVASP指数を求め,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後のMACE発生は,VASP指数50%以上の群から生じることを報告している。
今回の検討では,急性冠症候群,安定狭心症を伴い,PCI(緊急PCIを除く)施行予定の406例に対し,全例に初期用量としてアスピリン(ASA)250mg,クロピドグレル600 mgを投与した後,VASP指数50%以上であった「低反応例」162例を対象とした。
対象を,対照群およびクロピドグレルの初期用量をVASP指数をもとに調節するVASPガイド治療群にランダムに二分し,後者にはVASP指数が50%未満に低下するまで24時間ごとにクロピドグレル600 mgを3回まで追加投与し,追跡して臨床転帰を比較した。
維持用量として,両群ともに1日ASA 160mg,クロピドグレル75mgを投与した。両群の背景因子に有意差はなかったという。
VASP指数は,ベースライン時には対照群68%,VASPガイド治療群69%で,後者ではVASP指数に基づく調節後には38%まで有意(P<0.001)に低下した。
しかし,3回のクロピドグレル追加投与後(計2,400 mg)も,14%はVASP指数50%以上の低反応にとどまった。
追跡の結果,一次評価項目の30日後の心血管死,心筋梗塞,血行再建を合わせたMACE発生は,対照群の8例(10%)に対してVASPガイド治療群では0例と有意(P=0.007)に低かった(図)。

対照群のMACEの内訳は,心血管死2例,急性・亜急性ステント血栓症4例,血行再建2例で,ステント血栓症の大半は5?7日後に生じた。
安全性については,TIMI大出血が両群で1例ずつ,TIMI小出血は対照群3例,VASPガイド治療群2例で,両群に有意差はなかった。
同氏は「治療後のVASP指数50%未満の達成は,PCI施行患者のMACEを防ぐうえで適切であるようだ」と述べた。
<コメント>
難しくて何だかよくわかりませんでした。
VASP-Pモニタリングによる治療、クロピドグレル耐性例のMACE発生率を減らす
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/acc2008/200803/505899.html
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=0&order=1&page=0&id=M41210241&year=2008
出典 Medical Tribune 2008.5.22
版権 メディカル・トリビューン社
読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/
2008.5.21~
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
~2008.5.21
があります。
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